結論を先に: 第一種の語呂合わせは「有害業務2科目の数値暗記」が核心
第一種衛生管理者は5科目44問構成だが、そのうち20問が有害業務の問題 (関係法令有害10問 + 労働衛生有害10問) である。この20問には制御風速・電離放射線被ばく限度・酸欠濃度・有機溶剤種別・特化則物質区分など「数値と分類の暗記が直接得点につながる」論点が集中している。
| 科目 | 問題数 | 語呂の主な対象 |
|---|---|---|
| 関係法令 (有害) | 10問 | 制御風速・選任人数段階・特殊健診頻度 |
| 労働衛生 (有害) | 10問 | 電離放射線限度・酸欠濃度・有機溶剤区分 |
| 関係法令 (共通) | 7問 | 衛生管理者選任人数・産業医専属基準 |
| 労働衛生 (共通) | 7問 | WBGT基準値・照度基準 |
| 労働生理 | 10問 | 消化酵素の順序・血液循環・ストレス3段階 |
第二種と比べて有害業務が丸ごと追加されるため、語呂合わせの重点は自然と有害業務側に移る。この記事では有害業務数値の語呂を中心に、第一種固有の暗記ポイントを整理する。
有害業務数値系語呂: 制御風速から酸欠濃度まで
数値系語呂は「数字そのものを音やリズムに変換する」技法で、有害業務の出題範囲に最も効果が高い。
制御風速 (有機則第16条・局所排気装置)
局所排気装置の制御風速は型式によって異なり、試験では「どの型式でどの風速か」を正確に問われる。
| 型式 | 制御風速 | 語呂イメージ |
|---|---|---|
| 囲い式 | 0.4 m/s 以上 | 「囲い → ゼロヨン」 |
| 外付け式 (側方・下方) | 0.5 m/s 以上 | 「外側方 → ゼロゴー」 |
| 外付け式 (上方型) | 1.0 m/s 以上 | 「外上方 → いちてんぜろ」 |
ひっかけのポイント: 外付け式のうち上方型は1.0 m/sで、側方・下方の0.5 m/sより高い。試験問題で「外付け式はすべて同じ風速」と誘導されることがあるため、上方型だけ別に覚えることが重要。「外側方はゼロゴー、外上方はいちてんぜろ」と2つを並べて声に出す練習が最も効果的。
電離放射線の被ばく限度 (電離則第4条)
放射線業務に従事する労働者の被ばく限度は以下のとおり。
| 区分 | 上限値 | 語呂イメージ |
|---|---|---|
| 実効線量 (5年累積) | 100 mSv | 「5年で100 → ゴネンひゃく」 |
| 実効線量 (1年) | 50 mSv | 「1年50 → いちねんゴー」 |
| 眼の水晶体 (1年) | 150 mSv | 「目は150 → めにひゃくごじゅう」 |
| 皮膚 (1年) | 500 mSv | 「皮膚は500 → ひふゴーヒャク」 |
男女で実効線量の上限は同値だが、妊娠中の女性には腹部2 mSv/月の追加制限がある。「妊娠中のお腹は月に2」とセットで覚える。
酸素欠乏症の基準値 (酸欠則)
| 状態 | 濃度 | 語呂イメージ |
|---|---|---|
| 酸素欠乏 (危険ライン) | 18% 未満 | 「18%切ったら酸欠 → いちはちきっけん」 |
| 第二種酸欠 (硫化水素混在) | 18% 未満かつ硫化水素10 ppm 以上 | 「18かつじゅっぴーぴーえむ」 |
空気中酸素濃度が18%未満になると酸素欠乏の危険域。「18切ったら酸欠危険」のフレーズをそのまま語呂として使うのがシンプルで確実。
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有害業務分類系語呂: 特化則区分と有機溶剤3種別
分類系語呂は「AはBに分類される」という対応関係をペアで覚える技法で、有害業務の物質区分に特に効果が高い。
特化則の物質区分 (特定化学物質障害予防規則)
特化則は第1類・第2類・第3類に物質を区分し、管理レベルが異なる。
| 区分 | 管理レベル | 特徴 |
|---|---|---|
| 第1類 | 製造許可物質 | 原則として製造・使用に厚生労働大臣の許可が必要 |
| 第2類 | 主要管理対象物質 | ベンゼン・クロム酸・ホルムアルデヒドなど多数 |
| 第3類 | 一般管理物質 | アンモニア・塩酸・硫酸など比較的管理が緩い |
語呂の作り方: 「1類は許可が必要 → 1つだけ特別扱い」「3類は普通の酸・アルカリ → 3はみんなシンプル」とコントラストで記憶する。試験では「第1類物質の製造には許可が必要か否か」の選択肢が定番なので、1類=許可制を確実に固める。
代表物質例:
- 第1類: ジクロルベンジジン、ベンゾトリクロリド、アルファーナフチルアミンなど
- 第2類: ベンゼン、クロム酸、ホルムアルデヒド、硫酸ジメチル、塩化ビニルなど
- 第3類: アンモニア、塩酸、硝酸、硫酸、ホルム酸など
有機溶剤の3種別 (有機溶剤中毒予防規則)
有機溶剤は毒性の強さで第1種・第2種・第3種に分類され、物質数が多い第2種が出題頻度も高い。
| 種別 | 物質数 | 語呂イメージ |
|---|---|---|
| 第1種 | 12物質 | 「1種は12 → いちいちに」 |
| 第2種 | 30物質 | 「2種は30 → にさんじゅう」 |
| 第3種 | 7物質 | 「3種は7 → さんなな」 |
第1種は毒性が最も強く、屋内業務への使用が原則禁止されているものが多い。「毒性が強い順に1・2・3」と覚えると規制の厳しさと連動して理解が深まる。
代表物質:
- 第1種 (12物質): クロロホルム、ジクロルメタン、四塩化炭素など
- 第2種 (30物質): トルエン、キシレン、メタノール、アセトンなど
- 第3種 (7物質): ガソリン、石油エーテル、石油ナフサなど
選任人数段階語呂: 6段階を音で制する
第一種・第二種共通の関係法令で毎回出題されるのが衛生管理者の選任人数。50人から3,000人超まで6段階があり、「いつ何人必要か」を正確に覚える必要がある。
衛生管理者の選任人数
| 常時使用労働者数 | 必要な衛生管理者数 |
|---|---|
| 50人以上200人以下 | 1人 |
| 200人を超え500人以下 | 2人 |
| 500人を超え1,000人以下 | 3人 |
| 1,000人を超え2,000人以下 | 4人 |
| 2,000人を超え3,000人以下 | 5人 |
| 3,000人を超えるもの | 6人 |
語呂: 「ゴーゼロでひとり・ニヒャク超えでふたり・ゴーヒャク超えで3人・千超えで4人・ニセン超えで5人・サンゼン超えで6人」
「以上」ではなく「を超え」が正確な表現。試験問題で「200人以上」と書かれていたら誤りで、「200人を超え」が正しい。この違いを見落とすと1点失う。
産業医・衛生委員会の基準
| 事項 | 基準 | 語呂イメージ |
|---|---|---|
| 衛生委員会 (設置義務) | 50人以上 | 「ゴーゼロで委員会」 |
| 産業医選任 (義務) | 50人以上 | 「ゴーゼロで産業医」 |
| 産業医専属化 (義務) | 1,000人を超える | 「千超えで専属」 |
衛生委員会・産業医選任の義務発生は同じ「50人以上」。産業医が専属 (専任) になるのは「1,000人を超える」事業場。「ゴーゼロで委員会・産業医、千超えで専属」とひとまとめに語呂化するとロスが少ない。
健診の流れ語呂: 特殊健診の順序とタイミング
有害業務に従事する労働者への特殊健康診断は、一般定期健診とは別の頻度・手順で実施される。
特殊健康診断のタイミング
| 種類 | 実施頻度 | 対象 |
|---|---|---|
| 一般定期健康診断 | 1年以内ごとに1回 | 全労働者 |
| 特殊健康診断 | 6ヶ月以内ごとに1回 | 有害業務従事者 |
| 深夜業従事者健診 | 6ヶ月以内ごとに1回 | 深夜業従事者 |
「一般は1年、特殊は6ヶ月」という対比で覚える。有害業務従事者は通常の倍の頻度で健診を受ける。「有害は半年で倍チェック」という語呂が定着しやすい。
作業環境測定の流れ
特化則・有機則対象の作業場では測定→評価→改善の流れが義務付けられている。
- 作業環境測定: 6ヶ月以内ごとに1回 (一部は3ヶ月ごと)
- 評価: 第1管理区分〜第3管理区分に評価
- 改善措置: 第3管理区分 (基準超過) では直ちに改善措置
「測る→評価→直す」の3ステップを語呂化: 「測って・評価して・直す = ハカレ・ヒョウカ・ナオセ」。試験では「測定の頻度」「第3管理区分の対応」がそれぞれ単独問題で出る。
労働生理の語呂: 第一種固有の比重と対策
第一種の労働生理は10問で第二種と同一科目だが、有害業務が20問あることで相対的に「まず有害業務を固めてから労働生理」という優先順位になる。労働生理は語呂より理解先行が効果的な範囲が多い。
消化酵素の順序語呂
消化酵素と消化器官の対応は順序で出題されることが多い。
| 場所 | 酵素 | 対象栄養素 |
|---|---|---|
| 口 (唾液) | アミラーゼ | 糖質 (デンプン) |
| 胃 | ペプシン | タンパク質 |
| 小腸 (膵液) | トリプシン | タンパク質 |
| 小腸 (膵液) | リパーゼ | 脂質 |
語呂: 「アミ (アミラーゼ) が口でデンプンをなめて → ペプ (ペプシン) が胃でタンパクを溶かす → トリ (トリプシン) ・リパ (リパーゼ) が腸でしあげる」。消化の流れとセットで覚えると応用問題にも対応できる。
血液循環と心拍の語呂
心臓と循環の順序は「右心房→右心室→肺動脈→肺→肺静脈→左心房→左心室→大動脈」。語呂: 「右から出て肺に行き、左から全身へ」とシンプルに圧縮する。静脈血が流れる肺動脈・動脈血が流れる肺静脈という逆転関係もセットで問われるため、「肺動脈=静脈血、肺静脈=動脈血」とペアで語呂化する。
第一種固有の語呂ポイントまとめ: 有害業務を最優先にする根拠
第一種の試験を構成する44問のうち、有害業務関連の数値・分類暗記が必要な問題は概算で15〜18問に達する。一方、労働生理・共通法令の多くは理解先行で語呂なしでも解ける。このため語呂合わせの投資対効果を最大化するには、有害業務側に語呂の比重を置くのが合理的。
語呂の優先順位ランキング
| 優先度 | 語呂対象 | 理由 |
|---|---|---|
| A (最優先) | 制御風速 (3型式の数値) | 毎回出題、数値が複数あるためミスが起きやすい |
| A (最優先) | 選任人数6段階 | 関係法令の頻出定番、「超え」表記の正確性が問われる |
| A (最優先) | 有機溶剤3種別 (12/30/7) | 物質数が多く語呂なしでは混乱しやすい |
| B (高優先) | 電離放射線被ばく限度 | 数値の種類が多く語呂の恩恵が大きい |
| B (高優先) | 特化則第1類/2類/3類区分 | 「製造許可が必要か否か」が頻出ひっかけ |
| B (高優先) | 酸欠濃度18%未満 | シンプルだが確実に押さえる |
| C (補助) | 消化酵素の順序 | 理解でも覚えられるが語呂で補強 |
| C (補助) | ホルモンと分泌器官 | 分類問題の出題範囲が広い |
残り期間別の語呂活用ロードマップ
| 残り期間 | 有害業務数値語呂 | 有害業務分類語呂 | 共通法令語呂 | 労働生理 |
|---|---|---|---|---|
| 2ヶ月以上 | 全項目を順次 | 全項目を順次 | 選任人数6段階 | 理解先行で語呂は補助 |
| 1ヶ月 | 制御風速・電離放射線・酸欠 | 特化則区分・有機溶剤3種別 | 選任人数・産業医専属 | 消化酵素・血液循環の順序 |
| 2週間 | 頻出数値を繰り返す | 頻出区分を繰り返す | 境界値の「超え/以上」確認 | 労働生理は理解確認に切替 |
| 直前1週間 | 制御風速の3型式を最終確認 | 有機溶剤3種別の物質数確認 | 選任人数6段階を確認 | 順序ひっかけの確認 |
失敗パターンと回避策: 第一種特有の3パターン
失敗パターン1: 有害業務の語呂を後回しにして間に合わない
第一種受験者が時間切れで仕上がらない論点の筆頭が有害業務の数値暗記。「共通法令と労働生理を先に仕上げて有害業務は後で」という計画が試験直前に崩壊するケースが多い。
回避策: 学習開始直後から有害業務の数値語呂を仕込む。最初の1週間で制御風速・選任人数・有機溶剤種別の語呂だけを先行して作る。
失敗パターン2: 第二種とほぼ同じ勉強をして有害業務20問で失点する
第二種合格後に第一種を受けるケースでは、共通科目の学習は流用できるが有害業務2科目は別途準備が必要。
回避策: 有害業務2科目を「新規追加科目」として独立した語呂セットを作る。特化則・有機則・電離則・酸欠則の各則を別ファイルに語呂をまとめる。
失敗パターン3: 語呂の数値は覚えたが「超え/以上」「型式名」が曖昧
「外付け式はすべて0.5」「選任は200人以上から増員」などの微妙な誤りは語呂を正しく覚えていても発生する。
回避策: 語呂を作るときに「超え」「以上」「囲い式/外付け式上方型」の表現をそのまま語呂の中に含める。「200を超えてふたり」のように正確な表現を語呂文に組み込む。
よくある質問 (FAQ)
Q1: 第一種衛生管理者の語呂合わせで最優先すべき科目はどこか?
有害業務2科目 (関係法令有害・労働衛生有害) が最優先。44問中20問が有害業務で、数値暗記の割合が極めて高い。制御風速・電離放射線被ばく限度・特化則物質区分・有機溶剤3種別を語呂で固めるだけで合格ラインに近づける。
Q2: 制御風速の語呂合わせはどう覚えればよいか?
囲い式0.4→外付け側方下方0.5→外付け上方型1.0の順に風速が上がる。「囲い(ゼロヨン)→外側方(ゼロゴー)→外上方(いちてんぜろ)」と声に出して繰り返すのが最速。上方型が1.0 m/s以上である点 (側方・下方より高い) がひっかけの定番なので要注意。
Q3: 電離放射線の被ばく限度はどう語呂化するか?
「5年ひゃく、1年ゴー」のリズムで実効線量を覚える。5年累積100 mSv・1年50 mSvが基本セット。眼150 mSv・皮膚500 mSvは「め150・ひふ500」で別に覚える。妊娠中の腹部2 mSv/月もセットにしておく。
Q4: 衛生管理者の選任人数「超え」表記は本当に重要か?
非常に重要。「200人以上」と「200人を超え」では1人 (200人ちょうど) のときの扱いが変わる。試験では選択肢に「200人以上から2人必要」という誤記が登場することがあり、正確な「超え」を知っていないと誤答する。語呂の文言に「を超え」を含めておくことが確実な対策。
Q5: 労働生理は語呂合わせが必要か?
第一種の労働生理は理解先行が基本。消化酵素の順序・血液循環の経路は語呂で補助できるが、多くの問題はメカニズムを理解していれば解ける。語呂は「消化の順序」「心臓の左右と動静脈」の2点に絞り、残りは理解優先にするのが時間効率がよい。
まとめ: 有害業務2科目の語呂を固めれば合格率46.3%に入れる
令和6年度の第一種衛生管理者合格率は46.3% (受験64,911人・合格30,081人、安全衛生技術試験協会)。約2人に1人が合格する試験だが、有害業務の数値・分類暗記で差がつく。
語呂合わせの肝は以下の5点:
- 制御風速の3型式を正確に (囲い0.4/側方下方0.5/上方型1.0 m/s)
- 選任人数6段階を「超え」表記で (200超・500超・1,000超・2,000超・3,000超)
- 有機溶剤3種別の物質数を (第1種12・第2種30・第3種7)
- 特化則第1類は製造許可が必要と覚える
- 電離放射線は「5年ひゃく・1年ゴー」で実効線量を固める
語呂は暗記の入口。覚えた後は問題演習で引き出す練習をして定着させる。
出典:
- 公益財団法人 安全衛生技術試験協会 — 衛生管理者試験概要・合格者数データ
- 労働安全衛生法 (昭和47年法律第57号)
- 有機溶剤中毒予防規則 (昭和47年労働省令第36号)
- 特定化学物質障害予防規則 (昭和47年労働省令第39号)
- 電離放射線障害防止規則 (昭和47年労働省令第41号)
- 酸素欠乏症等防止規則 (昭和47年労働省令第42号)



























































