測量士補試験の過去問は、試験を行う国土地理院が、公式サイトで過去5年分の問題と解答一覧を無料公開しています。登録も申し込みもいりません。ただし、公開されているのは問題と正解の番号だけで、解説はありません。この記事では、公開されているものと、28問の並び、解説のない過去問の使い方をまとめます。
国土地理院が公開しているもの(2026年10月11日時点)
国土地理院の「測量士・測量士補試験問題・解答例及び実施結果」のページに、測量士と測量士補の両方の試験が載っています。測量士補の分は次のとおりです。
| 試験の年 | 試験日 | 測量士補の公開物 |
|---|---|---|
| 令和8年 | 5月17日(日) | 問題・解答一覧 |
| 令和7年 | 5月18日(日) | 問題(PDFが問題1・問題2の2つに分かれています)・解答一覧 |
| 令和6年 | 5月19日(日) | 問題・解答一覧 |
| 令和5年 | 5月21日(日) | 問題・解答一覧 |
| 令和4年 | 5月15日(日) | 問題・解答一覧 |
- 同じ表に、年ごとの受験者数・合格者数・合格率も載っています。合格率の推移は「測量士補試験の合格率と難易度」にまとめました。
- 「解答例」と「解答用紙」が載っているのは、記述式の午後の試験がある測量士の分です。測量士補は択一式だけなので、解答一覧(正解の番号)だけです。
- 国土地理院は、試験問題・解答内容・採点についての問い合わせには一切答えない としています。
- 載っているのは過去5年分です。過去5か年分を載せる形なので、新しい年の分が載ると、古い年の分から外れていくと見られます。
- 試験の当日は、試験終了の時刻まで残った人だけが問題集を持ち帰れます(国土地理院の「試験及び登録に関するQ&A」)。
本番の形
令和8年の受験案内と問題作成方針による形です(関数表の行は、令和8年の問題集の表紙の注意書きによります)。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 問題数 | 28問(択一式) |
| 配点 | 1問25点・700点満点 |
| 合格基準 | 450点以上(28問のうち18問の正解に当たります) |
| 試験時間 | 3時間(令和8年は13時30分〜16時30分) |
| 電卓 | 使えません(測量士試験では国土地理院が用意した電卓を使いますが、測量士補試験では使えません) |
| 関数表 | 問題集の巻末に付いています |
受験案内と問題作成方針が示す合格の基準は「450点以上」だけで、分野ごとの基準点は示されていません。
令和8年の28問の並び
国土地理院は、問題ごとに分野名を付けていません。下の表は、令和8年の問題を、ぴよパスが内容から分けたものです。
| 問題番号 | 内容 | 問題数 |
|---|---|---|
| No.1〜2 | 測量に関する法規(測量法・公共測量での対応) | 2問 |
| No.3〜4 | 基礎的数学・測量の基準 | 2問 |
| No.5〜7 | トータルステーションによる基準点測量 | 3問 |
| No.8〜9 | GNSS測量 | 2問 |
| No.10〜12 | 水準測量(No.11はGNSS標高測量) | 3問 |
| No.13〜15 | 地形測量(数値地形図データ・細部測量・等高線) | 3問 |
| No.16〜18 | 写真測量(空中写真・UAV写真測量) | 3問 |
| No.19〜20 | 三次元点群測量(UAVレーザ測量・航空レーザ測量) | 2問 |
| No.21〜24 | 地図編集・地図投影・GIS | 4問 |
| No.25〜28 | 応用測量(路線測量・用地測量・河川測量) | 4問 |
令和4年の問題と比べて問題数が違うのは、水準測量(令和4年は4問・No.10〜13)とレーザ測量(令和4年はNo.17の1問)の2つだけです。ただ、令和7年はレーザを使う測量の問題がNo.15・No.18〜20の4問あり、分野ごとの問題数は年によって2〜3問動くことがあります。1年分だけを見て山を張らないほうが安全です。
試験科目の名前は、令和7年4月1日施行の測量法の改正で変わりました。今の科目は「測量に関する法規」「測地測量」「測図測量」「応用測量」で、測地測量は従来の多角測量・GNSS測量・水準測量を、測図測量は従来の地形測量・写真測量・地図編集を置き換えたものです。技術者倫理・測量の基準・基礎的数学・三次元点群測量も出題の範囲に入ります(令和8年の問題作成方針)。
計算問題は、関数表を使って手で解く
令和8年の28問のうち10問には、「関数の値が必要な場合は、巻末の関数表を使用すること」という一文が付いていました。令和4〜7年の問題でも、この一文が付いた問題は毎年10〜12問ありました(ぴよパスが公開されているPDFの文を数えた結果です)。
電卓が使えないので、三角関数や平方根は関数表で引き、掛け算や割り算は手で計算します。過去問を解くときも、電卓を使わず、関数表だけで解く練習 をしておくと、本番の時間の配分がつかめます。
古い年度の問題で気をつけること
国土地理院は過去問のページで、作業規程の準則や測量法などの改正により、今では解答が無いものや異なるものがある可能性がある と注意書きをしています。最近の主な改正は次のとおりです。
- 令和7年4月 全国の標高成果の改定: 全国の標高が、衛星測位を基盤とする「測地成果2024」になりました。
- 令和7年4月 作業規程の準則の改正: GNSS標高測量が準則に入りました。令和8年のNo.11はGNSS標高測量についての問題で、令和4〜7年の問題にはGNSS標高測量の問題はありません。
- 令和8年の試験の法令等の適用日: 令和8年1月1日に施行されている法令等(作業規程の準則を含みます)でした。
- これからの改正: 第16次地方分権一括法(令和8年法律第27号)による測量法の改正が、令和8年12月3日に施行されます。基本測量・公共測量を行うときの、関係する都道府県知事への通知と知事による公示をやめ、国土地理院の長が公示する形に改めるものです(公共測量では、測量計画機関が国土地理院の長に通知します。第14条・第36条の2など)。令和9年の試験の法令等の適用日は、2026年10月11日の時点ではまだ示されていません。
問題作成方針には、「現場で活用されることが少なくなった測量技術」は出題しないとも書かれています。古い年度の問題で、今の準則に無い方法や数字が出てきたら、今の準則で確かめてから覚えます。
解説のない過去問を、どう使うか
- 令和8年の問題を、本番と同じ3時間で解く — 電卓を使わず、関数表だけで解きます。どの分野で時間がかかるかを見ます。
- 採点して、450点(18問)との差を見る — 足りない問題数が分かれば、どの分野で何問取り返すかを決められます。
- 間違えた問題の理由を確かめる — 解説がないので、作業規程の準則・測量法・国土地理院の資料で、なぜその番号が正解かを確かめます。
- 令和7年→令和6年…と、新しい年から順に解く — 古い年度ほど、上の改正で答えが変わっていないかに注意します。
例題: ぴよパスの予想問題から2問
過去問で本番の形をつかんだら、分野ごとの演習で量を補います。ぴよパスでは、10分野のオリジナル予想問題を登録不要・無料で公開しています。本番と同じ五肢択一で、全問に解説が付いています。2問を紹介します。
例題1(基礎的数学) ある測線を3つの区間に分けて距離を測り、各区間の標準偏差が3 mm・4 mm・12 mmだったとき、全長の標準偏差を選ぶ問題です。
答え: 13 mm です。互いに独立な偶然誤差の和の標準偏差は、それぞれを2乗して足し、平方根を取ります。√(3²+4²+12²)=√169=13 mm で、電卓がなくても解けます。標準偏差をそのまま足した19 mmは、誤りの選択肢です。 この問題を解く →
例題2(水準測量) 令和7年の改正で作業規程の準則に入ったGNSS標高測量について、間違っている文を選ぶ問題です。
答え: GNSS標高測量を4級水準測量に区分し、RTK法で観測するとした文 が間違いです。準則のGNSS標高測量は 3級水準測量 で、GNSS観測は スタティック法・観測時間5時間以上 です。既知点には電子基準点を使います。4級水準測量と簡易水準測量は、準則ではなく国土地理院の「GNSS標高測量による4級水準測量及び簡易水準測量マニュアル」で扱います(国土地理院「作業規程の準則」の改正の主な内容【詳細版】)。 この問題を解く →
模擬試験は Premium です
全分野をまとめて、時間を計って解く模擬試験は Premium(月480円)の機能です。問題数・時間・配点は本試験にそろえていますが、出題内容はぴよパスのオリジナル予想問題で、本試験の合否を判定するものではありません。本番の問題そのものは、上の国土地理院の過去問で確かめてください。分野ごとの練習問題と解説は、登録しなくても無料のまま解けます。
当サイトの問題について
ぴよパスの問題は、国土地理院が公開している試験問題を写したものではなく、測量法・作業規程の準則などの公的資料をもとに独自に作った オリジナルの予想問題 です。本試験の問題は、国土地理院の公式ページでご覧ください。
出典
- 国土地理院「測量士・測量士補試験問題・解答例及び実施結果」、令和4〜8年測量士補試験の問題と解答一覧
- 国土地理院「試験及び登録に関するQ&A」
- 国土地理院「令和8年測量士・測量士補試験について(受験案内)」、令和8年測量士・測量士補試験 受験案内、令和8年測量士・測量士補試験問題作成方針
- 国土地理院「作業規程の準則の一部改正について」、「作業規程の準則」の改正の主な内容【詳細版】
- 国土地理院「全国の標高成果の改定」
- 国土地理院「測量法の一部改正について」(令和8年)
次に読む
- 測量士補試験の日程と申し込み — 試験日の発表の時期・申込期間・受験料・合格発表
- 測量士補試験の合格率と難易度 — 過去5年の合格率と、450点の意味
- 測量士補の練習問題(10分野)


