第一種衛生管理者の試験で点を取るには、「どこにどれだけ問題が出るか」を先に押さえるのが近道です。全44問の配点を知らずに闇雲に勉強すると、配点の小さいところに時間をかけたり、足切りのある科目を落としたりして、トータルの点が伸びません。
第一種は単に60%取れば受かる試験ではなく、科目ごと(範囲が分かれているものは範囲ごと)に40%以上という足切りが同時にかかります。つまり「得意で稼ぐ」だけでなく「苦手を守る」設計が要る。この記事では、配点の地図を描いたうえで、どこで稼ぎ、どこを守るかという得点戦略に落とし込みます。
この記事で分かること
- 全44問・400点が5つの範囲にどう配分されているか
- 合格に必要な「合計240点」と「範囲ごと4割」の二重基準
- どの科目で稼ぎ、どの科目を死守するかの役割分担
- 7問の範囲・10問の範囲それぞれの足切りラインの目安
- 配点を踏まえた失敗パターンと、その回避策
独学の本命テキスト
第一種衛生管理者の学習に使うテキストで迷ったら、評価の定まったこの本命が無難です。
※価格・評価は変動します。購入前に版・刷を確認し、出版社の最新版・正誤表・改訂情報と照合してください。上記は Amazon アソシエイトのリンクです。
配点の地図:有害業務が400点中160点を占める
まず全体像です。第一種衛生管理者は3科目5範囲・計44問・400点満点で、有害業務・共通・労働生理の3つのまとまりに整理できます。
| まとまり | 範囲(問題数×1問の配点) | 小計 |
|---|---|---|
| 有害業務 | 関係法令・有害(10問×8点=80点)+労働衛生・有害(10問×8点=80点) | 20問/160点 |
| 共通 | 関係法令・共通(7問×10点=70点)+労働衛生・共通(7問×10点=70点) | 14問/140点 |
| 労働生理 | 労働生理(10問×10点=100点) | 10問/100点 |
1問あたりの点は一律ではありません。有害業務の20問だけが1問8点で、残る24問は1問10点です。20問の有害業務は問題数で全体の約45%、配点でも400点中160点を占める最大の山です。第一種だけにある範囲で、ここの出来が合否を大きく左右します。配点が大きいということは、勉強時間を最も寄せるべき場所だということです。
合格の条件は「240点」と「範囲ごと4割」の両方
ここを誤解している人が多いので、はっきりさせます。合格には次の2条件を同時に満たす必要があります。
| 判定 | 基準 | 具体的には |
|---|---|---|
| 合計 | 60%以上 | 400点満点中240点以上 |
| 科目(範囲)ごと | 40%以上 | 5範囲それぞれに足切り |
もうひとつ、合否は正答数では判定できないことを押さえてください。配点が不均一なので「44問中27問」は合格ラインになりません。たとえば有害業務20問を全問正解(160点)し、関係法令・共通7問も全問正解(70点)した27問正解でも合計230点で、240点に届きません。
ポイントは2つ目です。合計で240点を超えていても、どれか1範囲でも40%を下回ると不合格になります。たとえば得意科目で荒稼ぎしても、労働生理が4割未満なら落ちる。だから得点戦略は「稼ぐ科目」と「守る科目」の両面で考える必要があります。合格基準の詳しい解説は 合格3要点 にまとめています。
稼ぐ科目・守る科目を役割分担する
240点を組み立てるとき、全範囲を均等に狙う必要はありません。配点と取りやすさで役割を分けます。
- 有害業務20問160点=主戦場(稼ぐ): ブロックとしての配点が最大で、覚えるほど点になります。学習時間の半分以上をここに。ここで12〜15問取れると、合格がぐっと近づきます。
- 共通14問140点=安定得点源(稼ぐ): 1問10点と単価が高く、暗記中心で取りやすい第二種と重なる範囲。ここを固めると土台が安定します。
- 労働生理10問100点=足切りを守る(守る): 理解中心で、後回しにされがち。稼ぎ頭ではないが、ここを落とすと足切りで即アウト。
イメージとしては、有害業務と共通で得点を積み上げ、労働生理は最低限4割を死守しつつ取れれば上乗せ、という配分です。科目ごとの具体的な攻め方は 科目別攻略 を参照してください。
足切りラインを問題数で把握する
「40%」を問題数に直しておくと、本番で守るべき最低ラインが具体的になります。
- 10問の範囲(関係法令・有害/労働衛生・有害/労働生理): 4割=4問が最低ライン。有害の80点なら4問で32点、労働生理の100点なら4問で40点と、どちらもちょうど40%に届きます。
- 7問の範囲(関係法令・共通/労働衛生・共通): 70点の4割=28点なので、2問(20点)では足りず3問(30点)が必要です。
つまり、どの範囲にも「最低でもこれだけは取る」という守りの数字があります。模試や予想問題を解くときは、合計点だけでなく範囲ごとの正答数を必ず見て、上記を下回る範囲がないかチェックしてください。1範囲でも危なければ、そこが最優先の補強対象です。出題の傾向は 出題傾向 も参考になります。
合格する得点イメージを2パターン作っておくと、自分の現在地に応じて目標設定できます。
| シナリオ | 有害業務 (20問160点) | 共通 (14問140点) | 労働生理 (10問100点) | 合計 | 判定 |
|---|---|---|---|---|---|
| ギリギリ合格ライン | 12問=96点 (60%) | 9問=90点 (64%) | 6問=60点 (60%) | 27問/246点 | 240点をわずかに超え足切りも回避 |
| 余裕ライン | 15問=120点 (75%) | 11問=110点 (79%) | 7問=70点 (70%) | 33問/300点 | 各範囲70%前後で安定合格圏 |
ギリギリラインは、有害業務12問(96点)・共通9問(90点)・労働生理6問(60点)で合計246点です。各範囲も4割を超えており合格要件を満たしますが、有害業務を1問落とすだけで238点となり240点を割ります。余裕ラインを目指すと、本番でのミスや問題の難化に対する緩衝ができます。
逆に、合計が30問あっても労働生理が3問(3割)なら足切りで不合格になります。「合計は足りているのに1科目で沈む」のが第一種でいちばん惜しい負け方です。
模試の結果別に、次の一手も決めておきましょう。
- もし合計は届くが1科目が4割未満なら: 全体の底上げより、その科目だけを集中補強する。
- もし有害業務が伸び悩むなら: 1問8点と単価は低いが、20問160点とブロックが最大なのでまとめて落とすと響く。頻出論点に絞って演習量を増やす。
- もし全範囲4割は超えるが合計240点に届かないなら: 1問10点の共通・労働生理で上積みを狙う(有害業務の1問は8点なので、同じ1問でも点の伸びが小さい)。
配点を踏まえてよくある失敗と対処
合計60%だけ意識して足切りを忘れる。 合計点ばかり追って範囲別を見ないと、本番で1範囲の足切りに沈みます。演習は必ず範囲ごとの正答数で振り返る。
有害業務の大きさを軽視する。 20問という最大配点を後回しにすると、稼ぎ頭を取り逃します。最初から学習時間を有害業務に厚く割く。
労働生理を後回しにして足切り。 「あとでやる」と放置されやすい科目ですが、4割を割れば一発アウト。理解中心の科目なので、早めに着手して仕組みで覚えておきます。
まとめ:次にやること
第一種衛生管理者の得点戦略は、配点最大の有害業務20問で稼ぎ、共通14問で土台を固め、労働生理10問で足切りを守る——この役割分担に尽きます。合計240点という総量と、5範囲すべて4割という足切りの両方を意識してください。
次にやるべきは、自分の範囲別の現在地を測ることです。予想問題を1セット解き、各範囲の正答数を出してみれば、稼げる範囲と足切りが危ない範囲がはっきりします。そこから学習の優先順位を引けば、限られた時間を最も効率よく配分できます。
第一種衛生管理者の予想問題202問で、科目別の現在地を確かめる →
出典:
- 公益財団法人 安全衛生技術試験協会 衛生管理者試験 — 試験概要・受験案内
- 労働安全衛生法 (昭和 47 年法律第 57 号)









