- 大型免許があれば、中型自動車・準中型自動車・普通自動車・小型特殊自動車・一般原動機付自転車も運転できる。お客さんを乗せて運賃をもらうバスは大型第二種免許。
- 普通免許などを持っている人は、試験場の学科試験が免除される(適性試験と技能試験だけ)。
- AT限定の大型免許は令和9年4月1日に始まる。それまでは大型免許にAT限定は無い。
試験場の大型免許の試験に学科はありませんが、大型車の特徴は普通免許の教則にも書かれています。ぴよパスの普通免許の練習問題で、たとえば大型車の運転席から見えない範囲の問題、大型車の車間距離の感じ方の問題、高速道路での大型貨物自動車の最高速度の問題を解いてみてください。
この記事の条文は e-Gov 法令検索の道路交通法(2026年7月21日施行の版)・同施行令と同施行規則(2026年9月1日施行の版)で、手数料と手続きは警視庁と神奈川県警のページで、受験者と合格者の数は警察庁の運転免許統計(令和7年版)で、2026年10月25日に確かめました。
結論: 大型免許の要点
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 乗れる車 | 車両総重量11トン以上・最大積載量6.5トン以上・乗車定員30人以上のどれかに当たる大型自動車。ほかに中型・準中型・普通自動車・小型特殊自動車・一般原動機付自転車 |
| 年齢 | 21歳以上(受験資格特例教習を修了すれば19歳以上) |
| 経歴 | 中型・準中型・普通・大型特殊免許のどれかを受けて通算3年以上(特例教習で1年以上) |
| 教習所の技能 | 普通免許(MT)あり30時限・AT普通あり34時限・準中型あり23時限・中型あり14時限 |
| 試験場の試験 | 適性試験と技能試験(普通免許などがあれば学科試験は免除) |
| 試験場で直接(東京) | 大型仮免許5,800円・本免許9,250円と取得時講習(普通免許だけなら大型車講習18,600円) |
| 視力など | 両眼0.8以上かつ片眼それぞれ0.5以上、深視力の平均誤差2cm以下 |
| AT限定 | 令和9年4月1日から(それまではMTだけ) |
大型免許で運転できる車(何トンから大型か)
道路交通法施行規則第2条の表は、大型自動車を「車両総重量が一一、〇〇〇キログラム以上のもの、最大積載量が六、五〇〇キログラム以上のもの又は乗車定員が三〇人以上のもの」としています。3つのうち1つでも当たれば大型自動車です。
| 車の種類 | 車両総重量 | 最大積載量 | 乗車定員 |
|---|---|---|---|
| 大型自動車 | 11トン以上 | 6.5トン以上 | 30人以上 |
| 中型自動車 | 7.5トン以上11トン未満 | 4.5トン以上6.5トン未満 | 11人以上29人以下 |
| 準中型自動車 | 3.5トン以上7.5トン未満 | 2トン以上4.5トン未満 | 10人以下 |
| 普通自動車 | 3.5トン未満 | 2トン未満 | 10人以下 |
道路交通法第85条第2項の表は、大型免許で運転できる車を「中型自動車、準中型自動車、普通自動車、小型特殊自動車及び一般原動機付自転車」としています(大型自動車は第1項)。大型特殊自動車と二輪の自動車は運転できません。
大型免許は第一種免許なので、旅客自動車運送事業のバスでお客さんを運ぶことはできません(第85条第11項)。路線バスや観光バスの運転手になるには、大型第二種免許が要ります(第86条)。取り方は大型二種免許の記事にまとめています。
古い普通免許は、いまの区分では次のように扱われています(警察庁の運転免許統計の用語の説明)。平成19年6月2日より前に取った普通免許は、車両総重量8トン未満・最大積載量5トン未満・乗車定員10人以下に限る中型免許(8トン限定中型)です。平成19年6月2日から平成29年3月11日までに取った普通免許は、車両総重量5トン未満・最大積載量3トン未満に限る準中型免許(5トン限定準中型)です。
受けられる人(年齢と経歴)
道路交通法第88条第1項第1号は、大型免許を「二十一歳(政令で定める者にあつては、十九歳)」に満たない人に与えないとしています。経歴は第96条第2項で、「中型免許、準中型免許、普通免許又は大型特殊免許を現に受けている者」で、受けていた期間が「通算して三年(政令で定める教習を修了した者にあつては、一年)以上」の人です。免許の効力が停止されていた期間は通算に入りません。
| 免許 | 年齢 | 経歴 |
|---|---|---|
| 大型免許 | 21歳以上(特例教習で19歳以上) | 中型・準中型・普通・大型特殊のどれかで通算3年以上(特例教習で1年以上) |
| 中型免許 | 20歳以上(特例教習で19歳以上) | 準中型・普通・大型特殊のどれかで通算2年以上(特例教習で1年以上) |
| 準中型免許 | 18歳以上(試験は17歳6か月から) | 要らない |
| 大型第二種免許 | 21歳以上(特例教習で19歳以上) | 通算3年以上(特例教習で1年以上、旅客自動車の乗務などの経験があれば2年以上) |
原付免許や二輪の免許だけでは経歴に入りません。大型免許を受けるには、まず普通免許などを取って年数を重ねる必要があります。
受験資格特例教習(19歳・1年で受ける)
令和4年5月13日から、教習所の特別な教習を修了すると、19歳以上・普通免許などの経歴1年以上で大型免許を受けられるようになりました。警察庁の「第二種免許等の受験資格の見直しについて」によると、教習は2つに分かれています。
| 教習 | 引き下がる要件 | 中身(警察庁の説明) |
|---|---|---|
| 年齢の特例の教習 | 21歳 → 19歳 | 運転に必要な適性(自己制御能力)について、座学や実車を含む7時限以上 |
| 経験年数の特例の教習 | 3年 → 1年 | 運転に必要な技能(危険予測・回避能力)について、座学や実車を含む29時限以上 |
年齢の特例は道路交通法施行令第32条の7、経験年数の特例は同第34条第2項が根拠です。どの教習所で受けられるかは、都道府県警察の窓口で確かめるよう警察庁は案内しています。
若年運転者期間(年齢の特例で取った人)
年齢の特例で19歳・20歳のうちに大型免許を取った人は、21歳になるまでが「若年運転者期間」です(道路交通法第102条の3)。この期間に違反の点数の合計が3点以上(1回の違反で3点になった場合を除く)になると、若年運転者講習(9時間)を受けなければなりません。受けないと、特例で取った大型免許が取り消されます。講習を受けた後に、期間内にまた同じ基準に当たった場合も取り消されます(第104条の2の4)。
教習所で取る場合の時限数
教習所の技能教習の時限数は、道路交通法施行規則の別表第四で、持っている免許ごとに決まっています。1時限は50分で、上達の具合によって延長されます。
| 持っている免許 | 技能教習 | 学科教習 |
|---|---|---|
| 普通免許(MT) | 30時限 | 1時限 |
| AT普通免許 | 34時限 | 1時限 |
| 準中型免許 | 23時限 | 0時限 |
| 準中型免許(5トン限定) | 26時限 | 1時限 |
| 中型免許 | 14時限 | 0時限 |
| 中型免許(8トン限定) | 20時限 | 0時限 |
| 大型特殊免許 | 45時限 | 4時限 |
施行規則第33条は、教習を9か月以内に終えること、1人が1日に受ける技能教習は3時限まで(基本操作と基本走行は2時限まで)とすることを決めています。普通免許(MT)を持つ人の30時限は、基本操作と基本走行が12時限、応用走行が18時限なので、この上限どおりに進んでも技能教習だけで12日はかかる計算です。
教習所の卒業検定に受かると卒業証明書がもらえます。技能検定を受けた日から1年以内なら、試験場の技能試験が免除され(道路交通法第97条の2)、取得時講習も要りません(施行令第33条の5の3)。試験場では適性試験だけを受けて、手数料は東京で4,000円(受験料1,650円・免許証交付料2,350円)です。令和7年に大型免許の試験に受かった人(失効した人の再取得などを除く53,016人)のうち、51,864人(97.8%)が指定自動車教習所の卒業者でした(警察庁の運転免許統計)。
教習所の料金は、所によって、また持っている免許によって違います。申し込む前に、通う教習所の料金表で確かめてください。
試験場で直接受ける(一発試験)の流れ
教習所に通わずに試験場で受ける場合は、大型仮免許を取ってから本免許の試験に進みます。
| 順番 | やること | ポイント |
|---|---|---|
| 1 | 大型仮免許の試験 | 適性試験の後に技能試験。普通免許などがあれば学科試験は無い。技能試験は60%以上で合格 |
| 2 | 路上練習 | 本免許の試験の前の3か月以内に5日以上、大型自動車で練習する |
| 3 | 本免許の試験 | 適性試験の後に技能試験。道路を5,000メートル以上走り、70%以上で合格 |
| 4 | 取得時講習 | 持っている免許に応じて受ける。受けないと免許証が交付されない |
| 5 | 免許証の交付 | 講習を終えてから |
警視庁の案内では、大型仮免許も本免許も技能試験は予約制で、適性試験の日には技能試験を受けられません。仮免許の有効期間は、適性試験を受けた日から6か月です(道路交通法第87条第6項)。
路上練習では、大型自動車を運転できる免許を受けて通算3年以上の人(または大型第二種免許を持つ人)に助手席に乗ってもらい、高速道路と自動車専用道路以外の道路で練習します。東京では、本免許の技能試験の日に「路上練習申告書」を出します。神奈川県警は、同乗者の免許証のコピーと練習に使った車の車検証のコピーも求めています。
技能試験に使う車は、施行規則第24条第11項で、最大積載量10トン以上・長さ11メートル以上の大型自動車と決まっています。
手数料(警視庁・免許証だけを受け取る場合)
| 区分 | 手数料 | 内訳 |
|---|---|---|
| 大型仮免許 | 5,800円 | 受験料2,950円・試験車使用料1,750円・仮免許証交付料1,100円 |
| 本免許(直接受験) | 9,250円 | 受験料3,900円・試験車使用料3,000円・免許証交付料2,350円 |
| 本免許(教習所の卒業者) | 4,000円 | 受験料1,650円・免許証交付料2,350円 |
| 大型車講習 | 18,600円 | 4,650円×4時限 |
| 応急救護処置講習(一) | 5,550円 | 1,850円×3時限 |
本免許は、落ちるたびに受験料と試験車使用料がかかります。マイナ免許証だけを受け取る場合の本免許(直接受験)は8,450円、免許証との2枚持ちは9,350円です。神奈川県警の本免許も、試験手数料3,900円・貸車料3,000円・交付手数料2,350円で同じ額でした。手数料は都道府県の条例で決まるので、ほかの道府県では受ける試験場の案内を見てください(標準の額は道路交通法施行令第43条)。
取得時講習が要るかどうか
取得時講習は、大型車講習(4時間)と応急救護処置講習(3時間)です(道路交通法第90条の2・施行規則第38条)。持っている免許によって要らなくなるものがあり、道路交通法施行令第33条の5の3は次のように定めています。
| 持っている免許など | 受ける講習 |
|---|---|
| 中型・準中型・中型第二種・普通第二種免許(8トン限定中型・5トン限定準中型を含む) | どちらも要らない |
| 普通免許 | 大型車講習だけ(受けてから1年以内なら応急救護処置講習は要らない) |
| 大型特殊免許だけ | 大型車講習と応急救護処置講習の両方 |
| 教習所の卒業証明書(技能検定から1年以内) | どちらも要らない |
医師なども、応急救護処置講習は要りません(同条第1項第2号ニ・ホ)。警視庁は「取得時講習の一部又は全部が免除される方もおります」として、申し込みのときに確かめるよう案内しています。8トン限定中型と5トン限定準中型も、条文の上では中型免許・準中型免許なので、取得時講習はどちらも要らないと読めます。念のため、申し込みの際に試験場で確かめてください。
直接受ける人の合格率は統計から分からない
警察庁の運転免許統計(令和7年版)では、第一種の大型免許の受験者は61,386人、合格者は57,755人で、令和7年の合格率は94.1%でした。ただ、この受験者数には、技能試験が免除される教習所の卒業者も入っていて、試験場で技能試験を受けた人の数は分かれていません。合格者の内訳では、「学科試験免除で技能試験を受けて合格」した人は1,150人でした。
適性試験の基準
施行規則第23条は、大型免許の適性試験の基準を次のように決めています。
| 科目 | 基準 |
|---|---|
| 視力 | 両眼で0.8以上、かつ、一眼でそれぞれ0.5以上(眼鏡・コンタクトでもよい) |
| 深視力 | 三桿法の奥行知覚検査器で2.5メートルの距離から3回検査し、平均誤差が2センチメートル以下 |
| 聴力 | 10メートルの距離で90デシベルの警音器の音が聞こえる(補聴器でもよい) |
| 色彩識別 | 赤・青・黄の識別ができる(ほかの免許を持っている人は検査しない) |
深視力は、普通免許の適性試験には無い検査です。眼鏡で受ける人は、試験の前に眼鏡店などで深視力を確かめておくと安心です。
AT限定の大型免許は令和9年4月1日から
令和6年内閣府令第60号による施行規則の改正で、令和9年4月1日からAT限定の大型免許ができます。警察庁の「AT大型免許等の導入及びMT免許の技能試験等の方法の見直しについて」によると、技能試験と教習は原則としてAT車で行い、MT免許のクラッチとギアの操作だけをMTの普通車で確かめる形になります。
改正後の別表第四では、普通免許(MT)を持つ人がMTの大型を受ける技能教習は今と同じ30時限、AT普通免許を持つ人はAT限定の大型なら30時限、MTの大型なら34時限です。施行の前から指定を受けている教習所などは、当分の間、これまでの方法で教習してもよいとされています。2026年10月の時点では、大型免許にAT限定はありません。
よくある疑問
準中型・中型から大型に上げるのと、普通免許から大型を取るのはどちらが早い?
教習所の技能教習の時限数だけで比べると、中型免許ありの14時限がいちばん少なく、普通免許(MT)ありの30時限は2倍以上です。ただ、中型免許も20歳以上・経歴2年以上が要るので、普通免許を取ってから3年たっていれば、普通免許から直接大型を受けることができます。
経歴の3年は、普通免許を取った日から数える?
中型・準中型・普通・大型特殊免許のどれかを受けていた期間を通算します。途中で免許が失効した人は、神奈川県警の案内のように、免許証で経歴が確かめられないときに自動車安全運転センターの「運転経歴証明書」を求められることがあります。
関連記事
出典
- e-Gov 法令検索「道路交通法」(第85条・第86条・第87条・第88条・第90条の2・第96条・第96条の2・第97条の2・第102条の3・第104条の2の4。2026年7月21日施行の版)
- e-Gov 法令検索「道路交通法施行令」(第32条の7・第33条の5の3・第34条・第34条の5・第43条。2026年9月1日施行の版)
- e-Gov 法令検索「道路交通法施行規則」(第2条・第23条・第24条・第33条・第38条・別表第四。2026年9月1日施行の版と、2027年4月1日施行の改正後の版)
- 警察庁「第二種免許等の受験資格の見直しについて」
- 警察庁「AT大型免許等の導入及びMT免許の技能試験等の方法の見直しについて」
- 警察庁「運転免許統計 令和7年版」(2026年6月24日掲載)
- 警視庁「大型免許試験(直接試験場で受験される方)」「大型免許試験(指定教習所を卒業又は検査合格証明書をお持ちの方)」「大型・中型仮免許試験」(いずれも2025年10月1日更新)、「路上練習申告書について」、「マイナ免許証に伴う手数料改定」
- 神奈川県警察「大型・中型免許(運転免許センターで直接試験を受験する方)の手続について」(2026年10月20日更新)、「受験資格・適性試験合格基準(視力)一覧」


