冷凍3種で意外と差がつくのが「解き方」です。知識は同じくらいでも、問題形式への対応がうまい人は同じ実力で多く取ります。冷凍3種の設問は「次のイ、ロ、ハ(、ニ)の記述のうち正しいものはどれか」で、正しい記述の組合せを5つの選択肢から選ぶ形です。令和7年度の公表問題では、法令20問・保安管理技術15問のすべてがこの形式でした。ここで雑に解くと、知っているのに落とすことが起きます。
冷凍3種の試験概要を先に確認します。法令20問・保安管理技術15問の計35問、試験時間は法令60分(9:30〜10:30)と保安管理技術90分(11:10〜12:40)で、間に休憩をはさむ別々の試験です(科目をまたいで時間を融通することはできません)。合格基準は受験案内書の言葉で各科目とも満点の60パーセント程度(法令12問前後・保安管理技術9問前後が目安)。合格率は令和7年度の全科目受験で45.0%となっており、解答技術でカバーできる得点差は小さくありません。
この記事は、得点設計(配点戦略)ではなく、目の前の1問をどう捌くかという答案技術に絞ります。組合せ問題の処理手順、COP・冷凍能力の式の使い方、法令の選択肢の絞り方——本番でそのまま使える具体的な解き方を扱います。
この記事で分かること
- イ・ロ・ハ・ニの正誤から組合せを選ぶ本試験形式の確実な捌き方
- COP(成績係数)・冷凍能力の式を、記述の正誤判定と計算の両方に使う手順
- 法令問題で選択肢を絞り込む着眼点と実際の選択肢例
- 式の扱いでやりがちなミスと、その防ぎ方
- 答案技術を演習で磨く順番
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組合せ問題:記述ごとに○×を書き切る
冷凍3種の設問は「次のイ、ロ、ハの記述のうち正しいものはどれか」(保安管理技術は「イ、ロ、ハ、ニ」)で、答えは正しい記述の組合せです。選択肢は次のような5肢になります。
- (1) イ
- (2) イ、ロ
- (3) イ、ハ
- (4) ロ、ハ
- (5) イ、ロ、ハ
この形式の鉄則は、選択肢を先に眺めないことです。手順はシンプルです。
- 各記述に必ず○か×を付ける:イ=○、ロ=×、というように、1つずつ独立して正誤を判定し、問題用紙の余白に書き込みます
- 判断できない記述は△にする:曖昧なものを無理に決めず△で残し、確実な○×を先に固めます
- 確定した判定と矛盾する組合せを消す:△が残っても、確定分だけで答えが1つに絞れる場合があります
| 記述 | 判定 |
|---|---|
| イ | ○ |
| ロ | × |
| ハ | △(保留) |
この例では、ロが×と確定した時点で、ロを含む (2)イ、ロ・(4)ロ、ハ・(5)イ、ロ、ハ の3つが同時に消えます。残るのは (1)イ と (3)イ、ハ の二択で、あとはハの正誤だけを詰めればよいことになります。1つの記述を確実に×と言えるだけで5肢のうち3肢が落ちるのが、この形式の性質です。
だから△を詰める前に、まず確定分で消せる組合せを消します。逆に、記述1つの取り違えが正解の組合せを丸ごと変えてしまうので、「なんとなく (3)」と勘で答えるのが最も危険です。
COP・冷凍能力の計算:式を先に書く
保安管理技術では、COP(成績係数)や冷凍能力が問われます。令和7年度の公表問題では15問すべてが記述の正誤を組合せで答える形式で、数値計算を要する設問はありませんでした。それでも式の形を覚えておく価値は変わりません。「圧縮機の仕事は h2 − h1 で表される」といった記述の正誤は、式の意味が分かっていないと判定できないからです。数値が与えられた場合も、いきなり数字を当てはめず式を先に書くのがミスを防ぐ近道です(電卓は四則計算のみできるものに限り使用が認められています。関数電卓は禁止で、貸与もありません)。
COP(成績係数)の公式は次のとおりです。
- 冷凍COPの式: COP = (蒸発器での冷凍効果)÷(圧縮機に加える仕事) = (h1 - h4) ÷ (h2 - h1)
- p-h線図上では、h1が圧縮機入口(蒸発器出口)、h2が圧縮機出口、h4が膨張弁入口のエンタルピー値です
手順は次のとおりです。
- 問われている量を確認する:COPなのか冷凍能力なのか、何を求めるのかを最初に特定します
- 使う式を文字で書く:まず公式の形を書いてから数値を入れます。COP = (h1-h4)/(h2-h1) の形で先に書く
- 単位をそろえる:能力や仕事の単位がそろっているかを確認します。単位の不一致が計算ミスの定番原因です
- 数値を代入して計算する:最後に数値を入れ、桁を確認します
p-h線図(モリエル線図)が絡む問題では、まず各状態点(圧縮機の入口・出口、凝縮器・蒸発器の出入口)を線図上で特定し、必要な比エンタルピーを読み取ってから式に入れます。線図の読み取りと計算を分けると、混乱しにくくなります。
冷凍能力は「冷媒の循環量×蒸発器で1kgあたりに奪う熱量(冷凍効果)」という形で考えると、何を掛け合わせているかが見えます。線図上では、これらが状態点間の比エンタルピーの差として読めるので、「どの2点の差を使うか」を線図に印を付けてから式に入れると取り違えません。
計算は「式→単位→代入」の順番を固定すると、本番で初見の数値でも手が動きます。求めるのが比(COP)なのか量(冷凍能力)なのかを最初に分けるだけでも、立式の迷いが消えます。
法令の選択肢の絞り方
法令問題は知識勝負に見えますが、選択肢の書き方から絞れる場面があります。
| 着眼点 | 見方 |
|---|---|
| 言い切りの表現 | 「必ず」「のみ」「すべて」など例外を許さない表現は、例外規定が存在しないか慎重に確認する |
| 数値の差し替え | 期間や規模の数値が、覚えた基準とわずかに違っていないか照合する |
| 似た用語の入れ替え | 製造・貯蔵・移動など、近い概念の用語がすり替えられていないか確認する |
実際の出題例(類似パターン): 「第二種製造者は都道府県知事の許可を受けなければならない」→ 誤り。第二種は「届出」で足りる。「必ず許可が必要」という言い切りは要注意です。
法令は例外規定が多いため、言い切り表現はそのまま正解とは限りません。一方で「原則として」「政令で定める」のような留保のある表現は、正しい記述である場合が多めです。確実に誤りと言える選択肢から消し、残りを覚えた知識と照合します。すべての選択肢を完璧に判断できなくても、明らかな誤りを外すだけで正答率は上がります。
失敗パターンと回避策
組合せを印象で選ぶ:各記述に○×を書かず「たぶん (3)」と答えると、1つの取り違えで組合せごと外れます。必ず1つずつ判定し、余白に書き切ってから選択肢に当てます。
式を書かずに数字や記述を判断する:式の形を書かずに進めると、単位ミスや桁ずれに気づけず、「h2 − h1」と「h1 − h4」の取り違えにも気づけません。式→単位→代入の順を守ります。
法令の言い切り表現を鵜呑みにする:「必ず」「のみ」を見たら、例外がないかを一度疑います。留保表現のある選択肢と比べて判断します。
まとめ:組合せ問題を「○×書き切り」で練習する
冷凍3種は択一式で、ほぼ全問がイ・ロ・ハ(・ニ)の正誤から組合せを選ぶ形式です。知識を増やすのと並行して、解き方そのものを練習しておくと、同じ実力でも取りこぼしが減ります。
次の一手は、演習のときから必ず各記述に○×を書いてから選択肢に当てる癖、式は形から書く癖をつけることです。下のオリジナル予想問題180問なら解説付きで反復でき、「なぜその記述が誤りか」まで確認できます。まずは○×書き切りで1セット解いてみてください。
出典:
- 高圧ガス保安協会 第三種冷凍機械責任者試験 — 試験概要・受験案内
- 高圧ガス保安法 (昭和 26 年法律第 204 号)





