この記事で分かること
- FP3級のライフプランニングと資金計画の出題傾向
- 6係数の使い分けと試験での解き方
- 公的医療保険(健康保険・国民健康保険・後期高齢者医療)の整理
- 公的年金(国民年金・厚生年金)の給付内容
- 教育資金・住宅取得資金の計画
- FP業務と関連法規
ぴよパスで 160 問 × 17 試験を運用していて気づいたのは、ライフプランニングは「6係数」「社会保険の違い」「年金の種類」の3ブロックを押さえれば、出題の8割をカバーできるということです。
ライフプランニングの出題傾向
FP3級の学科試験(60問)のうち、ライフプランニングは8〜10問程度出題されます。計算問題と知識問題の両方が出るのが特徴で、特に 6 係数と社会保険・年金の識別が頻出テーマです。
主な出題テーマは以下の通りです。
| テーマ | 頻度 |
|---|---|
| 6係数の使い分け | 非常に高い |
| 健康保険・国民健康保険 | 非常に高い |
| 公的年金(国民年金・厚生年金) | 非常に高い |
| 教育ローン・奨学金 | 中程度 |
| 住宅ローン(フラット35等) | 高い |
| FP業務と関連法規 | 中程度 |
| 労災保険・雇用保険 | 中程度 |
ぴよパスのライフプランニング練習問題で分野別に集中演習できます。
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6係数の使い分け
資金計画の計算では「6係数」と呼ばれる係数を使います。6種類を以下のように整理すると、試験で迷わなくなります。
6係数の一覧
| 係数 | 用途 | 求めるもの |
|---|---|---|
| 終価係数 | 現在の一時金から将来額を求める | 将来価値 |
| 現価係数 | 将来の目標額から現在必要な一時金を求める | 現在価値 |
| 年金終価係数 | 毎年の積立額から将来合計を求める | 積立の将来合計 |
| 減債基金係数 | 将来の目標額から毎年の積立額を求める | 毎年の積立額 |
| 資本回収係数 | 現在の一時金から毎年の受取額を求める | 毎年の受取額 |
| 年金現価係数 | 毎年の受取額の現在価値を求める | 現在必要な一時金 |
係数の見分け方
問題文を読むときは、以下の3つのポイントで判断します。
- 「一時金」か「毎年の金額」か:毎年が絡めば「年金」が付く係数
- 「現在」か「将来」か:将来から現在を求めるなら「現価」、現在から将来なら「終価」
- 「貯める」か「取り崩す」か:積立系なら終価・減債基金、取り崩し系なら年金現価・資本回収
例えば「毎年 50 万円を 20 年間積み立てた場合の将来合計額は?」という問題なら、毎年の積立(年金)+将来合計(終価)で「年金終価係数」を使います。
試験では係数表が与えられるため、数字を覚える必要はありません。
公的医療保険
医療保険は会社員の健康保険と自営業者の国民健康保険、75 歳以上の後期高齢者医療制度の3つに分かれます。
健康保険(被用者保険)
会社員とその被扶養者が加入する制度です。主な給付は以下の通りです。
| 給付名 | 内容 |
|---|---|
| 療養の給付 | 医療機関窓口の自己負担3割(義務教育就学前2割・70〜74歳2割等) |
| 高額療養費 | 月の自己負担が一定額を超えた分が還付される |
| 傷病手当金 | 業務外の病気・ケガで4日以上連続欠勤時、標準報酬日額の2/3を最大1年6か月支給 |
| 出産手当金 | 出産日前42日〜後56日の範囲で欠勤期間に支給 |
| 出産育児一時金 | 1児につき50万円 |
保険料は労使折半(会社と従業員が半分ずつ負担)である点が国民健康保険との違いです。
国民健康保険
自営業者・フリーランス・退職者などが加入します。
- 保険料は全額自己負担
- 傷病手当金・出産手当金は原則なし
- 市区町村が運営(国保組合や都道府県が運営するケースもあり)
任意継続被保険者
退職後も健康保険を最大2年間継続できる制度です。
- 退職日までに継続2か月以上の被保険者期間が必要
- 退職後20日以内に手続き
- 保険料は全額自己負担(労使折半ではなくなる)
後期高齢者医療制度
75 歳以上(一定の障害がある 65 歳以上)が加入する制度で、自己負担は 1 割(現役並み所得者は 3 割、一定所得者は 2 割)です。
公的年金
国民年金(基礎年金)
20 歳以上 60 歳未満の全国民が加入します。加入者は以下の3種類に分かれます。
| 種別 | 対象 | 保険料 |
|---|---|---|
| 第1号被保険者 | 自営業・学生・無職 | 自己負担(月額17,510円・2025年度) |
| 第2号被保険者 | 会社員・公務員 | 厚生年金に含まれる(労使折半) |
| 第3号被保険者 | 第2号の被扶養配偶者 | 負担なし |
国民年金の給付
- 老齢基礎年金:受給資格期間10年以上で原則65歳から支給
- 障害基礎年金:1級と2級(1級は2級の1.25倍)
- 遺族基礎年金:子のある配偶者または子に支給
厚生年金
第2号被保険者(会社員・公務員)が国民年金に上乗せで加入します。老齢厚生年金は報酬比例部分が中心で、加給年金・振替加算などのオプションがあります。
繰上げ・繰下げ受給
- 繰上げ受給(60〜64歳):1か月あたり0.4%減額、最大5年で24%減
- 繰下げ受給(66〜75歳):1か月あたり0.7%増額、最大10年で84%増
繰上げは全額減額が一生続き、障害基礎年金の請求ができなくなる不利もあります。
教育資金・住宅取得資金
教育ローンと奨学金
| 制度 | 運営 | 特徴 |
|---|---|---|
| 教育一般貸付 | 日本政策金融公庫 | 子 1 人 350 万円(自宅外通学等は 450 万円)まで、固定金利 |
| 日本学生支援機構の奨学金 | 独立行政法人 | 第一種(無利子)・第二種(有利子)・給付型 |
教育一般貸付は親が借りる借入金で、奨学金は学生本人が借りる借入金という違いを覚えておきます。
住宅ローン
住宅ローンは以下の3種類の金利タイプが試験で問われます。
| 金利タイプ | 特徴 |
|---|---|
| 全期間固定金利 | 借入時の金利が完済まで変わらない(フラット35) |
| 固定金利期間選択型 | 一定期間固定、その後見直し |
| 変動金利 | 半年ごとに金利見直し、5年ルール・125%ルール |
フラット35
住宅金融支援機構と民間金融機関が提携する全期間固定金利ローンです。
- 返済負担率:年収400万円未満で30%以下、400万円以上で35%以下
- 借入額:最高8,000万円
- 返済期間:15〜35年
- 団体信用生命保険の加入は任意
返済方法
- 元利均等返済:毎月の返済額が一定、当初は利息部分が大きい
- 元金均等返済:元金部分が一定、返済総額は元利均等より少なくなる
FP業務と関連法規
FP は業務上、他士業の独占業務に踏み込まないよう注意します。
| 他士業の独占業務 | FP ができないこと |
|---|---|
| 税理士(税理士法) | 個別具体的な税務相談・税務書類の作成 |
| 弁護士(弁護士法) | 個別具体的な法律相談 |
| 社会保険労務士 | 社会保険書類の作成代行 |
| 保険募集人(保険業法) | 保険募集 |
| 金融商品取引業者 | 投資助言業務(投資顧問) |
ただし、一般的な説明や仮定の事例に基づくシミュレーションは許容されます。
学科試験で取るべき目標点
ライフプランニングは 8〜10 問出題されるので、6〜8 問正解を目指せば合格水準です。
優先して押さえるテーマ
- 6係数の使い分け(必ず1〜2問出題)
- 健康保険の傷病手当金・出産手当金
- 国民年金の3被保険者区分
- 老齢基礎年金の受給資格期間(10年以上)
- フラット35の返済負担率と借入条件
まとめ
- 6係数:「一時金か毎年か」「現在か将来か」の2軸で見分ける
- 医療保険:健康保険(労使折半・傷病手当金あり)vs 国民健康保険(全額自己負担・傷病手当金なし)
- 公的年金:第1号・第2号・第3号の区分と保険料負担の違い
- 住宅ローン:フラット35 は全期間固定、返済負担率 30〜35% 以下
- FP 業務:他士業の独占業務(個別税務・法律相談)に注意
ライフプランニングは計算と制度知識の両方が問われますが、頻出テーマは限られています。ぴよパスのライフプランニング練習問題で繰り返し演習して、得点源にしていきましょう。