- 準中型・中型・大型・大型特殊・大型二輪・普通二輪の免許でも一般原付に乗れる。小型特殊免許と普通仮免許では乗れない。
- 電動キックボードなどの特定小型原動機付自転車は別の区分で、免許は要らない(16歳以上)。
- 原付で違反しても、免許停止などの点数(行政処分)には数えられる。
原付のルールは、原付免許の学科試験の範囲です。普通免許の人が原付に乗る前の確認に、ぴよパスの原付の練習問題で、たとえば最高速度「50」の標識でも原付は時速30kmの問題、片側3車線以上の道路での二段階右折の問題、新基準原付の二人乗りの問題を解いてみてください。
この記事の条文は e-Gov 法令検索の道路交通法(2026年7月21日施行の版)・同施行令・同施行規則などで、通達と統計は警察庁、手続きは警視庁・神奈川県警のページで、2026年10月25日に確かめました。
結論: 普通免許と原付
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 普通免許で原付に乗れるか | 乗れる(道路交通法第85条第2項) |
| 乗れる原付 | 一般原動機付自転車=50cc以下(電動は定格出力0.60kW以下)と、125cc以下で最高出力4.0kW以下の新基準原付 |
| 乗れないバイク | 50cc超125cc以下で最高出力4.0kW超(原付二種)=普通自動二輪車。普通二輪免許(小型限定を含む)が要る |
| 原付講習 | 要らない(原付免許を受ける人だけの義務) |
| 法定速度 | 時速30km(標識が40・50でも30まで) |
| 二段階右折 | 交通整理の行われている交差点で、標識があるか片側3車線以上のとき |
| 二人乗り | できない |
| 初心者マーク | 原付には要らない(普通自動車だけの義務) |
普通免許で乗れる原付・乗れないバイク
道路交通法第85条第2項の表は、上の免許で運転できる車を決めています。普通免許の行は「小型特殊自動車及び一般原動機付自転車」です。準中型・中型・大型・大型特殊・大型二輪・普通二輪の行にも「一般原動機付自転車」があります。一方、小型特殊免許の行は表に無いので、小型特殊免許では原付に乗れません。普通仮免許は、練習や試験のために普通自動車を運転するためのもので、原付は運転できません(第87条第2項)。
警察庁の有識者検討会の報告書(令和5年12月)は、普通免許などの学科試験と適性試験の内容が原付免許の試験の内容を「包含する」ので、普通免許などを取った人は原付を運転できると説明しています。
どこまでが「一般原動機付自転車」か
施行規則第1条の2は、二輪の一般原付を、総排気量50cc以下(電動は定格出力0.60kW以下)としたうえで、最高出力が4.0kW以下の原動機のものは125cc以下まで含めています。このかっこ書きは2025年4月1日に施行された改正で入ったもので、いわゆる新基準原付です。警察庁の通達も、新基準原付は一般原付にあたり、一般原付のルールがそのまま当てはまるとしています。
| バイク | 道路交通法の区分 | 普通免許で |
|---|---|---|
| 50cc以下の原付 | 一般原動機付自転車 | 乗れる |
| 125cc以下で最高出力4.0kW以下(新基準原付) | 一般原動機付自転車 | 乗れる |
| 50cc超125cc以下で最高出力4.0kW超(原付二種) | 普通自動二輪車 | 乗れない(小型限定普通二輪免許などが要る) |
| 電動キックボードなど | 特定小型原動機付自転車 | 免許は要らない(16歳以上) |
普通免許だけで原付二種に乗ると無免許運転で、3年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金です(第64条第1項・第117条の2の2)。警察庁の通達は、見分け方としてナンバープレートの色を挙げていて、新基準原付は白、50cc超90cc以下は薄黄色、90cc超125cc以下は薄桃色です。新基準原付は、型式認定を受けた車なら型式認定番号標で、受けていない車なら「最高出力確認済み」のシールなどで見分けられます。
125ccに乗りたいなら小型限定普通二輪免許
原付二種に乗りたい普通免許の人は、小型限定普通二輪免許を取ります。施行規則別表第四で、普通免許を持つ人の教習所の技能教習は、AT小型限定普通二輪で8時限、小型限定普通二輪(MT)で10時限、学科教習は1時限です(1時限50分)。
原付講習は要らない
原付講習(道路交通法第108条の2第1項第6号の講習)は、施行規則第38条で一般原付の実技訓練を含む3時間の講習で、受ける義務があるのは原付免許を受けようとする人だけです(第90条の2第1項第3号)。普通免許の人には、原付のための講習の義務はありません。
ただし、普通免許の教習所の教習で原付に乗ることはありません。警察庁の通達「指定自動車教習所の教習の標準」の学科には、二輪車の特性や乗車姿勢、四輪車からの見え方などの項目がありますが、普通免許の技能教習に原付の実車の項目は見当たりませんでした。検討会の報告書の試乗会でも、普通免許などで原付を運転できる参加者21名のうち16名が二輪車を運転したことがない人でした。初めて原付に乗る前は、交通量の少ない場所で発進や停止、カーブの練習をしておくと安心です。
車と違う原付のルール
普通自動車の感覚のまま原付に乗ると、違反になるルールがあります。
| ルール | 原付(一般原動機付自転車) | 根拠 |
|---|---|---|
| 法定速度 | 時速30km。最高速度の標識が40や50でも30を超えられない | 施行令第11条・標識令別表第一 |
| 右折 | 交通整理の行われている交差点で、二段階右折の標識があるか、片側に車両通行帯が3以上あるときは二段階右折(「小回り」の標識があればしない) | 第34条第5項 |
| 通行する車線 | 車両通行帯がある道路では、いちばん左の通行帯 | 第20条第1項 |
| 二人乗り | できない(乗車人員は1人) | 施行令第23条第1号 |
| 積載 | 30kgまで | 施行令第23条第2号 |
| ヘルメット | 乗車用ヘルメットをかぶる | 第71条の4第2項 |
| 高速道路・自動車専用道路 | 走れない | 高速自動車国道法第17条・道路法第48条の11 |
| 自賠責保険 | 入っていないと運転できない(1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金) | 自動車損害賠償保障法第5条・第86条の3 |
| ナンバー | 市区町村が交付するナンバープレートを付ける | 市区町村の条例(地方税法の軽自動車税)・各都道府県の公安委員会規則(道路交通法第71条第6号) |
2026年9月1日に施行された改正で、中央線や車両通行帯が無く、中央分離帯や柵などで上下線が分けられてもいない一般道路は、自動車も法定速度が時速30kmになりました。それ以外の一般道路では、自動車の法定速度は時速60kmのままで、原付だけが時速30kmです。
二段階右折は、信号などで交通整理が行われている交差点のルールです。交通整理の行われていない交差点では、片側3車線以上の道路でも二段階右折の対象になりません。
初心運転者標識(初心者マーク)は、普通免許を取って1年未満の人が普通自動車を運転するときの義務で、原付には要りません(第71条の5第2項)。ナンバーの取り方は原付のナンバーの取り方で説明しています。
違反したときの点数
原付で違反すると、普通免許の人でも、免許停止や取消しの点数(行政処分)に数えられます。点数制度は「自動車等」の違反と事故を数えるもので、自動車等には一般原付が入るためです(第84条第1項・第103条)。免許が停止されると、普通自動車だけでなく原付も運転できません。
一方、普通免許を取って1年以内の初心運転者期間に、初心運転者講習の対象になるかどうかの点数について、警視庁は「免許種別に対応する車種による違反や事故等の点数」で数えると説明しています。普通免許なら普通自動車で起こした違反が対象です。
原付だけの免許の人は約79万人
警察庁の運転免許統計(令和7年版)では、令和7年末の運転免許保有者は81,510,369人で、そのうち原付がいちばん上の免許の人は792,655人でした。令和7年の原付免許試験は、受験者162,668人・合格者95,495人で、合格率は58.7%です。
よくある疑問
普通免許を返して原付の免許だけ残せる?
できます。運転免許の申請による取消しのときに、ほかの種類の免許を受けたいと申し出る仕組みがあり(第104条の4)、神奈川県警は、普通免許を返すときに受けられる免許として原付免許と小型特殊免許を挙げています。ただし、返した免許は元に戻せません。
普通免許があれば原付免許を別に取らなくていい?
取らなくて大丈夫です。普通免許に原付の運転が含まれているので、原付免許を別に受ける必要はありません。
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出典
- e-Gov 法令検索「道路交通法」(第18条・第20条・第34条・第64条・第71条の4・第71条の5・第84条・第85条・第87条・第90条の2・第103条・第104条の4・第108条の2・第117条の2の2。2026年7月21日施行の版)
- e-Gov 法令検索「道路交通法施行令」(第11条・第23条)・「道路交通法施行規則」(第1条の2・第2条・第24条・第38条・別表第四)・「道路標識、区画線及び道路標示に関する命令」(別表第一)
- e-Gov 法令検索「高速自動車国道法」第17条・「道路法」第48条の11・「自動車損害賠償保障法」第2条・第5条・第86条の3
- 警察庁「道路交通法施行規則等の改正に伴う運用上の留意事項について(通達)」(令和7年4月1日)、「指定自動車教習所の教習の標準について(通達)」(令和7年6月18日)、「二輪車車両区分見直しに関する有識者検討会 報告書」(令和5年12月)
- 警察庁「運転免許統計 令和7年版」
- 警視庁「初心運転者講習」「点数制度」「原付免許試験」
- 神奈川県警察「運転免許の申請取消し(一部)・下位免許の申請について」


