二種免許(大型第二種・中型第二種・普通第二種)の学科試験は、文章問題90問とイラスト問題5問の100点満点で、90点以上が合格・時間は50分 です。この形は普通免許の本免と同じですが、問題の内訳が違います。本免では出ない教則の第9章「旅客自動車や代行運転自動車の運転者などの心得」から 20問 出て、第8章(二輪車)は出ません。二種の学科で点を落とさないコツは、この20問を「誰の心得か」で正確に覚えることです。
警察庁の統計では、令和7年の二種免許の試験の合格率は、大型第二種67.1%・中型第二種66.9%・普通第二種60.8% でした(運転免許統計 令和7年版。学科・技能・適性を合わせた免許試験全体の数字で、受験者数は受け直しも数える延べ人員です。学科試験だけの合格率はこの統計では分かれていません)。ぴよパスでは、二種の出題範囲から作ったオリジナルの○×問題 269問 を、二種免許の学科試験の練習ページで登録不要・無料で解けます。
結論: 70問は本免と同じ教則、20問が旅客の心得
- 形は本免と同じ(95問・50分・90点以上)。落とせるのは10点分。
- 文章問題90問のうち 20問が教則第9章。第9章は2つの項目だけの短い章なので、全文を読み込める。
- 第9章は決まりごとに対象が書き分けられているので、対象の入れ替え(バス⇔タクシー、運転者⇔事業者、路線バス⇔旅客自動車全般)に気をつける。
- 気をつけたいのは、二種が要る場面(旅客の運送と代行運転)、事業用の日常点検の回数、大型・中型の乗用と貨物で分かれる数値 の3つ。
- 第8章(二輪車)は二種の出題基準で0問なので、二種の学科のためには勉強し直さなくてよい。
本免(普通免許)との違い — 出題基準の比べ
警察庁の通達「学科試験の出題形式、出題範囲及び出題基準等について」の別添の出題基準は、文章問題90問を教則の章ごとに次のように割り振っています。
| 教則の章 | 普通免許など(本免) | 第二種 | 差 |
|---|---|---|---|
| 第1章 歩行者と運転者に共通の心得 | 12問 | 13問 | +1 |
| 第4章 自動車や一般原動機付自転車を運転する前の心得 | 11問 | 6問 | −5 |
| 第5章 自動車や一般原動機付自転車の運転の方法 | 35問 | 30問 | −5 |
| 第6章 危険な場所などでの運転 | 10問 | 9問 | −1 |
| 第7章 高速道路での走行 | 7問 | 8問 | +1 |
| 第8章 二輪車の運転の方法 | 11問 | 0問 | −11 |
| 第9章 旅客自動車や代行運転自動車の運転者などの心得 | 0問 | 20問 | +20 |
| 第10章 交通事故、故障、災害などのとき | 3問 | 3問 | 0 |
| 第11章 自動車所有者などの義務 | 1問 | 1問 | 0 |
| 文章問題の合計 | 90問 | 90問 | |
| イラスト問題(危険の予測) | 5問(10点) | 5問(10点) |
第9章の20問を除いた70問は、本免と同じ教則の章から出ます。本免に受かってから時間がたっている人は、共通の章を一度解き直してから受けると安心です。
第9章は「誰の心得か」で覚える
教則の第9章は、「1 旅客など利用客の保護」と「2 その他の心得」の2つの項目だけです(ほかの章のような「第1節」の分け方はありません)。決まりごとに 誰の心得か が書き分けられているので、表にして対象ごとに覚えます。
| 誰の心得か | 決まり(教則 第9章) |
|---|---|
| 旅客自動車・代行運転自動車の運転者 | 利用客の安全を考えて慎重に運転し、急ブレーキや急発進を避け、悪路で揺れるときなどは事前に利用客に声を掛ける |
| 旅客自動車の運転者 | 病気や疲れで安全運転ができないおそれがあるときは事業者に申し出る/重大な故障を見つけたら直ちに運転を中止/坂道で車から離れるとき・危険な場所を通るときは旅客を降ろす/踏切内で動かなくなったら速やかに旅客を誘導して退避させ、発炎筒などで列車に合図/交代するときは申し継ぎをし、受けた運転者がハンドル・ブレーキなどを点検/乗降口のドアは停車を確認してから開き、確実に閉めてから発車/事故のときは負傷者の保護に当たる/運転操作に支障のある服装をしない/1日1回、運行の開始前に日常点検を実施または確認し、事業者に報告 |
| バスの運転者 | 発車の直前に安全が確認できた場合を除き、発車のときに 警音器を吹鳴/旅客のいるバスの走行中は職務に必要のない話をしない/車掌がいるときは発車は車掌の合図で、警報装置や踏切警手のない踏切を通るときと後退するときは車掌の誘導を受ける |
| バスの乗務員 | 旅客が車内で法令の規定などに反する行為をするときは制止するなど必要な措置をとる |
| 路線バス | 夜間に道路を通行するときは 室内灯をつける |
| タクシーの運転者 | 食事・休憩・回送で旅客を乗せられないときは 回送板 を掲示/乗務距離の最高限度が定められているときは守る |
| 旅客自動車の乗務員 | 旅客のいる車内で喫煙しない |
| 旅客自動車の事業者 | ガソリン・灯油・塩酸などで危険な状態のものを持っている者を乗車させない/踏切を通行するときに備えて赤色旗・赤ランプなどの 非常信号用具を備え付ける |
| 代行運転自動車の運転者 | 代行運転自動車標識を表示する |
気をつけたい「入れ替え」の型
本試験の問題は公開されていないので、ここで挙げるのは、正誤式の問題で誤りの文になる入れ替えの型です(ぴよパスの第9章の問題も、この型で作っています)。
- 対象の入れ替え — 警音器の吹鳴を「タクシーの運転者」の心得とする、回送板を「路線バスの運転者」の心得とする、非常信号用具の備え付けを「運転者」の心得とする。
- 語の入れ替え — 「乗務距離」の最高限度を「乗務時間」にする、「回送板」を「休憩中の表示板」にする。
- 回数・順番の入れ替え — 日常点検を「運行の開始前と終了後の1日2回」にする、乗降口のドアを「開いてから停車を確かめる」にする。
- 例外の削除 — 「発車の直前に安全が確認できた場合を除き」を落として、警音器を必ず鳴らす文にする。
二種で気をつけたい3つの論点
1. 二種免許が要るのは「旅客を運送する目的」と「代行運転」のとき
道路交通法第86条第1項は、旅客自動車を 旅客自動車運送事業に係る旅客を運送する目的で 運転しようとする者は、第二種免許を受けなければならないとしています。旅客を乗せずに営業所へ回送するバスは、この目的に当たらないので第一種免許で運転できます。会社の自家用マイクロバスで社員を無償で送迎する場合も、旅客自動車運送事業のバス(道路交通法でいう旅客自動車。第85条第11項)ではないので、第一種免許で運転できます。「人を乗せるから二種」と覚えていると、ここで間違えます。
もう1つ、同じ条の第5項は、代行運転普通自動車 を運転しようとする者は普通第二種免許を受けなければならないとしています。客の車を代わりに運転する代行運転では、旅客を運送するわけではなくても第二種免許が要ります(代行運転と第二種免許の問題)。
2. 事業用の日常点検は「1日1回、運行の開始前」
教則の第4章(自動車の点検)は、事業用の自動車などは1日1回、運行する前に日常点検をするとしています。第9章はさらに、旅客自動車の運転者が 1日1回、運行の開始前に 日常点検を実施し、またはその確認をし、事業者に結果を報告する としています。点検する時期を「運行の開始前と終了後」と2回にした文や、報告する人を入れ替えた文が誤りです。
3. 大型・中型は乗用と貨物で数値が分かれる
高速自動車国道の本線車道の最高速度は、大型自動車と、車両総重量8トン以上などの中型自動車では、乗用(バス)が時速100キロメートル、貨物が時速90キロメートルと分かれます(道路交通法施行令第27条第1項)。二種の問題はバスやタクシーの立場で書かれるので、高速道路の分野で乗用の数値を確かめておきます。
例題: 二種で間違えやすい○×
例題1 旅客を乗せずに営業所へ回送する大型バスは、大型第二種免許を受けていなくても、第一種の大型免許で運転することができる。
答え: ○。第二種免許が必要なのは、旅客自動車運送事業に係る旅客を運送する目的で運転するときです(道路交通法第86条第1項)。 この問題を解く →
例題2 教則で、最高限度が定められているときにタクシーの運転者が守ることとされているのは、乗務距離ではなく乗務時間の最高限度である。
答え: ×。教則の第9章は「乗務距離の最高限度」を守ることとしています。 この問題を解く →
例題3 旅客自動車の運転者が日常点検を実施し、又はその確認をするのは、運行の開始前と終了後の一日二回とされている。
答え: ×。教則は「一日一回、運行の開始前」としています。 この問題を解く →
勉強の順番
- 教則の第9章を全文読む — 2つの項目だけです。上の表のように、決まりを「誰の心得か」で分けて書き出します。
- 第9章の○×を解く — 旅客自動車・代行運転の運転者の心得(65問)で、対象・語・回数の入れ替えに慣れます。
- 共通の章を解き直す — 第1章・第5章・第7章などは本免と同じ教則の範囲です。ぴよパスの二種の8分野のほか、本免の学科試験の練習問題も使えます(二輪車の章は二種では出ません)。
- イラスト問題の決まりを確かめる — 二種もイラスト問題が5問(1問2点・3つの小問がすべて正しいときだけ得点)です。決まりは本免と同じなので、本免の学科試験に受かるコツのイラスト問題の節を読んでおきます。
- 90問・50分で通す — 第9章20問を含む本番の割り振りで、時間内に解き切れるかを確かめます。
ぴよパスの二種の練習問題は、次の8分野・269問です。全問に、教則や法令の該当箇所を示した解説が付いています。本番と同じ割り振りで文章問題90問を50分で解く模擬試験は Premium の機能で、イラスト問題はまだ含みません。
まとめ
- 二種の学科は本免と同じ95問・50分・90点以上。違うのは内訳で、教則第9章から20問、第8章(二輪車)は0問。
- 第9章は2つの項目だけ。決まりを「誰の心得か」(運転者・バス・タクシー・路線バス・乗務員・事業者・代行運転)で覚える。
- 正誤式で誤りの文になりやすいのは、対象・語・回数の入れ替えと、例外の削除(教則の書き分けから見た注意点)。
- 二種が要るのは、旅客を運送する目的のときと、代行運転の普通自動車を運転するとき。事業用の日常点検は1日1回・運行の開始前。
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出典
- 警察庁「学科試験の出題形式、出題範囲及び出題基準等について(通達)」丁運発第46号(令和5年3月30日。別添の学科試験出題基準の第二種と普通免許等の列): https://www.npa.go.jp/laws/notification/koutuu/menkyo/menkyo20230330_46.pdf
- 国家公安委員会「交通の方法に関する教則」第9章(警察庁掲載の令和6年11月版と、その後の改正告示 令和8年第9号・第32号): https://www.npa.go.jp/bureau/traffic/20241113kyousoku.pdf
- 警察庁「運転免許統計 令和7年版」(令和7年中の運転免許試験実施状況): https://www.npa.go.jp/publications/statistics/koutsuu/r07main.pdf
- 道路交通法 第85条第11項(旅客自動車)・第86条第1項・第5項(第二種免許)(e-Gov法令検索・2026年7月21日施行の版): https://laws.e-gov.go.jp/law/335AC0000000105
- 道路交通法施行令 第27条第1項(高速自動車国道の最高速度)・第34条の5(試験の免除)(e-Gov法令検索・2026年9月1日施行の版): https://laws.e-gov.go.jp/law/335CO0000000270








