この記事で分かること
- 学科試験の各分野の出題数・配点と優先順位
- 配線図(20問)の具体的な学習ステップと攻略のポイント
- 電気理論・計算問題の最小限の習得ポイント
- 器具鑑別・法令・施工方法の効率的な暗記法
- 各科目の目標正答率と合格から逆算した学習配分
出題分野と配点の全体像
まず全体の出題構成を把握します。
| 出題分野 | 出題数 | 全体割合 | 目標正答率 |
|---|---|---|---|
| 配線図 | 20問 | 40% | 75%以上(15問) |
| 電気基礎理論 | 約8問 | 16% | 50〜60%(4〜5問) |
| 配電理論・配線設計 | 約4問 | 8% | 50〜60%(2〜3問) |
| 配線器具・電気機器 | 約8問 | 16% | 70%以上(5〜6問) |
| 施工方法 | 約6問 | 12% | 65%以上(4問) |
| 法令 | 約4問 | 8% | 75%以上(3問) |
合格ラインは50問中30問(60%)。配線図で15問・器具関連で5〜6問・法令で3問の合計23〜24問を確保し、残り6〜7問を他の分野で補う戦略が安定しています。
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科目1:配線図(20問・最優先)
配線図が最重要な理由
配線図は全体の40%を占め、しかも「配線図の問題は型が決まっている」という特徴があります。出題パターンが限られているため、繰り返し練習することで確実に得点できる科目です。
学習の3ステップ
ステップ1:電気図面記号の完全暗記(1〜2週目)
まず単線図で使われる記号を全て覚えます。
| 器具 | 記号 | 補足 |
|---|---|---|
| 白熱灯(引掛シーリング) | ○ | 四角は角形 |
| 埋込コンセント(1口) | ⊥ | 2口は ⊥⊥ |
| 片切スイッチ | S | 3路は₃S |
| 配線用遮断器 | B | ブレーカー |
| 漏電遮断器 | BE | 過負荷保護付 |
| 接地極付コンセント | ⊥の下に丸 | アース付き |
ステップ2:複線図を描く力をつける(2〜3週目)
複線図は以下の手順で描きます。
- 接地側電線(白)を全ての負荷へ引く
- 非接地側電線(黒)をスイッチへ引く
- スイッチから対応する負荷への配線を引く
- ジョイントボックス内の結線を確認する
3路スイッチは「0番端子同士を結び、1番・3番端子を交差させる」という手順を暗記。4路スイッチは「3路スイッチの間に入れる」という構造を理解すれば描けます。
ステップ3:問題パターンの対策(3〜4週目)
配線図問題は以下のパターンで出題されます。
| 問題パターン | 解答のポイント |
|---|---|
| 使用する電線管の種類 | 施工場所(露出・隠蔽)と工事種別で判断 |
| リングスリーブの圧着マーク | 接続する電線の本数・太さで決定 |
| 差込形コネクタの使用本数 | 複線図を描いて数を数える |
| スイッチと照明の対応関係 | 単線図のスイッチ番号と照明の対応を確認 |
| 接地工事の種類 | 機器の電圧と種別で判断 |
科目2:電気基礎理論・配電理論(約12問)
計算問題の学習戦略
電気理論は計算が必要な科目で、苦手な方が多い分野です。ただし、全12問中6〜8問は基礎的なパターンで解けるため、以下の最低限の項目だけ押さえることを推奨します。
必須の計算パターン(優先度高)
1. オームの法則と回路計算
V = I × R
直列回路:合成抵抗 R = R₁ + R₂
並列回路:合成抵抗 1/R = 1/R₁ + 1/R₂
2. 電力と電力量
P(電力)= V × I = I² × R = V²/R
W(電力量)= P × t(時間)
3. 単相交流回路
インピーダンス Z = √(R² + X²)
力率 cos θ = R/Z
有効電力 P = V × I × cosθ
4. 三相交流の基礎
線間電圧と相電圧の関係(Y結線):V線間 = √3 × V相
三相電力:P = √3 × V線間 × I × cosθ
計算問題で点を取るコツ
- 単位をそろえてから計算(kWをWに変換するなど)
- 選択肢の数値を見てから計算すると「どれくらいの大きさの答えか」が見当つく
- 電流・電圧・抵抗のうち2つが分かれば残り1つを求める練習を繰り返す
科目3:配線器具・電気機器(約8問)
出題される主な器具と機器
配線器具・電気機器の問題は、器具の名称・用途・規格・取り付け方法を問われます。
配線器具(スイッチ・コンセント類)
| 器具 | 問われる内容 |
|---|---|
| 片切スイッチ | 適切な定格電流・電圧 |
| 3路スイッチ | 接続方法・端子番号 |
| 接地極付コンセント | 接地線の接続方法 |
| ランプレセプタクル | 電線の接続方向 |
| 引掛シーリング | 施工の注意点 |
電気機器(モーター・変圧器類)
| 機器 | 問われる内容 |
|---|---|
| 単相誘導電動機 | コンデンサの役割 |
| 三相誘導電動機 | 始動方法・回転数の変え方 |
| 変圧器 | 変圧比・電流と電圧の関係 |
| 蛍光灯 | 安定器の役割 |
| 漏電遮断器 | 動作原理・設置目的 |
効率的な覚え方
配線器具・電気機器は「写真や図と合わせて覚える」ことが重要です。器具の形状から用途を推測できるようになると、初見の問題でも対応できます。
科目4:施工方法(約6問)
工事種別と施工条件の一覧
施工方法は「どの工事がどの場所で使えるか」を整理して覚えます。
| 工事種別 | 施工可能な場所 | 特徴 |
|---|---|---|
| がいし引き工事 | 乾燥した露出場所 | 電線を直接支持 |
| 金属管工事 | 屋内・屋外 | 機械的保護が高い |
| 合成樹脂管工事 | 屋内・屋外 | 軽量・耐腐食 |
| ケーブル工事 | 屋内・屋外・湿気場所 | 最も汎用性が高い |
| 金属ダクト工事 | 乾燥した露出場所 | 多数の電線を収容 |
| バスダクト工事 | 工場などの大電流 | 大容量対応 |
施工方法で問われる数値
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| ケーブルの支持間隔(造営材に沿う) | 2m以下 |
| 金属管の支持間隔 | 2m以下 |
| PF管のねじり曲げ半径 | 管の内径の6倍以上 |
| 低圧屋内配線のコンセント最小高さ(浴室等以外) | 規定なし(ただし水気注意) |
科目5:法令(約4問)
電気工事士法の重要規定
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 第二種電気工事士の作業範囲 | 一般用電気工作物(600V以下の住宅・小規模商店) |
| 免状の交付 | 都道府県知事 |
| 免状の再交付申請先 | 免状を交付した都道府県知事 |
| 軽微な工事 | 免状なしで可能(電球・ヒューズ交換など) |
電気設備技術基準の重要数値
| 接地工事の種類 | 対象 | 抵抗値 |
|---|---|---|
| A種接地工事 | 高圧機器の外箱 | 10Ω以下 |
| B種接地工事 | 変圧器の低圧側 | 150/I₀Ω以下 |
| C種接地工事 | 300V超の機器 | 10Ω以下(漏電遮断器があれば500Ω以下) |
| D種接地工事 | 300V以下の機器 | 100Ω以下(漏電遮断器があれば500Ω以下) |
法令の効率的な暗記法
- 「A種・B種・C種・D種」を用途と抵抗値とセットで覚える
- 電気工事士法の「軽微な工事」一覧は丸暗記する
- 低圧・高圧・特別高圧の電圧区分(交流600V・直流750V)は繰り返し確認
各科目の優先順位まとめ
| 優先度 | 科目 | 理由 |
|---|---|---|
| 1位 | 配線図(20問) | 出題数最多。パターン学習で確実に得点できる |
| 2位 | 器具鑑別(4問) | 暗記中心で短期間に習得可能 |
| 3位 | 法令(4問) | 暗記中心。直前集中でも十分 |
| 4位 | 施工方法(6問) | 一覧整理で効率よく習得できる |
| 5位 | 電気理論・計算(12問) | 難易度が高いが、基礎パターンだけで半分は取れる |
まとめ
- 配線図は全体の40%。図面記号・複線図・問題パターンの3ステップで攻略する
- 計算問題はオームの法則・電力計算・幹線電流計算の3パターンを最優先で習得
- 器具鑑別・法令は暗記系で短期間に得点を積み上げやすい
- 施工方法は工事種別と施工条件の組み合わせを一覧で整理する
- 目標正答率を分野ごとに設定し、合格ラインから逆算して学習時間を配分する