この記事で分かること
- 試験で特に混同されやすい用語のペア・グループを一覧で整理
- 接地工事の種類・電線の色・スイッチの配線など紛らわしい知識の違い
- 似ている器具・工事方法の見分け方と覚え方
- 数値を混同しやすい法令・施工規定の正確な整理
- 用語の混同を防ぐための学習テクニック
間違いやすい用語を整理する重要性
第二種電気工事士の学科試験は選択式ですが、「ほぼ正解」と「正解」の選択肢が絶妙にデザインされており、用語の混同が失点につながります。特に以下の分野で混同が起きやすいです。
- 接地工事の種類(A種・B種・C種・D種)
- 電線の色(接地側・非接地側)
- スイッチの種類と端子番号(3路・4路)
- リングスリーブのサイズ(小・中・大)
- 工事種別と施工可能場所
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グループ1:接地工事の種類
接地工事は種類・対象・抵抗値の組み合わせが問われます。
| 種類 | 対象機器 | 接地抵抗値 | 接地線の最小太さ |
|---|---|---|---|
| A種接地工事 | 高圧・特別高圧機器の外箱 | 10Ω以下 | 2.6mm以上 |
| B種接地工事 | 変圧器低圧側の中性点 | 150/I₀Ω以下 | 2.6mm以上(計算による) |
| C種接地工事 | 300Vを超える低圧機器の外箱 | 10Ω以下(漏電遮断器あれば500Ω以下) | 1.6mm以上 |
| D種接地工事 | 300V以下の低圧機器の外箱 | 100Ω以下(漏電遮断器あれば500Ω以下) | 1.6mm以上 |
覚え方のポイント
- A種・C種は10Ω以下(数値が同じ)
- D種だけが100Ω以下(ゆるい=低圧機器は多いから)
- B種だけが計算式(変圧器の1線地絡電流で計算)
- C種・D種は「漏電遮断器があれば500Ω以下」という共通の緩和条件がある
よくある間違いパターン
× C種の抵抗値を100Ω以下と覚えてしまう(正解は10Ω以下) × D種に「漏電遮断器があれば500Ω以下」という条件を忘れる × C種とD種の電圧境界(300V)を誤る
グループ2:電線の色と極性
電線の色(接地側・非接地側)の区別は配線図問題で頻出です。
| 電線の色 | 区分 | 接続場所 |
|---|---|---|
| 白線 | 接地側電線 | コンセントのW極・照明器具の端子 |
| 黒線 | 非接地側電線 | スイッチ・コンセントの電圧側 |
| 赤線 | 電源の第3線(三相)・スイッチからの戻り線 | 3路スイッチ回路など |
| 緑線 | 接地線(アース) | 機器の外箱・接地極 |
複線図での基本ルール
- 接地側(白線)は負荷(照明など)に直接接続
- 非接地側(黒線)はスイッチを経由して負荷へ
- スイッチと照明器具の間は「黒線が来てスイッチを通り、赤または白で照明へ」
よくある間違いパターン
× スイッチに白線(接地側)を接続する(スイッチは黒線=非接地側に入れる) × コンセントのW端子に黒線を接続する(Wには白線・接地側を接続) × 接地線(緑)と接地側電線(白)を同じものと考える
グループ3:スイッチの種類と配線
スイッチの種類と端子番号の混同は配線図問題の失点原因になります。
片切スイッチ(1路スイッチ)
端子が2つ。1か所から照明を点滅させる最も基本的なスイッチです。
非接地側(黒)→ [スイッチ] → 照明器具 → 接地側(白)
3路スイッチ
端子が3つ(0番・1番・3番)。2か所から点滅操作する回路で使用します。
| 端子番号 | 接続先 |
|---|---|
| 0番 | 電源側または照明側(共通端子) |
| 1番・3番 | 2個の3路スイッチ間を交差接続 |
複線図の手順
- 2個の3路スイッチの0番端子同士を確認
- 一方の1番→他方の1番、一方の3番→他方の3番と接続(または交差)
4路スイッチ
端子が4つ(1番・2番・3番・4番)。3路スイッチ2個の間に挿入し、3か所以上からの点滅を可能にします。
よくある間違いパターン
× 3路スイッチの0番に「非接地側」ではなく「接地側」を接続 × 4路スイッチを単独で使用する(3路スイッチと組み合わせが必要) × 3路スイッチの1番・3番の接続を交差させず並列にしてしまう
グループ4:リングスリーブのサイズ
リングスリーブのサイズ選択は鑑別・配線図問題の両方で出ます。
| サイズ | 接続できる電線の組み合わせ | 圧着マーク |
|---|---|---|
| 小スリーブ | 1.6mm×2本、1.6mm×3本、1.6mm×4本、1.6mm×2本+2.0mm×1本 | ○(小) |
| 中スリーブ | 1.6mm×5〜6本、2.0mm×3〜4本、1.6mm×2本+2.0mm×2本 | 中 |
| 大スリーブ | 2.0mm×5〜6本以上 | 大 |
覚え方のポイント
- 「1.6mm×2本=小スリーブ・○マーク」が最も基本
- 差込形コネクタは圧着不要・サイズ区分なし(本数で区分)
- 圧着マーク「○」「小」「中」「大」の区別:小スリーブに「○」マーク
よくある間違いパターン
× 小スリーブの圧着マークを「小」と答える(1.6mm×2本の場合は「○」) × リングスリーブと差込形コネクタの圧着工具を同じものと考える
グループ5:電線管の種類
電線管は種類が多く、名称と特徴の混同が起きやすい分野です。
| 種類 | 材質 | 特徴 | 用途 |
|---|---|---|---|
| 厚鋼電線管(G管) | 鉄 | 強度最高 | 重量物・工場 |
| 薄鋼電線管(C管) | 鉄 | 一般的な金属管 | 屋内・屋外 |
| ねじなし電線管(E管) | 鉄 | ねじ加工不要 | 一般的な屋内 |
| 硬質ビニル電線管(VE管) | 合成樹脂 | 耐腐食・軽量 | 露出配管 |
| PF管 | 合成樹脂 | 可とう性あり(曲がる) | 隠蔽配管 |
| CD管 | 合成樹脂 | 可とう性あり(オレンジ色) | コンクリート埋設専用 |
覚え方のポイント
- PF管とCD管はどちらも可とう性があるが、CD管はコンクリート埋設専用
- 金属管は「G(厚鋼)>C(薄鋼)>E(ねじなし)」の順に強度が高い
- VE管は「硬い」のに対し、PF管・CD管は「曲がる」
よくある間違いパターン
× CD管を露出配管で使用する(CD管はコンクリート埋設専用) × PF管とCD管の色を逆に覚える(PF管:グレーまたは白、CD管:オレンジ)
グループ6:工事種別と施工可能場所
工事種別の「どこで使えるか」の混同が法令・施工方法の問題で失点につながります。
| 工事種別 | 乾燥場所 | 湿気場所・水気場所 | 備考 |
|---|---|---|---|
| がいし引き工事 | ○ | △(展開した場所のみ) | 電線を直接支持 |
| 合成樹脂管工事 | ○ | ○ | PF管・CD管・VE管 |
| 金属管工事 | ○ | ○(防湿処理) | 機械的保護に優れる |
| ケーブル工事 | ○ | ○ | 最も汎用性が高い |
| 金属ダクト工事 | ○ | × | 乾燥した露出場所のみ |
| ライティングダクト工事 | ○ | × | 照明器具の移動に対応 |
よくある間違いパターン
× 金属ダクト工事を湿気場所で使用できると答える × がいし引き工事を隠蔽場所で使えると思う(展開=露出した場所が条件)
グループ7:電気工事士法の用語
法令の問題で混同しやすい用語を整理します。
| 用語 | 正確な意味 |
|---|---|
| 一般用電気工作物 | 600V以下の電力を使用する住宅・小規模商店の電気設備 |
| 自家用電気工作物 | 最大電力500kW未満の工場・ビルの電気設備(高圧受電) |
| 軽微な工事 | 電気工事士でなくても行える作業(電球交換・コードの接続など) |
| 軽微な作業 | 軽微な工事と混同されやすいが、電気工事士法では「軽微な工事」が正式用語 |
| 免状の交付 | 都道府県知事が行う |
| 免状の再交付 | 交付を受けた都道府県知事に申請 |
よくある間違いパターン
× 第二種電気工事士が自家用電気工作物の工事ができると答える(高圧受電設備には第一種が必要) × 免状の再交付を「経済産業大臣」に申請すると答える(都道府県知事が正解) × 「電球交換は電気工事士の資格が必要」と誤解する(軽微な工事のため不要)
まとめ:用語混同を防ぐための学習テクニック
- 対比で覚える:C種とD種、単線図と複線図など、混同しやすいペアは「違い」を軸に整理する
- 数値は一覧表にまとめる:接地抵抗値・電線太さ・支持間隔などは表にして繰り返し確認
- 正しい選択肢と間違い選択肢を両方暗記:なぜそれが間違いなのかを理解すると記憶が定着しやすい
- 実物または写真で確認:電線管・リングスリーブなどは実物の写真を見ながら覚えると区別しやすい