二種免許(第二種運転免許)は、バスやタクシーなどの旅客自動車を、旅客を運ぶ目的で運転するときと、運転代行のときに要る免許です。 第一種免許では、旅客自動車で旅客を運ぶことも、代行運転の普通自動車を運転することもできません(道路交通法第85条第11項・第12項)。種類は大型・中型・普通・大型特殊・牽引の5つで、受験資格・視力・技能試験の基準が普通免許(第一種)より厳しくなっています。
- 二種が要るかは「人を乗せるか」ではなく、旅客自動車を旅客運送の目的で運転するか(または代行運転か)で決まります。
- 受験資格は原則21歳以上で、第一種の免許をいま受けていて、その期間が通算3年以上。特例教習を修了すると19歳以上・1年以上に緩められます。
- 視力は両眼0.8以上・一眼0.5以上で、深視力の検査があります。技能試験の合格基準は80%以上(第一種は70%以上)です。
- AT限定は普通二種と中型二種(2026年4月1日から)にあり、大型二種は2027年10月1日から始まる予定です。
二種の学科試験は、普通免許の本免と同じ95問・50分・90点以上で、旅客の運転者の心得の章が20点分入ります。ぴよパスでは、二種が要る場面を運転前の心得・第二種免許・点検と乗車定員、旅客の心得を旅客自動車・代行運転の運転者の心得の問題で、無料で確かめられます。どれもぴよパスのオリジナル予想問題で、本試験の問題ではありません。
この記事は、道路交通法・同施行令・同施行規則(e-Gov法令検索・2026年10月21日の版)と、警察庁の資料・運転免許統計(令和7年版)で確かめた内容です。
二種免許が要るとき・要らないとき
道路交通法は、第二種免許が要る場面を次の2つと定めています。
| 場面 | 条文 | 要る免許 |
|---|---|---|
| 旅客自動車運送事業の用に供される自動車(旅客自動車)を、旅客を運送する目的で運転する | 第86条第1項 | 車の種類に応じた第二種免許 |
| 運転代行で、代行運転普通自動車を運転する | 第86条第5項・第6項 | 普通第二種(大型第二種・中型第二種でもよい) |
交通の方法に関する教則(第4章第2節1(2))も、第二種免許を、タクシーなどの旅客自動車を旅客運送のため運転しようとする場合や、代行運転の普通自動車を運転しようとする場合の免許と説明しています。
条文の要件は「旅客自動車」を「旅客を運送する目的で」運転することなので、道路交通法の免許の区分では、次のときは第一種免許(その車を運転できる種類)で運転できます。
- 旅客を乗せずに、バスやタクシーを営業所へ回送する。
- 会社が持つ自家用のマイクロバスで、社員を無償で送迎する(旅客自動車運送事業の車ではない)。
5つの種類と運転できる車
第二種免許は5種類です(道路交通法第84条第4項)。第一種の準中型免許に当たる第二種免許はなく、準中型自動車で旅客を運ぶときは中型第二種免許が要ります(第86条第1項の表。大型第二種免許でも運転できる)。
| 種類 | 旅客を運ぶ目的で運転できる自動車 | 乗車定員の区分(警察庁の資料) |
|---|---|---|
| 大型第二種 | 大型・中型・準中型・普通自動車の旅客自動車 | 30人以上 |
| 中型第二種 | 中型・準中型・普通自動車の旅客自動車 | 29人以下11人以上 |
| 普通第二種 | 普通自動車の旅客自動車 | 10人以下 |
| 大型特殊第二種 | 大型特殊自動車の旅客自動車 | — |
| 牽引第二種 | 牽引自動車で旅客用の車両を牽引する | — |
- 第二種免許を受けると、対応する第一種免許で運転できる自動車も運転できます(第86条第2項)。たとえば普通第二種があれば、普通免許で運転できる車は普通第二種で運転できます。
- 運転代行の代行運転普通自動車は、普通第二種のほか、大型第二種・中型第二種でも運転できます(第86条第6項)。
- 乗車定員の区分は、警察庁の「AT大型免許等の導入」の資料の表によります。自動車の大きさの区分には、乗車定員のほかに車両総重量などの基準もあります。
第一種免許との違い
普通第二種と普通免許(第一種)を比べると、次のとおりです。
| 項目 | 普通免許(第一種) | 普通第二種 |
|---|---|---|
| 旅客自動車で旅客を運ぶ・代行運転 | できない | できる |
| 免許を受けられる年齢・受験資格の年齢 | 18歳以上(試験は2026年4月1日から17歳6か月以上で受けられる) | 21歳以上(特例教習で19歳以上) |
| ほかの免許の期間 | 要らない | 第一種(大型・中型・準中型・普通・大型特殊)をいま受けていて、その期間が通算3年以上(特例教習で1年以上) |
| 視力(矯正を含む) | 両眼0.7以上・一眼それぞれ0.3以上など | 両眼0.8以上・一眼それぞれ0.5以上 |
| 深視力 | 検査なし | 三桿法の検査器で2.5メートルの距離から3回検査し、平均誤差2センチメートル以下 |
| 学科試験 | 95問・50分・90点以上 | 95問・50分・90点以上(旅客の心得の章が20点分) |
| 技能試験の合格基準 | 70%以上 | 80%以上 |
- 視力と深視力の基準は道路交通法施行規則第23条、技能試験の合格基準は第24条第10項、学科試験の合格基準は第25条です。二種の視力と深視力の基準は、大型・中型・準中型の第一種免許と同じです。
- 普通免許を持っていても、二種の学科試験は免除されません。二種の学科試験が免除されるのは、受ける免許とは別の種類の第二種免許を受けている人などです(道路交通法施行令第34条の5第2号)。
- 大型第二種・中型第二種・普通第二種の技能試験は、道路でも行います(道路交通法第97条第2項)。
受験資格 — 21歳・3年、特例教習で19歳・1年
| 条件 | 原則 | 政令で定める経験がある人 | 受験資格特例教習を修了した人 |
|---|---|---|---|
| 年齢 | 21歳以上 | 21歳以上 | 19歳以上(適性の教習) |
| 第一種の免許(いま受けていること)の期間 | 通算3年以上 | 通算2年以上 | 通算1年以上(技能の教習) |
- 年齢と期間の特例は別々の教習です(道路交通法施行令第34条第5項・第7項)。19歳以上・1年以上で受けるには、適性と技能の両方の教習を修了します。
- 「政令で定める経験」は、旅客自動車に運転者以外の乗務員として2年以上乗務した経験などです(同条第6項)。
- 別の種類の第二種免許を受けている人も受けられます(道路交通法第96条第5項第3号)。
- 牽引第二種は、大型・中型・準中型・普通・大型特殊免許のどれかに加えて、牽引免許を受けていることが条件です(同項第2号)。
特例教習の時限や、若年運転者期間の決まり、教習所の時限数は大型二種免許の取り方にまとめています。
AT限定の第二種免許 — いつから取れるか
警察庁は、トラックやバスのAT車の普及や職業ドライバー不足を踏まえて、大型・中型・準中型免許と大型第二種・中型第二種免許にAT免許を入れることにしました。施行日は免許によって違います。
| 免許 | AT限定 | 施行日 |
|---|---|---|
| 普通第二種 | 以前からある(技能試験の方法の見直しは2025年4月1日から) | — |
| 中型第二種 | あり | 2026年4月1日 |
| 大型第二種 | まだない | 2027年10月1日(予定) |
- 道路交通法施行規則の版を比べても、AT中型第二種免許は2026年4月1日からの版(今の版)にあり、AT大型第二種免許は2027年10月1日施行の版で加わります。
- 見直しの後は、MT免許の技能試験も原則としてAT車で行い、クラッチとギアの操作の項目だけをMTの普通車で行います(警察庁)。
- 教習所によっては、当面のあいだ従来の方法で教習することも認められています。
学科試験の中身
二種の学科試験は、文章問題90問(1問1点)とイラスト問題5問(1問2点・3つの文がすべて正しいときだけ)の100点満点・50分で、90点以上が合格です(警察庁の通達・道路交通法施行規則第25条)。普通免許の本免と形は同じで、違いは出題の割り振りです。教則の第9章「旅客自動車や代行運転自動車の運転者などの心得」が20点分入り、二輪車の章が出ないほか、第4章・第5章などの配点も少し減ります。
章ごとの違いと覚え方は二種免許の学科試験のコツ、練習問題の使い方は二種免許の学科試験の練習問題にまとめています。
数字で見る二種免許(運転免許統計 令和7年版)
保有している免許の数(令和7年末)
| 種類 | 免許の数(延べ) |
|---|---|
| 大型第二種 | 749,150 |
| 中型第二種 | 664,156 |
| 普通第二種 | 169,395 |
| 大型特殊第二種 | 37,765 |
| 牽引第二種 | 41,469 |
| 第二種の計 | 1,661,935 |
- 2種類以上の免許を持つ人は、持っているすべての欄に数えた延べの数です。
- 統計の注によると、平成19年6月2日から平成29年3月11日までに取った普通第二種免許は、中型第二種免許(5t限定)とみなされて中型第二種の欄に入っています。同じ統計には中型第二種の8t限定(平成19年6月から実施)の数もあります。普通第二種の欄の数は、普通車で旅客を運べる免許の数より小さく出ます。普通第二種の欄は、令和3年末の67,611から令和7年末の169,395に増えています。
試験の受験者と合格者(令和7年中)
| 種類 | 受験者 | 合格者 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 大型第二種 | 15,605 | 10,475 | 67.1% |
| 中型第二種 | 1,974 | 1,320 | 66.9% |
| 普通第二種 | 55,964 | 34,019 | 60.8% |
| 大型特殊第二種 | 1,049 | 383 | 36.5% |
| 牽引第二種 | 1,492 | 317 | 21.2% |
| 第二種の計 | 76,084 | 46,514 | 61.1% |
- 適性試験・学科試験・技能試験をあわせた運転免許試験の延べの人数です。学科試験だけの合格率ではありません。
- 普通第二種のうちAT限定は、受験者43,740・合格者27,619(63.1%)です。
- 同じ統計の「運転免許試験合格者の内訳」の表では、第二種の合格者46,513人のうち42,529人が指定自動車教習所の卒業者です。
例題で確かめる
ぴよパスのオリジナル予想問題から3問です(本試験の問題ではありません)。
例題1 旅客を乗せずに営業所へ回送する大型バスは、大型第二種免許を受けていなくても、第一種の大型免許で運転することができる。
答え: ○。第二種免許が要るのは、旅客自動車を旅客を運送する目的で運転するときです(道路交通法第86条第1項)。旅客を乗せない回送は旅客運送のための運転ではありません。 この問題を解く →
例題2 会社が持つ自家用のマイクロバスで社員を無償で送迎するときは、人を乗せて運ぶので、運転者は第一種免許ではなく第二種免許を受けていなければならない。
答え: ×。旅客自動車は「旅客自動車運送事業の用に供される自動車」です(道路交通法第85条第11項)。会社の自家用のマイクロバスはこれに当たらないので、車の種類に応じた第一種免許で運転できます。 この問題を解く →
例題3 自動車運転代行業に従事する運転者が、客に代わって代行運転自動車である普通自動車を運転するには、第二種免許を受けていなければならない。
答え: ○。第一種免許では代行運転普通自動車を運転できず(道路交通法第85条第12項)、普通第二種免許を受けなければなりません(第86条第5項)。 この問題を解く →
練習問題と模擬試験
分野ごとの練習問題は二種免許の学科試験のページから無料で解けます。二種の学科試験と同じ文章問題90問を50分で通して解く模擬試験は Premium の機能です。模擬試験にはイラスト問題は入っていないので、本番ではイラスト問題5問の分の時間を残して文章問題を解きます。
まとめ
- 二種免許は、旅客自動車を旅客運送の目的で運転するときと、代行運転のときに要る。回送や自家用車の無償の送迎は第一種でよい。
- 種類は大型・中型・普通・大型特殊・牽引の5つ。準中型の二種はなく、準中型自動車の旅客運送は中型二種(または大型二種)。
- 普通免許(第一種)より、受験資格(21歳・3年)、視力(0.8・0.5と深視力)、技能試験(80%)が厳しい。受験資格と視力は大型の第一種と同じ水準で、技能試験の80%は第一種のどれよりも高い。学科は同じ95問・50分・90点で、旅客の心得が20点分。
- AT限定は普通二種と中型二種(2026年4月1日から)。大型二種は2027年10月1日から始まる予定。
関連記事
出典
- 道路交通法 第84条・第85条・第86条・第96条・第97条(e-Gov法令検索・2026年10月21日の版): https://laws.e-gov.go.jp/law/335AC0000000105
- 道路交通法施行令 第34条・第34条の5: https://laws.e-gov.go.jp/law/335CO0000000270
- 道路交通法施行規則 第23条・第24条・第25条: https://laws.e-gov.go.jp/law/335M50000002060
- 国家公安委員会「交通の方法に関する教則」(警察庁・2024年11月13日版): https://www.npa.go.jp/bureau/traffic/20241113kyousoku.pdf
- 警察庁「学科試験の出題形式、出題範囲及び出題基準等について(通達)」(丁運発第46号・令和5年3月30日): https://www.npa.go.jp/laws/notification/koutuu/menkyo/menkyo20230330_46.pdf
- 警察庁「AT大型免許等の導入及びMT免許の技能試験等の方法の見直しについて」: https://www.npa.go.jp/bureau/traffic/menkyo/menkyo_atogata.html ・概要: https://www.npa.go.jp/bureau/traffic/menkyo/20250324.pdf
- 警察庁「運転免許統計(令和7年版)」: https://www.npa.go.jp/publications/statistics/koutsuu/r07main.pdf




