消防設備士乙4の鑑別対策では、写真・図と正式名称を見比べる練習に加えて、原理や判断理由を自分で書く練習を行います。筆記はマークシート式ですが、実技は記述式です。実技の成績にも60%以上という独立した合格基準があるため、筆記の得点だけでは補えません。消防試験研究センターの試験方法、合格基準のFAQ
この記事は、自動火災報知設備の感知器・受信機・試験器を中心に、名称と数値の条件を復習するためのものです。感知器そのものの分類は感知器の見分け方で確認し、ここでは設置条件と記述の練習へ進みます。
最初に、名称・原理・確認方法を結びつける
| 復習する対象 | 書けるようにすること | 調べ直すときの資料 |
|---|---|---|
| 感知器 | 正式名称、検知する対象、方式の違い | 型式が分かる写真・図、メーカー仕様、規格省令 |
| 受信機・発信機 | 役割、信号の方式、表示が意味すること | メーカー資料、受信機・発信機の規格 |
| 点検用試験器 | どの感知器の、何を確認する器具か | 消防庁の点検要領、対象機種の説明書 |
| 測定器・工具 | 正式名称と用途 | 図・写真と用途が対応する教材 |
写真の外形だけで方式を決めると、似た筐体や内部構造の異なる機種を区別できません。名称を確認できる資料を使い、型式・仕様とセットで覚えてください。
感知器の高さは、方式と種別まで読む
高さの基準は、床から見た取付け面の高さです。天井から感知器の下端までの距離とは別の数値になります。
次の表は、消防法施行規則第23条第4項第2号の表を整理したものです。表に出てこない炎感知器・光電式分離型などの条件や、環境による制約は、同条の該当規定を別に確認します。
| 取付け面の高さ | 同号の表にある感知器の種別 |
|---|---|
| 4m未満 | 差動式スポット型、差動式分布型、補償式スポット型、定温式、イオン化式スポット型、光電式スポット型 |
| 4m以上8m未満 | 差動式スポット型、差動式分布型、補償式スポット型、定温式の特種・1種、イオン化式スポット型の1種・2種、光電式スポット型の1種・2種 |
| 8m以上15m未満 | 差動式分布型、イオン化式スポット型の1種・2種、光電式スポット型の1種・2種 |
| 15m以上20m未満 | イオン化式スポット型の1種、光電式スポット型の1種 |
出典:消防法施行規則 第23条(2026年9月12日時点の施行条文)。
たとえば取付け面が9mなら、この表では差動式スポット型は該当せず、差動式分布型は該当します。「差動式はすべて8m未満」「8m以上は煙感知器だけ」という覚え方では、ここを取り違えます。また、光電式スポット型を一括して「20m未満」とせず、1種・2種・3種を区別してください。
取付け面が20m以上の場所は、同項第1号イで、炎感知器を除く感知器の設置除外に挙げられています。ただし、炎感知器ならどんな環境でもよいわけではありません。水蒸気などの環境条件による制約も同項にあります。
梁・傾斜・距離は、対象を添えて覚える
| 確認する数値 | 対象と条件 |
|---|---|
| 梁等の突出0.4m以上 | 感知区域の区分に使う基準。差動式分布型・煙感知器では0.6m以上になる |
| 45度未満 | 炎感知器を除くスポット型感知器の傾斜。「45度以下」としない |
| 5度未満 | 差動式分布型の空気管式・熱電対式・熱半導体式の検出部の傾斜。「5度以下」としない |
| 歩行距離50m以下 | 発信機を各階に設けるときの、その階の各部分からの距離の基準 |
| 水平距離25m以下 | 地区音響装置を設けるときの、各階の各部分からの距離の基準 |
出典:消防法施行規則第23条第4項第3号ロ・第4号ホ・第4号の2ニ・第4号の3ニ・第9号、第24条第5号ニ・第8号イ。表は対象となる代表的な基準で、条文の除外・特例を含む全条件の一覧ではありません。
梁の例では、取付け面から0.5m突き出しているという情報だけで、一律に感知区域を分けるとは答えられません。差動式スポット型なら0.4mの基準、煙感知器なら0.6mの基準と比べる必要があります。
感知区域と警戒区域も別の用語です。感知区域は感知器の設置を考える区画、警戒区域は受信機で火災を表示する単位として整理します。警戒区域や配線区分は自火報の配線区分の記事で確認できます。
試験器は、感知器の細かな方式まで合わせる
点検用の器具は「熱なら全部加熱」「煙なら全部加煙」という一対一の暗記では足りません。消防庁の点検要領には、感知器の方式や試験機能による扱いの違いがあります。
| 対象の代表例 | 作動確認に用いる器具の代表例 | 区別したいこと |
|---|---|---|
| 差動式スポット型・再用型の定温式スポット型など | 加熱試験器 | 非再用型や、自動・遠隔試験などは扱いを別に確認する |
| 差動式分布型の空気管式 | テストポンプ | 分布型をすべてメーターリレー試験器としない |
| 差動式分布型の熱電対式・熱半導体式 | メーターリレー試験器 | 検出部の方式を読む。熱半導体式には条件による扱いの違いもある |
| イオン化式・光電式の煙スポット型 | 加煙試験器 | 光電式分離型とは確認方法が異なる |
| 光電式分離型 | 減光フィルター | 送光部と受光部の間の光の減衰を利用する方式 |
| 炎感知器 | 対象に適合する作動試験器 | 紫外線・赤外線など、検出方式に合わせる |
出典:消防庁「第11 自動火災報知設備」の点検要領(PDFの4〜6ページ)。上表は学習用の代表例です。自動試験・遠隔試験等の対象外条件や具体的な確認方法は、点検要領と機種の説明書に従います。
測定器では、絶縁抵抗計は絶縁抵抗、回路試験器の製品例では電圧・抵抗・導通などを測ります。名称だけでなく、何を測定するかと単位を対にしてください。表示が似ていても、接地抵抗計や電流計を同じ用途の器具と扱わないようにします。
P型・R型と予備電源の条件を分ける
P型受信機とR型受信機は、まず信号の方式で区別します。火災表示の信号について、P型は共通の信号、R型は固有の信号という違いがあります。「小さい建物なら必ずP型」「画面が付いていればR型」と、建物の規模や外観だけで決めないようにします。受信機の規格省令 第2条
予備電源の「60分・10分」にも条件があります。同省令第4条第8号ホ(1)のP型・R型では、監視状態を60分間継続した後、原則として2警戒区域が作動した場合に相当する消費電流を10分間流せる容量が規定されています。P型で回線数が1の場合は1警戒区域です。
この作動時の条件には、接続される地区音響装置をすべて同時に鳴動させることなどが含まれ、設備作動受信機能がある場合の条件も加わります。また、作動時の消費電流が監視時より小さい場合は監視時の電流によります。「受信機なら全部、2回線を10分」ではなく、対象となる型と条件を添えて覚えます。 M型・G型などまで同じ値にまとめないでください。受信機の規格省令 第4条
条件を読んで一文で答えるオリジナル練習
以下は記述の練習用に作成した問題です。公式過去問ではありません。回答欄に必要なことを短く書き、解答例と比べてみてください。
| 問い | 解答例 |
|---|---|
| 取付け面が9mの場所について、差動式スポット型と差動式分布型は、第23条第4項第2号の高さの表で同じ扱いか? | 同じ扱いではない。8m以上15m未満の欄には差動式分布型があり、差動式スポット型はない |
| 空気管式の差動式分布型で、点検要領の作動試験に用いる器具の名称は? | テストポンプ。熱電対式・熱半導体式のメーターリレー試験器と区別する |
| 光電式分離型の作動確認に用いる器具の代表例は? | 減光フィルター。煙スポット型の加煙試験器と区別する |
| スポット型感知器(炎感知器を除く)を45度傾斜させる設置は、傾斜の基準を満たすか? | 満たさない。45度以上傾斜させないという基準なので、45度ちょうども含まれる |
| 発信機の配置で確認する50mは、歩行距離と水平距離のどちらか? | 歩行距離。地区音響装置の水平距離25mと入れ替えない |
判断の理由を書くときは、「設問の条件」「比較した基準」「結論」の三つがつながっているかを確認します。上の高さの問題なら、「9mだから8m以上15m未満の欄を見る」と、表を選んだ理由から説明できます。
写真と記述を往復して復習する
写真・図を見て名称を答えたら、次に原理や用途を書きます。答えられなかったところだけ教材へ戻り、翌回は名称や解説を隠して確認します。学習時間を一律に増やすより、「名前は分かるが理由を書けないもの」を見つける練習にしてください。
紙の教材では、写真・図と名称を見比べられるか、記述問題の解説があるかを確認しましょう。甲種・乙種をまとめた教材は、乙種の範囲を区別して使います。
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- 乙4の鑑別オリジナル練習問題 — 名称や機能の知識を確認したら、選択肢を隠して自分でも書く
- 乙4の構造・機能の練習問題 — 原理の説明が曖昧だった箇所を復習する
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