P型受信機は、感知器や発信機からの火災信号を共通の信号として受け、火災の発生を関係者に知らせる受信機です(受信機に係る技術上の規格を定める省令(以下「受信機の規格省令」)第2条第8号)。P型には1級・2級・3級があり、接続できる回線の数、試験の装置、火災灯や予備電源の決まりが違います。手で押すP型発信機にも1級と2級があり、つなぐ受信機が決まっています。
受信機と発信機の違いは、消防設備士甲種4類・乙種4類の構造・機能と鑑別で学ぶ論点です。この記事は、e-Gov法令検索の2026年10月時点の版(受信機の規格省令は2019年7月1日施行の版、火災報知設備の感知器及び発信機に係る技術上の規格を定める省令(以下「感知器等の規格省令」)は2024年7月23日施行の版、消防法施行規則は2026年6月26日施行の版)をもとに書いています。
P型1級・2級・3級受信機の違いを1枚で
| 項目 | P型1級 | P型2級 | P型3級 | 根拠(受信機の規格省令) |
|---|---|---|---|---|
| 接続できる回線の数 | 上限の定めなし | 5以下 | 1 | 第8条第2項第1号・第3項第1号 |
| 火災表示試験装置 | 要る | 要る | 要る | 第8条 |
| 導通試験装置 | 要る(1回線のものは不要) | 求められていない | 求められていない | 第8条第1項第1号 |
| 2回線の同時受信で火災表示 | 要る | 要る | 求められていない | 第8条第1項第4号 |
| 受信開始から火災表示まで | 5秒以内 | 5秒以内 | 5秒以内 | 第8条第1項第3号 |
| P型1級発信機との電話連絡・確認応答 | 要る(1回線のものを除く) | 求められていない | 求められていない | 第8条第1項第5号 |
| 火災灯(赤色) | 要る | 設けないことができる | 設けないことができる | 第6条第1項・第6条の2第1号 |
| 主音響装置の音圧 | 85デシベル以上 | 85デシベル以上 | 70デシベル以上 | 第4条第1号ロ |
| 予備電源 | 要る | 要る(1回線のものは不要) | 不要 | 第3条第13号 |
| 火災表示の保持(手動で復旧するまで) | 要る | 要る | 適用されない | 第6条第5項 |
「求められていない」は規格省令で義務づけられていないという意味で、その機能を持つことを禁じるものではありません。
P型1級受信機の機能
P型1級受信機には、次の機能が求められます(受信機の規格省令第8条第1項)。
- 火災表示試験装置と、終端器に至る信号回路の導通を回線ごとに確かめる導通試験装置による試験機能。試験中に他の警戒区域から火災信号を受けても火災表示ができること(1回線のものは導通試験装置を有しないことができる)
- 感知器や中継器の電力の供給が止まったときなどに、音響装置と故障表示灯が自動的に作動すること
- 火災信号の受信開始から火災表示(地区音響装置の鳴動を除く)までが5秒以内であること
- 2回線から同時に火災信号を受けても火災表示ができること
- P型1級発信機をつなぐもの(1回線のものを除く)は、受信した旨の信号を発信機に送り、発信機との間で電話連絡ができること
- 蓄積式受信機は、蓄積時間を5秒を超え60秒以内とし、発信機からの火災信号を検出したら蓄積機能を自動的に解除すること
火災信号を受けたときは、赤色の火災灯と主音響装置で火災の発生を、地区表示装置で火災の起きた警戒区域を表示し、地区音響装置を鳴らします(第6条第1項)。
P型2級・P型3級受信機
P型2級受信機は、第8条第1項のうち故障の表示(第2号)、5秒以内の火災表示(第3号)、2回線の同時受信(第4号)、蓄積式と二信号式の決まり(第7号・第8号)が適用され、回線の数は5以下、試験は火災表示試験装置だけが求められます(同条第2項)。
P型3級受信機は、故障の表示、5秒以内の火災表示、蓄積式の決まりが適用され、回線の数は1、試験は火災表示試験装置だけです(同条第3項)。主音響装置の音圧は70デシベル以上で(第4条第1号ロ)、予備電源は設けないことができます(第3条第13号ただし書)。
P型1級発信機とP型2級発信機
P型発信機は、各発信機に共通または固有の火災信号を受信機に手動で発信するもので、発信と同時に通話することができないものをいいます(感知器等の規格省令第2条第21号)。発信と同時に通話できるのはT型発信機です(同条第22号)。
| 項目 | P型1級発信機 | P型2級発信機 |
|---|---|---|
| 押しボタンスイッチを押すと火災信号を伝達 | ○ | ○ |
| 透明の有機ガラスの保護板 | ○ | ○ |
| 受信機が受信したことを確かめられる装置(確認ランプ) | ○ | — |
| 受信機と相互に電話連絡ができる装置(電話ジャック) | ○ | — |
| 外箱の色 | 赤色 | 赤色 |
| つなぐ受信機(規則第24条第8号の2ホ) | P型1級受信機・GP型1級受信機・R型受信機・GR型受信機 | P型2級受信機・GP型2級受信機 |
指先で押し破り、または押し外す構造の保護板は、中央部の直径20ミリメートルの円内に20ニュートンの静荷重を加えても押し破られず、たわみで押しボタンスイッチに触れることもなく、80ニュートンで押し破られるか押し外されるものでなければなりません(感知器等の規格省令第32条第5号)。
受信機と発信機の設置の決まり
| 決まり | 内容 | 根拠(消防法施行規則) |
|---|---|---|
| 受信機の操作スイッチの高さ | 床面から0.8メートル(いすに座って操作するものは0.6メートル)以上1.5メートル以下 | 第24条第2号ロ |
| 台数の制限 | 1回線のP型1級受信機、P型2級受信機、P型3級受信機などは、一の防火対象物に3台以上設けない | 同号ヘ |
| 2台以上あるとき | 受信機のある場所相互間で同時に通話できる設備を設ける | 同号ト |
| 1回線のP型2級受信機 | 延べ面積350平方メートルを超えるものに設けない | 同号チ |
| P型3級受信機 | 延べ面積150平方メートルを超えるものに設けない | 同号リ |
| 発信機の位置 | 各階ごとに、各部分から一の発信機までの歩行距離50メートル以下 | 第24条第8号の2イ |
| 発信機の高さ | 床面から0.8メートル以上1.5メートル以下 | 同号ロ |
| 表示灯 | 発信機の直近に赤色の灯火。取付け面と15度以上の角度の方向に10メートル離れて点灯が識別できるもの | 同号ハ・ニ |
1回線のP型2級受信機、P型3級受信機などに設ける場合は、第8号の2の発信機の決まりは適用されません(同号の柱書き)。受信機から立ち上がる幹線の本数の数え方は 消防設備士甲4の系統図 に、感知器の見分け方は 消防設備士乙4の感知器の見分け方 にまとめています。
取り違えやすい文
| 文 | 正誤 | 根拠 |
|---|---|---|
| P型2級受信機に接続できる回線の数は、10以下である | 誤り | 5以下(受信機の規格省令第8条第2項第1号) |
| P型2級受信機にも、導通試験装置による試験機能が求められる | 誤り | P型2級は火災表示試験装置だけ |
| P型2級受信機の主音響装置の音圧は、70デシベル以上でよい | 誤り | 85デシベル以上(70デシベルはP型3級など) |
| P型1級発信機には、受信機が受信したことを確かめられる装置がある | 正しい | 感知器等の規格省令第32条第6号 |
| P型発信機は、発信と同時に受信機と通話できる | 誤り | 発信と同時に通話できるのはT型発信機 |
| 発信機は、各階の各部分から歩行距離50メートル以下になるように設ける | 正しい | 消防法施行規則第24条第8号の2イ |
ぴよパスのオリジナル予想問題で、甲4・乙4 の受信機と発信機の論点を確かめられます。
出典
- 受信機に係る技術上の規格を定める省令 第2条・第3条・第4条・第6条・第6条の2・第8条(e-Gov法令検索・2019年7月1日施行の版)
- 火災報知設備の感知器及び発信機に係る技術上の規格を定める省令 第2条・第32条(e-Gov法令検索・2024年7月23日施行の版)
- 消防法施行規則 第24条(e-Gov法令検索・2026年6月26日施行の版)
当サイトの問題は消防設備士試験の問題ではありません。法令をもとに独自に作った練習問題です。消防試験研究センターとは関係ありません。


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