解説はどこにあるか
| 探す先 | あるもの | 気をつけること |
|---|---|---|
| 消防試験研究センター | 乙種(第1類〜第7類)の問題を1冊にまとめたPDFと、最後の解答(年度・回ごとの問題は公開されていない。2026年10月24日に確認) | 解き方の説明はない。乙4に当たらない問題も同じPDFに入っている |
| 市販の問題集・講座の教材 | 問題ごとの解説 | 法令の数値が、受ける日に施行されている法令と合っているかを確かめる |
| 自分で作る | 型ごとの解き方のメモ | 同じ型の問題を、数値を変えて解き直す |
PDFの問題には【共通 第1〜7類】【電気 第1〜4、7類】【規格 第4類】のような印があり、乙4に当たる問題は印で選べます。令和8年6月更新の版では、次の19問です。
| 科目 | 本番の問題数(乙4) | PDFのうち乙4に当たる問題 |
|---|---|---|
| 消防関係法令(共通・類別) | 10問(共通6・類別4) | 問1〜問7・問11 |
| 基礎的知識(電気) | 5問 | 問20〜問24 |
| 構造・機能及び整備(電気) | 9問 | 問30〜問33 |
| 構造・機能及び整備(規格) | 6問 | 問38 |
| 実技(鑑別等) | 5問 | 第4類の1問 |
本番は筆記30問の四肢択一と、実技(鑑別等)5問の記述式で、試験時間は1時間45分です。合格は、筆記の 科目ごとに40%以上 かつ 筆記全体で60%以上、さらに 実技で60%以上 です(センターの「試験科目及び問題数」「試験の方法」)。基礎的知識(電気)は5問なので、2問を下回ると、ほかの科目が満点でも届きません。
型1 法令(共通):消防設備士でなければできない工事・整備の範囲
公式の問7は、消防設備士が行う工事と整備についての正しい説明を選ぶ問題です。答えは2で、乙種消防設備士ができるのは、免状に指定された種類の 整備だけ(工事はできない)という点が決め手です(消防法 第17条の6)。
例題(自作) 自動火災報知設備について、消防設備士の免状がなくても行えるものはどれか(必要とされる防火安全性能を有する設備等は考えない)。
- ア 受信機を取り替える工事
- イ 感知器を増やす工事
- ウ 自動火災報知設備の電源の部分の工事
- エ 発信機の整備
解き方 消防法 第17条の5は、消防設備士でない者が政令で定める工事・整備を行うことを禁じています。消防法施行令 第36条の2第1項は、その工事の対象に自動火災報知設備を挙げたうえで、括弧書きで 電源の部分を除いて います(屋内消火栓設備などは電源・水源・配管の部分を除く)。整備も同条第2項で同じ部分が除かれます。答えは ウ。
ポイント 消防設備士でなければできない範囲は、次の3段で考えます。
| 決まり | 中身 |
|---|---|
| 施行令 第36条の2第1項 | 工事の対象。屋内消火栓・スプリンクラー・自動火災報知設備・ガス漏れ火災警報設備・消防機関へ通報する火災報知設備・救助袋など。電源(消火栓などは水源・配管も)の部分は除く |
| 施行令 第36条の2第2項 | 整備の対象。第1項の設備に 消火器 と 漏電火災警報器 を加える。屋内消火栓設備の表示灯の交換などの軽微な整備は除く |
| 施行規則 第33条の3 | 免状の種類と類ごとの範囲。甲種は工事と整備、乙種は整備だけ。第4類は自動火災報知設備・ガス漏れ火災警報設備・消防機関へ通報する火災報知設備 |
消火器(乙6)と漏電火災警報器(乙7)は「整備だけ」の対象で、工事の対象ではないので、甲種がありません。
同じ型の練習(ぴよパスのオリジナル問題): 整備だけが対象の設備・消防設備士でなくても行える軽微な整備
型2 法令(類別):警戒区域は「600㎡・50m・見通せれば1,000㎡」
問11は、自動火災報知設備の一の警戒区域の面積と一辺の長さ、見通せる場合の面積の数値の組合せを選ぶ問題です。答えは2で、消防法施行令 第21条第2項第2号の「600㎡以下・一辺50m以下・見通せれば1,000㎡以下」が決め手です。
例題(自作) 特定主要構造部を耐火構造とした工場の1つの階が、縦30m・横45mの長方形の1室(床面積1,350㎡)になっている。光電式分離型感知器は使わない。
- 主要な出入口から内部を見通せないとき、この階の警戒区域は最少でいくつか。
- 見通せるときはどうか。
解き方
- 一辺は45mで50m以下なので、一辺の条件は満たす。面積は600㎡以下にするので、1,350 ÷ 600 = 2.25 → 切り上げて 3
- 見通せるときは1,000㎡以下にできるので、1,350 ÷ 1,000 = 1.35 → 2
ポイント 警戒区域は、面積と一辺の両方の条件を満たすように分けます。一辺が50mを超える部屋は、面積が600㎡以下でも分けます。二の階にわたらせてよいのは、面積の合計が 500㎡以下 の場合(施行規則 第23条第1項)と、階段などに煙感知器を設ける場合です。光電式分離型感知器を使うときは、一辺を100m以下にできます。
同じ型の練習: 警戒区域の面積と一辺・二の階にわたらせるときの面積・1,000㎡にできるとき
型3 基礎的知識(電気):並列と直列が混ざった回路は、内側から1つにまとめる
問21は、2つの抵抗を並列につないだ回路に直流の電圧を加えたときの全体の電流を問う問題で、答えは3です。問24は、図の回路の端子間の合成抵抗を問う問題で、答えは2です。どちらも、並列の部分を1つの抵抗にまとめてから計算します。
例題(自作) 4 Ω と 12 Ω の抵抗を並列につなぎ、それに 2 Ω の抵抗を直列につないだ。全体に直流 20 V を加えたとき、全体に流れる電流は何 A か。また、12 Ω の抵抗に流れる電流は何 A か。
解き方
- 並列の部分をまとめる。4 × 12 ÷ (4 + 12) = 48 ÷ 16 = 3 Ω(「積 ÷ 和」)
- 直列の 2 Ω を足す。合成抵抗 = 3 + 2 = 5 Ω
- 全体の電流 = 20 ÷ 5 = 4 A
- 並列部分の電圧 = 4 A × 3 Ω = 12 V。12 Ω に流れる電流 = 12 ÷ 12 = 1 A(4 Ω には 3 A。合わせて 4 A)
ポイント 並列の合成抵抗は「積 ÷ 和」(3つ以上なら逆数の和の逆数)、直列は足し算です。並列の部分には同じ電圧がかかり、抵抗の小さい側に大きな電流が流れます。答えを出したら、各枝の電流の合計が全体の電流と合うかで検算します。
同じ型の練習: 直列と並列が混ざった回路の合成抵抗・並列回路の全体の電流
型4 基礎的知識(電気):実効値は「直流に換算した値」、最大値はその√2倍
問22は、実効値の定義を問う問題で、答えは1(実効値)です。問20は電気材料の説明のうち誤っているものを選ぶ問題で、答えは2で、半導体を導体とした肢が誤りでした。
例題(自作) 正弦波交流について、正しいものはどれか。
- ア 家庭のコンセントの100 Vは最大値で、実効値は約71 Vである
- イ 実効値が100 Vの正弦波交流の最大値は、約141 Vである
- ウ 交流電圧計は、最大値を指示する
- エ 実効値100 Vの交流は、直流100 Vより大きな電力を同じ抵抗で消費する
解き方 正弦波では、最大値 = 実効値 × √2(約1.41倍)です。実効値100 Vの最大値は約141 Vで、イが正しい。コンセントの100 Vも交流電圧計の指示も実効値なので、ア・ウは誤り。実効値は「同じ抵抗で同じ電力を消費する直流の値」と決めたものなので、エも誤り。答えは イ。
ポイント 「実効値 → 最大値は ×√2」「最大値 → 平均値(半周期)は ×2/π(約0.64)」の2つの換算が出ます。材料の問題は、導体(銀・銅・アルミニウム・タングステンなど)、半導体(シリコン・ゲルマニウム・亜酸化銅など)、不導体(ガラス・磁器・アルミナ・フェノール樹脂など)の3つに分けて覚えます。
同じ型の練習: 直流と交流の性質・実効値・最大値・平均値
型5 構造・機能(電気):絶縁抵抗の測り方と、耐火配線・耐熱配線の分け方
問30は、メガーと呼ばれる測定器で測る抵抗を問う問題で、答えは4(絶縁抵抗)です。問32は、非常電源の耐火配線として認められない工事方法を選ぶ問題で、答えは1で、電線を金属管に通すだけで、耐火構造の部分に埋設するなどの保護をしていない方法が不適当でした。
例題(自作) 自動火災報知設備の工事について、消防法施行規則に照らして正しいものはどれか。
- ア 感知器回路と大地との間の絶縁抵抗は、建物全体でまとめて1回測ればよい
- イ 対地電圧が200 Vの電源回路と大地との間の絶縁抵抗は、0.1 MΩ以上あればよい
- ウ 受信機から地区音響装置までの配線は、耐熱配線とする
- エ 非常電源の配線は、受信機から地区音響装置までの配線と同じ工事方法でよい
解き方
- ア:施行規則 第24条第1号ロは、感知器回路の絶縁抵抗を 一の警戒区域ごと に直流250 Vの絶縁抵抗計で測り、0.1 MΩ以上としている。誤り
- イ:同じ号で、電源回路は対地電圧が 150 V以下なら0.1 MΩ以上、150 Vを超えるなら0.2 MΩ以上。200 Vは150 Vを超えるので0.2 MΩ以上。誤り
- ウ:同 第24条第5号ホは、受信機から地区音響装置までの配線を第12条第1項第5号(耐熱配線)に準じて設けるとしている。正しい
- エ:非常電源の配線は、第24条第4号ロ(蓄電池設備)・ハ(非常電源専用受電設備)が第12条第1項第4号ホ(耐火配線)の例によるとしている。そこでは、600V二種ビニル絶縁電線などを使い、耐火構造とした主要構造部に埋設するなど で保護するとしている(MIケーブルや基準に適合する耐火電線を使う場合を除く)。地区音響装置までの配線(耐熱配線)と同じ工事方法では足りない。誤り
答えは ウ。
ポイント 「非常電源 → 耐火配線、地区音響装置 → 耐熱配線」を組で覚えます。耐熱配線は、600V二種ビニル絶縁電線などを金属管工事・可とう電線管工事・金属ダクト工事などで設けるものです(第12条第1項第5号)。絶縁抵抗計(メガー)は電路を止めて測る計器で、接地抵抗計(アーステスタ)と取り違えた肢が出ます。
型6 構造・機能と規格:感知器の仕組みと、受信機の名前
問33は、感知器のリーク孔の働きを問う問題で、答えは2で、ゆるやかな温度上昇で膨らんだ空気を逃がすための孔、という点が決め手です。問38は、ガス漏れ信号を受信して報知する受信機の名前を問う問題で、答えは4(G型受信機)です。
例題(自作) 差動式スポット型感知器(空気の膨張を利用するもの)のリーク孔が、ほこりで詰まった。起こりうることとして正しいものはどれか。
- ア 暖房などのゆるやかな温度上昇でも作動しやすくなり、火災でないのに作動するおそれがある
- イ 急な温度上昇でも、まったく作動しなくなる
- ウ 一定の温度以上になったときにだけ作動する定温式の感知器になる
- エ リーク孔は空気室の煙の通り道なので、煙で作動しなくなる
解き方 差動式スポット型は、周囲の温度の 上昇率 が一定以上になったときに作動します。急な温度上昇では空気室の空気が膨張してダイヤフラムを押し上げ、接点を閉じます。ゆるやかな温度上昇で作動しないのは、膨張した空気がリーク孔から逃げるからです。リーク孔が詰まると空気が逃げないので、ゆるやかな温度上昇でもダイヤフラムが押し上げられ、作動しやすくなります。答えは ア。差動式スポット型は熱の感知器で、煙は使いません(エは誤り)。
ポイント 受信機の名前は、受信機規格省令 第2条の定義で分けます。P型は火災信号を 共通 の信号として受信し、R型は 固有 の信号として受信します。G型はガス漏れ信号を受信し、GP型・GR型はP型・R型とG型の機能を併せもつものです。
| 感知器 | 作動する条件 | 中の仕組み(代表的なもの) |
|---|---|---|
| 差動式スポット型 | 温度の上昇率が一定以上 | 空気室・ダイヤフラム・リーク孔 |
| 定温式スポット型 | 温度が一定以上 | バイメタル(2種類の金属を貼り合わせた円板) |
| 補償式スポット型 | 差動式と定温式の両方の性能をもち、一の火災信号を発信する | 差動式と定温式の仕組みを組み合わせたもの |
同じ型の練習: 空気室・ダイヤフラム・リーク孔をもつ感知器・定温式スポット型感知器の構造
型7 鑑別:2つの感知器の写真に、説明を2つずつ当てる
実技(鑑別等)の第4類は、2種類の感知器の写真に、作動の仕組みの説明と作動する条件の説明を2つずつ当てる問題です。公式の解答は、Aがバイメタルの反転と一定の温度以上(定温式スポット型)、Bが空気室の膨張とダイヤフラムと温度上昇率(差動式スポット型)の組でした。
例題(自作) 光電式スポット型感知器の説明として正しいものを、次から2つ選べ。
- ア 煙が入ると、受光部が受ける光の量が変わることを利用して作動する
- イ 放射性物質でイオン化した空気の中のイオン電流の変化を利用して作動する
- ウ 周囲の空気が一定の濃度以上の煙を含んだときに火災信号を発信する
- エ 炎から出る紫外線の量の変化で作動する
解き方 光電式スポット型は、一局所の煙による光電素子の受光量の変化で作動する煙感知器です(ア)。作動する条件は、周囲の空気が一定の濃度以上の煙を含んだとき(ウ)。イはイオン化式スポット型、エは炎感知器(紫外線式)の説明です。答えは ア・ウ。
ポイント 鑑別の感知器の問題は、「何で作動するか(仕組み)」と「いつ作動するか(条件)」の2つを組で答えさせる形が出ます。熱の感知器は温度か上昇率か、煙の感知器は光かイオンか、で分けると、説明の文から逆に名前を当てられます。煙感知器は湯沸室や厨房など煙や水蒸気がたまる場所には設けない(施行規則 第23条第4項第1号ニ)ことも、設置場所と組で覚えます。
同じ型の練習: 設置の決まりから煙感知器を当てる・定温式スポット型感知器の構造
解説のない問題を、解説つきの練習に変える手順
- 解答で答え合わせをする — 乙4に当たる問題だけを解き、科目ごとに、どこを落としたかを書き出します(公式の問題は科目によって数問しかないので、点数より落とした型を見ます)。
- 間違えた問題に、型の名前を付ける — 「乙種は整備だけ」「非常電源は耐火・地区音響は耐熱」のように、何を問う型かを短く書きます。
- 型ごとに、条文の場所を書く — 施行令 第21条・第36条の2、施行規則 第23条・第24条、受信機規格省令と、答えの出どころを書き添えます。
- 数値や問い方を変えて解き直す — ぴよパスの同じ分野の練習問題にも、1問ごとに解説が付いています。
- 鑑別は手で書く — 感知器の名前と、仕組み・条件の説明を、写真を見ずに書けるかで確かめます。
ぴよパスの消防設備士乙4の練習問題は、科目ごとに登録不要・無料で解けます。間違えた問題の解き直しも無料です。
試験の全体像は 消防設備士乙4の試験トップ から見られます。本番と同じ形で通して解く 模擬試験 は Premium(月980円)の機能です。
当サイトの問題について
ぴよパスの問題と、この記事の例題は、消防試験研究センターが公表している問題を写したものではなく、消防法・消防法施行令・消防法施行規則・規格省令などの法令と、電気の基本的な法則をもとに独自に作った オリジナルの予想問題 です。本試験の問題は、センターのホームページでご覧ください。
出典
- 一般財団法人消防試験研究センター「過去に出題された問題」乙種(令和8年6月更新。問7・問11・問20〜問22・問24・問30・問32・問33・問38と実技の第4類の型と解答の確認にだけ使い、問題文と選択肢は写していません)
- 同「試験科目及び問題数」「試験の方法」(問題数・試験時間・合格基準。2026年10月24日に確認)
- 消防法 第17条の5・第17条の6
- 消防法施行令 第21条・第36条の2
- 消防法施行規則 第12条・第23条・第24条・第33条の3
- 受信機に係る技術上の規格を定める省令 第2条
- 火災報知設備の感知器及び発信機に係る技術上の規格を定める省令 第2条(感知器の定義)
- 法令は、2026年10月2日に施行されている版を e-Gov 法令検索で確かめました(消防設備士試験は、法令の施行日以降の試験から改正後の内容で出題されます。センターの「よくある質問(消防設備士試験)」Q30)。
次に読む
- 消防設備士乙4の鑑別対策 — 写真の機器の名前と用途
- 消防設備士甲4の過去問解説 — 甲種の筆記と製図の型
- 消防設備士乙4の独学 — 科目ごとの配分の決め方





