結論: 独学で始めてよい。ただし7日で「戻れない詰まり」を見つける
第二種電気工事士の学科は、最初から高額な講座を買わないと進められない試験ではありません。公式の学科試験は120分50問の四肢択一で、一般問題30問程度、配線図問題20問程度という構成です。市販テキストと演習問題で始めやすいのは事実です。
ただし、独学で粘るほど良いわけでもありません。計算で式の意味が戻らない、配線図で何を見ればよいか分からない、仕事後に学習時間を作れない、学科後の技能準備が見えない。このどれかが強いなら、講座は「ぜいたく品」ではなく、迷う時間を減らす道具になります。
最初の判断は、次のように分けると失敗しにくいです。
| 状態 | まず選ぶ方針 | 理由 |
|---|---|---|
| テキストを読めば計算と配線図の解説を追える | 独学で始める | 教材費を抑え、演習に時間を回せる |
| 計算の途中式で毎回止まる | 動画講座を検討 | 手順を目で追う方が理解しやすい |
| 配線図の図記号や接続関係がつながらない | 講座または配線図特化の補助を検討 | 図の読み順を先に作る必要がある |
| 勉強を始めても3日以上空きやすい | カリキュラム付き講座を検討 | ペースを外側から作る価値がある |
| 学科後すぐ技能へ移る自信がない | 技能セット選びも並行 | 学科だけでなく技能練習の開始日が重要 |
まず7日間だけ独学で試す
独学か講座かは、性格診断のように一度で決めるより、7日だけ試してから決める方が現実的です。1週間あれば、学科の主要な詰まり方がかなり見えます。
| 日 | やること | 見るポイント |
|---|---|---|
| 1日目 | テキストの全体目次と試験範囲を見る | 科目の多さに圧倒されず、全体像を持てるか |
| 2日目 | 電気理論の計算を数問解く | 公式、単位、途中式を追えるか |
| 3日目 | 配線図・図記号のページを読む | 図と器具名が対応するか |
| 4日目 | 鑑別・法令・施工方法を読む | 暗記分野を短時間で回せるか |
| 5日目 | 50問形式で時間を測る | 120分の中で最後まで進めるか |
| 6日目 | 間違えた問題を4分類する | 計算、配線図、暗記、読み違いのどれか |
| 7日目 | 独学継続か講座検討かを決める | 詰まりが自力で戻せる種類か |
この7日間で大事なのは、点数そのものより「詰まり方」です。初週から高得点を取る必要はありません。戻れる詰まりなら独学で伸びます。戻り方が分からない詰まりなら、早めに講座を足した方が総時間を節約できます。
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講座へ切り替える境界は4つある
講座を使うかどうかは、費用だけで決めるとズレます。見るべきは「自力で戻れるか」です。
| 詰まり | 独学で戻せるサイン | 講座を足すサイン |
|---|---|---|
| 計算 | 解説を読めば、なぜその式になるか追える | 解説を読んでも式の意味が戻らない |
| 配線図 | 図記号、器具、電線本数を順に確認できる | どこから見ればよいか毎回止まる |
| 暗記 | 間違いを表にして翌日戻せる | 覚える対象が散らばって復習できない |
| 継続 | 週4日以上、短時間でも机に戻れる | 学習日が空き、何から再開するか迷う |
| 技能準備 | 学科後に工具・材料・候補問題へ移る予定がある | 学科が終わるまで技能を考えられない |
編集部の見立てでは、学科だけを見れば独学で進めやすい人は多いです。けれど第二種電気工事士は、学科の後に技能試験があります。学科で時間を使い切って、技能の候補問題13問を練習する余白がなくなると苦しくなります。
だから、講座は「学科の点を買うもの」ではなく、「計算・配線図で迷う時間を減らし、技能準備へ移る日を早めるもの」と考えると判断しやすくなります。
独学で進めるなら、教材を増やすより弱点表を作る
独学で失敗しやすいのは、教材が少ないことより、間違いの戻し方が決まっていないことです。
最初に用意するものは、多くありません。
| 用意するもの | 役割 | 注意点 |
|---|---|---|
| 市販テキスト1冊 | 写真、図記号、計算、法令の基礎を読む | 複数冊を同時に始めない |
| 演習問題 | 50問120分の処理速度を作る | 解くだけで終わらせない |
| 弱点表 | 間違いを次に戻す | 分類を細かくしすぎない |
| 技能準備メモ | 学科後に買う工具・材料を見積もる | 学科合格後まで完全に放置しない |
弱点表は、次の4列で十分です。
| 日付 | 分野 | 間違えた理由 | 次に見るもの |
|---|---|---|---|
| 5/26 | 計算 | 単位変換を飛ばした | 電力・電力量の例題 |
| 5/27 | 配線図 | 図記号を器具名に戻せない | 図記号一覧 |
| 5/28 | 法令 | 数字を混同した | 法令まとめ |
この表を作ると、独学で進めてよいかも分かります。毎回「次に見るもの」が書けるなら、独学は続けやすいです。逆に、間違えた理由が毎回「分からない」で止まるなら、講座や動画で戻り道を作る価値があります。
講座を使うなら、全部入りより「足りない役割」から選ぶ
講座を検討するときも、いきなりランキングだけで選ばない方が安全です。講座には役割があります。
| 候補 | 主な役割 | 向く人 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| SAT | 学科と技能を動画でつなぐ | 計算・配線図を文字だけで追いにくい人 | 工具・練習材料は別に確認する |
| オンスク | 入門、スキマ時間、低負担の確認 | 受験前に全体像をつかみたい人 | 技能材料や手作業練習の代わりにはならない |
| 電工石火 | 技能試験セット | 学科後すぐ候補問題練習へ入りたい人 | 学科講座として見ない |
| 市販教材 | 独学の主軸 | 読めば戻れる人、費用を抑えたい人 | 自己管理と弱点管理が必要 |
この分け方をすると、無理な買い方を避けられます。たとえば、学科の計算で詰まっている人が技能セットだけ買っても、学科の不安は残ります。逆に、学科は独学で進められる人が講座を買っても、技能材料の準備は別に必要です。
残り期間で判断は変わる
同じ人でも、試験までの残り期間で答えは変わります。
| 残り期間 | 独学で進める場合 | 講座を足す場合 |
|---|---|---|
| 3か月以上 | テキスト1冊と演習で土台を作る | 計算・配線図だけ動画で補う |
| 2か月 | 週単位で50問演習を入れる | 学習ペース作りに講座を使う |
| 1か月 | 新しい教材を増やしすぎず、弱点表を回す | 苦手分野だけ補う。全部をやり直さない |
| 2週間 | 暗記・計算・配線図の取りこぼしを絞る | 申込より、今ある教材の復習を優先 |
| 学科後 | 技能セット、候補問題、欠陥判断へ移る | 技能材料と作業手順をすぐ確認する |
直前期ほど、講座は万能ではありません。教材が増えると、見終えることが目的になりやすいからです。残り1か月を切ったら、「全部を講座でやり直す」より「計算だけ」「配線図だけ」「技能準備だけ」と範囲を絞ってください。
失敗しやすい選び方
失敗1: 安いから独学、という理由だけで決める
独学は費用を抑えやすいですが、分からない時間が長くなると、技能準備の時間を削ります。7日間試して「戻れる詰まり」かを見てから続けましょう。
失敗2: 講座を買えば学習管理まで解決すると思う
講座は手順を見せてくれますが、演習と復習は自分で進めます。受講した日、解いた問題、戻す分野を記録しないと、動画を見ただけで止まります。
失敗3: 学科だけで判断して技能を忘れる
第二種電気工事士は、学科の先に技能試験があります。候補問題13問、工具、材料、欠陥判断まで含めて逆算すると、学科で迷う時間を短くする価値が見えます。
失敗4: 教材と講座を同時に増やしすぎる
テキスト、動画、演習、アプリ、技能セットを一気に増やすと、どれを進めるか分からなくなります。まず主軸を1つ決め、足りない役割だけ追加します。
最後のチェックリスト
- 7日間だけ独学で、計算・配線図・演習・間違い直しを試した
- 詰まりを、計算、配線図、暗記、継続、技能準備に分けた
- 間違えた理由と次に見るものを弱点表に書ける
- 講座を使う場合、SAT、オンスク、電工石火、市販教材の役割を分けた
- 学科試験後、技能練習へ入る日を決めた
- 2026年度はCBTと筆記の併用、2027年度以降は原則CBT化予定と理解した
- 受験手数料11,100円とは別に、教材費と技能材料費を見積もった
独学か講座かは、どちらが偉いかではありません。自分が戻れる詰まりなら独学で進める。戻れない詰まりなら講座を足す。これだけで、教材選びの失敗はかなり減らせます。
出典:
- 一般財団法人 電気技術者試験センター「第二種電気工事士の学科試験のポイント」
- 一般財団法人 電気技術者試験センター「第二種電気工事士の試験概要」
- 一般財団法人 電気技術者試験センター「令和8年度電気工事士試験の実施日程等のご案内」
- 一般財団法人 電気技術者試験センター「電気工事士学科試験(一種、二種)のCBT方式への移行について(令和9年度〜)」



































































