甲種6区分の中では下から2番目
令和6年度の実績(消防試験研究センター公表値)を並べます。
| 区分 | 受験者 | 合格者 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 甲種5類 | 3,681人 | 1,288人 | 35.0% |
| 甲種特類 | 1,079人 | 377人 | 34.9% |
| 甲種4類 | 19,767人 | 6,715人 | 34.0% |
| 甲種2類 | 3,890人 | 1,061人 | 27.3% |
| 甲種3類 | 4,080人 | 1,045人 | 25.6% |
| 甲種1類 | 12,086人 | 2,914人 | 24.1% |
甲3は6区分中5番目で、甲4より約8ポイント低く、甲1より約1.5ポイント高い位置です。甲2とは1.7ポイント差でほぼ並んでいます。
合格率の差はどこから来るか
同じ枠組み(筆記45問+実技7問・3時間15分・三重の関門)で試験をしているのに、区分で10ポイント以上の差が出ます。読み解けるのは次の2点です。
① 教材の量が違う。 甲4は年19,767人が受けるので出版社が競合し、テキスト・問題集・動画講座が揃っています。甲3は4,080人なので選択肢が限られ、独学の設計を自分で組む必要があります。刊行年の古い書籍を使う場面も出てきます。
② 覚える対象の数が違う。 甲1は水系1設備、甲2は泡1設備。これに対し甲3は不活性ガス・ハロゲン化物・粉末の3設備をまとめて問われます。範囲そのものが3倍というわけではありませんが、放射圧力・放射時間・消火剤量・充てん比が設備ごとに定められているため、似た数値を取り違えずに引き当てるという別種の負荷がかかります。
つまり25.6%という数字は「ガス消火設備が難解だから」ではなく、情報が少ない中で3設備ぶんの数値を区別しきれるかの反映と読むのが正確です。
越えるべき関門は3つ
甲3の合格基準は次を同時に満たすことです。
- 筆記全体で 60%以上(45問中27問)
- 筆記の各科目で 40%以上(法令6問/基礎的知識4問/構造機能8問)
- 実技で60%以上
筆記が7割取れていても実技が5割なら不合格です。逆に実技が満点でも法令が4割を切れば不合格です。苦手科目を捨てて得意で稼ぐ戦略が構造的に取れないのが、この試験の難しさの本体です。
落ちるパターンはだいたい次のどれかに収まります。
- 3設備を並行して覚えて、放射圧力や消火剤量が混ざる
- 局所放出方式の係数(不活性ガス高圧式1.4/低圧式1.1、ハロン1301は1.25、粉末は1.1)を掛け忘れる
- 全域放出方式の消火剤量で総量の最低限度を見落とす(体積160立方メートルなら計算値128キログラムではなく135キログラム)
- 製図を後回しにして、実技60%に届かない
- 粉末の加圧式と蓄圧式で必要な機器を取り違える(加圧式=圧力調整器・定圧作動装置、蓄圧式=指示圧力計)
甲1・甲2を持っているなら距離は近い
甲種1類・2類・3類は、いずれも全域放出方式・局所放出方式・移動式という同じ方式の枠組みで規定されています。噴射ヘッドの設置基準も、ハロゲン化物(令第17条第1号)と粉末(令第18条第1号)はどちらも不活性ガス(令第16条第1号・第2号)の例によるとされており、令第16条を軸に整理できる構造です。
法令共通8問と基礎的知識10問は他の類とほぼ同じ内容なので、既に甲種を1つ持っている人にとって新規に積む範囲は類別法令7問と構造機能20問、そして実技7問に絞られます。
なお甲種1類または3類の免状があると甲種2類の受験で試験時間が2時間30分に短縮されます(消防試験研究センターの免除一覧表)。逆方向の免除の内訳は公表資料の表組みから列単位で確定できなかったため、当サイトでは断定しません。











