結論:合格率は近年30%台、ただし数字の読み方に注意
エネルギー管理士の合格率は、近年おおむね30%台で推移しています。直近4年度を並べると、令和4年度33.9% → 令和5年度37.8% → 令和6年度36.8% → 令和7年度33.5%。電験三種の最終合格率(15〜20%前後)と比べると数字は高めです。
ただし、この30%台を「やさしい」と読むのは早計です。理由は後で詳しく説明しますが、合格率には課目合格制度を使った継続受験者が含まれており、「初めて受けて一度に4課目そろえる」難しさとは別物だからです。
| 年度 | 合格率 |
|---|---|
| 令和4年度(2022) | 33.9% |
| 令和5年度(2023) | 37.8% |
| 令和6年度(2024) | 36.8% |
| 令和7年度(2025) | 33.5% |
押さえるべきポイントは次の3点です。
- 合格率は30%台で安定。電験三種より数字は高いが、試験の性格が違うため単純比較はできない
- 30%台は課目合格制度の影響を含む数字。4課目を一度にそろえる難しさは別に見るべき
- 難易度を左右するのは4課目・計算量・年1回・免状の実務要件。計画と素地で攻略可能性は変わる
以下では、合格率の推移、30%台をどう読むか、電験三種との比較、難易度の構造を整理します。試験そのものの概要や取る価値は、別記事でまとめています。
エネルギー管理士の合格率の推移
まず、数字を正確に押さえましょう。エネルギー管理士の合格率は、近年30%台で安定して推移しています。
- 令和4年度(2022):33.9%
- 令和5年度(2023):37.8%
- 令和6年度(2024):36.8%
- 令和7年度(2025):33.5%
年度によって数ポイントの変動はありますが、おおむね33〜38%の範囲に収まっています。電気・機械系の国家資格の中では、極端に低くも高くもない、「対策すれば十分に手が届くが、油断すると落ちる」水準だと言えます。
ここで一つ注意が必要です。エネルギー管理士には課目合格制度があり、合格率には前年までに一部の課目を取り終え、残りの課目だけを受けにきた継続受験者が含まれます。つまり、この30%台は「まっさらな状態から一度に4課目を受けて合格した人の割合」ではありません。次の節で、この数字の読み方を掘り下げます。
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30%台でも「やさしい」とは言えない理由
合格率30%台という数字を見て「思ったより高い、いけそう」と感じる人は多いはずです。しかし、その印象だけで油断すると痛い目を見ます。理由は3つあります。
1. 課目合格制度の影響で数字が高めに出る
エネルギー管理士は、合格した課目を持ち越せる制度があります。そのため、「今年は残り1課目だけ」という継続受験者が一定数います。こうした人は合格しやすいため、全体の合格率を押し上げます。初受験で4課目を一度に仕上げる難しさは、合格率の数字より高いと考えておくべきです。
2. 専門課目に計算問題が多い
専門区分(課目Ⅱ〜Ⅳ)には計算問題が多く含まれます。特に電気分野の電力応用(課目Ⅳ)や、熱分野の燃料と燃焼(課目Ⅲ)は、公式の暗記だけでは太刀打ちできず、解法を手で再現できるレベルまで練習が必要です。ここで時間を使い切ってしまう人が少なくありません。
3. 年1回しかなく、挑戦の機会が限られる
エネルギー管理士は年1回の試験です。電験三種のように年2回ある試験と違い、1回の失敗を取り返すのに約1年かかります。この「やり直しの重さ」が、心理的にも計画的にも難易度を上げています。
要するに、合格率30%台は「複数年かけて課目を積み上げれば届きやすい」ことを示す数字であって、「短期間で楽に受かる」ことを示す数字ではないのです。
電験三種と比べてどうか
電気系の資格を調べていると、エネルギー管理士と電験三種の難易度比較が気になるはずです。合格率だけを並べると、こうなります。
| 試験 | 合格率の目安 | 試験回数 | 制度 |
|---|---|---|---|
| エネルギー管理士 | 近年30%台 | 年1回 | 課目合格(概ね3年) |
| 電験三種 | 最終合格で15〜20%前後 | 年2回 | 科目合格(一定期間) |
数字だけ見ると「エネルギー管理士の方がやさしい」と見えます。しかし、これは試験の性格の違いを無視した比較です。
- どちらも複数の科目・課目を数年かけて積み上げる制度で、出題範囲が広い
- 電験三種は年2回に増えた分、挑戦機会が多い。エネルギー管理士は年1回
- 受験者層も違う(エネ管は実務者・電験保有者の比率が高め)
そして実務上の大きなポイントが、電気分野なら範囲が重なることです。エネルギー管理士の電気分野は、課目Ⅱ(電気の基礎)が電験三種の理論に、課目Ⅲ(電気設備及び機器)が電験三種の機械・電力に対応します。電験三種の知識がある人にとって、エネルギー管理士の電気分野は取り組みやすいのです。
結局のところ、「どちらが難しいか」より「どちらが自分の目的に合うか」で選ぶのが本筋です。電気の保安なら電験三種、工場の省エネならエネルギー管理士。両方取れば工場・プラント系で強い、という関係です。
難易度を左右する要素と対策の方向
最後に、エネルギー管理士の難易度を構成する要素を整理し、攻略の方向を示します。難しさの正体がわかれば、対策は立てられます。
- 4課目をそろえる必要がある:→ 課目合格制度を前提に、取りやすい課目から確実に。1年で全部を狙わない
- 計算問題の比重が大きい:→ 電力応用・燃焼計算など計算課目は早めに着手し、過去問で解法を反復する
- 年1回しかない:→ 申込を逃さない。受験の可能性があるなら、まず申し込んでおく
- 免状交付に実務1年以上:→ 試験合格と免状取得は別。学生・未経験でも試験は受けられる
そして、難易度を下げる最大の要素が、すでに触れた「電験三種の知識の流用」です。電気分野で受けるなら、電験三種で作った計算力と用語の土台がそのまま効きます。だからこそ、電験三種を持っている人・目指している人にとって、エネルギー管理士は「次の一手」として相性が良いのです。
具体的な勉強時間の目安と課目別の勉強法は、専用記事で整理しています。
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ぴよきちメモ
エネルギー管理士の合格率「30%台」って、電験三種の「15〜20%」と並べると、なんだか優しく見えますよね。でも、ここにワナがあります。
この30%台には、「去年までに3課目取って、今年は残り1課目だけ」みたいな人がたくさん混ざってる。つまり、ラスボスだけ残した状態でセーブして再挑戦してる人も込みの数字なんです。だから、まっさらな状態から一気に4課目クリアする難しさは、数字よりずっと高い。
でも、これは裏を返せばチャンスでもあります。最初から「課目合格制度を使って数年で攻略する」と決めてしまえば、毎年ラスボスを1体ずつ倒していけばいい。一気に全部倒そうとするから難しく感じるだけで、分割すれば現実的になる。
そして電気をやってきた人には、もう一つ追い風が。電気分野は電験三種と範囲がかぶるので、電験の貯金がそのまま使えます。合格率の数字に一喜一憂するより、「自分の素地」と「何年計画で行くか」を先に決める。それが、この試験のいちばん賢い向き合い方だと思いますよ。
出典・参考








































































































