工業簿記
全15問
この科目の学習ポイントを読む
工業簿記は日商簿記2級を構成する5科目のうちの1科目で、ぴよパスのオリジナル予想問題は全15問 (試験全体の約20%相当) を収録しています。本試験は合格率約20〜30%・試験時間1時間30分・受験料5,500円の試験で、工業簿記は合格判定にも直結する重要科目です。主な出題テーマは製造間接費・補助部門費・単純総合原価計算・平均法などです。難易度バッジ (初級・中級・上級) で各問題の習熟度を可視化しているため、まず初級から段階的に解き進めると日商簿記2級受験者が陥りがちな「典型論点の取りこぼし」を防げます。
各問題に正解の根拠と用語の説明を付し、「なぜその答えになるか」を理解する学習ができるよう設計しています。学習の流れは Q1 から順に解いて間違えた問題の解説を熟読、その後他科目 (商業簿記・仕訳・商業簿記・個別論点・決算・財務諸表) との行き来で論点を立体的に押さえる、最後に模擬試験モード (本番と同じ科目配分・問題数・制限時間を再現) で総合実力を測る、の 3 段構成が最短ルートです。誤答した論点は復習モードで反復することで、本試験で問われる「科目別最低ライン + 総合得点」の二段クリアを安定して達成できます。
- Q1初級材料副費・購入原価・引取運賃
次の取引の仕訳として正しいものはどれか。 素材500kgを1kgあたり600円で掛けにより購入し、その際の引取運賃(材料副費)20,000円を現金で支払った。当社は引取費用を購入原価に算入している。
答えと解説を先に見る
解説: 材料の購入原価は、購入代価に引取運賃などの材料副費(外部副費)を加算して算定します。購入代価は500kg×600円=300,000円、これに引取運賃20,000円を加えた320,000円が材料の取得原価となり、借方に「材料」320,000円を計上します。貸方は素材の代金が掛けなの…
- Q2中級労務費・予定賃率・賃率差異
次の資料により、当月の賃率差異を計算しなさい。 ・予定賃率: 1時間あたり1,200円 ・当月の実際直接作業時間: 900時間 ・当月の実際間接作業時間: 100時間 ・当月の実際賃金消費額(要支払額): 1,250,000円
答えと解説を先に見る
解説: 予定賃率による当月の予定消費額は、直接作業時間と間接作業時間の合計に予定賃率を掛けて求めます。予定消費額=1,200円×(900時間+100時間)=1,200,000円。実際消費額は1,250,000円なので、賃率差異=予定消費額1,200,000円−実際消費額1,250,000…
- Q3初級製造間接費・予定配賦・予定配賦率
次の取引の仕訳として正しいものはどれか。 製造間接費を直接作業時間を基準に予定配賦する。予定配賦率は1時間あたり800円、当月の実際直接作業時間は600時間であった。当月の製造間接費の予定配賦の仕訳を示しなさい。
答えと解説を先に見る
解説: 製造間接費の予定配賦額は、予定配賦率×実際操業度(直接作業時間)で求めます。予定配賦額=800円×600時間=480,000円。配賦により製造間接費が仕掛品(製品原価)に振り替えられるため、借方に「仕掛品」480,000円、貸方に「製造間接費」480,000円を計上します。よって…
- Q4中級個別原価計算・製造指図書・製造間接費配賦
個別原価計算を採用している当社の製造指図書#101について、次の資料により製造原価を計算しなさい。 ・直接材料費: 150,000円 ・直接労務費: 120,000円 ・直接作業時間: 100時間 ・製造間接費は直接作業時間を基準に予定配賦しており、予定配賦率は1時間あたり700円である。
答えと解説を先に見る
解説: 個別原価計算では、製造指図書ごとに直接費を賦課し、製造間接費を配賦して製造原価を集計します。製造間接費の配賦額=予定配賦率700円×直接作業時間100時間=70,000円。#101の製造原価=直接材料費150,000円+直接労務費120,000円+製造間接費70,000円=340…
- Q5中級部門別個別原価計算・直接配賦法・補助部門費
部門別個別原価計算を採用している当社は、補助部門費を直接配賦法により製造部門へ配賦している。次の資料により、動力部門費の組立部門への配賦額を計算しなさい。 ・動力部門費: 200,000円 ・動力の消費量: 切削部門500kwh、組立部門300kwh、修繕部門200kwh
答えと解説を先に見る
解説: 直接配賦法では、補助部門相互のサービス授受を無視し、補助部門費を製造部門(切削部門・組立部門)にのみ配賦します。したがって配賦基準には補助部門である修繕部門への消費量200kwhは含めません。組立部門への配賦額=200,000円×300kwh/(切削500kwh+組立300kwh…
- Q6上級相互配賦法・簡便法・補助部門費
相互配賦法(簡便法: 第1次配賦は補助部門にも配賦し、第2次配賦は製造部門にのみ配賦する)により補助部門費を配賦する。次の資料により、製造部門Aへ配賦される補助部門費の合計額を計算しなさい。 ・部門個別費: 動力部門90,000円、修繕部門40,000円 ・動力部門の用役提供割合: 製造部門A 60%、製造部門B 20%、修繕部門20% ・修繕部門の用役提供割合: 製造部門A 40%、製造部門B 40%、動力部門20%
答えと解説を先に見る
解説: 相互配賦法(簡便法)では、第1次配賦で用役提供割合どおりに補助部門にも配賦し、第2次配賦で補助部門が受け入れた額を製造部門にのみ配賦します。 【第1次配賦】動力90,000円→A:54,000(60%)、B:18,000(20%)、修繕:18,000(20%)。修繕40,000円…
- Q7中級単純総合原価計算・平均法・月末仕掛品
単純総合原価計算を採用している当社の次の資料により、平均法によって月末仕掛品原価を計算しなさい。直接材料は工程の始点で全量投入している。 ・月初仕掛品: 200個(加工進捗度50%) 直接材料費60,000円 加工費30,000円 ・当月投入: 直接材料費540,000円 加工費420,000円 ・当月完成品: 800個 ・月末仕掛品: 200個(加工進捗度50%)
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解説: 平均法では月初仕掛品原価と当月製造費用を合算し、完成品と月末仕掛品に配分します。直接材料費(始点投入なので数量ベース)は、合計(60,000+540,000=600,000円)を完成品800個と月末仕掛品200個の合計1,000個で按分し、月末=600,000×200/1,000…
- Q8上級単純総合原価計算・先入先出法・正常仕損
単純総合原価計算を採用している当社の次の資料により、先入先出法によって月末仕掛品原価を計算しなさい。直接材料は工程の始点で全量投入している。正常仕損は工程の終点で発生しており(仕損品評価額はゼロ)、その負担は完成品のみとする。 ・月初仕掛品: 100個(加工進捗度40%) 直接材料費40,000円 加工費12,000円 ・当月投入: 直接材料費570,000円 加工費480,000円(投入数量1,000個) ・当月完成品: 900個 ・正常仕損: 50個(工程終点で発生) ・月末仕掛品: 150個(加工進捗度60%)
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解説: 正常仕損が工程の終点で発生し完成品のみが負担するため、加工進捗度60%(<仕損発生点100%)の月末仕掛品は仕損費を負担せず、通常どおり計算します。先入先出法では当月投入分から月末仕掛品を計算します。 【材料費】始点投入なので当月投入数量ベース。月末=当月投入材料費570,000…
- Q9中級工程別総合原価計算・累加法・前工程費
工程別総合原価計算(累加法)を採用している当社の第2工程について、次の資料により平均法で月末仕掛品原価を計算しなさい。前工程費(第1工程完成品原価)は第2工程の始点で投入されたものとして扱う。 ・月初仕掛品: 100個(加工進捗度50%) 前工程費30,000円 加工費9,000円 ・当月投入: 前工程費450,000円 加工費171,000円 ・当月完成品: 800個 ・月末仕掛品: 200個(加工進捗度50%)
答えと解説を先に見る
解説: 累加法では第1工程の完成品原価を第2工程に前工程費として引き継ぎ、始点投入の原価として月末仕掛品に配分します。 【前工程費】始点投入なので数量ベース。合計(30,000+450,000=480,000円)を完成品800個と月末200個の合計1,000個で按分し、月末=480,00…
- Q10初級勘定連絡・材料費・直接材料費
次の取引の仕訳として正しいものはどれか。 当月の材料消費額は500,000円であり、このうち直接材料費が420,000円、間接材料費が80,000円であった。材料の消費額を仕掛品勘定および製造間接費勘定へ振り替える。
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解説: 材料の消費額は、特定の製品のために直接消費された直接材料費と、共通的に消費された間接材料費に分けて振り替えます。直接材料費420,000円は借方に「仕掛品」、間接材料費80,000円は借方に「製造間接費」を計上し、消費した材料を減らすため貸方に「材料」500,000円を計上します…
- Q11中級労務費・予定賃率・賃率差異
当工場では直接工の賃金消費額を予定賃率で計算している。次の資料にもとづき、当月の賃率差異として正しいものはどれか。 ・予定賃率: 1時間あたり1,200円 ・当月の直接作業時間: 800時間 ・当月の間接作業時間: 50時間 ・当月の実際賃金消費額: 1,050,000円
答えと解説を先に見る
解説: 直接工の予定消費額は、予定賃率に実際作業時間を掛けて計算します。直接工の作業時間は直接作業800時間と間接作業50時間の合計850時間です。予定消費額=1,200円×850時間=1,020,000円。賃率差異=予定消費額−実際消費額=1,020,000円−1,050,000円=△…
- Q12上級個別原価計算・製造指図書・仕損
個別原価計算を採用している当工場で、製造指図書#101に次の原価が集計された。 ・直接材料費 300,000円 ・直接労務費 200,000円 ・製造間接費 150,000円 製造の途中で正常な仕損が生じたため、その補修のために補修指図書#101-1を発行し、補修に要した原価は直接材料費20,000円・直接労務費15,000円・製造間接費10,000円であった。仕損費を#101に賦課する場合、#101の製造原価はいくらか。
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解説: 補修によって仕損品を良品に回復させる場合、補修指図書に集計された原価が仕損費となり、これを元の製造指図書の製造原価に賦課します。#101本体の原価=直接材料費300,000円+直接労務費200,000円+製造間接費150,000円=650,000円。仕損費=補修指図書#101-1…
- Q13中級部門別個別原価計算・補助部門費・直接配賦法
部門別個別原価計算を採用している当工場では、補助部門費を直接配賦法により製造部門へ配賦している。動力部門費240,000円を配賦するとき、切削部門へ配賦される金額はいくらか。 ・動力の消費量: 切削部門600kwh、組立部門200kwh、事務部門100kwh
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解説: 直接配賦法は、補助部門間のサービスの授受を無視し、補助部門費を製造部門にだけ配賦する方法です。したがって補助部門である事務部門への消費量100kwhは配賦基準から除外し、製造部門である切削部門600kwhと組立部門200kwhの合計800kwhを基準とします。切削部門への配賦額=…
- Q14上級製造間接費・差異分析・予算差異
当工場は製造間接費を公式法変動予算により管理している。次の資料にもとづき、当月の製造間接費の予算差異として正しいものはどれか (3分法)。 ・変動費率: 1時間あたり300円 ・固定費予算 (月額): 600,000円 ・基準操業度 (月間の正常直接作業時間): 1,000時間 ・当月の実際直接作業時間: 900時間 ・当月の標準直接作業時間: 950時間 ・製造間接費の実際発生額: 885,000円
答えと解説を先に見る
解説: 予算差異は、実際操業度における予算許容額と実際発生額との差額です。実際操業度 (実際直接作業時間900時間) における予算許容額=変動費率300円×900時間+固定費予算600,000円=270,000円+600,000円=870,000円。予算差異=予算許容額870,000円−…
- Q15中級単純総合原価計算・平均法・月末仕掛品
単純総合原価計算を採用している当工場の次の資料にもとづき、平均法によって月末仕掛品原価を計算するといくらになるか。材料は工程の始点で投入している。 ・月初仕掛品: 直接材料費100,000円、加工費60,000円 (200個、加工進捗度50%) ・当月投入: 直接材料費500,000円、加工費700,000円 ・完成品: 800個 ・月末仕掛品: 400個 (加工進捗度50%)
答えと解説を先に見る
解説: 平均法では、月初仕掛品原価と当月製造費用を合算し、完成品と月末仕掛品に配分します。材料は始点投入なので数量比で按分します。材料費単価=(月初100,000円+当月500,000円)÷(完成800個+月末400個)=600,000円÷1,200個=500円。月末仕掛品の材料費=50…
工業簿記の出題傾向 — 収録全15問の分析
ぴよパスに収録している日商簿記2級「工業簿記」のオリジナル練習問題 全15問を集計した、実データに基づく傾向まとめです
難易度の構成
初級3問・中級8問・上級4問の全15問構成です。
頻出テーマ (出題数の多い順)
- 製造間接費3問
- 補助部門費3問
- 単純総合原価計算3問
- 平均法3問
- 費目別計算2問
つまずきやすいポイント (解説からの抜粋)
選択肢4は貸方が「材料」ではなく「買掛金」となっており、これは材料を掛けで購入したときの仕訳と混同したもので、消費の振替としては誤りです。
→ Q10 次の取引の仕訳として正しいものはどれか。 当月の材料消費額は500,000円であり、このう… で確認する選択肢3の60,000円の不利差異は操業度差異 (固定費率600円×(実際900時間−基準1,000時間)=△60,000円) と混同したものです。
→ Q14 当工場は製造間接費を公式法変動予算により管理している。次の資料にもとづき、当月の製造間接費… で確認する
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工業簿記 — よくある質問
この科目の問題数・学習順序・出題比率・合格ラインの目安をまとめました
- 日商簿記2級の工業簿記は何問用意されていますか?
- ぴよパスでは日商簿記2級の工業簿記に全15問のオリジナル練習問題を用意しています。全問解説付きで、難易度 (beginner / intermediate / advanced) バッジも付いているので、まず beginner → intermediate → advanced の順で進めると効率的です。75問ある日商簿記2級全体のうち工業簿記は約20%を占める重要科目です。
- 工業簿記はどんな順序で学習するのがおすすめですか?
- 工業簿記は問題 ID 順 (Q1 → 最終問題) で解くと論点が段階的に積み上がるように設計されています。まず全問を 1 周してどの論点が曖昧かを洗い出し、2 周目以降は解説を熟読しながら苦手論点を潰す流れが最短ルートです。日商簿記2級は合計5科目 (工業簿記 / 商業簿記・仕訳・商業簿記・個別論点・決算・財務諸表・原価計算・CVP) の構成なので、工業簿記単独で完結させず他科目と行き来しながら知識を関連付けると定着しやすくなります。
- 日商簿記2級全体で工業簿記の出題比率はどのくらいですか?
- 工業簿記は日商簿記2級の5科目のうちの1科目で、ぴよパスでの工業簿記の問題数は15問 / 全75問 ≈ 20%です。本試験の出題比率もほぼこの割合に準拠しており、工業簿記を捨て科目にすると合格ラインを大きく下回るリスクがあります。合格率約20〜30%の試験ですが、科目別に最低ラインを確保する学習戦略が結果として最短ルートになります。
- 工業簿記で合格ラインを割らないためのコツはありますか?
- 日商簿記2級は科目別に足切りラインが設定されている試験が多く、工業簿記で極端に落とすと他科目が満点でも不合格になる仕組みです。試験時間1時間30分の中で、ぴよパスの工業簿記練習問題を最低 2 周し、間違えた問題だけを復習モードで反復することで「最低ライン確保」→「得点源化」の 2 段階で仕上げるのが定石です。本番直前には模擬試験モードで他科目と合わせて通し演習し、本番の時間配分を体で覚えることをおすすめします。


