二種免許(大型二種・中型二種・普通二種)の学科試験の問題は、試験を行う都道府県警察が、国家公安委員会の「交通の方法に関する教則」の範囲で作っています。 警察庁の通達は、問題の漏えいを防ぐために第二種で10種類程度のパターンを用意するよう求め、2026年2月の通達は各免許で少なくとも10数種類程度の試験問題を作るよう求めています。警察庁の通達や、ぴよパスが見た6都道府県の警察の二種の試験案内には、問題や例題は載っていませんでした(2026年10月21日)。
- 公式に読めるのは、出題範囲の教則(警察庁のサイトのPDF)と、章ごとの問題数を決めた出題基準(警察庁丁運発第46号)。文章問題90問のうち20問が第9章(旅客の心得)。
- 市販の二種の問題集は、国立国会図書館の書誌で2022年の版がいちばん新しい。その後の教則の改正が入っているかは確かめられない。
- 大型二種・中型二種・普通二種の学科試験は、同じ出題基準で行われる。
二種の範囲の問題は、ぴよパスの○×の練習問題で無料で解けます。たとえば旅客自動車の運転中に重大な故障を見つけたときの問題や疲れて安全運転ができないおそれがあるときの問題から始められます。どれもぴよパスのオリジナル予想問題で、本試験の問題ではありません。
この記事は、警察庁の通達3本(丁運発第46号・第135号・第22号)と教則(警察庁掲載のPDF)、道路交通法と施行規則(e-Gov法令検索)、神奈川県・群馬県・大阪府・東京都・千葉県・秋田県の警察の二種の案内、国立国会図書館サーチの書誌を、2026年10月21日に確かめてまとめたものです。
二種の問題は誰がどう作るか
道路交通法第97条第3項は、学科試験は「国家公安委員会が作成する教則の内容の範囲内で行う。」と定めています。範囲は全国共通ですが、問題を作るのは都道府県警察で、警察庁の通達は作り方を次のように求めています。
| 通達 | 書いてあること |
|---|---|
| 丁運発第135号「学科試験の適正な管理について」(令和3年6月18日) | 各都道府県の交通実態や事故の発生状況に応じ、管内を安全運転するために必要な知識の問題を作る(1(1)ウ) |
| 同 | 問題の漏洩防止のため、第二種・普通等・原付・仮免許について、それぞれ10種類程度のパターンを作る(2(1)) |
| 同 | 試験の都度、パターンの一部や問題の順番を入れ替える(2(2)) |
| 同 | 教則が改正されたら全問を点検して直し、少なくとも5年程度で全面的に更新する(1(2)) |
| 丁運発第22号「運転免許試験の適正な実施について」(令和8年2月4日) | 各免許ごとに少なくとも10数種類程度の試験問題を作り、問題ごとの正答率などを把握して適宜差し替える(3(1)) |
| 同 別添の点検表 | 「問題と答案用紙の回収はどのようにするか。」を点検し、試験問題の紛失防止に配慮しているかを見る |
通達は、問題を地域ごとに作り、パターンを入れ替えながら使い、正答率を見て差し替え、5年程度で全面的に作り直すよう求めています。全国共通の「二種の過去問」は、この仕組みの上ではできにくいものです。インターネットで「過去問」として出回っている問題があっても、どこの試験で使われた問題かを確かめる方法はありません。
公開された過去問が見つからない — 探した範囲
| 見たところ | 二種の問題・例題 |
|---|---|
| 警察庁の通達の一覧(交通局)と「交通安全のための情報」 | 載っていない(出題基準・管理の通達と教則だけ) |
| 神奈川県警察「大型二種・中型二種・普通二種免許(指定校卒業)の試験手続について」 | 載っていない(文章問題90問・イラスト問題5問・90点以上の説明) |
| 群馬県警察(群馬県のサイトに掲載)「総合交通センターで、学科・技能試験を直接受ける方(大型二種・中型二種・普通二種免許)」 | 載っていない(同じ説明) |
| 大阪府警察「第二種免許」 | 載っていない(95問・90パーセント以上の説明) |
| 警視庁「大型二種・中型二種・普通二種免許試験(指定教習所を卒業された方)」 | 載っていない |
| 千葉県警察「二種免許を取得される方」 | 載っていない(英語の問題の導入の告知) |
| 秋田県警察「外国語による学科試験問題」 | 載っていない(言語の一覧) |
47都道府県のすべては見ていないので、「どこの警察も公開していない」とまでは言えません。秋田県警察の外国語の案内は第二種を「(100問)」と書いていますが、通達の形は文章問題90問とイラスト問題5問の95問・100点満点です。
出題基準 — 教則のどの章から何問出るか
丁運発第46号は、第二種の学科試験を、文章問題90問とイラスト問題5問(1問2点・三肢すべて正しいときだけ点が入る)の100点満点・50分・90%以上で合格と定めています。合格基準の90%は道路交通法施行規則第25条の定めです。
| 教則の章 | 第二種の文章問題 |
|---|---|
| 第5章 自動車や一般原動機付自転車の運転の方法 | 30 |
| 第9章 旅客自動車や代行運転自動車の運転者などの心得 | 20 |
| 第1章 歩行者と運転者に共通の心得 | 13 |
| 第6章 危険な場所などでの運転 | 9 |
| 第7章 高速道路での走行 | 8 |
| 第4章 自動車や一般原動機付自転車を運転する前の心得 | 6 |
| 第10章 交通事故、故障、災害などのとき | 3 |
| 第11章 自動車所有者などの心得 | 1 |
| イラスト問題(危険の予測。各章を横断) | 5問・10点 |
第二種の出題基準では、文章問題に第8章(二輪車)の割り当てがありません。第9章は教則のPDFの81〜82ページの2ページほどで、そこから文章問題の2割を超える20問が出ます。
市販の二種の問題集(書誌)
国立国会図書館サーチで「第二種免許 問題集」などを検索して見つかった、二種の学科試験の問題集です(2026年10月21日)。
| 書名 | 著者・監修 | 出版社 | 発行 |
|---|---|---|---|
| 1回で合格!第二種免許完全攻略問題集 : 赤シート対応 | 長信一 著 | 成美堂出版 | 2022年 |
| 第二種免許試験に必ず出る!実戦1570題(改訂新版) | KM自動車教習所 監修 | 日本文芸社 | 2017年 |
| 早くとりたい第二種免許問題集 : がんばるニャー(改訂新版) | — | 金園社 | 2017年 |
このほか、日本文芸社からも2022年に長信一 監修の二種の学科試験の問題集が出ています。2023年以降の版は、国立国会図書館の検索では見つかりませんでした。2022年の本の後も、教則は2023年4月1日施行の改正(令和4年国家公安委員会告示第53号)から2026年9月1日施行の改正(令和8年第32号)まで、少なくとも9本の告示で改正されています。ぴよパスは本の中身を見ていないので、これらの改正が入っているかはわかりません。本で解いて迷った問題は教則で確かめますが、警察庁のサイトの教則のPDFは2024年11月の版で、令和6年第47号・令和8年第9号・令和8年第32号の改正は入っていません。これらは警察庁の「国家公安委員会告示」のページの改正告示で確かめます。アプリの比べは二種免許の学科試験のアプリにまとめています。
過去問の代わりの練習のしかた
- 第9章を教則で全部読む — 2ページで20問分。「旅客自動車の運転者」「バスの運転者」「タクシーの運転者」「事業者」と、決まりごとに対象が分かれている。
- 章ごとに○×で解く — 問題数の多い第5章(30問)・第9章(20問)・第1章(13問)から。間違えた問題は、答えを覚えるのではなく、教則のどの決まりが理由かを確かめる。パターンが入れ替わるので、特定の問題の答えの暗記は通用しにくい。
- 本番と同じ長さで通して解く — 90問を50分で解き、時間の配分と、落としやすい章を見つける。
例題(オリジナルの○×)
- 二種免許の学科試験は、文章問題100問で行われる。
- 二種免許の学科試験の出題基準では、文章問題に二輪車の運転の方法(教則第8章)の割り当てがない。
- 旅客自動車の運転者は、運転中に重大な故障を発見したときは、次の停留所まで運転してから点検する。
- 旅客自動車の運転者は、坂道で車から離れるときは、旅客を降ろす。
答え: 1 ×(文章問題90問とイラスト問題5問)・2 ○(丁運発第46号の第二種の列の文章問題に第8章の割り当ては無い)・3 ×(教則第9章1(2)イ「直ちに運転を中止すること」)・4 ○(教則第9章1(2)ウ)。
練習問題と模擬試験
ぴよパスの二種免許の練習問題は、二種免許の学科試験のページから、第9章を含めて分野ごとに○×で無料で解け、全問に解説があります。本番の文章問題と同じ90問・50分で、教則の章ごとに出す模擬試験は Premium の機能です。模擬試験にはイラスト問題は入っていません。
まとめ
- 二種の学科試験の問題は、都道府県警察が教則の範囲で作る。警察庁の通達は、漏えいを防ぐために複数のパターンを用意し、正答率を見て差し替えるよう求め、点検表に問題と答案用紙の回収の項目を置いている。
- 警察庁の通達と6都道府県の二種の案内には、問題も例題も載っていない。全国共通の過去問は、この仕組みの上ではできにくい。
- 公式に読めるのは教則と出題基準。文章問題90問のうち第9章が20問で、第8章(二輪車)の割り当ては無い。大型・中型・普通の二種で同じ。
- 市販の二種の問題集は2022年の版が最新(国立国会図書館の書誌)。教則のPDFは2024年11月の版なので、その後の改正は警察庁の改正告示で確かめる。
関連記事
出典
- 道路交通法(e-Gov法令検索・2026年7月21日施行の版)第97条第3項
- 道路交通法施行規則(e-Gov法令検索・2026年9月1日施行の版)第25条
- 警察庁丁運発第46号「学科試験の出題形式、出題範囲及び出題基準等について(通達)」(令和5年3月30日)
- 警察庁丁運発第135号「学科試験の適正な管理について(通達)」(令和3年6月18日)
- 警察庁丁運発第22号「運転免許試験の適正な実施について(通達)」(令和8年2月4日)
- 国家公安委員会告示「交通の方法に関する教則」(警察庁掲載のPDF・2024年11月の版)第9章と、警察庁「国家公安委員会告示」の一覧
- 神奈川県警察「大型二種・中型二種・普通二種免許(指定校卒業)の試験手続について」
- 群馬県警察「総合交通センターで、学科・技能試験を直接受ける方(大型二種・中型二種・普通二種免許)」(令和7年10月1日改定・群馬県のサイトに掲載)
- 大阪府警察「第二種免許」
- 警視庁「大型二種・中型二種・普通二種免許試験(指定教習所を卒業された方)」
- 千葉県警察「二種免許を取得される方」
- 秋田県警察「外国語による学科試験問題(秋田県)」
- 国立国会図書館サーチの書誌(2026年10月21日に確認)







