結論: CBT対策は「パソコンが得意か」より「戻り方」を先に決めること
第二種電気工事士の学科試験は、令和5年度からCBT方式が導入されています。2026年度はCBT方式と筆記方式の併用、2027年度以降は原則CBT方式へ移行予定です。つまり2026年は「突然CBTが始まる年」ではなく、CBTが標準になる前に、まだ筆記も選べる年です。
CBTで点を落としやすいのは、パソコン操作そのものよりも、迷った問題を後でどう戻るか、配線図と計算をどこまでメモに逃がすか、残り時間をいつ確認するかを決めていない状態です。
先に結論を置くと、次の4つを本番前に固定してください。
| 決めること | 本番で迷わないための基準 |
|---|---|
| 最初の1周 | 90分以内に50問を一度通す |
| 保留する問題 | 30秒止まったら残して次へ進む |
| メモに書くもの | 計算式、配線図の候補、消した選択肢だけ |
| 最後の見直し | 未解答、計算、配線図の順に見る |
第二種電気工事士の160問演習で、CBT前の解く速度を確認する
2026年は「CBT初年度」ではなく、併用期の最終盤として見る
公式情報で押さえるべき点は、次の表に集約できます。
| 項目 | 公式情報ベースの確認 | 受験者への影響 |
|---|---|---|
| CBT導入時期 | 令和5年度から、筆記方式に加えてCBT方式を導入 | 2026年に初めて出てきた方式ではない |
| 2026年度 | 第二種は上期・下期ともCBT方式と筆記方式を併用 | 方式を選べる最後の移行期として考える |
| 2027年度以降 | 原則CBT方式へ移行予定 | 2026年に筆記を選ぶ人も、CBT操作には慣れておく |
| 試験時間 | 120分 | 1問あたり平均2分24秒。ただし見直し時間を残す |
| 出題数 | 50問、一般問題30問程度、配線図問題20問程度 | 範囲は方式別に分けず、同じ学科対策でよい |
| 解答方式 | 四肢択一 | 知らない選択肢を消す練習がそのまま効く |
| CBTの会場 | 予約した会場でコンピューター上で解答 | 申込み後に会場・日時予約を自分で完了する必要がある |
特に大きいのは日程です。令和8年度の第二種電気工事士では、上期はCBT方式が2026年4月23日から、筆記方式が2026年5月24日。下期はCBT方式が2026年9月24日から、筆記方式が2026年10月25日です。どちらも、CBTの早い枠を取れれば筆記方式より約1か月早く学科を受けられます。

これは単なる「会場が選びやすい」利点ではありません。早めに学科の正答数を確認できれば、技能試験の候補問題練習に早く移れます。第二種電気工事士は、学科よりも技能で手が止まる人も多い試験なので、技能準備の期間を伸ばせることはかなり実務的なメリットです。
一方で、CBTは問題・解答が非公開です。筆記方式のように公開解答で自己採点するのではなく、試験終了後に正答数を確認する形になります。受験後に「どの問題がどうだったか」を細かく復元するより、正答数を見てすぐ技能練習へ切り替える前提で動きましょう。

本番画面で起きること: 読む、選ぶ、残す、確認する
上の図は公式画面の転載ではなく、CBT本番中の判断順を整理した模式図です。実際の画面仕様は、必ず公式のCBT体験版で確認してください。
CBT本番でやることは複雑ではありません。指定会場のPCで問題を読み、選択肢を選び、次の問題へ進み、終了前に未解答や自分が残した問題を確認します。公式の移行案内でも、CBT方式には解答漏れや二重解答を防ぐ機能があること、試験開始後は自分のタイミングで終了・退出できることが案内されています。
ただし、機能があることと、試験中に落ち着いて使えることは別です。公式のCBT体験版はPCでの利用が推奨されており、小画面では使いにくい画面があると案内されています。本番前にスマホで眺めるだけではなく、できればPCで一度触ってください。
公式体験版で見るべき5点
| 確認すること | 見るポイント |
|---|---|
| 問題移動 | 次へ進む、前に戻る、一覧に戻る操作で迷わないか |
| 選択肢 | クリック後に選択状態が分かるか |
| 未解答確認 | 終了前に未解答を見つけられるか |
| 配線図の表示 | 図の見え方、スクロールや表示位置の感覚を確認する |
| 終了操作 | 最後に何を確認してから終了するかを決める |
ここで重要なのは、体験版を「操作確認」で終わらせないことです。迷った問題をどう残すか、配線図問題を何分まで粘るか、最後に計算問題だけ見直すかまで決めておくと、本番で手が止まりにくくなります。
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CBTと筆記、2026年に選べる人は「技能試験までの時間」で決める
2026年度にCBTと筆記を選べるなら、好みだけで決めるより、技能試験までの時間で考える方が現実的です。
| 判断材料 | CBT方式が向く人 | 筆記方式が向く人 |
|---|---|---|
| 技能試験までの準備期間 | 早い枠で学科を終え、技能練習へ移りたい | 学科後の期間が短くても技能準備の見通しがある |
| 読み方 | 画面で問題を読み、必要情報だけメモに逃がせる | 問題用紙に線や印を付けながら読む方が安定する |
| 会場・日時 | 予約枠から自分で選びたい | 全国一斉の日程で受ける方が予定を組みやすい |
| 結果確認 | 終了後の正答数を見て次へ動きたい | 公開解答で自己採点する流れに慣れている |
| 不安の種類 | 操作不安はあるが、体験版で潰せそう | 操作不安が強く、当日の集中を削りそう |
CBTの利点は、早い枠を取れた時に大きくなります。早期枠を選ぶなら、会場予約期間に入ったら後回しにしないでください。公式受験案内でも、CBT会場の予約は予約期間中にマイページから完了する必要があり、予約が完了できなかった場合は受験できないと案内されています。
逆に、紙に直接印を付ける方が明らかに読解が安定する人、配線図を紙面上で追う感覚に強く依存している人は、2026年度のうちは筆記方式を選ぶ判断もありです。ただし2027年度以降を見据えるなら、筆記を選んだ場合でも公式体験版だけは触っておきましょう。
7日前からは、問題を増やすより「戻る条件」を固定する
CBT直前期に新しい教材を増やすと、操作不安と知識不安が混ざります。最後の7日間は、知識の穴埋めよりも「本番で迷わない型」を作る期間にしてください。
| 時期 | やること | 合格点に近づく理由 |
|---|---|---|
| 7日前 | 50問を画面で一度通し、何分で1周できるか測る | 残り時間の感覚ができる |
| 5日前 | 計算問題だけを画面で解き、式をメモに残す練習をする | 暗算頼みのミスを減らせる |
| 3日前 | 配線図問題だけを20問程度、画面で読む | 図記号・器具・電線本数を見る順番が固まる |
| 前日 | 公式体験版で操作だけ確認し、早く寝る | 本番で操作に脳の容量を使わない |
見直しのルールは、次のように単純で構いません。
- 30秒止まった問題は残して次へ進む
- 計算で2分を超えたら残す
- 配線図は、器具名と電線本数を見てから選択肢を見る
- 最後の見直しは、未解答、計算、配線図の順にする
この順番なら、見直し時間が10分しか残らなくても優先順位が崩れません。試験時間120分を全部「解く時間」に使うのではなく、最後の10〜15分を確認に残す設計で練習してください。
配線図と計算は、画面だけで抱え込まない
CBT方式では、筆記用具として黒ボールペンとメモ用紙が試験会場で貸し出されます。持参した筆記用具や時計等は使用できないため、普段から「手元の紙に何を残すか」を絞って練習しておくのが安全です。
画面で見える情報と、メモに切り出す情報は分けましょう。
| 問題タイプ | 画面で見るもの | メモに残すもの |
|---|---|---|
| 配線図 | 図記号、器具の位置、設置条件 | 迷った器具名、電線本数、消した選択肢 |
| 複線図に近い問題 | 問題文の条件、候補の違い | 全体図ではなく、分岐点や接続候補だけ |
| 計算問題 | 条件文、単位、選択肢の桁 | 公式、代入値、途中式 |
| 法令・知識問題 | キーワード、否定表現 | 迷った2択だけ |
配線図でやってはいけないのは、全体をきれいに描き直そうとすることです。CBT本番のメモ用紙は「作品」ではなく「判断を軽くする道具」です。候補を2つまで絞る、消した選択肢を残す、電線本数だけ小さく書く。このくらいに留めた方が、時間を守れます。
計算問題も同じです。式の意味を思い出すための途中式は残しますが、すべてを丁寧に清書する必要はありません。自分が後で見直した時に、どこで代入したか分かる程度で十分です。
よくある失敗は「知らない」より「本番中の判断が遅い」こと
CBT対策で避けたい失敗は、知識不足だけではありません。本番中の判断が遅れると、知っている問題まで落とします。
失敗1: 体験版を触らず、本番で初めて画面を見る
公式体験版は、操作を覚えるためだけでなく、「自分がどこで焦るか」を先に見るために使います。問題移動、未解答確認、終了操作で一度でも迷ったなら、その操作を前日にもう一度確認してください。
失敗2: 配線図を最後まで後回しにする
配線図問題は20問程度あります。苦手だからといって最後にまとめて回すと、残り時間が足りず、読めば取れる問題まで雑になります。1周目で配線図にも触れ、難しいものだけを後回しにしましょう。
失敗3: 正答数を見てから技能準備を始めるのが遅い
CBTでは試験終了後に正答数を確認できます。60点ラインに届いている見込みなら、その日か翌日から技能試験の候補問題に入るくらいでちょうどいいです。学科の細かい振り返りに長く留まるより、工具・複線図・欠陥判断へ早く切り替えましょう。
失敗4: メモ用紙に書きすぎる
メモは安心材料ですが、書きすぎると時間を失います。配線図は全部を描くのではなく、判断に必要な部分だけ。計算は式と代入値だけ。迷った選択肢は2つまで。これを守ると、メモが武器になります。
最後のチェックリスト: CBT本番前にここだけ確認する
CBT前日は、次の項目だけ見れば十分です。
- 2026年度はCBT・筆記併用、2027年度以降は原則CBT化予定と理解した
- 公式体験版をPCで開き、問題移動と終了操作を確認した
- CBTの早い枠を選ぶ場合、技能試験の準備開始日まで決めた
- 50問を90分以内に1周し、10〜15分を見直しに残す練習をした
- 配線図20問程度を、画面で読む練習をした
- 計算式と配線図の候補を、メモ用紙に短く残す練習をした
- 本番で持参筆記具や時計等を使えないことを確認した
- CBTの問題・解答は非公開なので、正答数を見たら技能練習へ切り替えると決めた
CBT対策は、特別な裏技ではありません。紙でできていた「印を付ける」「式を書く」「戻る問題を残す」を、画面とメモ用紙に分解し直す作業です。ここを先に決めておけば、当日は知識そのものに集中できます。
出典:
- 一般財団法人 電気技術者試験センター「第二種電気工事士の学科試験のポイント」
- 一般財団法人 電気技術者試験センター「CBT方式についてご不安がある方、予習したい方へ」
- 一般財団法人 電気技術者試験センター「電気工事士学科試験(一種、二種)のCBT方式への移行について(令和9年度〜)」
- 一般財団法人 電気技術者試験センター「令和8年度電気工事士試験の実施日程等のご案内」
- 一般財団法人 電気技術者試験センター「令和8年度第二種電気工事士上期試験 受験案内」
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