FP3級 金融資産運用の合格戦略:学科60問中8〜10問を確実に得点する
FP3級の金融資産運用は学科60問中8〜10問・実技でも頻出の重要分野です。FP3級に科目足切りはなく、学科・実技それぞれで60%以上(学科なら36問以上)が合格ラインです。金融資産運用の8〜10問で6〜8問を取れれば、合格戦略上の大きな柱になります。
この分野の出題は、経済・金融の基礎知識、運用商品(預貯金・債券・株式・投資信託)、税制(NISA・iDeCo・20.315%)の3つの柱で構成されています。計算問題と制度知識の問題が半々で出るのが特徴です。
この記事で分かること
- FP3級の金融資産運用の出題傾向と頻出テーマ
- 経済指標(GDP・景気動向指数・物価指数)の整理
- 預金・債券・株式・投資信託の基本
- ポートフォリオ理論と相関係数
- NISA/iDeCo の非課税制度
- 金融商品の税金(20.315%)
ぴよパスで160問×17試験を運用していて気づいたのは、金融資産運用は「株式指標4つ」「債券の利回り」「NISA/iDeCo」の出題が特に多く、この3テーマで確実に点を取れるかが得点を左右するということです。
広告
金融資産運用の出題傾向
FP3級の学科試験(60問)のうち、金融資産運用は8〜10問程度出題されます。計算問題と制度の知識問題が半々で出るのが特徴です。
主な出題テーマは以下の通りです。
| テーマ | 頻度 |
|---|---|
| 株式の投資指標(PER・PBR・ROE・配当利回り) | 非常に高い |
| 債券の利回り計算 | 非常に高い |
| 投資信託の分類・コスト | 高い |
| NISA・iDeCo | 非常に高い |
| 金融商品の税金(20.315%) | 非常に高い |
| 経済指標(GDP・景気動向指数) | 中程度 |
| ポートフォリオ理論・相関係数 | 中程度 |
| 預金保険制度(ペイオフ) | 中程度 |
ぴよパスの金融資産運用練習問題で分野別に集中演習できます。
経済・金融の基礎
経済指標
| 指標 | 内容 |
|---|---|
| GDP(国内総生産) | 国内で生産された付加価値の合計。名目と実質がある |
| 景気動向指数 | 先行・一致・遅行の3系列。CI(水準)とDI(広がり)がある |
| 日銀短観 | 企業の業況感を3か月ごとに調査 |
| 消費者物価指数(CPI) | 家計が購入する財・サービスの価格変動 |
| 企業物価指数(CGPI) | 企業間で取引される財の価格変動 |
| マネーストック | 市中に出回っている通貨の総量 |
金融市場
- 短期金融市場(1年未満):無担保コール翌日物・CD・CPなど
- 長期金融市場(1年以上):債券・株式
- インターバンク市場:金融機関間の取引
- オープン市場:金融機関+一般事業法人
金融政策
日本銀行が行う金融政策の主な手段は以下の通りです。
- 公開市場操作(オペレーション):売りオペは資金吸収・金利上昇、買いオペは資金供給・金利低下
- 政策金利(無担保コール翌日物金利)の誘導
- 預金準備率操作(現在はほぼ機能停止)
預貯金
預金の種類
| 預金 | 特徴 |
|---|---|
| 普通預金 | 自由な出し入れ、変動金利 |
| 定期預金 | 満期まで据え置き、固定金利 |
| スーパー定期 | 300万円未満・以上で金利が異なることがある |
| 大口定期 | 1,000万円以上、金利は相対で決定 |
| 期日指定定期 | 1か月据置期間後、満期日を自由に指定 |
ペイオフ(預金保険制度)
- 決済用預金:全額保護(利息なし・いつでも引き出せる預金)
- 一般預金:元本1,000万円とその利息まで保護
- 外貨預金・譲渡性預金:保護対象外
債券
債券の基本
- 表面利率:額面金額に対する年利
- 発行価格:額面と等しい「パー発行」、額面未満「アンダーパー発行」、額面超「オーバーパー発行」
- 償還:満期時に額面金額で払い戻し
債券の利回り
| 利回り | 計算式 |
|---|---|
| 応募者利回り | (表面利率+(額面−発行価格)÷償還年数)÷発行価格×100 |
| 最終利回り | (表面利率+(額面−購入価格)÷残存年数)÷購入価格×100 |
| 所有期間利回り | (表面利率+(売却価格−購入価格)÷所有年数)÷購入価格×100 |
金利と債券価格は逆相関の関係にあります。金利が上がれば既発債の価格は下がり、金利が下がれば既発債の価格は上がります。
格付け
- BBB 以上:投資適格債
- BB 以下:投機的格付け債(ハイイールド債)
格付けが高いほど信用リスクが低く、利回りは低くなります。
株式
株式の取引
- 受渡日:約定日を含めて3営業日目(2024年11月から変更)
- 単元株:100株
- 指値注文・成行注文:成行注文が指値注文より優先
株式の投資指標
| 指標 | 計算式 | 目安 |
|---|---|---|
| PER(株価収益率) | 株価÷1株当たり純利益(EPS) | 小さいほど割安 |
| PBR(株価純資産倍率) | 株価÷1株当たり純資産(BPS) | 1倍未満は解散価値割れ |
| ROE(自己資本利益率) | 当期純利益÷自己資本×100 | 8% 以上が望ましい |
| 配当利回り | 1株当たり年間配当金÷株価×100 | 高いほど投資家にとって有利 |
| 配当性向 | 配当金総額÷当期純利益×100 | 配当への積極度 |
株価指数
- 日経平均株価:東証プライム 225 銘柄の修正平均
- TOPIX:東証プライム全銘柄の時価総額加重平均
- JPX日経400:ROE 等で選定した 400 銘柄
投資信託
投資信託の分類
| 分類 | 種類 |
|---|---|
| 購入方法 | 公募(不特定多数)・私募(特定少数) |
| 購入期間 | 単位型(当初募集期間のみ)・追加型(いつでも購入可) |
| 運用対象 | 公社債投信(株式組入れ不可)・株式投信 |
| 運用方針 | パッシブ運用(インデックス連動)・アクティブ運用 |
投資信託のコスト
| コスト | タイミング |
|---|---|
| 購入時手数料 | 購入時 |
| 運用管理費用(信託報酬) | 保有中(日々) |
| 信託財産留保額 | 解約時 |
基準価額
投資信託1口(または1万口)当たりの時価で、純資産総額÷総口数で計算されます。
NISA・iDeCo(非課税制度)
新 NISA(2024 年〜)
| 項目 | つみたて投資枠 | 成長投資枠 |
|---|---|---|
| 年間投資枠 | 120万円 | 240万円 |
| 生涯投資枠 | 1,800万円(両枠合計、うち成長投資枠は 1,200 万円) | |
| 非課税期間 | 無期限 | |
| 対象商品 | 一定の投資信託 | 株式・投信・ETF |
iDeCo(個人型確定拠出年金)
- 掛金:全額所得控除
- 運用益:非課税
- 受取時:一時金は退職所得控除、年金は公的年金等控除
- 引出制限:原則 60 歳まで引き出せない
拠出限度額は加入者区分で異なります。
| 区分 | 月額上限 |
|---|---|
| 自営業者(第1号) | 6.8万円(国民年金基金と合算) |
| 会社員(企業年金なし) | 2.3万円 |
| 会社員(企業型DCのみ) | 2.0万円 |
| 公務員 | 1.2万円(2024年12月より2.0万円) |
| 専業主婦・主夫(第3号) | 2.3万円 |
金融商品の税金
税率 20.315%
上場株式・株式投資信託の配当金・分配金・売却益には以下の税金がかかります。
- 所得税:15%
- 復興特別所得税:0.315%
- 住民税:5%
特定口座
- 源泉徴収あり:証券会社が税金を源泉徴収、確定申告不要
- 源泉徴収なし:自分で確定申告
損益通算と繰越控除
上場株式等の譲渡損失は以下の順番で通算できます。
- 同じ年の配当金・分配金との損益通算
- 3年間の損失繰越控除(確定申告が必要)
NISA口座の損失は損益通算・繰越控除の対象外です。
ポートフォリオ理論
相関係数
| 相関係数 | 意味 |
|---|---|
| +1 | 完全に同じ値動き(分散効果なし) |
| 0 | 無相関 |
| -1 | 完全に逆の値動き(分散効果最大) |
相関係数が小さい(-1 に近い)ほど、ポートフォリオのリスク分散効果が大きくなります。
期待収益率
ポートフォリオの期待収益率は、各資産の期待収益率の加重平均で計算します。
学科試験で取るべき目標点
金融資産運用は8〜10問出題されるので、6〜8問正解を目指せば合格水準です。なお、FP3級の学科試験は科目別の足切りはなく、60問中36問(60%)以上が合格ラインです。
優先して押さえるテーマ
- 株式の投資指標(PER・PBR・ROE・配当利回り)
- 債券の最終利回り計算
- NISA と iDeCo の非課税枠
- 20.315% の税率と特定口座
- 預金保険制度(決済用預金は全額、一般預金は 1,000 万円)
よくある質問
Q. 対策の優先順位は?
A. 最初に確認したいのは「金融資産運用の出題傾向」です。ここで前提条件や全体像を押さえると、「経済・金融の基礎」以降の説明が理解しやすくなります。いきなり細部へ入るより、本文の順番に沿って読む方が迷いにくいです。
まとめ
- 経済指標:GDP・景気動向指数・物価指数の違い
- 債券:金利と価格は逆相関、最終利回り計算が頻出
- 株式:PER・PBR・ROE・配当利回りの4指標
- 投資信託:購入時手数料・信託報酬・信託財産留保額のコスト3種
- NISA:生涯1,800万円の非課税、iDeCoは60歳まで引出不可
- 税金:20.315%、特定口座(源泉徴収あり)で確定申告不要
金融資産運用は計算問題が多い分野ですが、公式を手を動かして覚えれば確実に得点源にできます。ぴよパスの金融資産運用練習問題で繰り返し演習しましょう。
通信講座で効率的に学びたい方はFP3級の通信講座おすすめ2026も参考にしてください。
関連記事:FP3級ライフプランニング攻略/FP3級リスク管理攻略/FP3級タックスプランニング攻略
残り時間別 金融資産運用攻略の優先順位
| 残り期間 | 最優先のアクション | 現実的な狙い |
|---|---|---|
| 残り2ヶ月以上 | 経済指標・運用商品4種類の基礎 | 基礎固め |
| 残り1ヶ月 | 債券・株式の計算問題を160問演習 | 計算問題で得点 |
| 残り2週間 | NISA・iDeCo・譲渡益20.315%を反復 | 税制完全攻略 |
| 残り1週間 | 模擬試験・数値の最終確認 | 凡ミス排除 |
落ちる人の失敗パターンと回避策
| 失敗パターン(落ちる行動) | 回避策(突破策) |
|---|---|
| 経済指標を曖昧に覚える | GDP(生産・分配・支出)・日銀短観(景況感)・CPI(物価)を区別 |
| 株式の指標(PER/PBR/ROE)を混同 | PER=株価/EPS・PBR=株価/BPS・ROE=当期純利益/自己資本 |
| NISAとiDeCoを混同 | NISA=株式・投信運用益非課税・iDeCo=拠出額所得控除+運用益非課税 |
| 譲渡益税率20.315%を20%と誤覚 | 所得税15%+復興特別所得税0.315%+住民税5% |
| 出題パターン丸暗記で本番に挑む | 160問のオリジナル予想問題で出題形式に慣れる |
金融資産運用で6点取るためのチェックリスト
- 経済指標(GDP・日銀短観・CPI)の意味を即答できる
- 運用商品4種類(預貯金・債券・株式・投信)の特徴を区別できる
- 株式の指標(PER/PBR/ROE/配当利回り)を即計算できる
- NISAとiDeCoの違い(運用益非課税・所得控除)を理解
- 譲渡益税率20.315%の内訳を即答できる
出典
- 所得税法第22条・第35条(利子所得・配当所得)
- 租税特別措置法第37条の14(NISA)
- 確定拠出年金法第73条(iDeCo)
- 一般社団法人 金融財政事情研究会「ファイナンシャル・プランニング技能検定」 https://www.kinzai.or.jp/
















































