大型二種免許(大型自動車第二種免許)は、21歳以上で普通免許などを通算3年以上受けている人が、適性試験・学科試験・技能試験に合格して取る免許です(道路交通法第96条第5項第1号)。 大型一種を先に取る必要はありません。2022年5月13日からは、受験資格特例教習を修了すれば19歳以上・通算1年以上で受けられます。教習所を卒業すれば技能試験が免除され、試験場では適性試験と学科試験(95問・50分・90点以上)を受けます。
この記事では、大型二種で運転できる車と、二種が要る場面・要らない場面、受験資格と特例教習、試験の基準、教習所の時限数、手数料を、道路交通法・同施行令・同施行規則と警察庁・警視庁の案内で整理します。
ぴよパスでは、二種免許の学科試験(大型二種・中型二種・普通二種)のオリジナル予想問題を登録不要・無料で解けます。警察庁・都道府県警察とは関係がなく、本試験の問題を載せたものではありません。
結論: 大型二種免許の取り方
- 受験資格を確かめる: 21歳以上で、大型・中型・準中型・普通・大型特殊免許のどれかを通算3年以上(停止の期間を除く)。特例教習を修了すれば19歳以上・1年以上。
- 教習所に通う(または試験場で直接受ける)。普通免許(MT)の人の教習の基準は、技能33時限・学科17時限。
- 卒業検定に合格して卒業証明書を受け取る(技能試験が免除。1年以内に本免へ)。
- 試験場で適性試験と学科試験を受ける。視力は両眼0.8以上・片眼それぞれ0.5以上と深視力。学科は95問・50分・90点以上。一種を持っていても学科は免除されない。
- 費用: 東京の試験の手数料は教習所卒業者で4,150円。教習所の料金は別。
大型二種で運転できる車
道路交通法施行規則第2条は、大型自動車を「車両総重量が11,000キログラム以上のもの、最大積載量が6,500キログラム以上のもの又は乗車定員が30人以上のもの」(大型特殊・二輪・小型特殊を除く)と定めています。
大型二種で運転できるのは次の車です(道路交通法第86条第2項・第6項)。
- 大型自動車(旅客を運ぶ目的の運転を含む)
- 中型・準中型・普通自動車(旅客を運ぶ目的の運転を含む)と、大型一種で運転できる小型特殊自動車・一般原動機付自転車
- 代行運転の普通自動車
大型特殊自動車・二輪車は、大型二種では運転できません。乗車定員11〜29人のマイクロバスは中型自動車なので、これを旅客を運ぶ目的で運転するなら中型二種以上が要ります。
二種が要る場面・要らない場面
第二種免許が要るのは、旅客自動車(旅客自動車運送事業に使う自動車)を、旅客自動車運送事業の旅客を運ぶ目的で運転するときです(道路交通法第86条第1項)。
- 要る: 路線バス・高速バス・観光バスなどで、乗客を乗せて運転する
- 要らない: 旅客を乗せずに営業所へ回送する、会社の自家用バスで社員を無償で送迎する(第一種の、その車を運転できる免許でよい)
受験資格 — 21歳・3年、特例教習で19歳・1年
道路交通法第96条第5項第1号は、牽引第二種以外の第二種免許の試験を受けられる人を、次のように定めています。
| 条件 | 原則 | 政令で定める経験がある人 | 特例教習を修了した人 |
|---|---|---|---|
| 年齢 | 21歳以上 | 21歳以上 | 19歳以上(適性の教習を修了) |
| 免許の期間 | 大型・中型・準中型・普通・大型特殊のどれかを通算3年以上 | 通算2年以上 | 通算1年以上(技能の教習を修了) |
- 「政令で定める経験」は、旅客自動車に運転者以外の乗務員として2年以上乗務した経験や、自衛官として自衛隊の自動車を2年以上運転した経験です(同法施行令第34条第6項)。
- 大型二種の受験に大型一種は要りません。普通免許だけの人も受けられます。
- 別の種類の第二種免許(普通二種など)を持っている人も受けられます(道路交通法第96条第5項第3号)。
受験資格特例教習: 警察庁の案内では、年齢を19歳以上に引き下げる特例の教習は、旅客自動車の運転に必要な適性(自己制御能力)について、座学や実車を含む7時限以上、経験を1年以上に引き下げる特例の教習は、技能(危険予測・回避能力)について29時限以上です。2022年5月13日から始まりました。年齢の特例で取った人は、21歳になるまでが「若年運転者期間」で、この間に違反の点数が合計3点以上(1回の違反で3点になった場合を除く)になると若年運転者講習(9時間)を受けなければならず、受けないと特例で取った免許が取り消されます。講習の後に再び合計3点以上(同じく1回で3点の場合を除く)になったときも取り消されます。
警察庁の通達によると、この見直しは、運転者不足などを理由にタクシー業界とバス業界から受験資格の見直しの要望が出され、有識者会議の提言で「第二種免許取得前及び取得後の双方において適切な安全対策を講ずることができる場合」に特例的に見直す方向とされたことを受けたものです。
試験の中身 — 適性・学科・技能
| 試験 | 大型二種の基準 |
|---|---|
| 適性(視力) | 両眼で0.8以上、かつ一眼でそれぞれ0.5以上(矯正を含む) |
| 適性(深視力) | 三桿法の奥行知覚検査器で2.5メートルの距離から3回検査し、平均誤差が2センチメートル以下 |
| 適性(聴力・色彩) | 10メートルの距離で90デシベルの警音器の音が聞こえる、赤・青・黄の識別(ほかの種類の免許を持っている人には色彩の検査をしない) |
| 学科 | 文章問題90問とイラスト問題5問・50分・100点満点で90点以上。第二種だけの教則第9章(旅客自動車の運転者などの心得)から20問 |
| 技能 | 6,000メートル以上を走行(方向変換・縦列駐車・鋭角コースは道路で行わないことがある)。交差点の通行、横断歩道の通過、人の乗降のための停車と発進、方向変換か縦列駐車、鋭角コースの走行など。80%以上で合格 |
適性試験と学科試験は技能試験の前に行い、どちらかに合格しないと技能試験は受けられません(同法施行規則第26条)。教習所の卒業証明書(卒業検定から1年以内)があれば技能試験は免除されます(同法第97条の2第1項第2号)。
一種を持っていても学科は免除されない: 第一種免許どうしは、別の種類の第一種免許を持っていれば学科試験が免除されますが、第二種免許の学科試験が免除されるのは、別の種類の第二種免許を持っている人などです(同法施行令第34条の5第2号)。大型一種や普通免許を持っていても、大型二種の学科試験は受けます。
教習所で取るとき — 時限数の基準
道路交通法施行規則の別表第四は、指定自動車教習所の教習時間の基準(最低の時限数・1時限50分)を、持っている免許ごとに定めています。大型二種の行の主なものです。
| 持っている免許 | 技能教習 | 学科教習 |
|---|---|---|
| 普通免許(MT) | 33時限 | 17時限 |
| AT限定普通免許 | 37時限 | 17時限 |
| 中型車(8t)限定中型免許(2007年6月1日までに取った普通免許) | 28時限 | 17時限 |
| 準中型免許 | 29時限 | 17時限 |
| 中型免許 | 23時限 | 17時限 |
| 大型免許 | 17時限 | 17時限 |
| 中型第二種免許 | 13時限 | 0時限 |
| 普通第二種免許 | 28時限 | 0時限 |
- 学科17時限のうち、学科(二)に応急救護処置教習6時限が入ります(第二種免許を持っている人などを除く)。
- 技能の時限数は「教習を受ける者の技能の修得状況に応じ延長する」とされていて、表の数は最低の時限数です。
- 1日の教習時間は、教習に使う自動車(大型二種なら大型自動車)を運転できる第一種免許を持つ人は4時限まで、それ以外の人は3時限まで(基本操作と基本走行は2時限まで)です(同規則第33条第5項第1号ヨ)。
- 教習は9か月以内に修了する決まりです(同号ラ)。
試験場で直接受ける人は、教習所を卒業した人と違い、取得時講習(大型旅客車講習と応急救護処置講習・各6時間)を受けます(医師など、一部または全部が免除される人もいます)。普通免許だけの人が直接受けるときは、大型仮免許と路上練習も要ります(同法第96条の2)。
手数料(東京の例)
| 受け方 | 試験の手数料 | 免許証の交付 | ほか |
|---|---|---|---|
| 教習所を卒業した人 | 受験料1,800円 | 2,350円 | 合計4,150円 |
| 試験場で直接受ける人 | 受験料4,500円・試験車使用料2,950円 | 2,350円 | 合計9,800円。別に取得時講習の受講料30,300円。受け直すたびに受験料と試験車使用料 |
(警視庁の案内。手数料は都道府県の条例で決まり、道路交通法施行令第43条が標準を定めています。教習所の料金は教習所ごとに違います。)
大型二種免許を持つ人の数
警察庁の運転免許統計(令和7年版)によると、大型二種免許を持つ人は令和7年末で749,150人で、前の年より2.2%減りました。そのうち65歳以上が355,446人で、およそ半分です。令和7年に大型二種の試験に合格した10,475人のうち9,609人は、教習所の卒業者でした。
国土交通白書2025は、日本バス協会の推計を引いて、2022年の輸送規模を保つと仮定すると、2030年には必要な人員が3万6千人(必要人員全体の28%)不足する見込みとしています。
例題: ぴよパスの二種免許の問題から
ぴよパスのオリジナル予想問題から2問です(本試験の問題ではありません)。正しければ○、誤りなら×で答えます。
例題1 路線バスの運転者をめざして大型第二種免許の運転免許試験を受けようとする場合、道路交通法第96条第5項第1号が求める「免許を受けていた期間(通算)」には、大型特殊免許を受けていた期間も数えられる。
答え: ○。第96条第5項第1号は、大型・中型・準中型・普通・大型特殊のいずれかの免許を受けていた期間を数えます。普通二輪や原付の免許の期間は数えません。 この問題を解く →
例題2 旅客を乗せずに営業所へ回送する大型バスは、大型第二種免許を受けていなくても、第一種の大型免許で運転することができる。
答え: ○。第二種免許が要るのは、旅客自動車を「旅客を運送する目的で」運転するときです(道路交通法第86条第1項)。回送は旅客運送のための運転ではありません。 この問題を解く →
練習問題と模擬試験の使い方
大型二種の学科は、大型二種・中型二種・普通二種で同じ範囲の問題です。ぴよパスの二種免許の練習問題は、第二種だけの第9章(旅客自動車の運転者などの心得)を含めて分野ごとに○×で解け、全問に解説があります。内訳は二種免許の学科試験の練習問題、本免との違いと覚え方は二種免許の学科試験のコツの記事で説明しています。本番の文章問題と同じ90問・50分で、教則の章ごとに出す模擬試験は Premium の機能です。
まとめ
- 大型二種は、21歳以上・普通免許などを通算3年以上で受けられる。大型一種は要らない。特例教習で19歳・1年から受けられる(2022年5月13日から)。
- 二種が要るのは、旅客自動車を旅客運送の目的で運転するとき。回送や自家用の送迎は一種で足りる。
- 適性は視力(両眼0.8・片眼それぞれ0.5)と深視力、学科は95問・50分・90点以上、技能は80%以上。一種を持っていても学科は免除されない。
- 教習所の基準は、普通免許(MT)の人で技能33時限・学科17時限。大型免許の人は技能17時限。
- 東京の試験の手数料は、教習所卒業者で4,150円。
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出典
- 道路交通法(e-Gov法令検索・2026年7月21日施行の版)第84条・第85条・第86条・第96条・第96条の2・第97条・第97条の2・第102条の3
- 道路交通法施行令(e-Gov法令検索)第34条・第34条の5・第43条
- 道路交通法施行規則(e-Gov法令検索・2026年9月1日施行の版)第2条・第23条・第24条・第25条・第26条・第33条・第38条・別表第四
- 警察庁「第二種免許等の受験資格の見直しについて」、丁運発第90号「受験資格特例教習及び若年運転者講習に係る標準指導要領について(通達)」(令和4年3月29日)、丁運発第46号「学科試験の出題形式、出題範囲及び出題基準等について(通達)」(令和5年3月30日)
- 警察庁「運転免許統計」令和7年版
- 警視庁「大型二種・中型二種・普通二種免許試験(指定教習所を卒業された方)」「同(直接試験場で受験される方)」「運転免許試験一覧」
- 国土交通省「国土交通白書2025」(日本バス協会の推計を引用)



