結論を先に:第一種衛生管理者は「44問を180分」で解く科目別タイムテーブルが勝負
第一種衛生管理者の筆記試験は 44問を3時間 (180分) で解くマークシート方式だ。単純計算で1問あたり約4分。だが見直しに30分を残すと解答に使えるのは150分で、1問あたり約3.4分まで圧縮される。ここで「全問を同じペースで解こう」とすると、暗記勝負の有害業務で時間を溶かして後半が崩れる。
第一種で合否を分けるのは、科目ごとにかける時間を変えることだ。下のタイムテーブルが本記事の主役になる。
| フェーズ | 科目 | 問題数 | 配分時間 | 1問あたり |
|---|---|---|---|---|
| 第1ブロック | 有害業務 (関係法令+労働衛生) | 20問 | 約60分 | 約3分 (即答 or 飛ばす) |
| 第2ブロック | 有害業務以外 (関係法令+労働衛生) | 14問 | 約45分 | 約3.2分 |
| 第3ブロック | 労働生理 | 10問 | 約30分 | 約3分 |
| 見直し | 全科目 | — | 約30分 | マークミス+迷い問 |
| 合計 | — | 44問 | 180分 | — |
なぜ「1問4分」を鵜呑みにすると落ちるのか
180分÷44問=約4.09分。この平均値だけを見て「1問4分なら余裕」と考えるのが第一種の最初の落とし穴だ。
理由は2つある。
- 見直し時間を引くと余裕は消える。マークシートのズレや塗り忘れ、設問の読み違いは本番で必ず一定数発生する。見直し30分を確保すると解答時間は150分。150分÷44問=約3.4分が実際のペースだ。「4分」と「3.4分」では1問あたり40秒近く違い、44問では約30分の差になる。
- 科目によって最適なペースが違う。暗記勝負の有害業務は「3分考えて分からなければ何分かけても分からない」。逆に労働生理や共通科目は落ち着いて読めば取れる。全問を一律4分で解くのは、得点期待値の低い問題に時間を貢いでいるのと同じだ。
つまり第一種の時間配分は「1問◯分」という一律のペース管理ではなく、科目別にメリハリをつける発想に切り替える必要がある。
| ペース計算 | 計算式 | 1問あたり |
|---|---|---|
| 単純平均 | 180分 ÷ 44問 | 約4.0分 |
| 見直し30分確保時 | 150分 ÷ 44問 | 約3.4分 |
| 見直し40分確保時 | 140分 ÷ 44問 | 約3.2分 |
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第一種の科目構成:有害業務20問が時間配分の主戦場
時間配分を組む前提として、第一種の44問がどう構成されているかを正確に把握しておく。第一種は第二種にない有害業務2分野 (計20問) が加わるのが最大の特徴で、ここが時間配分の主戦場になる。
| 科目 | 問題数 | 性質 | 推奨ペース |
|---|---|---|---|
| 関係法令 (有害業務) | 10問 | 暗記中心・即答型 | 速く (3分以内) |
| 労働衛生 (有害業務) | 10問 | 暗記中心・即答型 | 速く (3分以内) |
| 関係法令 (有害業務以外) | 7問 | 共通分野・得点源 | 標準 (約3.2分) |
| 労働衛生 (有害業務以外) | 7問 | 共通分野・得点源 | 標準 (約3.2分) |
| 労働生理 | 10問 | 暗記中心・安定得点 | 標準 (約3分) |
| 合計 | 44問 | — | — |
有害業務20問は試験全体の約45%を占める。特化則・有機則の物質区分、局所排気装置の制御風速、特殊健康診断の対象業務など、知識の有無で即決する問題が中心だ。だからこそ「考え込む」価値が低く、時間配分上は最初に素早く処理してしまうのが合理的になる。
科目別タイムテーブルの作り方:60分→45分→30分→見直し30分
ここからが本記事の核心だ。180分をどの順番でどう割り振るかを分単位で示す。
第1ブロック:有害業務20問を約60分 (経過: 0〜60分)
最初に有害業務20問を片づける。1問あたり3分が目安だが、ここでのルールは「3分考えて手が止まったら印をつけて飛ばす」こと。
有害業務は暗記勝負なので、3分粘っても出てこない知識は見直し時間に回しても思い出せる確率が低い。粘るより、確実に取れる後半の科目に時間を温存する方が得点期待値が高い。20問を60分で抜けるのを目標にする。
第2ブロック:有害業務以外14問を約45分 (経過: 60〜105分)
関係法令・労働衛生の共通分野14問はペースを標準に戻す。1問あたり約3.2分。第一種・第二種共通の出題範囲で、安全衛生管理体制、衛生委員会、健康診断、作業環境などが中心だ。得点源なので落ち着いて取り切る。
第3ブロック:労働生理10問を約30分 (経過: 105〜135分)
最後の解答ブロックは労働生理10問。1問3分。心臓・血液・呼吸・神経・代謝など暗記で安定して取れる分野なので、ここを後半に置くと「終盤でも確実に得点が積める」精神的な余裕が生まれる。135分で全44問を一周し終えるのが理想だ。
見直しブロック:約30分 (経過: 135〜180分)
残り30分は見直しに充てる。やることは3つ。
| 見直し項目 | 内容 |
|---|---|
| マークシート確認 | 問題番号と解答欄のズレ・塗り忘れを全問チェック |
| 飛ばした迷い問 | 第1ブロックで印をつけた有害業務に戻る |
| 設問の読み違い | 「正しいもの/誤っているもの」の取り違えを再確認 |
このタイムテーブルなら、有害業務で時間を溶かさず、得点源の共通科目と労働生理を確実に取り切り、最後にミスを潰す流れが作れる。
有害業務20問の「飛ばす判断」基準
第一種の時間配分でもっとも重要なスキルが、有害業務での飛ばす判断だ。ここを誤ると第1ブロックで時間を使い果たし、得点源の後半が崩れる。
判断基準はシンプルにする。
| 状況 | 判断 |
|---|---|
| 選択肢を読んで即座に答えが浮かぶ | 即答してマーク |
| 30秒考えて2択まで絞れた | もう1分かけて決める |
| 1分考えて手がかりゼロ | 印をつけて飛ばす (最大3分まで) |
| 物質名・数値が完全に未知 | 即飛ばし (粘らない) |
有害業務は「特化則の特定第二類物質はどれか」「有機溶剤の区分と色分け」のように、知っているか知らないかで瞬時に決まる問題が多い。知らない問題に3分以上かけるのは、後半の取れる問題を捨てる行為だと割り切る。飛ばした問題は見直しブロックで戻り、それでも分からなければ消去法で1つに絞ってマークする (空欄は0点だが、5肢択一なので埋めれば20%の期待値がある)。
残り時間別:時間配分スキルの仕上げ方
時間配分は本番でいきなり実行できるものではない。試験までの残り期間に応じて、何を練習するかを変える。
| 残り時間 | やること |
|---|---|
| 残り1ヶ月以上 | 模試を180分通しで解き、科目別の所要時間を実測する |
| 残り2週間 | 有害業務の「飛ばす基準」を固める。1問3分の感覚を体に入れる |
| 残り1週間 | 解く順番 (有害業務→共通→労働生理) を確定させる |
| 前日 | タイムテーブルをイメージで再現。見直し30分の確保を確認 |
特に残り1ヶ月以上ある段階で「実測」しておくことが重要だ。自分が有害業務1問に何分かけているかを知らないまま本番に臨むと、配分が机上の空論になる。模試や演習で実際のペースを計測し、3.4分のペース感覚を体に刻んでおく。
失敗パターンと回避策
第一種の時間配分でつまずく典型例を3つ挙げる。
失敗1:問題番号順に解いて有害業務で時間を溶かす
問1から順に解くと、いきなり有害業務 (関係法令の有害) が来て、知らない物質区分の問題に5分・10分かけてしまう。
回避策: 科目ブロック単位で解く意識を持つ。有害業務は「3分ルール」で即答か飛ばすを徹底し、得点源の共通科目・労働生理に時間を残す。
失敗2:見直し時間を確保せず時間切れ
「1問4分なら間に合う」と油断して全問に4分かけると、44問で176分。見直しはほぼゼロになり、マークミスや読み違いを潰せないまま提出することになる。
回避策: 解答は150分で終える前提を徹底し、見直し30分を死守する。タイムテーブルで135分到達時に全問一周を終える計画を立てる。
失敗3:飛ばした迷い問を空欄のまま提出
飛ばした有害業務を見直し時間に戻り忘れ、空欄のまま提出してしまう。
回避策: 飛ばした問題には問題用紙に大きく印をつけ、見直しブロックの最初に印の問題から処理する。5肢択一なので、分からなくても消去法で1つに絞って必ずマークする。
合格率46%に入るための時間配分チェックリスト
第一種衛生管理者の合格率は令和6年度で46.3%。合格者がやっている時間配分の要点を5つにまとめた。
- 44問180分・見直し30分確保で解答は150分 (1問約3.4分) と計算しておく
- 有害業務20問は約60分・1問3分で即答か飛ばす を徹底する
- 有害業務以外14問+労働生理10問を得点源として確実に取り切る
- 見直し30分を死守し、マークミスと飛ばした迷い問を処理する
- 模試で自分のペースを実測し、3.4分の感覚を本番前に体に入れる
第一種衛生管理者オリジナル予想問題160問で時間配分を実戦練習 →
出典
- 公益財団法人 安全衛生技術試験協会 衛生管理者試験 — 試験概要・受験案内・科目構成・試験時間
- 労働安全衛生法 (昭和47年法律第57号)・労働安全衛生規則
- 合格率は安全衛生技術試験協会公表の令和6年度実績 (第一種46.3%) による
※第一種衛生管理者試験は紙のマークシート方式で、2026年5月時点でCBT (コンピュータ試験) は導入されていない。
よくある質問
Q1. 第一種衛生管理者の試験時間と問題数は?
試験時間3時間 (180分) で44問を解くマークシート方式だ。科目は関係法令(有害業務)10問・労働衛生(有害業務)10問・関係法令(有害業務以外)7問・労働衛生(有害業務以外)7問・労働生理10問の計44問。180分÷44問で1問あたり平均約4分、見直し30分を確保すると解答に使えるのは150分で1問あたり約3.4分になる。
Q2. 第一種衛生管理者の科目別タイムテーブルの目安は?
有害業務20問を約60分 (1問3分・即答か飛ばす)、有害業務以外14問を約45分 (1問約3.2分)、労働生理10問を約30分 (1問3分)、最後に見直し30分を残す配分が目安だ。合計150分で解答し、残り30分でマークミスと飛ばした問題を処理する。
Q3. 有害業務に時間をかけすぎないコツは?
有害業務20問 (関係法令10問+労働衛生10問) は特化則・有機則の物質区分など暗記中心で、知っていれば即答・知らなければ長考しても解けないことが多い。1問3分を超えたら印をつけて飛ばし、確実に取れる労働生理や共通科目で得点を固める。有害業務で時間を溶かさないことが44問完答の鍵だ。
Q4. 第一種衛生管理者で見直し時間はどれくらい残すべき?
30分を目安に残す。180分から見直し30分を引くと解答時間は150分で、44問なら1問あたり約3.4分のペースになる。見直しではマークシートのズレ・塗り忘れの確認、飛ばした迷い問の再検討、「正しいものはどれか/誤っているものはどれか」の読み違いチェックを行う。
Q5. 第一種衛生管理者の合格基準と合格率は?
合格基準は各科目40%以上 (各科目10問なら4問、7問科目なら3問) かつ全体60%以上 (44問中27問程度) の同時クリア。1科目でも40%未満だと足切りで不合格になる。合格率は令和6年度で46.3%だった。





























































