結論を先に:第一種は44問の「形式」を読むと有害業務で差がつく
第一種衛生管理者は 有害業務を含む44問・試験時間3時間 の紙マークシート試験です。何が出るか(分野)も大事ですが、本番で点を取りこぼさないためには どう問われるか(出題形式) を先に知っておくことが効きます。とくに第一種は、第二種にはない有害業務20問で 組み合わせ型・個数型 と 有害物濃度などの計算型 が増えるため、形式ごとの解き方を変えるだけで得点が安定します。
| 出題形式 | 問われ方 | 第一種での特徴 | 攻略の要 |
|---|---|---|---|
| ❶ 正誤判定型 | 正しい/誤りを1つ選ぶ | 44問の大半を占める基本形式 | 知識の正確さ・消去法 |
| ❷ 組み合わせ型・個数型 | 組み合わせ/該当数を選ぶ | 有害業務20問で増える | 1肢確定→一括消去 |
| ❸ 計算型 | 数値を計算して答える | 有害物濃度・必要換気量も出る | 公式暗記 |
第一種の合格基準は 各科目40%以上 かつ 全体60%以上(44問中27問前後)、合格率は令和6年度で 46.3% です。下の表のとおり、有害業務の20問は形式が混在して難度が高い領域なので、ここを形式の視点で攻略します。
第一種の科目構成と形式が出やすい場所
まず、44問がどの科目に分かれ、どの形式がどこで出やすいかを地図にしておきます。形式は科目ごとに偏りがあります。
| 科目 | 問題数 | 出やすい形式 |
|---|---|---|
| 関係法令(有害業務) | 10問 | 正誤判定型+組み合わせ型・個数型 |
| 労働衛生(有害業務) | 10問 | 正誤判定型+計算型(有害物濃度・換気) |
| 関係法令(有害以外) | 7問 | 正誤判定型が中心 |
| 労働衛生(有害以外) | 7問 | 正誤判定型+計算型(気積・換気) |
| 労働生理 | 10問 | 正誤判定型が中心 |
ポイントは、有害業務の20問に「組み合わせ型・個数型」と「計算型」が集中すること。特化則・有機則は物質区分や規制要件が細かく、1つの設問で複数の知識を同時に問うため、自然と組み合わせ型・個数型が増えます。一方、労働生理や有害以外の関係法令は素直な正誤判定型が中心です。
第二種(30問)は有害業務が出ないため正誤判定型が中心で、計算も気積・必要換気量・BMI程度。第一種は有害業務がある分、形式の幅が広く難度が一段上がると理解しておきましょう。
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❶ 正誤判定型:44問の大半を占める基本形式
最も多いのが正誤判定型です。「次のうち正しいものはどれか」または「誤っているものはどれか」を5肢から1つ選びます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 問われ方 | 「正しい/誤っているものはどれか」を5肢から1つ |
| 出題比率 | 44問の大半 |
| 出やすい科目 | 全科目(とくに労働生理・有害以外) |
| 攻略 | 各肢を1つずつ正誤判定し消去法で絞る |
正誤判定型の解き方
- 設問が「正しいもの」を聞いているか「誤っているもの」を聞いているかを最初に丸で囲む。 ここを取り違えると、正答を見つけても逆を選んでしまいます。第一種は問題数が多く時間に追われるため、この基本ミスが起きやすいです。
- 5肢を上から1つずつ「○・×・?」で判定する。 確実に判定できる肢から処理します。
- 消去法で残す。 「誤っているものはどれか」なら、○が4つ並んだら残りの1つが答え。迷う肢が2つ残ったら、確実な知識(数値・しきい値)に立ち返って決めます。
有害業務でも、たとえば「特殊健康診断は6ヶ月以内ごとに1回」のような 数値が1点だけ違う肢 は正誤判定型として出ます。数値系は暗記がそのまま得点になるので、ここは落とせません。
❷ 組み合わせ型・個数型:第一種の有害業務で増える難所
第一種で第二種と差がつくのがこの形式です。有害業務20問では、特化則・有機則の物質区分や規制要件を細かく問うため、1問で複数の知識を同時に判定させる組み合わせ型・個数型が増えます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 問われ方 | 「正しいものの組み合わせ」「誤っているものはいくつあるか」 |
| 出題比率 | 中程度(有害業務で増える) |
| 出やすい科目 | 関係法令(有害業務)・労働衛生(有害業務) |
| 攻略 | 1肢の正誤を確定し、候補を一括消去 |
組み合わせ型の解き方
組み合わせ型は「A〜Eのうち正しいものの組み合わせは(1)A,B (2)A,C …」という形です。全部を判定しなくても解けます。
- ある肢を 「確実に誤り」 と判定できたら、その肢を含む選択肢を一括で消去します。
- ある肢を 「確実に正しい」 と判定できたら、その肢を含まない選択肢を一括で消去します。
- 1〜2肢を確定するだけで、選択肢が1つに絞れることが多いです。
例えば「正しいものの組み合わせ」で Aが誤りと確信できれば、Aを含む選択肢はすべて切れます。 残りの選択肢の差分(BかCか等)だけを判定すれば足ります。曖昧な肢を全部詰めるより、確実な1肢から崩すのが時短のコツです。
個数型の解き方
個数型は「誤っているものはいくつあるか」を0〜5の数で答えさせる形式で、組み合わせ型より難度が高いです。なぜなら 全肢を判定しないと数が確定しない からです。
- 確実に判定できる肢から「○・×」を付けて数えます。
- 1肢でも判定を誤ると個数がずれて失点するため、確信が持てる肢だけで暫定の個数を出し、残りは知識で詰める順序にします。
- どうしても1肢が分からない場合、暫定個数の±1で答えの候補を2つに絞り、より確からしい方を選びます。
個数型は特化則・有機則の 規制要件の正誤(製造許可の要否、表示・掲示義務、設備の設置義務など)でよく出ます。第二種受験者が触れない領域なので、ここで形式に慣れておくと有利です。
❸ 計算型:第一種は有害物濃度・必要換気量も出る
計算型は出題数こそ多くありませんが、公式を覚えれば確実に得点できる「取りこぼし防止」の形式です。第一種は第二種と違い、有害業務に絡む 有害物濃度 や 必要換気量 の計算も出るのが特徴です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 問われ方 | 必要換気量・気積・有害物濃度・BMIを計算 |
| 出題比率 | 少なめ(ただし第一種は種類が多い) |
| 出やすい科目 | 労働衛生(有害業務・有害以外) |
| 攻略 | 公式を正確に暗記し数値を当てはめる |
第一種で出る計算型の例
| 計算項目 | 考え方 | ひとことメモ |
|---|---|---|
| 気積 | 部屋の容積から設備等の体積を除いた空間の体積 | 1人あたりの気積(10m³以上)の要件と絡めて問われる |
| 必要換気量 | 室内で発生する有害物・CO2量を、許容濃度との差で割って必要な換気量を求める発想 | 「発生量÷濃度差」の構造を理解すれば数値が変わっても解ける |
| 有害物濃度 | 空気中の有害物量を体積で割って濃度(ppm等)を出す | 第一種固有。単位換算(mg/m³⇔ppm)に注意 |
| BMI | 体重(kg)÷身長(m)の2乗 | 労働衛生の健康管理で出る基本計算 |
計算型の解き方
- 何を求める問題かを確認し、対応する公式を思い出す。 公式さえ出れば、あとは数値の代入です。
- 単位をそろえる。 とくに有害物濃度は mg/m³ と ppm の換算でつまずきやすいので、単位を先に統一します。
- 桁を確認する。 換気量は数百〜数千 m³/h のオーダーになるなど、答えの桁感を持っておくと選択肢の絞り込みに使えます。
計算型は「公式を1つ覚えれば数値違いの問題に何度でも対応できる」コスパの高い形式です。捨てずに、出る公式だけを確実に押さえましょう。
3形式の出題比率と形式別対策
形式ごとに、出題比率の目安と対策の方向性を整理します。第一種は有害業務がある分、②③の比重が第二種より高くなります。
| 形式 | 出題比率の目安 | 対策の方向性 |
|---|---|---|
| 正誤判定型 | 大(全科目の基本) | 反復演習で知識を正確にする |
| 組み合わせ型・個数型 | 中(有害業務で増える) | 1肢確定→消去の練習を有害業務で重点化 |
| 計算型 | 小(種類は多い) | 出る公式だけを暗記し数値違いで反復 |
正誤判定型は「知識の正確さ」がそのまま得点になります。組み合わせ型・個数型は「消去のテクニック」で時間を節約できます。計算型は「公式暗記」で確実に積み増せます。3つを同じやり方で解こうとすると時間配分を誤るので、形式の違いを意識した演習が重要です。
残り時間別 出題形式対策の優先順位
試験までの残り時間に応じて、どの形式に力を入れるかを変えます。第一種は有害業務の組み合わせ型・個数型に慣れる時間を確保するのがポイントです。
| 残り時間 | 正誤判定型 | 組み合わせ型・個数型 | 計算型 |
|---|---|---|---|
| 残り2ヶ月以上 | 全科目を反復演習 | 有害業務で消去法を練習 | 公式を一通り暗記 |
| 残り1ヶ月 | 有害業務の数値を固める | 特化則・有機則で1肢確定の練習 | 必要換気量・有害物濃度を反復 |
| 残り2週間 | 弱点論点を集中 | 個数型の通し演習 | 公式の最終確認 |
| 残り1週間 | 頻出論点の総確認 | 消去法の手順を確認 | 公式と単位換算の総確認 |
形式を読み違えた失敗パターンと回避策
出題形式を意識せずに解くと、知識があっても失点します。典型的な失敗を3つ挙げ、回避策をセットで示します。
失敗パターン1:全問を同じ解き方で解く
正誤判定型のつもりで個数型に向かい、1肢の判定ミスで個数を外す——というケースです。
回避策: 設問文の冒頭で形式を判別する。「いくつあるか」「組み合わせ」と書いてあれば、消去法と全肢判定に切り替えます。
失敗パターン2:計算型を最初から捨てる
「計算は苦手だから」と全部飛ばすと、公式暗記で取れたはずの1〜2問を失います。第一種は計算の種類が多い分、捨てる損失も大きいです。
回避策: 必要換気量・気積・有害物濃度・BMIなど 出る公式だけ に絞って暗記し、確実な得点源にする。
失敗パターン3:組み合わせ型・個数型で全肢を詰めて時間切れ
5肢すべてを丁寧に検討して時間を使い果たすパターンです。3時間とはいえ44問あるため、1問に時間をかけすぎると後半が雑になります。
回避策: 確実に判定できる1肢から候補を一括消去し、差分だけを詰める。曖昧な肢に深入りしない。
合格率46%に入るための出題形式チェックリスト
本番前に、形式の視点で準備が整っているかを確認しましょう。下の数値は本文の表と一致しています(44問・全体60%・27問前後・合格率46.3%)。
- 3形式(正誤判定/組み合わせ・個数/計算)の違いを説明できる
- 設問冒頭で「正しい/誤り」「いくつ/組み合わせ」を判別する習慣がある
- 正誤判定型は反復演習で数値・しきい値を正確にした
- 組み合わせ型・個数型を有害業務分野で1肢確定→消去の練習をした
- 計算型(必要換気量・気積・有害物濃度・BMI)の公式を暗記した
- 44問・3時間の時間配分で、1問に深入りしない感覚を通し演習でつかんだ
第一種衛生管理者オリジナル予想問題160問で形式別に演習 →
編集部より — 3,000問超の解説を作って気づいた合格者の共通行動
ぴよパスで衛生管理者の解説を3,000問超作成して見えたのは、合格者ほど 「分野」より先に「形式」で問題を仕分けている ことです。同じ特化則の知識でも、正誤判定型なら数値1点を、組み合わせ型なら複数肢の関係を、個数型なら全肢の合計を問われます。形式に合わせて解き方を切り替えるだけで、知識量が同じでも得点が安定します。第一種は有害業務で形式が混在するからこそ、この差が大きく出ます。
出典:
- 公益財団法人 安全衛生技術試験協会 衛生管理者試験 — 試験概要・受験案内・合格率
- 労働安全衛生法(昭和47年法律第57号)・労働安全衛生規則
- 有機溶剤中毒予防規則・特定化学物質障害予防規則
よくある質問
Q1. 第一種で第二種より難しくなる出題形式はどれですか?
組み合わせ型・個数型と計算型です。第一種だけに出る有害業務20問(関係法令10問+労働衛生10問)では、特化則・有機則の物質区分や規制要件を細かく問うため、複数の肢を同時に判定させる組み合わせ型・個数型が増えます。さらに有害物濃度や必要換気量の計算も第一種で出ます。第二種は有害業務がなく正誤判定型が中心で、計算も気積・必要換気量・BMI程度です。
Q2. 個数型(誤りはいくつあるか)が苦手です。コツはありますか?
個数型は全肢を判定しないと数が確定しないため、最も難度が高い形式です。まず確実に判定できる肢だけで暫定の個数を出し、分からない肢があれば暫定個数の±1で答えの候補を2つに絞ります。日頃の演習で「全肢に○×を付けてから数える」手順を固定しておくと、本番で迷いません。特化則・有機則の規制要件で出やすい形式です。
Q3. 計算型はどの公式を覚えればよいですか?
第一種で出る計算は、気積、必要換気量(発生量÷濃度差の発想)、有害物濃度(単位換算mg/m³⇔ppmに注意)、BMI(体重kg÷身長mの2乗)が中心です。種類は限られているので、この公式を覚えて数値を変えた問題で反復すれば確実に1〜2問取れます。全体60%(44問中27問前後)が合格基準なので、計算で取る1〜2問が合否を左右しうります。
Q4. 衛生管理者試験はCBTで受けられますか?
2026年5月時点では受けられません。衛生管理者試験は全国の安全衛生技術センターで実施される 紙のマークシート試験 で、CBTは導入されていません。第一種は44問・試験時間3時間です。出題形式(正誤判定/組み合わせ・個数/計算)はマークシートで答える点も含めて、紙試験を前提に対策します。
Q5. 出題形式を意識した演習はどう進めればよいですか?
正誤判定型は反復で知識を正確にし、組み合わせ型・個数型は有害業務分野で「1肢確定→候補を一括消去」の練習を重ね、計算型は出る公式を暗記して数値違いで反復します。最後に44問・3時間の通し演習で、形式判別と時間配分を体に入れます。形式ごとに目的を分けると、同じ演習量でも得点効率が上がります。





























































