保育士試験の子どもの保健は、60分・100点満点・選択式20問で、満点の6割以上が合格です。 全国保育士養成協議会が公開している2回(令和8年前期・令和7年後期)をぴよパスの分け方で数えると、感染症と予防接種が2回とも4問、事故防止・応急処置・安全・災害が5問と3問で、2回で計6問がこども家庭庁の感染症対策ガイドラインを名指ししていました。国の資料の数字と言い回しを押さえたうえで、事例の場面に当てはめて考える練習をするのが近道です。
- 登園のめやすは「保育所における感染症対策ガイドライン」と学校保健安全法施行規則第19条で覚え、日数は発症や解熱の日の翌日を1日目として数えます。
- 予防接種は、5種混合(2024年4月から)やRSウイルスの母子免疫ワクチンが問われています。RSウイルスのワクチンは2026年4月から妊婦への定期接種になり、令和8年後期の出題の基準日の範囲に入ります。
- SIDSは、あおむけ寝・母乳・たばこの3つのポイント。事故防止は、睡眠中・プール・食事中の誤嚥・玩具などの誤嚥・食物アレルギーの5つの場面です。
- 2つ選ぶ・3つ選ぶ、Ⅰ群とⅡ群の結びつけ、事例の問題など、1つを選ぶ形以外も出ます。
ぴよパスの子どもの保健の練習問題では、出席停止の期間、予防接種、睡眠中や食事中の事故防止、アレルギーの問題を、無料で解けます。どれもぴよパスのオリジナル予想問題で、本試験の問題ではありません。
この記事は、全国保育士養成協議会の試験案内・出題範囲・公開の問題と正答、こども家庭庁と厚生労働省の資料、学校保健安全法施行規則・予防接種法・同施行令(e-Gov法令検索で令和8年4月1日を基準日として取得)で、2026年10月21日に確かめた内容です。協議会の問題文は写していません。
子どもの保健の形と出題範囲
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 時間・満点 | 60分・100点 |
| 問題数 | 選択式20問(問題用紙の表紙) |
| 合格 | 満点の6割以上 |
| 法令・指針の基準日 | 令和8年後期は、令和8年4月1日以前に施行されたもの |
| 日程(令和8年後期) | 10月25日(日)の7科目目・12時〜13時 |
国の通知の別添「保育士試験出題範囲」は、子どもの保健を、養成施設の教科目「子どもの保健」と「子どもの健康と安全」の内容としています。出題上の留意事項として、保育の実際に起こりうる病気や事故の予防と対応から出題することが望ましいこと、一人一人の子どもの保健と、集団の場での保健的な対応の両方を問うこと、保育の心理学と子どもの食と栄養の出題と関連をとることが書かれています。
公開2回の20問の内訳
公開されている2回の20問を、ぴよパスで分野に分けると次のとおりです(分け方はぴよパスのもので、協議会が決めた配分ではありません)。
| 分野 | 令和8年前期 | 令和7年後期 |
|---|---|---|
| 感染症と予防接種 | 4 | 4 |
| 事故防止・応急処置・安全・災害 | 5 | 3 |
| 指針・保健計画・健康診断・制度 | 3 | 4 |
| 発育・発達と数値 | 3 | 2 |
| 疾病と症状(SIDS・慢性疾患を含む) | 2 | 3 |
| アレルギー | 2 | 2 |
| 生理機能・乳児の健康管理 | 1 | 1 |
| 保健統計 | 0 | 1 |
- 問題文で「保育所における感染症対策ガイドライン」を名指しした問は、令和8年前期で2問、令和7年後期で4問ありました。
- 5種混合ワクチン、RSウイルスの母子免疫ワクチン、こども性暴力防止法など、ここ数年の制度の変化も問われています。
覚え方の軸1 — 登園のめやすと日数の数え方
保育所は、学校保健安全法施行規則の出席停止の期間の基準に準じて、あらかじめ登園のめやすを確かめておくとされています(感染症対策ガイドライン)。施行規則は学校の決まりで、保育所に直接かかるものではありません。
| 感染症 | 登園のめやす・出席停止の期間の基準 |
|---|---|
| インフルエンザ | 発症した後5日を経過し、かつ解熱した後3日(乳幼児)を経過。学校の児童生徒は解熱後2日 |
| 新型コロナウイルス感染症 | 発症した後5日を経過し、かつ症状が軽快した後1日を経過 |
| 麻しん(はしか) | 解熱した後3日を経過 |
| 流行性耳下腺炎(おたふくかぜ) | 耳下腺・顎下腺・舌下腺の腫脹が出てから5日を経過し、かつ全身状態が良好 |
| 風しん | 発しんが消失 |
| 水痘(水ぼうそう) | すべての発しんが痂皮(かさぶた)化 |
| 咽頭結膜熱(プール熱) | 発熱・充血などの主な症状が消失した後2日を経過 |
| 百日咳 | 特有の咳が消失、または5日間の適正な抗菌薬による治療が終了 |
日数の数え方
ガイドラインは、解熱などがあった日は数えず、その翌日を1日目にするとしています。インフルエンザは、発症した日を数えずに翌日から1日目と数え、「発症後5日」と「解熱後3日」の両方を満たす必要があります。
| 例 | 発症後5日を経過 | 解熱後3日を経過 | 登園できるのは |
|---|---|---|---|
| 10月1日に発症・10月3日に解熱 | 10月2日〜6日が1〜5日目 → 7日から | 10月4日〜6日が1〜3日目 → 7日から | 10月7日から |
| 10月1日に発症・10月5日に解熱 | 10月7日から | 10月6日〜8日が1〜3日目 → 9日から | 10月9日から |
2つの条件のうち、遅い方の日から登園できます(病状により医師が感染のおそれがないと認めたときは別)。
- ガイドラインは、医師の意見書や保護者の登園届は一律に作成・提出が必要なものではないとしています。意見書が考えられる感染症(麻しん・インフルエンザ・水痘など)と、登園届が考えられる感染症(溶連菌感染症・手足口病・RSウイルス感染症など)が分けて示されています。
覚え方の軸2 — 予防接種
予防接種法は、A類疾病の予防接種について、本人は受けるよう努めなければならず、16歳未満の子どもの保護者は受けさせるため必要な措置を講ずるよう努めなければならないとしています(第9条)。保護者の「義務」ではなく「努力義務」です。
| ワクチン | 標準的な接種の時期(厚生労働省の一覧) | 覚える点 |
|---|---|---|
| 5種混合 | 生後2か月〜(追加接種あり) | 2024年4月から1期は5種混合。ジフテリア・百日せき・破傷風・不活化ポリオ・Hibの混合で、肺炎球菌は入っていない |
| B型肝炎 | 生後2か月〜 | 対象は1歳になるまで |
| ロタウイルス | 生後2か月〜 | |
| BCG | 生後5か月〜 | 標準は生後5〜8か月。対象は1歳になるまで |
| MR(麻しん・風しん) | 1歳〜・5歳〜 | 第1期は1歳の1年間、第2期は小学校入学前の1年間。生ワクチン |
| 水痘 | 1歳〜 | |
| RSウイルス | 妊娠28週〜36週 | 2026年4月から、妊婦への接種が定期接種に(予防接種法施行令でA類疾病) |
- 5種混合の初回は20日以上の間隔をおいて3回、追加は初回の終了後6か月以上おいて1回です(厚生労働省)。
- インフルエンザは予防接種法のB類疾病で、定期接種の対象は65歳以上などの高齢者です(予防接種法施行令第3条)。子どもは定期接種の対象ではありません。
覚え方の軸3 — SIDS(乳幼児突然死症候群)
こども家庭庁は、SIDSを、何の予兆や既往歴もないまま乳幼児が亡くなる原因のわからない病気で、窒息などの事故とは異なるとしています。令和6年には55名の乳児がSIDSで亡くなり、乳児期の死亡原因の第3位でした。
予防方法は確立していませんが、次の3つのポイントでリスクを下げられることが研究で示されているとしています。
- 1歳になるまでは、寝かせるときはあおむけに寝かせる(医学上の理由でうつぶせ寝を勧められている場合を除く)
- 無理のない範囲で母乳で育てる
- たばこをやめる(妊婦自身の喫煙と、妊婦の受動喫煙も要因になる)
保育所保育指針解説(2018年)は、日本での発症頻度をおよそ出生6,000人から7,000人に1人と推定し、生後2か月から6か月に多いとしています。死亡数や順位は年によって変わるので、何年の数かを添えて覚えます。
覚え方の軸4 — 事故防止の5つの場面
こども家庭庁が掲載している「教育・保育施設等における事故防止及び事故発生時の対応のためのガイドライン」(平成28年3月)は、重大事故が起きやすい場面として次の5つを挙げています。
| 場面 | 押さえる点(ぴよパスの言い方) |
|---|---|
| 睡眠中 | 医師にうつぶせ寝を勧められている場合以外は、顔が見えるあおむけに寝かせる。やわらかい布団やぬいぐるみを使わない。呼吸・体位・睡眠の状態を定期的に点検する |
| プール活動・水遊び | 監視だけをする人と、指導をする人を分けて置く。監視者は監視に専念する。十分な監視ができないときは中止も選ぶ |
| 誤嚥(食事中) | 子どもの意志に合ったタイミングで、口に合った量を与える。汁物などの水分を適切に与える。驚かせない・眠くなっていないか・正しく座っているかに注意する |
| 誤嚥(玩具・小物など) | 窒息のおそれのある大きさや形の物は、乳児のいる部屋に置かない・手の届かない所に置く |
| 食物アレルギー | 生活管理指導表を出してもらい、医師の診断に基づいて完全除去を基本に対応する。家庭で食べたことのない食物は基本的に与えない |
覚え方の軸5 — 発育の数値
こども家庭庁の令和5年乳幼児身体発育調査(令和6年12月公表)によると、出生時の体重の平均値は男子3.06kg・女子2.95kg、身長は男子49.3cm・女子48.6cmで、低出生体重児(2,500g未満)の割合は9.6%でした。体重・身長・頭囲の平均値は、前回の平成22年調査と比べて大きな変化はないとされています。
「1歳で体重は出生時の約3倍、身長は約1.5倍」という目安は、令和5年調査の概要と保育所保育指針解説の文には書かれていません。令和5年調査の中央値から計算すると、体重は生後11〜12か月未満で約2.9倍、1歳0〜6か月未満で約3.1倍、身長は生後11〜12か月未満で約1.5倍です(ぴよパスの計算)。どの月齢で比べるかで倍率は動きます。
例題で確かめる
ぴよパスのオリジナル予想問題から3問です(本試験の問題ではありません)。
例題1(出席停止) 学校保健安全法施行規則のインフルエンザの出席停止の期間の基準「発症した後(A)を経過し、かつ、解熱した後2日(幼児にあっては、(B))を経過するまで」の(A)(B)の組み合わせを選ぶ問題です。
答え: (A)5日・(B)3日。幼児だけ解熱後の日数が1日長くなります。 この問題を解く →
例題2(睡眠中の事故防止) 乳児の睡眠中の窒息のリスクを除く対応として、最も適切なものを選ぶ問題です。
答え: 医師からうつぶせ寝を勧められた場合以外は、あおむけに寝かせる。やわらかい布団やぬいぐるみは使わず、呼吸や体位は定期的に点検します。 この問題を解く →
例題3(食事の介助) 1歳児クラスの給食で、保育士の介助として最も適切なものを選ぶ事例の問題です。
答え: 子どもの口に合った量を与え、飲み込んだことを確かめてから次の一口を与える。汁物などの水分は食事中に適切に与えます。 この問題を解く →
練習問題と模擬試験
9科目の練習問題は保育士試験のページから無料で解けます。9科目を、各科目の問題数と時間を半分にして1回で通して解く模擬試験は Premium の機能です。ぴよパスの問題はすべて1つを選ぶ形なので、本番の「2つ選ぶ」「3つ選ぶ」の形は、選択肢を1つずつ○×で判断する練習で補います。
まとめ
- 子どもの保健は60分・選択式20問で6割以上が合格。公開2回をぴよパスの分け方で数えると、感染症と予防接種が4問ずつ、事故防止などが3〜5問。
- 登園のめやすは、ガイドラインと施行規則第19条の言い回しで覚え、日数は翌日を1日目として数える。インフルエンザは乳幼児なら解熱後3日。
- 予防接種は努力義務。5種混合(2024年4月〜)・RSウイルスの妊婦への定期接種(2026年4月〜)・MRは生ワクチン。
- SIDSは3つのポイント、事故防止は5つの場面。数字は何年の資料かを添えて覚える。
関連記事
出典
- 一般社団法人 全国保育士養成協議会「筆記試験(後期)概要」: https://www.hoyokyo.or.jp/exam/guidance/writtenexam2.html ・「保育士試験出題範囲」: https://www.hoyokyo.or.jp/files/range2020.pdf ・科目別出題範囲(子どもの保健): https://www.hoyokyo.or.jp/files/range07.pdf
- 同 令和8年前期 筆記試験 問題・正答: https://www.hoyokyo.or.jp/exam/pasttest/08-1.html ・令和7年後期: https://www.hoyokyo.or.jp/exam/pasttest/52.html
- こども家庭庁「保育所における感染症対策ガイドライン(2018年改訂版・2023年5月一部改訂・10月一部修正)」(保育所関係のページ): https://www.cfa.go.jp/policies/hoiku/
- 学校保健安全法施行規則 第19条(e-Gov法令検索): https://laws.e-gov.go.jp/law/333M50000080018
- 予防接種法 第2条・第9条: https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000068 ・予防接種法施行令 第1条・第3条: https://laws.e-gov.go.jp/law/323CO0000000197
- 厚生労働省「予防接種情報」: https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/yobou-sesshu/index.html
- こども家庭庁「赤ちゃんが安全に眠れるように」(SIDS): https://www.cfa.go.jp/policies/boshihoken/kenkou/sids
- こども家庭庁「教育・保育施設等における事故防止及び事故発生時の対応のためのガイドライン」: https://www.cfa.go.jp/policies/child-safety/effort/guideline/
- こども家庭庁「令和5年乳幼児身体発育調査」: https://www.cfa.go.jp/policies/boshihoken/r5-nyuuyoujityousa
- 厚生労働省「保育所保育指針解説」(平成30年2月・こども家庭庁の掲載): https://www.cfa.go.jp/policies/hoiku/


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