この記事で分かること
- FP3級のタックスプランニング分野の出題傾向と頻出テーマ
- 所得の10区分の整理と主要6種類の詳細
- 所得控除の種類と計算方法
- 損益通算の基本ルール
- 確定申告が必要なケース
ぴよパスで 160 問 × 15 試験を運用していて気づいたのは、タックスプランニングは「所得の10区分の整理」と「控除の計算手順」の2点を押さえれば、問題の大半に対応できるということです。
タックスプランニングの出題傾向
FP3級の学科試験(60問)のうち、タックスプランニングは8〜12問程度出題されます。FP3級の6科目の中でも出題割合が高い重要科目です。
主な出題テーマは以下の通りです。
| テーマ | 頻度 |
|---|---|
| 所得の10区分と計算 | 非常に高い |
| 所得控除(基礎・配偶者・医療費等) | 非常に高い |
| 税額控除(住宅ローン控除等) | 高い |
| 損益通算 | 中程度 |
| 確定申告・年末調整 | 中程度 |
| 青色申告 | 低め |
ぴよパスのタックスプランニング練習問題で分野別に集中演習できます。
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所得の10区分
所得税の計算は「所得の種類を正しく分類する」ことから始まります。10種類の所得を整理しましょう。
10種類の所得の一覧
| 所得の種類 | 内容 | 頻出度 |
|---|---|---|
| 給与所得 | 会社員の給与・賞与 | ★★★ |
| 事業所得 | 個人事業主の営業収入 | ★★★ |
| 不動産所得 | 家賃・地代 | ★★★ |
| 利子所得 | 預貯金の利息 | ★★ |
| 配当所得 | 株式配当・投資信託分配金 | ★★ |
| 退職所得 | 退職金 | ★★★ |
| 山林所得 | 山林の伐採・売却 | ★ |
| 譲渡所得 | 資産の売却益 | ★★★ |
| 一時所得 | 懸賞・競馬の賞金 | ★★★ |
| 雑所得 | 公的年金・副業収入等 | ★★ |
主要6種類の詳細
1. 給与所得(最頻出)
給与所得 = 給与収入 − 給与所得控除額
給与所得控除は「収入によって変わる定額の控除」です。収入が高いほど控除額も増えますが、上限があります。
ポイント:「収入」と「所得」の違いを正確に理解する。給与所得は収入から給与所得控除を差し引いた後の金額です。
2. 事業所得
事業所得 = 総収入金額 − 必要経費
必要経費とは事業を行うために直接かかった費用です。仕入費・家賃・人件費などが含まれます。
3. 不動産所得
不動産所得 = 総収入金額 − 必要経費
家賃収入から、固定資産税・修繕費・減価償却費などを差し引いた金額が不動産所得です。不動産所得の赤字は損益通算できますが、土地取得のための借入金利子に対応する部分は通算できません(重要)。
4. 退職所得
退職所得 = (退職金 − 退職所得控除) × 1/2
退職所得控除は勤続年数によって変わります。
| 勤続年数 | 退職所得控除額 |
|---|---|
| 20年以下 | 40万円 × 勤続年数(最低80万円) |
| 20年超 | 800万円 + 70万円 × (勤続年数 − 20年) |
5. 一時所得
一時所得 = 総収入金額 − 収入を得るために支出した金額 − 特別控除額(最大50万円)
一時所得は課税所得に算入する際に「1/2」にする点が特徴です。
例題:生命保険の満期保険金200万円を受け取った場合(払込保険料120万円)の一時所得は?
一時所得 = 200万円 − 120万円 − 50万円 = 30万円
課税対象 = 30万円 × 1/2 = 15万円
6. 譲渡所得
株式・土地・建物などの資産を売却した際の利益です。資産の種類によって短期譲渡所得・長期譲渡所得・株式等の譲渡所得に分かれます。
所得控除の種類と計算
所得控除は「課税所得を計算する前に所得金額から差し引く控除」です。
人的控除(人に対する控除)
| 控除の種類 | 控除額 | 要件 |
|---|---|---|
| 基礎控除 | 最大48万円 | 合計所得金額2,500万円以下 |
| 配偶者控除 | 最大38万円 | 控除対象配偶者がいる |
| 配偶者特別控除 | 最大38万円 | 配偶者の所得48万円超〜133万円以下 |
| 扶養控除 | 38万円〜63万円 | 扶養親族がいる(16歳以上) |
| 障害者控除 | 27万円または40万円 | 障害者(特別障害者は40万円) |
| 寡婦控除 | 27万円 | 離婚・死別した女性 |
| ひとり親控除 | 35万円 | 婚姻歴問わずシングルペアレント |
物的控除(支出に対する控除)
| 控除の種類 | 概要 |
|---|---|
| 医療費控除 | 医療費から10万円(または合計所得の5%)を差し引いた残額 |
| 社会保険料控除 | 支払った社会保険料全額 |
| 生命保険料控除 | 最大12万円(一般・介護医療・個人年金の合計) |
| 地震保険料控除 | 最大5万円 |
| 小規模企業共済等掛金控除 | 支払額全額(iDeCoの掛金等) |
| 寄附金控除 | 寄附金から2,000円を差し引いた残額 |
医療費控除の計算(頻出)
医療費控除額 = (実際の医療費 − 保険金等補填分) − 10万円
(総所得金額が200万円未満の場合は「総所得金額 × 5%」が10万円の代わりになる)
ポイント:美容整形・健康診断(病気が見つかった場合を除く)は医療費控除の対象外です。市販薬は原則対象外(セルフメディケーション税制の対象になる場合あり)。
損益通算の基本ルール
損益通算とは、ある所得の損失を他の所得から差し引くことで課税所得を減らす仕組みです。
損益通算できる所得
以下の4つの所得の損失は、他の所得と通算できます。
- 不動産所得
- 事業所得
- 山林所得
- 譲渡所得(一部例外あり)
覚え方:「ふじさん(不事山譲)」
損益通算できない所得
- 給与所得・雑所得の損失は通算できません
- 不動産所得の損失のうち、土地取得のための借入金利子に対応する部分は通算不可
- 生活に通常必要でない資産(別荘・ゴルフ会員権)の譲渡損失は通算不可
確定申告が必要なケース
会社員(給与所得者)でも確定申告が必要になるケースがあります。
| 確定申告が必要なケース | 内容 |
|---|---|
| 給与収入が2,000万円超 | 年末調整では対応不可 |
| 給与所得以外の所得が20万円超 | 副業・投資収益等 |
| 2ヶ所以上から給与を受けている | 主たる給与以外が20万円超 |
| 住宅ローン控除(初年度) | 2年目以降は年末調整で可 |
| 医療費控除・ふるさと納税 | 年末調整では控除不可 |
| 源泉分離課税以外の譲渡所得 | 株式の損益通算・繰越控除 |
税額控除との違い
| 項目 | 所得控除 | 税額控除 |
|---|---|---|
| 意味 | 課税所得から差し引く | 計算された税額から直接差し引く |
| 効果 | 税率分だけ税額が減る | 控除額分そのまま税額が減る |
| 有利さ | 所得が高い(高税率)ほど効果大 | 一律の効果 |
| 例 | 扶養控除・医療費控除 | 住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除) |
ポイント:住宅ローン控除は「税額控除」のため、所得控除より節税効果が大きい場合があります。
学習のポイント
数字を正確に覚える
タックスプランニングは具体的な数字(控除額・税率・要件)を覚えることが重要です。演習問題で何度も出てくる数字を自然に定着させましょう。
「所得」と「収入」の区別を徹底する
FP3級で最も多い誤答パターンが「収入」と「所得」の混同です。
- 収入:入ってきたお金の総額
- 所得:収入から必要経費(または控除)を差し引いた後の金額
演習で弱点を特定する
ぴよパスのFP3級練習問題で所得税の各テーマを演習し、間違えた問題は解説で「なぜその答えになるか」を確認します。FP3級の合格率の傾向も参考にしながら、試験全体の中でのタックス科目の位置づけを把握しましょう。
まとめ
FP3級のタックスプランニングは、所得の10区分の理解と各種控除の計算が核心です。
特に給与所得・退職所得・一時所得の計算手順、医療費控除の計算、損益通算のルールを確実に押さえることで、この科目の大部分の問題に対応できます。
ぴよパスのFP3級タックスプランニング練習問題とFP3級模擬試験を活用して、本番に向けた実力を仕上げましょう。