冷凍3種の冷凍サイクルは、「あ・ぎょ・ぼう・じょう」=圧縮・凝縮・膨張・蒸発の順で覚えます。法令の数値は、語呂だけでなく「冷媒の種類」「何の手続きか」「以上・未満」までセットにしてください。たとえばアンモニア設備の第一種製造者の境界は、1日の冷凍能力50トン以上です。
この記事では、冷凍サイクル、圧力の定義、製造者区分、冷凍保安責任者、検査を短い覚え方と比較表で整理します。語呂と確認例は編集部作成の学習用で、公式過去問ではありません。法令は、令和8年度試験の基準である2026年4月1日時点の施行版に合わせています。
冷凍サイクルは「あ・ぎょ・ぼう・じょう」
圧縮機を出発点にすると、機器は圧縮機→凝縮器→膨張弁→蒸発器→圧縮機とつながります。まず順番を戻し、その後に冷媒の状態を重ねましょう。
| 工程 | 機器で何が起きるか | 一緒に覚える言葉 |
|---|---|---|
| 圧縮 | 蒸気を圧縮し、高温・高圧の過熱蒸気にする | 圧縮は蒸気を押す |
| 凝縮 | 冷媒が熱を放出し、蒸気から液へ変わる | 凝縮は放熱 |
| 膨張 | 膨張弁で減圧し、一部が蒸発した液と蒸気の混合になる | 弁の後は湿り蒸気 |
| 蒸発 | 冷媒が周囲から熱を吸収して蒸発する | 蒸発は吸熱 |
これは蒸気圧縮式の基本的なサイクルを整理した表です。圧縮を等エントロピー変化、膨張弁を等エンタルピー変化として扱う理想化と、実機の圧力損失・熱の出入りは区別します。
「凝縮」を「凝固」に言い換えて覚えないことも大切です。ここで覚えるのは蒸気から液への変化で、固体を作る工程ではありません。膨張弁の出口も「低圧の液体だけ」ではなく、液と蒸気が混じった湿り蒸気と戻します。
出典:日本冷凍空調学会「冷凍サイクル(1)」、「冷媒の状態の変化」。順番と放熱・吸熱は、4工程の問題で確認できます。
p-h線図は「縦は圧力、横はh、弁はh一定」
p-h線図の縦軸は圧力p、横軸は比エンタルピーhです。縦軸の圧力は通常、対数目盛りで示されます。
膨張弁の変化を理想的な絞りとして扱うと、hが一定なので線図では縦方向へ進みます。「弁はエンタルピー、圧縮の理想はエントロピー」と、似た名前を分けて覚えましょう。単に「どちらも断熱」とまとめると、選択肢の取り違えを見落とします。
冷媒は番号の大小ではなく、名称と性質を対応させる
R32、R410A、R717などの番号を、単純な「新しい・古い」の順番として暗記しないでください。また、「フロン系はすべて無毒・不燃」とまとめる覚え方も避けます。
メーカーが公開する安全性の分類では、たとえば次の違いがあります。
| 冷媒 | 毒性の区分 | 燃焼性の区分 |
|---|---|---|
| R410A | A:低毒性 | 1:不燃性 |
| R32 | A:低毒性 | 2L:微燃性 |
| アンモニア/R717 | B:高毒性 | 2L:微燃性 |
出典:ダイキン「冷媒に関するQ&A」主な冷媒の物性。Aを「人体への影響が一切ない」という意味に変えないことがポイントです。
この安全性分類と、高圧ガス保安法令の「第一種ガス」「不活性ガス」などの区分は、名前や基準を確認して使い分けます。上のA・B・2Lの表だけで、次の許可・届出の区分を決めるものではありません。
高圧ガスの定義は「圧1、アセ・液0.2」と温度条件
圧力はゲージ圧力で読みます。「圧縮ガスは1MPa、アセチレンと液化ガスは0.2MPa」という数字に、判定する温度と状態を付けます。
| 法第2条の区分 | 常用の温度で判定する条件 | 別に定められた温度での判定 |
|---|---|---|
| 圧縮ガス(圧縮アセチレンを除く) | 常用温度で1MPa以上となり、現に1MPa以上 | 35℃で1MPa以上となる |
| 圧縮アセチレンガス | 常用温度で0.2MPa以上となり、現に0.2MPa以上 | 15℃で0.2MPa以上となる |
| 液化ガス(第3号) | 常用温度で0.2MPa以上となり、現に0.2MPa以上 | 0.2MPaとなる温度が35℃以下 |
各行の中央と右はいずれかに該当するかで読みます。「圧力だけ」「現在の温度だけ」の表に縮めないでください。第4号には、上の第3号とは別に対象となる液化ガスの規定もあります。
出典:高圧ガス保安法第2条。覚え直すなら「アセチレンだけ15℃」を別カードにすると、35℃との混同を確認しやすくなります。
製造者区分は「第一種50、第二種は冷媒で20か5」
次の表は、冷凍のための高圧ガス製造について、施行令第4条に挙がる2区分を整理したものです。認定指定設備を使用する場合などを除く通常の区分として読みます。
| 冷媒ガスの区分 | 第二種製造者:届出の範囲 | 第一種製造者:許可の範囲 |
|---|---|---|
| 第一種ガス(政令の燃焼性基準に適合するフルオロカーボン、二酸化炭素など) | 1日の冷凍能力20トン以上50トン未満 | 50トン以上 |
| 上の基準に適合しないフルオロカーボン、アンモニア | 1日の冷凍能力5トン以上50トン未満 | 50トン以上 |
短く覚えるなら、「許可は両方50、届出は20と5」。アンモニアの「5」は第二種の下限で、第一種の下限を20トンに変えないでください。「フロン」という呼び方だけで一律に20トンとすることもできません。
第一種は都道府県知事の許可、第二種は製造開始の日の20日前までに都道府県知事へ届出です。冷凍能力の「20トン」と届出時期の「20日前」は、単位を付けて別々に覚えます。
出典:高圧ガス保安法第5条、施行令第2条・第4条、冷凍保安規則第4条。表より小さい設備にも適用除外や別の扱いがあり、「届出の範囲より下=全手続き不要」とは覚えません。
不活性フルオロカーボンの届出の問題と、アンモニアの50トンの問題を続けて解くと、冷媒を変えたときの境界を確認できます。
法定冷凍トンを、ガスの製造量や機械の重さと混ぜない
ここでのトンは、法令の基準で算定する1日の冷凍能力です。設備の重さや、1日に製造する冷媒の質量ではありません。冷凍以外の高圧ガス製造に出てくる「1日○m³」の規定を、「○トン」に置き換えないでください。冷凍能力の算定根拠は法第5条第3項と冷凍保安規則第5条です。
第三種の担当範囲は「100未満」、経験条件も残す
冷凍設備で選任する役職名は冷凍保安責任者です。「第一種・第二種の製造者」という設備側の区分と、「第一種・第二種・第三種の免状」という資格側の区分を分けます。
冷凍保安規則第36条第1項の表では、次のように免状と経験の両方を定めています。
| 製造施設の1日の冷凍能力 | 選任に使える冷凍機械責任者免状 | 必要な製造経験 |
|---|---|---|
| 100トン未満 | 第一種・第二種・第三種 | 3トン以上の製造施設で1年以上 |
| 100トン以上300トン未満 | 第一種・第二種 | 20トン以上の製造施設で1年以上 |
| 300トン以上 | 第一種 | 100トン以上の製造施設で1年以上 |
第三種は「担当100未満、経験3以上で1年」と覚えます。「100以下」ではありません。免状を取っただけで経験条件まで満たしたことにもなりません。
出典:高圧ガス保安法第27条の4、冷凍保安規則第36条。同条には、認定指定設備の冷凍能力を除く扱い、複数施設の扱い、選任を不要とする条件もあります。上の表は同条第1項の区分を覚えるためのものです。
第三種免状の担当範囲の問題では、20・50・100・300という数字が、どの制度の値かを意識して選んでください。
検査は「完成は使用前、保安3年、自主は年1以上」
名前の似た検査は、時期だけでなく対象と実施の扱いを分けます。
| 検査 | 覚える時期・回数 | 省かない条件 |
|---|---|---|
| 完成検査 | 対象の設置工事や特定変更工事の完成後、使用前 | 「最初の1回だけ」ではない |
| 保安検査 | 通常は3年に1回 | 第一種製造者の特定施設が対象。認定による自らの検査もある |
| 定期自主検査 | 通常は1年に1回以上 | 法令が定める対象施設で実施し、記録を作成・保存する |
出典:高圧ガス保安法第20条・第35条・第35条の2、冷凍保安規則第40条・第41条・第44条。災害等による期間の特例は別に規定されています。
保安検査を「外部の人だけが行う検査」と覚えると、認定保安検査実施者の扱いが抜けます。定期自主検査も、すべての小さな冷凍設備に一律に課されるものではありません。対象となる第一種・第二種製造者、施設の除外条件は別に確認します。
確認練習:数字の前に条件を言える?
右の列を隠し、語呂から正式な言葉と条件を戻してみてください。
| 問い | 答えと注意点 |
|---|---|
| 「あ・ぎょ・ぼう・じょう」の4工程は? | 圧縮→凝縮→膨張→蒸発 |
| 膨張弁の出口は液体だけ? | 基本的なサイクルでは液と蒸気の混合。湿り蒸気 |
| アンモニア設備の第一種製造者の下限は? | 通常の区分で1日の冷凍能力50トン。5トンは第二種の下限 |
| 第一種ガスの設備が20トン以上50トン未満なら? | 通常の区分で第二種。製造開始20日前までに知事へ届出 |
| 第三種免状と所定の経験で担当できる能力区分は? | 100トン未満。「以下」にしない |
| 保安検査と定期自主検査の通常の回数は? | 対象施設について、保安は3年に1回、自主は1年に1回以上 |
覚えにくい行は、条件付き暗記カード8枚の例に移して練習できます。冷凍3種の練習問題では、解説を読んで条件を取り違えた箇所を確かめましょう。
法令と保安管理技術は、科目ごとに確認する
KHKの令和8年度受験案内では、第三種冷凍機械は法令20問・保安管理技術15問、合格基準は各科目とも満点の60%程度とされています。合計35問の得点だけで合格を判定する説明にはしません。
語呂を使うときも、法令では数値と適用条件、保安管理技術では現象と理由を分けて確認してください。紙の教材と併用する場合は、覚え方の横に元のページを控えると、条件を確かめ直せます。
※価格・評価は変動します。購入前に版・刷と、出版社の正誤表・改訂情報を確認してください。上記はAmazonアソシエイトのリンクです。
法令は令和8年度試験の基準日2026年4月1日で照合しています。e-Govのリンク先はその後の改正を反映することがあるため、年度の異なる教材と比較するときは施行日も確認してください。





