本記事のポイント
- p-h線図は「暗記する図」ではなく、「4状態点 × 4プロセス」の論理構造で読み解ける
- 縦軸が絶対圧力P(MPa)、横軸が比エンタルピーh(kJ/kg)という2軸の意味を理解すれば、各状態の位置を自分で導き出せる
- 冷凍サイクルの4プロセス(圧縮・凝縮・膨張・蒸発)のうち3つが「等圧または等エンタルピー変化」で、残り1つが「等エントロピー変化」。この対比を覚えるだけで出題パターンの大半に対応できる
- 成績係数(COP)の式は「冷凍効果 ÷ 圧縮動力 = (h1−h4) ÷ (h2−h1)」として、式の意味まで理解しておく
- ぴよパスの保安管理技術練習問題80問のうち、p-h線図・冷凍サイクル関連が15〜20問を占める
p-h線図とは何か
正式名称とその意味
p-h線図の正式名称は「圧力-比エンタルピー線図(Pressure-Enthalpy diagram)」だ。2つの軸の物理量が、そのまま名称になっている。
- 縦軸:絶対圧力 P(単位:MPa)。一般的に対数軸(log目盛り)で描かれる。圧縮機が圧縮すると上方向に、膨張弁で膨張すると下方向に移動する。
- 横軸:比エンタルピー h(単位:kJ/kg)。冷媒1kgが保有するエネルギー量を表す。熱を吸収するとhが増加して右に移動し、熱を放出するとhが減少して左に移動する。
この2軸の組み合わせにより、冷凍サイクル全体の状態変化を1枚の線図で可視化できる。各機器での変化が「どの軸の方向に移動するか」として直感的に理解できる点が、p-h線図が実務でも試験でも広く使われる理由だ。
別名「モリエル線図」の由来
p-h線図はドイツの工学者リヒャルト・モリエル(Richard Mollier、1863〜1935年)が19世紀末に考案した熱力学線図を起源とする。モリエルはもともとh-s線図(比エンタルピー-エントロピー線図)を発表したが、冷凍工学の分野ではp-h線図の形式が広く普及し、考案者の名前から「モリエル線図」と呼ばれるようになった。
第三種冷凍機械責任者の試験では「p-h線図」と「モリエル線図」の両方の表記が使われるため、どちらも同じものを指していると理解しておくこと。
試験での出題傾向
第三種冷凍機械責任者の保安管理技術科目では、p-h線図に関して数値を使った計算は問われない。実際の試験では次の種類の問いが中心だ。
- 「状態Xはp-h線図上のどの領域にあるか」(4つの領域の判別)
- 「プロセスXはどのような変化か」(等圧・等エンタルピー・等エントロピーの区別)
- 「冷凍効果はどのエンタルピー差で表されるか」(各量の定義)
- 「成績係数(COP)の式はどれか」(式の構造の理解)
これらはすべて「p-h線図上の位置と変化の方向」を理解していれば答えられる問いだ。保安管理技術の練習問題80問で繰り返し解くことで、試験形式に慣れることができる。
p-h線図の4つの基本領域
p-h線図には、冷媒の物理状態に対応した4つの領域がある。それぞれの位置関係と物理的な意味を順番に押さえておこう。
飽和液線と飽和蒸気線
p-h線図の中央部には、逆U字型(山形)を描く2本の曲線がある。左側の曲線が「飽和液線」、右側の曲線が「飽和蒸気線」だ。
- 飽和液線:特定の圧力において、液体が気化し始める境界を示す曲線。この線上にある冷媒は「飽和液」(沸点ちょうどで液体)の状態にある。
- 飽和蒸気線:特定の圧力において、気体がすべて蒸気になり切った境界を示す曲線。この線上にある冷媒は「飽和蒸気」(蒸発しきったばかりの蒸気)の状態にある。
2本の曲線は線図の上部で1点に合流する。この合流点を「臨界点」と呼ぶ。臨界点を超えた超高圧の状態では、液体と気体の区別が消滅する。第三種冷凍機械責任者の試験では超臨界領域の問題はほぼ出題されないため、「臨界点の上では液体・気体の区別がなくなる」という概念だけを把握しておけば十分だ。
4つの領域の位置と特徴
| 領域名 | 位置 | 冷媒の状態 | 主な特徴 |
|---|---|---|---|
| 過冷却液領域 | 飽和液線より左側 | 完全に液体 | 温度が飽和温度より低い。hが低く、液体として安定している |
| 湿り蒸気領域 | 飽和液線と飽和蒸気線の間 | 液と気の混合 | 乾き度x(0〜1)が存在する。等圧下では温度が一定 |
| 過熱蒸気領域 | 飽和蒸気線より右側 | 完全に気体 | 温度が飽和温度より高い。hが高く、エネルギーを多く持つ |
| 超臨界領域 | 臨界点より上(高圧側) | 液体・気体の区別なし | 第三種では出題がほぼない |
湿り蒸気領域の「乾き度x」は、この領域内にある冷媒に占める蒸気の割合を0〜1の数値で示す。飽和液線(x=0)に近いほど液体の割合が高く、飽和蒸気線(x=1)に近いほど気体の割合が高い。乾き度の定義は「乾き度x = (h − h飽和液) ÷ (h飽和蒸気 − h飽和液)」と表されるが、試験では計算よりも概念の理解が問われる。
冷凍サイクルの4つの状態点
蒸気圧縮式冷凍サイクルは、圧縮機・凝縮器・膨張弁・蒸発器という4つの機器から成る。各機器の入口と出口を「状態点」として定義すると、p-h線図上で4つの状態点が特定できる。
4状態点の一覧
| 状態点 | 位置(機器) | 冷媒の物理状態 | p-h線図上の方向 |
|---|---|---|---|
| 状態1 | 蒸発器出口 / 圧縮機入口 | 過熱蒸気(低圧) | 右側・下寄り(低圧・比較的高h) |
| 状態2 | 圧縮機出口 / 凝縮器入口 | 過熱蒸気(高圧・高温) | 右上(高圧・高h。4点の中で最も右上) |
| 状態3 | 凝縮器出口 / 膨張弁入口 | 飽和液または過冷却液(高圧) | 左上(高圧・低h) |
| 状態4 | 膨張弁出口 / 蒸発器入口 | 湿り蒸気(低圧・低温) | 左下(低圧・低h。4点の中で最も左下) |
4状態点の位置関係を言葉で整理すると次のとおりだ。
- 状態2(圧縮機出口)が最も高温・高圧。高圧側の右上に位置する
- 状態3(凝縮器出口)は熱を放出して液化したため、高圧・低h。高圧側の左寄りに位置する
- 状態4(膨張弁出口)は圧力が下がり、湿り蒸気として低圧・低h。低圧側の左寄りに位置する
- 状態1(蒸発器出口)は蒸発が完了してhが上がった状態。低圧側の右寄りに位置する
この4点を結ぶと、p-h線図上で反時計回りに近い多角形(四辺形)が描かれる。この形状がp-h線図の冷凍サイクルの基本的な見方だ。
「低圧側」と「高圧側」を区別する
p-h線図上のサイクルは、上下2つの水平線で大まかに区切られる。
- 高圧側(高い位置):圧縮機出口(状態2)から膨張弁入口(状態3)まで。凝縮器が属する側。圧力はP2(高圧)で一定。
- 低圧側(低い位置):膨張弁出口(状態4)から圧縮機入口(状態1)まで。蒸発器が属する側。圧力はP1(低圧)で一定。
この「高圧側と低圧側の分離」が冷凍サイクルの本質だ。膨張弁は高圧側から低圧側へと圧力を下げる装置であり、圧縮機は低圧側から高圧側へと圧力を上げる装置だ。
保安管理技術の練習問題では、4状態点の位置と機器の対応関係を問う問題を多数収録している。
4つのプロセスを詳しく理解する
冷凍サイクルの4プロセスは、p-h線図上でそれぞれ異なる「変化の方向」を持つ。この変化の方向が出題の核心だ。
プロセス1→2:圧縮(圧縮機)
変化の種類:断熱圧縮(等エントロピー変化)
圧縮機は蒸発器から吸入した低圧の過熱蒸気を圧縮し、高圧の過熱蒸気として凝縮器へ送り出す。
理想的な断熱圧縮では外部との熱のやり取りがないため、エントロピーが一定の「等エントロピー変化」となる。p-h線図の等エントロピー線(右上がりの緩い曲線群)に沿って、状態1から状態2へと移動する。
- 圧力の変化:P1(低圧)→ P2(高圧)。縦軸上で上方向への移動
- 比エンタルピーの変化:h1 → h2(h2 > h1)。横軸上で右方向への移動
- 圧縮に必要な動力(理論断熱動力)= h2 − h1(kJ/kg)
実際の圧縮機では完全な断熱圧縮を実現することはできず、吸入蒸気の過熱度・機械摩擦・吐出弁での損失などにより、実際の状態2の位置は理想の等エントロピー線より右側にずれる(エントロピーが増加する)。この差が実際の圧縮効率の低下を表している。
プロセス2→3:凝縮(凝縮器)
変化の種類:等圧変化
凝縮器は圧縮機から送られた高温・高圧の過熱蒸気を、外部(空気または冷却水)に熱を放出しながら液化させる。
圧力はP2のまま一定(等圧変化)なので、p-h線図上では水平線として描かれ、状態2から状態3へと左方向に移動する。
- 圧力の変化:なし(P2一定)
- 比エンタルピーの変化:h2 → h3(h3 < h2)。熱を放出するためhが減少して左に移動
- 凝縮で放出される熱量(凝縮熱)= h2 − h3(kJ/kg)
等圧変化の過程で、冷媒の状態は以下の順に変化する。
- 過熱蒸気(状態2から飽和蒸気線まで):過熱分の熱を放出
- 湿り蒸気(飽和蒸気線から飽和液線まで):蒸発潜熱を放出しながら凝縮が進行。この間は温度が一定(飽和温度)
- 飽和液(飽和液線上):完全に液化
- 過冷却液(飽和液線より左):さらに冷却されて過冷却状態に(冷媒の状態3は多くの場合ここに位置する)
凝縮器出口で過冷却液状態になっていると、膨張弁通過時にフラッシュガスが発生しにくくなり、冷凍効果が向上する。
プロセス3→4:膨張(膨張弁)
変化の種類:等エンタルピー変化(絞り膨張)
膨張弁(絞り弁)は高圧の液冷媒の流量を絞ることで、圧力を高圧P2から低圧P1へと下げる。この絞り膨張では冷媒が外部に仕事をせず、外部との熱のやり取りもないため、比エンタルピーhが変化しない(等エンタルピー変化)。
p-h線図上では垂直線(h一定)として描かれ、状態3から状態4へと下方向に移動する。
- 圧力の変化:P2(高圧)→ P1(低圧)。縦軸上で下方向への移動
- 比エンタルピーの変化:なし(h3 = h4)。垂直線
- 温度の変化:大きく低下(圧力低下に伴う飽和温度の低下)
状態4は湿り蒸気領域に入る。絞り膨張で圧力が急激に下がるため、一部の液が瞬間的に蒸発して気体になる(これを「フラッシュガス」または「フラッシュ蒸気」と呼ぶ)。
重要な点として、等エンタルピー変化ではhは変化しないが、エントロピーは増加する(不可逆変化)。この点がプロセス1→2の「等エントロピー変化」との対比として問われることがある。
プロセス4→1:蒸発(蒸発器)
変化の種類:等圧変化
蒸発器は低圧の湿り蒸気を、冷却対象(庫内の空気や液体など)から熱を奪いながら蒸発させる。熱を奪うこと(冷却)がこの装置の目的だ。
圧力はP1のまま一定(等圧変化)なので、p-h線図上では水平線として描かれ、状態4から状態1へと右方向に移動する。
- 圧力の変化:なし(P1一定)
- 比エンタルピーの変化:h4 → h1(h1 > h4)。熱を吸収するためhが増加して右に移動
- 冷凍効果 q = h1 − h4(kJ/kg)
等圧変化の過程で、冷媒の状態は以下の順に変化する。
- 湿り蒸気(状態4から飽和蒸気線まで):冷却対象から熱を吸収して蒸発が進行。温度一定(飽和温度)
- 飽和蒸気(飽和蒸気線上):完全に蒸発
- 過熱蒸気(飽和蒸気線から状態1まで):さらに熱を吸収して過熱状態に(状態1は多くの場合ここに位置する)
蒸発器出口での過熱度(状態1の温度と飽和温度の差)は、冷媒がすべて蒸発していることの確認指標として、運転管理上の重要パラメーターになっている。
保安管理技術の練習問題では、4プロセスの変化の種類(等圧・等エンタルピー・等エントロピー)を問う問題を複数収録しており、繰り返し解くことで知識が定着する。
4プロセスのまとめ対比表
各プロセスの変化の種類と移動方向をまとめると次のとおりだ。
| プロセス | 機器 | 変化の種類 | p-h線図上の移動方向 | エンタルピーhの変化 | 圧力Pの変化 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1→2 | 圧縮機 | 等エントロピー変化(断熱圧縮) | 右上方向 | h2 > h1(増加) | P1→P2(増加) |
| 2→3 | 凝縮器 | 等圧変化 | 水平・左方向 | h3 < h2(減少) | P2一定 |
| 3→4 | 膨張弁 | 等エンタルピー変化(絞り膨張) | 垂直・下方向 | h4 = h3(不変) | P2→P1(減少) |
| 4→1 | 蒸発器 | 等圧変化 | 水平・右方向 | h1 > h4(増加) | P1一定 |
この表から読み取れる重要なパターンがある。
- 等圧変化(凝縮器・蒸発器)では圧力が一定のため、p-h線図上で水平線になる
- 等エンタルピー変化(膨張弁)ではhが一定のため、p-h線図上で垂直線になる
- 等エントロピー変化(圧縮機)のみが斜めの曲線として表れる
この「水平・垂直・斜め」の区別が、試験で「プロセスの変化の種類」を問われたときの判断の鍵だ。
成績係数(COP)の求め方と意味
定義式
成績係数(COP:Coefficient of Performance)は、圧縮機に投入したエネルギー1単位あたり、冷凍機が外部からどれだけの熱を移動できるかを示す効率指標だ。
COP = 冷凍効果 ÷ 圧縮動力 = (h1 − h4) ÷ (h2 − h1)
- 分子の「h1 − h4」:蒸発プロセス(プロセス4→1)で冷媒が吸収した熱量 = 冷凍効果
- 分母の「h2 − h1」:圧縮プロセス(プロセス1→2)で圧縮機が冷媒に与えたエネルギー = 圧縮動力
式の物理的な意味
COPが3であれば、圧縮機に1kWを投入したとき、蒸発器で3kWの熱を庫内から取り除けることを意味する。電気ヒーターは1kWの投入で1kWしか加熱できないが、冷凍機(およびその逆サイクルであるヒートポンプ)は1kWの投入で複数kW分の熱移動を実現できる。これがCOPという指標の本質だ。
一般的なフロン系冷凍機(冷蔵倉庫・業務用冷凍機)のCOPは3〜5程度が目安とされる。
COPを高めるための条件
第三種冷凍機械責任者の試験では、「COPを改善するにはどうすればよいか」という問い方も頻出だ。
COPが向上する条件
- 蒸発温度(圧力)を上げる:状態1のhが増加し、冷凍効果(h1−h4)が大きくなる。また圧縮比(P2/P1)が下がり、圧縮動力(h2−h1)が小さくなる
- 凝縮温度(圧力)を下げる:状態2のhが減少し、圧縮動力(h2−h1)が小さくなる
- 過冷却度を大きくする:状態3が飽和液線より左にあるほど、h3(= h4)が小さくなり冷凍効果が増える
COPが低下する条件
- 圧縮比が高い(凝縮温度が高い、または蒸発温度が低い)
- 圧縮機の実際の圧縮効率が低い(機械的損失・熱損失の増加)
p-h線図の出題パターンと解き方
保安管理技術の練習問題に取り組む前に、試験で出る問いのパターンと解法の思考手順を整理しておこう。
出題パターン1:領域の判別
「圧縮機入口の冷媒はp-h線図上のどの領域にあるか」という形式。
解法の思考手順:機器の名称 → どの状態点か(状態1〜4)→ その状態点は過熱蒸気・湿り蒸気・過冷却液のどれか、という順に辿る。圧縮機入口 = 状態1 = 蒸発器出口 = 蒸発が完了した後 = 過熱蒸気領域。
出題パターン2:プロセスの変化の種類
「膨張弁を通過する際の変化として正しいのはどれか」という形式で、等圧・等エンタルピー・等エントロピー・等温などの選択肢が並ぶ。
解法の思考手順:対比表を思い出す。圧縮機 = 等エントロピー、膨張弁 = 等エンタルピー、凝縮器・蒸発器 = 等圧。膨張弁は絞り膨張で仕事をせず熱移動もないため、等エンタルピー変化。
出題パターン3:各量の定義
「冷凍効果はどのエンタルピー差で表されるか」という形式で、h1−h4・h2−h1・h2−h3などの選択肢が並ぶ。
解法の思考手順:冷凍効果 = 蒸発器での熱吸収量 = プロセス4→1 = h1−h4。同様に、圧縮動力 = プロセス1→2 = h2−h1、凝縮熱 = プロセス2→3 = h2−h3。
出題パターン4:乾き度の概念
「膨張弁出口(状態4)の冷媒の乾き度が0.3であるとき、この冷媒の状態はどの領域にあるか」という形式。
解法の思考手順:乾き度が0〜1の間であれば湿り蒸気領域。乾き度0 = 飽和液(飽和液線上)、乾き度1 = 飽和蒸気(飽和蒸気線上)、乾き度0〜1の間 = 湿り蒸気領域(飽和液線と飽和蒸気線の間)。
出題パターン5:COP式の意味
「冷凍機の成績係数が高いほど、どのような状態を示すか」という形式。
解法の思考手順:COPは「冷凍効果 ÷ 圧縮動力」。COPが高い = 同じ圧縮動力でより多くの熱を外部から取り除ける = エネルギー効率が高い。
ぴよパスの保安管理技術練習問題でp-h線図を攻略する
出題比重と特徴
第三種冷凍機械責任者の保安管理技術80問のうち、p-h線図・冷凍サイクルに関連する問題は推定15〜20問を占める。保安管理技術の出題範囲の中でも最大のウエイトを持つテーマだ。
試験(35問・保安管理技術15問)における位置づけとしては、p-h線図関連だけで保安管理技術の3〜4問が出題される計算になる。合格ライン9問以上(60%以上)を確保するうえで、このテーマを落とすことは非常にリスクが高い。
ぴよパスの問題の特徴
ぴよパスのオリジナル練習問題では、p-h線図の知識を以下の形式で問う問題を収録している。
- 「4つの状態点のうち、○○機器の出口にあたるのはどれか」(状態点と機器の対応)
- 「圧縮プロセスにおいて変化しないのはどれか」(各プロセスの等価変化量)
- 「冷凍効果を大きくするためにとるべき対策はどれか」(COP改善の方向性)
- 「湿り蒸気領域の特徴として正しいのはどれか」(4領域の特徴)
各問には「どの概念・どのプロセスに関する問いか」を示す解説が付いており、間違えた場合でも本記事のどの部分を再確認すればよいかが分かるよう設計されている。
学習の進め方
- 本記事で4状態点・4プロセス・4領域の論理構造を理解する
- 保安管理技術の練習問題のp-h線図・冷凍サイクル関連問題を最初の一周で解き、どのパターンで間違えるかを確認する
- 間違えたパターンを本記事の対応する章に戻って再確認する
- 再度同じ問題を解いて確認。これを2〜3周繰り返す
全体的な学習ロードマップについては冷凍3種の独学合格ガイドで解説しているとおり、保安管理技術の基礎固め(1ヶ月目)の段階でp-h線図の理解を完成させることが理想的だ。
まとめ:p-h線図は論理で読む
この記事で解説した内容を5点に集約する。
1. 2軸の意味が基点 縦軸は絶対圧力P、横軸は比エンタルピーh。この2軸の意味を理解すれば、各機器での変化の「方向」が自然と導き出せる。
2. 4つの領域は状態で区別する 飽和液線の左(過冷却液)、飽和液線と飽和蒸気線の間(湿り蒸気)、飽和蒸気線の右(過熱蒸気)。乾き度の概念は湿り蒸気領域内での位置を表す。
3. 4プロセスの変化の種類は「水平・垂直・斜め」で覚える 等圧変化(凝縮器・蒸発器)= 水平線、等エンタルピー変化(膨張弁)= 垂直線、等エントロピー変化(圧縮機)= 等エントロピー線に沿う斜め曲線。この3パターンへの対応が試験の核心だ。
4. 各量はプロセスから導く 冷凍効果 = h1−h4(蒸発プロセス)、圧縮動力 = h2−h1(圧縮プロセス)、凝縮熱 = h2−h3(凝縮プロセス)。式を丸暗記するのではなく、どのプロセスの変化かを理解することが長期記憶につながる。
5. COPは「分子/分母の意味」まで理解する COP = (h1−h4)/(h2−h1)。分子が冷凍効果、分母が圧縮動力。COPを上げるには「蒸発温度を上げる」か「凝縮温度を下げる」かのどちらか(またはその両方)。
保安管理技術の15問で高得点を取るためには、p-h線図の概念を「論理の流れ」として理解することが最も効率的なアプローチだ。まずはぴよパスの保安管理技術練習問題で5問を無料で解き、自分の理解の状態を確かめてほしい。
ぴよパスの練習問題で冷凍3種を攻略する
ぴよパスでは第三種冷凍機械責任者のオリジナル練習問題160問(法令80問・保安管理技術80問)を公開している。すべての問題に解説が付いており、p-h線図・冷凍サイクルを含む保安管理技術の全テーマをカバーしている。
まずは無料で解ける保安管理技術の5問から取り組み、p-h線図問題の感覚を掴んでほしい。
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参考情報
- 高圧ガス保安協会「第三種冷凍機械責任者試験 受験案内」
- 高圧ガス保安法(昭和26年法律第204号・最新改正版)
- 冷凍保安規則(昭和41年通商産業省令第51号・最新改正版)
- 日本冷凍空調学会「冷凍空調技術者資格制度」に基づく冷凍サイクルの技術的説明