結論:2級は50%前後、1級は「第二次の記述」が壁
電気工事施工管理技士の難易度を一言でいうと、2級はしっかり対策すれば十分に手が届く、1級は第二次検定の記述で差がつく試験です。まず全体像を数字で押さえます。
| 区分 | 第一次検定 | 第二次検定 | ざっくりの難易度 |
|---|---|---|---|
| 2級 | 40〜50%台 | 40〜50%台 | 普通(50%前後) |
| 1級 | 35〜50%程度 | 50〜70%程度 | 第二次の記述が壁 |
試験の基本構造も押さえておきましょう。
| 区分 | 試験方式 | 問題数・時間の目安 | 合格基準 |
|---|---|---|---|
| 第一次検定 | マークシート(四肢択一) | 2時間10分 | 得点60%以上 |
| 第二次検定 | 記述式 | 2時間 | 得点60%以上 |
特に意識したいポイントは次の3点です。
- 合格基準はどちらも得点60%以上が目安。満点を狙う試験ではない
- つまずくのは第二次検定。記述式で、自分の施工経験を文章にできるかが勝負
- 難易度の位置づけは電気工事士より上・電験三種より下
数字は年度によって動きます。この記事の数値も、最終的な確認は必ず実施団体(建設業振興基金)の発表で行ってください。
1級電気工事施工管理技士の合格率の推移
1級は、第一次検定と第二次検定で合格率の傾向が異なります。直近の数値は次のとおりです。
| 年度 | 第一次検定 | 第二次検定 |
|---|---|---|
| 令和6年度 | 36.7% | 49.6% |
| 令和7年度 | 41.5% | 69.6% |
第一次検定はおおむね35〜50%程度、第二次検定は50〜70%程度で推移しています。第一次と第二次の両方を通して合格する割合で見ると、年度により2〜3割程度になる年が多く、ここが「1級は難関」と言われる理由です。
令和7年度の第二次検定合格率69.6%は例年より高い数値です。令和6年度は49.6%でしたので20ポイント近く差があります。この差は年度ごとの出題難易度の調整によるものと考えられ、69.6%が今後の標準値になるとは限りません。複数年の平均で50〜70%の幅を見ておくのが安全です。
注意したいのは、第二次検定の合格率(50〜70%)だけを見て「意外とやさしい」と早合点しないこと。第二次を受けられるのは第一次に合格した人だけなので、母集団がすでに絞られています。第一次という関門を越えた人の中での数字だ、と理解しておきましょう。
広告
2級電気工事施工管理技士の合格率の推移
2級は、第一次検定・第二次検定とも50%前後で推移しています。
| 年度 | 第一次検定 | 第二次検定 |
|---|---|---|
| 令和5年度 | 43.8% | 43.0% |
| 令和6年度 | 47.5% | 51.4% |
直近は両検定とも合格率がやや上昇しており、令和6年度は第二次検定が50%を超えました。過去数年の平均で見ても、第二次検定はおおむね50%前後です。
2級は第一次と第二次を同じ日に受験できるため、一度の受験で資格取得まで到達しやすいのが特徴です。半数前後が合格する試験なので、過度に恐れる必要はありません。ただし「半分は落ちる」試験でもあるので、対策なしで臨むと普通に不合格になります。
合格率の数字を正しく読む3つの視点
合格率は便利な目安ですが、数字だけを見ると判断を誤ります。次の点を踏まえて読みましょう。
合格基準は60%。満点勝負ではない 第一次・第二次とも、合格の目安は得点60%以上です。つまり「4割は間違えてよい」試験。完璧を目指すより、確実に取れる分野を増やして6割を超える設計の方が合理的です。
つまずくのは第二次の記述 第一次はマークシートで知識を問う試験なので、過去問演習で対応しやすいです。難しいのは第二次検定。自分の施工経験を、採点者に伝わる文章で書く力が要ります。知識があっても、書き慣れていないと得点できません。
令和6年度改正で受験者層が変わった 令和6年度から第一次検定が実務経験なしで受けられるようになり、受験者の層が広がりました。合格率の数字も、この制度変更の影響を受けています。過去の数字と単純比較せず、近年の傾向を中心に見るのが安全です。
電気工事士・電験三種と比べてどうか
電気系の資格は難易度を比べたくなりますが、性格が違うので注意が必要です。
| 資格 | 難易度の目安 | 試験の性格 |
|---|---|---|
| 第二種電気工事士 | 入門〜標準 | 学科+技能。電気の基礎 |
| 電気工事施工管理技士 | 標準〜やや上 | 知識+記述。現場管理 |
| 電験三種 | 高い(長期戦) | 理論計算が重い。保安監督 |
一般的には、電気工事士より上、電験三種より下というのが施工管理技士の位置づけです。ただし電験三種は理論計算で落とす試験、施工管理技士は記述で落とす試験、というようにつまずきポイントが別物です。「合格率が高いから楽」ではなく、「自分が苦手な方向の試験かどうか」で難易度の感じ方は変わります。
電験三種の難易度がどのくらいかは、合格率の記事で詳しく整理しています。
難易度を左右する要素と対策
合否を分けるのは、結局のところ第二次検定の記述対策です。ここを軸に、対策の方針を整理します。
- 第一次検定:マークシートなので、過去問演習の反復で得点が安定する。電気工学・施工管理法・法規をバランスよく
- 第二次検定:自分が関わった工事を題材に、工程・品質・安全などの管理経験を文章化する練習を早めに始める
- 独学か講座か:第一次は独学でも十分戦えるが、第二次の記述は第三者の添削を受けると伸びやすい
第二次の記述は、独学だと「自分の答案が合格レベルかどうか分からない」のが最大の弱点です。模範解答を見ても、自分の経験に置き換えて書けるかは別問題。ここで添削つきの講座を使う人が多いのは、記述が独学の盲点になりやすいからです。
独学で進めるか講座を併用するか、各社の添削の有無や対応級を見比べる判断軸は、講座選びの記事にまとめています。
独学か講座かの選択については、入門記事で1級・2級の役割の違いも含めて整理しています。
ぴよきちメモ
合格率の記事でいちばん伝えたいのは、「第二次検定の記述を後回しにしないで」ということ。多くの人は第一次の知識インプットに時間を使い切って、第二次の記述対策が直前になりがちです。でも、落ちるのはたいてい第二次。順番が逆なんです。
おすすめは、第一次の勉強と並行して、自分が関わった工事を1つ、メモにしておくこと。「どんな工程で、どこに気をつけて、どんな品質管理をしたか」を箇条書きにしておくだけで、第二次の答案づくりが一気にラクになります。記述は知識ではなく、経験の言語化。早く始めた人ほど強いです。
数字は年度で動きます。この記事の合格率も、最後はかならず公式の発表で答え合わせをしてから動いてくださいね。
出典・参考








































































































