普通二種免許(普通自動車第二種免許)は、21歳以上で普通免許などを通算3年以上受けている人が、適性試験・学科試験・技能試験に合格して取る免許です(道路交通法第96条第5項第1号)。 タクシーなどの旅客自動車で客を運ぶときや、運転代行で利用者の車を運転するときに要ります。教習所の最低時限は、2025年9月1日から技能12・学科17の計29時限に減りました。教習所を卒業すれば技能試験が免除され、試験場では適性試験と学科試験(95問・50分・90点以上)を受けます。
- 普通免許(第一種)を何年持っていても、普通二種の学科試験は免除されません。
- 視力は両眼0.8以上・片眼それぞれ0.5以上で、深視力の検査もあります。普通一種より厳しい基準です。
- 東京の試験の手数料は、教習所を卒業した人で4,150円です。教習所の料金は教習所ごとに違います。
学科試験の95問のうち20問は、第二種だけの教則第9章(旅客自動車や代行運転自動車の運転者などの心得)から出ます。ぴよパスの二種免許の学科試験の練習問題では、第9章を旅客自動車・代行運転の運転者の心得の分類で、ほかの章も分野ごとに○×で無料で解けます。警察庁・都道府県警察とは関係がなく、本試験の問題を載せたものではありません。
この記事は、e-Gov 法令検索の道路交通法・同施行令・同施行規則(2026年9月1日施行の版など)、警察庁の「普通第二種免許に係る教習カリキュラムの見直しについて」と「運転免許統計」(令和7年版)、警視庁の試験案内、厚生労働省の教育訓練給付金の案内(どれも2026年10月21日に確認)で確かめた内容です。
結論: 普通二種免許の取り方
- 受験資格を確かめる: 21歳以上で、大型・中型・準中型・普通・大型特殊免許のどれかを通算3年以上(停止の期間を除く)。受験資格特例教習(年齢の特例と期間の特例の2つ)を修了すれば19歳以上・1年以上。
- 教習所に通う(または試験場で直接受ける)。普通免許(MT)の人の教習の基準は、技能12時限・学科17時限の計29時限。
- 卒業検定に合格 して卒業証明書を受け取る(技能試験が免除。検定から1年以内に試験場へ)。
- 試験場で適性試験と学科試験 を受ける。視力(両眼0.8・片眼それぞれ0.5)と深視力。学科は95問・50分・90点以上で、普通一種を持っていても免除されない。
- 費用: 東京の試験の手数料は教習所卒業者で4,150円。教習所の料金は別。教習所の講座によっては教育訓練給付金の対象になる。
普通二種で運転できる車と、要る場面
普通二種で運転できるのは次の車です(道路交通法第86条第2項・第5項)。
- 普通自動車(旅客自動車運送事業の旅客を運ぶ目的の運転を含む)
- 普通免許で運転できる 小型特殊自動車・一般原動機付自転車
- 代行運転普通自動車(運転代行で利用者の普通自動車を運転する)
乗車定員11人以上29人以下の車は中型自動車、30人以上は大型自動車(道路交通法施行規則第2条)なので、マイクロバスなどで旅客を運ぶには中型二種以上が要ります。準中型・中型・大型の車は、普通二種では運転できません。
第二種免許が要るのは、旅客自動車(旅客自動車運送事業に使う自動車)を 旅客自動車運送事業の旅客を運ぶ目的で 運転するときと、代行運転普通自動車を運転するときです(同法第86条第1項・第5項)。タクシー・ハイヤーの事業は、道路運送法の「一般乗用旅客自動車運送事業」にあたります。
受験資格 — 21歳・3年、特例教習で19歳・1年
道路交通法第96条第5項第1号は、牽引第二種以外の第二種免許の試験を受けられる人を、次のように定めています。普通二種にもそのまま当てはまります。
| 条件 | 原則 | 政令で定める経験がある人 | 特例教習を修了した人 |
|---|---|---|---|
| 年齢 | 21歳以上 | 21歳以上 | 19歳以上(適性の教習を修了) |
| 免許の期間 | 大型・中型・準中型・普通・大型特殊のどれかを通算3年以上 | 通算2年以上 | 通算1年以上(技能の教習を修了) |
- 「政令で定める経験」は、旅客自動車に運転者以外の乗務員として2年以上乗務した経験や、自衛官として自衛隊用自動車を2年以上運転した経験です(同法施行令第34条第6項)。
- 受験資格特例教習は、年齢を19歳に下げる適性の教習(7時限以上)と、期間を1年に下げる技能の教習(技能27時限以上と知識2時限以上)の2つで、2022年5月13日から始まりました。年齢の特例(19歳)で取った人は21歳になるまで「若年運転者期間」で、違反の点数によって若年運転者講習や免許の取消しがあります。
- 大型二種・中型二種など、別の種類の第二種免許を持っている人も受けられます(同法第96条第5項第3号)。
試験の中身 — 適性・学科・技能
| 試験 | 普通二種の基準 |
|---|---|
| 適性(視力) | 両眼で0.8以上、かつ一眼でそれぞれ0.5以上(矯正を含む)。普通一種は両眼0.7・片眼0.3 |
| 適性(深視力) | 三桿法の奥行知覚検査器で2.5メートルの距離から3回検査し、平均誤差が2センチメートル以下。普通一種には無い検査 |
| 適性(聴力・色彩) | 10メートルの距離で90デシベルの警音器の音が聞こえる。赤・青・黄の識別(ほかの種類の免許を持っている人は色彩の検査をしない) |
| 学科 | 文章問題90問とイラスト問題5問・50分・100点満点で90点以上。教則第9章から20問 |
| 技能 | AT車で行う項目(道路の走行6,000メートル以上・交差点・横断歩道・人の乗降のための停車と発進・転回・方向変換か縦列駐車・鋭角コース)と、MT車で行う項目(1,200メートル以上)の、それぞれ80%以上。AT限定の普通二種はAT車の項目だけ |
(道路交通法施行規則第23条・第24条・第25条、警察庁丁運発第46号)
普通一種の技能試験の合格基準は70%以上ですが、普通二種は80%以上です。適性試験と学科試験は技能試験の前に行い、どちらかに合格しないと技能試験は受けられません(同規則第26条)。
学科が免除になる人・ならない人
第二種免許の学科試験が免除されるのは、次のような人です(道路交通法施行令第34条の5第2号・第6号)。
- 受けようとする免許と 別の種類の第二種免許 を現に受けている人
- 別の種類の第二種免許の学科試験で合格の成績を取ってから6か月以内の人
- 同じ普通二種の試験で学科に合格してから6か月以内の人(技能で落ちて受け直すときなど)
普通免許(第一種)を持っているだけでは、普通二種の学科試験は免除されません。第一種どうしなら、別の種類の第一種免許を持つ人の学科は免除されますが、第二種の免除は第二種を持つ人などに限られています。普通一種だけを持っている人は、95問の学科試験を受けることになります。
教習所で取るとき — 最低29時限(2025年9月1日から)
道路交通法施行規則の別表第四は、指定自動車教習所の教習時間の基準(最低の時限数・1時限50分)を、持っている免許ごとに定めています。普通二種の主な行です。
| 持っている免許 | 取る免許 | 技能教習 | 学科教習 | 計 |
|---|---|---|---|---|
| 普通免許・準中型・中型・大型(AT限定を除く) | 普通二種(MT) | 12時限 | 17時限 | 29時限 |
| AT限定の普通・準中型・中型免許 | 普通二種(MT) | 16時限 | 17時限 | 33時限 |
| 普通免許(MT・AT限定とも) | AT限定の普通二種 | 12時限 | 17時限 | 29時限 |
- 2025年9月1日に40時限から29時限に減りました(令和7年内閣府令第56号)。改正前は、普通免許の人で技能21時限・学科19時限でした。警察庁は、タクシー業界から教習期間を短くしてほしいという要望があり、有識者検討会の実験教習で、29時限に減らしても同程度の教習効果があると判断したと説明しています。古い案内に残る「技能21・学科19」は改正前の数字です。
- 警察庁は、この見直しで「最短教習日数が従来の6日から3日に短縮されます。」としています。これは最低の時限数で数えた日数で、技能の時限数は上達の具合に応じて延長されます。
- 学科17時限のうち6時限は、応急救護処置教習です(医師・看護師・救急救命士などは受けない)。
- 1日の技能教習は、教習に使う普通自動車を運転できる第一種免許を持つ人は4時限まで(2024年6月29日から。それまでは3時限)です(同規則第33条第5項第1号ヨ)。
- 教習は9か月以内に修了する決まりです(同号ラ)。
試験場で直接受けるとき(一発試験)
- 仮免許と路上練習: 普通一種(MT)を持っていれば、試験車を運転できるので要りません(道路交通法施行令第34条の2第2号イ)。
- 取得時講習: 教習所を卒業していない人は、原則として普通旅客車講習(6時間)と応急救護処置講習(二)(6時間)を受けます(同法第90条の2・施行規則第38条)。講習を受けないと免許が与えられないことがあります。特定教習所の指定の課程を修了した人や医師などは、全部または一部が免除されます。
- 技能試験は予約制 で、適性試験の当日には技能試験を受けられません(警視庁の案内)。
手数料(東京の例)
| 受け方 | 試験の手数料 | 免許証の交付 | ほか |
|---|---|---|---|
| 教習所を卒業した人 | 受験料1,800円 | 2,350円 | 合計4,150円。受け直すたびに受験料 |
| 試験場で直接受ける人 | 受験料4,500円・試験車使用料2,950円 | 2,350円 | 合計9,800円。別に取得時講習の受講料30,300円(旅客車19,200円・応急救護11,100円)。受け直すたびに受験料と試験車使用料 |
(警視庁の案内。運転免許証だけを持つ場合の額で、マイナ免許証だけにすると800円安く、両方を持つと100円高くなります。手数料は都道府県の条例で決まり、道路交通法施行令第43条が標準を定めています。)
教習所や合宿の料金は、教習所ごとに違います。警察庁の運転免許統計にも、総務省の小売物価統計(調べているのは普通一種のAT限定)にも、普通二種の教習料金の公的な統計はありません。
教育訓練給付金
厚生労働省の「教育訓練給付金の講座指定の対象となる主な資格・試験など」には、「普通自動車第二種免許」が一般教育訓練と特定一般教育訓練の対象として載っています。厚生労働大臣の指定を受けた講座なら、教習費用の一部が支給されます。
| 種類 | 支給額 |
|---|---|
| 一般教育訓練 | 教育訓練経費の20%(上限10万円) |
| 特定一般教育訓練 | 40%(上限20万円)。資格を取り、訓練(教習)を修了した日の翌日から原則1年以内に雇用保険の被保険者として雇われる(すでに雇われている人は、修了の翌日から原則1年以内に資格を取る)と、合わせて50%(上限25万円。令和6年10月1日以降に受講を始めた講座) |
雇用保険の加入期間(支給要件期間)が3年以上(初めて受ける人は当面1年以上)必要です。特定一般は、受講の前に訓練前キャリアコンサルティングを受け、受講開始日の2週間前までにハローワークで手続きをします。どの教習所のどの講座が対象かは、厚生労働省の教育訓練講座検索システムで確かめます。
合格率の読み方
警察庁の運転免許統計(令和7年版)では、令和7年の普通二種の試験は次のとおりです。
| 項目 | 令和7年 |
|---|---|
| 受験者数 | 55,964人 |
| 合格者数 | 34,019人 |
| 合格率 | 60.8%(うちAT限定は63.1%) |
ただし、この数字は適性・学科・技能をあわせた延べの数で、受験者の多くは技能試験を免除された教習所の卒業者です。合格者の内訳の表(合計は34,018人で、上の表と1人違います)では、32,348人(約95%)が教習所の卒業者で、試験場で学科も技能も受けて合格した人は1,058人でした。学科試験だけの合格率や、一発試験の合格率は統計にありません。
教習所で普通二種を卒業した人は、令和3年の10,182人から、令和6年は33,434人と約3倍に増え、令和7年も33,182人でした。
例題: ぴよパスの二種免許の問題から
ぴよパスのオリジナル予想問題から2問です(本試験の問題ではありません)。正しければ○、誤りなら×で答えます。
例題1 代行運転自動車の運転者は、利用者の車を運転して代行運転を行うときは、代行運転自動車標識を表示しなければならない。
答え: ○。教則第9章は、代行運転自動車の運転者は代行運転自動車標識を表示しなければならないとしています。 この問題を解く →
例題2 病気や疲れなどの理由で安全運転ができないおそれがあるときに、その旨を事業者に申し出ることは、教則では旅客自動車の運転者だけでなく、代行運転自動車の運転者にも同じく求められている。
答え: ×。教則第9章で、病気や疲れのときに事業者に申し出ることは、旅客自動車を運転する場合の心得として挙げられています。 この問題を解く →
練習問題と模擬試験の使い方
普通二種の学科は、大型二種・中型二種と同じ範囲の問題です。ぴよパスの二種免許の練習問題は、第9章を含めて分野ごとに○×で解け、全問に解説があります。本免との違いと覚え方は二種免許の学科試験のコツの記事で説明しています。本番の文章問題と同じ90問・50分で、教則の章ごとに出す模擬試験は Premium の機能です。模擬試験にはイラスト問題は入っていません。
まとめ
- 普通二種は、21歳以上・普通免許などを通算3年以上で受けられる。特例教習で19歳・1年から。
- 教習所の最低時限は、普通免許(MT)の人で技能12・学科17の計29時限(2025年9月1日から。それまでは40時限)。
- 普通一種を何年持っていても学科は免除されない。学科は95問・50分・90点以上。
- 視力は両眼0.8・片眼それぞれ0.5と深視力。技能はAT・MTの項目とも80%以上。
- 東京の試験の手数料は教習所卒業者で4,150円、直接受けると9,800円と取得時講習30,300円。
- 合格率60.8%(令和7年)は延べの数字で、合格者の約95%が教習所の卒業者。
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出典
- 道路交通法(e-Gov法令検索・2026年7月21日施行の版)第84条・第85条・第86条・第90条の2・第96条・第96条の2・第97条の2
- 道路交通法施行令(e-Gov法令検索・2026年9月1日施行の版)第34条・第34条の2・第34条の5・第43条
- 道路交通法施行規則(e-Gov法令検索・2026年9月1日施行の版)第2条・第23条・第24条・第25条・第26条・第33条・第38条・別表第四
- 警察庁「普通第二種免許に係る教習カリキュラムの見直しについて」「第二種免許に係る1日の技能教習時間の上限の見直しについて」「第二種免許等の受験資格の見直しについて」、丁運発第46号(令和5年3月30日)
- 警察庁「運転免許統計」令和7年版
- 警視庁「大型二種・中型二種・普通二種免許試験(指定教習所を卒業された方)」「同(直接試験場で受験される方)」「マイナ免許証に伴う手数料改定」
- 厚生労働省「教育訓練給付金」「教育訓練給付金の講座指定の対象となる主な資格・試験など」「一般教育訓練の『教育訓練給付金』のご案内」「特定一般教育訓練の『教育訓練給付金』のご案内」





