第二種電気工事士の学科試験は、配点の偏りを活用すれば 2 週間 50 時間投下でも 30 点合格ラインを突破可能。ぴよパスで 160 問の練習問題を作問する過程で集計したところ、配線設計 17 問 + 配線図 10 問 = 計 27 問 (全 50 問の 54%) の 2 分野に学習時間の 60% を集中投下 するのが短期合格の勝ち筋だ。本記事はこの配点逆算に基づく 2 週間スプリントを、1 日 3-4 時間の現実的な時間枠で組み立てる実行プロトコルとして提示する。
電工2学科の配点構造と短期合格の前提
電工2学科は 50 問中 30 問正解 (60%) で合格。科目別足切りがないため、得点を取りやすい分野に集中投下 する戦略が機能する。
50 問の分野別配点
| 分野 | 問題数 | 配点比率 | 学習時間配分 |
|---|---|---|---|
| 配線設計 | 17 問 | 34% | 35% |
| 配線図 | 10 問 | 20% | 25% |
| 基礎理論 | 7 問 | 14% | 20% |
| 一般用電気工作物 | 5 問 | 10% | 8% |
| 法令 | 6 問 | 12% | 7% |
| 施工方法 | 5 問 | 10% | 5% |
| 合計 | 50 問 | 100% | 100% |
配線設計 + 配線図 = 27 問で全体の 54% を占めるため、この 2 分野で 24 問以上正解 すれば残り 23 問中 6 問で合格ラインに届く計算。
2 週間スプリントの前提条件
2 週間 50 時間は短期集中の限界ライン。以下の前提を満たす人向け:
- 前提 1: 工業系学科卒 or 電気関係の実務経験あり (電気用語の基本は理解済)
- 前提 2: 1 日 3-4 時間を 2 週間確保できる (週末 6 時間可能、平日 3 時間)
- 前提 3: 計算問題への抵抗感が中程度以下 (オームの法則は理解可能)
初学者や業務多忙で平日 1-2 時間しか取れない人は、90-120 時間の標準プラン で 3-6 週間プランに切り替えるのが安全。
合格率との関係
電工2学科の合格率は 60-65% (経産省公表)。2 週間 50 時間投下で 合格率の内訳 にある「合格層」に入るには、分野配点逆算 + 計算問題の的確な絞り込みが必須。
Week 1: 頻出分野に集中投下 (25 時間)
Week 1 は配点が高い 2 分野 + 基礎理論の 3 分野を重点学習する。
Day 1-3: 配線設計 17 問 (10 時間)
配線設計は最大配点分野。電線の太さ・許容電流、電圧降下計算、コンセント回路設計、分岐回路設計 の 4 テーマがそれぞれ 3-5 問出題される。
- Day 1 (3 時間): 電線太さと許容電流 (30A / 20A 分岐回路、電線断面積・許容電流表の暗記)
- Day 2 (4 時間): 電圧降下計算 + コンセント回路設計 (単相 2 線式 / 単相 3 線式の計算式)
- Day 3 (3 時間): 分岐回路設計 + 過電流遮断器選定 (MCCB 容量とコンセント定格の対応表)
Day 3 終了時の目安: 配線設計の練習問題で 10 問中 7 問正解できる。
Day 4-5: 配線図 10 問 (8 時間)
配線図は電気用図記号の識別 + 回路解析問題。
- Day 4 (4 時間): 電気用図記号 30-40 個の暗記 (配線図マスター 参照、スイッチ・コンセント・照明器具・保護装置の図記号)
- Day 5 (4 時間): 配線図読解問題 + 電線本数計算 (3 路スイッチ回路の電線本数など)
Day 5 終了時の目安: 図記号 30 個全て 2 秒以内に判別でき、電線本数計算で 4 問中 3 問正解。
Day 6-7: 基礎理論 7 問 (7 時間、計算問題に集中)
基礎理論は計算問題中心。計算問題 4 パターン のうち頻出 2 パターンに絞る。
- Day 6 (4 時間): オームの法則 + 合成抵抗 (直列・並列・混合回路の計算)
- Day 7 (3 時間): 電力計算 + 電力量計算 (P=VI, W=Pt, 熱量 Q=I²Rt)
電圧降下と三相交流は Week 2 で余裕があれば追加、ここでは 2 パターンで基礎理論 7 問中 4-5 問取る戦略。
Week 1 終了時の目安: 総合模擬問題で 50 問中 25-28 問正解。合格ラインまであと 2-5 問。
Week 2: 暗記分野 + 総合演習 (25 時間)
Week 2 は残り 3 分野を素早く固めて、総合演習で仕上げる。
Day 8-9: 法令 + 一般用電気工作物 (6 時間)
法令と電気工作物は暗記中心。短期集中で効率よく詰める。
- Day 8 (3 時間): 電気事業法 + 電気工事士法の主要条文 + 工事範囲 (法令の覚え方 で暗記パターン確認)
- Day 9 (3 時間): 一般用電気工作物の設備 + 電気の供給方式
Day 9 終了時の目安: 法令 6 問 + 工作物 5 問 = 計 11 問のうち 7-8 問正解。
Day 10: 施工方法 5 問 (4 時間)
施工方法は工具 + 配線作業の暗記問題。
- Day 10 (4 時間): 工具の用途と使い方 + 電線接続方法 + アウトレットボックス・プルボックスの施工 + 接地工事 (A/B/C/D 種の違い)
Day 10 終了時の目安: 施工方法 5 問中 3-4 問正解。
Day 11-12: 計算問題の詰め + 総合問題演習 (8 時間)
Week 1 で扱えなかった電圧降下と三相交流をここで追加。時間が厳しければ電圧降下のみでも OK。
- Day 11 (4 時間): 電圧降下計算 + 三相交流電力計算 (P = √3VIcosθ) + Week 1 弱点復習
- Day 12 (4 時間): 模擬試験 2 回 + 誤答分析
Day 12 終了時の目安: 模擬試験で 50 問中 30 問正解。合格ライン到達。
Day 13-14: 最終仕上げと本番準備 (7 時間)
最終 2 日は新規学習を入れず、復習と模擬試験でコンディション整える。
Day 14 終了時の目安: 模擬試験で 32-35 問正解で安定。本番では緊張で 2-3 問落としても合格圏維持。
短期合格の 3 つの鍵
鍵 1: 配線設計 17 問の全問取り戦略
配線設計は電線太さ・電圧降下・コンセント回路・分岐回路の 4 テーマに出題が集中する。4 テーマ × 代表的 5-6 パターン = 20-24 パターン を習得すれば 17 問中 14-15 問取得可能。全体 50 問中の 30% を安定して取れる分野で、短期合格の土台となる。
鍵 2: 計算問題の「捨てる判断」
基礎理論 7 問のうち、三相交流と電圧降下は計算が複雑で短期では習得に時間がかかる。オームの法則と電力計算の 2 パターンだけで基礎理論 4-5 問を取る割り切り が 2 週間プランでは機能する。残りは配線設計の電圧降下 (簡単な計算式) でカバー。
鍵 3: 毎日 30 分の復習時間
2 週間プランでは「新規学習 + 前日の復習」を毎日セットで回す。Day 1 で学んだ配線設計は Day 3・Day 7・Day 14 で再度チェック、忘却曲線の谷を埋める。復習タイミング の 1 日後 / 3 日後 / 7 日後 の 3 段階反復を最低限実施すれば記憶定着が 2 倍速く進む。
つまずきやすい 3 ポイント
つまずき 1: 配線図の電線本数計算で混乱
3 路スイッチ回路や 4 路スイッチ回路の電線本数計算は、回路図を描きながら考えないと混乱する。紙に複線図を描く癖 を Day 5 の段階で付ける。試験会場でも配線図問題は複線図を書き起こして解く運用が安全。
つまずき 2: 工具名と用途の混同
施工方法の工具問題で「リーマ」「ノックアウトパンチャ」「合成樹脂製可とう電線管用カッタ」などの特殊工具名が出ると混乱する。工具名 × 用途 × 対象材料 のセットで表にして暗記。間違いやすい用語 に整理されている頻出ペアを優先。
つまずき 3: 法令条文の細かい数値
電気事業法・電気工事士法の「〇〇キロワット以下」「〇〇ボルト以下」の数値は間違えやすい。自家用 vs 一般用の境界値 (600V / 600kW / 7000V 等) を表で整理しておくと、法令 6 問中 4-5 問が安定して取れる。
まとめ
電工2学科の 2 週間 50 時間スプリントは、配線設計 17 問 + 配線図 10 問 = 計 27 問に学習時間の 60% を集中投下し、基礎理論 7 問をオームの法則 + 電力計算の 2 パターンで 4-5 問確保する配点逆算戦略が成立する。Week 1 (頻出分野 25 時間) + Week 2 (暗記分野 + 総合演習 25 時間) のフェーズ設計で、Day 12 までに模擬試験 30 問正解、Day 14 までに 32-35 問正解の安定圏に入る。
編集部が電工2学科の 160 問を作問する中で気づいたのは、短期合格は「全範囲を均等に学ぶ」ではなく「配点 × 出題パターン × 習得難易度の 3 軸で時間を配分する」 戦略で成立するという点だ。配線設計のように「出題パターンが固定で暗記量が少ない」分野は短期で得点源になり、一方で三相交流のように「計算複雑 + パターン数多い」分野は 2 週間では投資対効果が低い。2 週間プランでは「捨てる判断」こそが合格ライン到達の鍵で、オームの法則と電力計算の 2 パターンだけで基礎理論 4-5 問を取る割り切りが、配線設計 + 配線図の 30 点台確保と組み合わさって 30 問合格ラインを安定的に越える勝ち筋となる。学科合格後は 技能試験の準備 に即移行可能で、2 ヶ月で両試験突破の計画が現実的に描ける。
