キャリアコンサルタント試験の 過去問は、試験を行う2つの団体が無料で公開しています。 特定非営利活動法人キャリアコンサルティング協議会(協議会)と、特定非営利活動法人日本キャリア開発協会(JCDA)が、それぞれのホームページで 直近3回分 の問題をPDFで配っています。2026年10月12日の時点では、第30回・第31回・第32回の3回分です。この記事では、公開の中身と時期、使ってよい範囲、公開問題の法令基準日、何から解くかをまとめます。
公開されている回と中身
協議会は「過去問題/学習情報」、JCDAは「過去問題」のページで公開しています。どちらも、回ごとに次の3つのPDFです。
| 回(試験日) | 学科 | 実技(論述) |
|---|---|---|
| 第32回(2026年7月5日) | 問題・正答 | 問題 |
| 第31回(2026年3月1日) | 問題・正答 | 問題 |
| 第30回(2025年11月2日) | 問題・正答 | 問題 |
- 学科の問題は、1回分が50問です。 問題用紙の表紙に「4肢択一式50問」とあり、各回28ページです。
- 正答は、正解の番号を並べた1ページの正答表です。 解説はありません。協議会のよくある質問にも「学科は問題と正答、論述は問題のみ」とあります。
- 論述は問題だけです。 協議会は「模範解答は公開しておりません」と書いています。JCDAのページにも模範解答は載っていません。
- 面接(ロールプレイ)の問題は、公開されていません。
- 公開しているのは直近の3回分だけです。 第29回以前の問題は、どちらの団体の公開ページにも載っていません。協議会は2025年7月7日に第29回の問題を掲載していましたが、今は外れています。新しい回が載ると、いちばん古い回が外れていく形です。
学科は2団体で共通、論述は別
学科は、2つの団体が 同じ日に共通の問題 で行います。公開されている第30〜32回の学科の問題と正答を両方の団体から取って比べたところ、文字の違いはありませんでした。どちらの団体のページから取っても、学科は同じものです。
違うのは実技の論述です。協議会の論述は「事例記録」を読んで設問ごとに書く形、JCDAの論述は「逐語記録」を読んで問いごとに書く形で、団体ごとに別の問題です。実技は受ける団体の問題を解きます。
公開の時期
これまでの3回は、どちらの団体も 試験の翌日(第30回は11月3日の祝日をはさんで翌々日)に掲載しています。
| 回 | 試験日 | 掲載日 |
|---|---|---|
| 第32回 | 2026年7月5日 | 2026年7月6日 |
| 第31回 | 2026年3月1日 | 2026年3月2日 |
| 第30回 | 2025年11月2日 | 2025年11月4日(11月3日は祝日) |
第32回の学科の問題用紙には「本試験の正答は2026年7月6日(月)の10時以降」に掲載すると書かれていました。次の第33回(2026年11月1日)の掲載日は、2026年10月12日の時点では予告されていません。第33回が載ると、公開される3回分は第31〜33回になり、第30回は外れる見込みです。
解説付きの公式の資料
公開されている第30〜32回の問題には、解説はありません。解説付きの公式の資料は、販売されている次の本です(価格は2026年10月12日に見たもの。どれも税込・送料別)。
| 試験 | 資料 | 中身 |
|---|---|---|
| 学科 | 協議会の 学科試験 精選問題解説集(「第1回~第17回」の版と「第18回~第28回」の版) | 出題された問題の中から問題を選んで解説を付けたもの。一般の価格は第1回~第17回が3,190円、第18回~第28回が3,850円 |
| 論述・面接 | JCDAの キャリアコンサルタント実技試験(論述・面接)学習ガイドブック | 目次に、第19回・第20回・第29回の論述の「過去問題と解説」がある。1冊2,750円 |
| 面接 | 協議会の 実技(面接)試験 過去問題解説集 | 技能検定2級とキャリアコンサルタント試験で過去に出題された面接のケースと解説。一般の価格は3,850円 |
使ってよい範囲
協議会とJCDAは、公開している試験問題について、次の決まりを出しています。
- 著作権は団体にあります。 学科の問題・正答は2つの団体に帰属し、実技はそれぞれの団体に帰属します。
- 自分で解くためにダウンロードして使うのは問題ありません。 JCDAのページには「自由にダウンロードしてご利用ください」とあります。
- 講座・講習・勉強会などで使うときは、許諾が要ります。 学科は2つの団体、実技は作った団体の許諾で、使う日の遅くとも2週間前までに申請します。許諾を申請できるのは、申請の時点でホームページに載っている問題です。
- 出版物などに載せて売ったり配ったりするのは禁止です。 両団体とも「出版物その他媒体に載せての販売・頒布・配信・配布等は禁止します」としています。
- フリマアプリやネットオークションでの売り買いも、控えるよう求めています。
- 学科の問題用紙の1行目には「無断転載・無断複製を禁ず」と刷られています。
ブログやSNSに問題文を写して載せるのは避け、問題の番号と回で示すようにします。
本番の形(2026年度)
| 項目 | 学科 |
|---|---|
| 形式 | 四肢択一のマークシート(会場で一斉に受ける紙の試験。CBTではない) |
| 問題・時間 | 50問・100分 |
| 合格基準 | 100点満点(2点×50問)で70点以上 |
| 受験手数料 | 学科のみ8,900円(実技のみ29,900円、学科と実技の両方38,800円。いずれも税込) |
2026年度の試験は次の3回です。学科と論述は2つの団体で同じ日に行います。
| 回 | 学科・論述の試験日 | 合格発表 |
|---|---|---|
| 第32回 | 2026年7月5日 | 2026年8月20日 |
| 第33回 | 2026年11月1日 | 2026年12月16日(予定) |
| 第34回 | 2027年3月7日 | 2027年4月20日(予定) |
申込期間・面接の日程・実施地区・受験票の受け取り方は、団体ごとに違います。受ける団体の受験案内で確かめてください。
第32回の学科の合格率は、協議会が54.6%(受験2,872人・合格1,568人)、JCDAが55.6%(受験932人・合格518人)でした。学科の平均点は、協議会が69.1点、JCDAが69.7点で、合格の線の70点のすぐ下です。
公開問題の法令基準日に注意
キャリアコンサルタント試験は、年度ごとに「この日に施行されている法令等で答える」という基準日が決まっています。2026年度の試験は、2026年4月1日の時点ですでに施行されている法令等で答えます(第32回の学科の問題用紙にも書かれています)。
| 公開されている回 | 年度 | 法令基準日 |
|---|---|---|
| 第30回(2025年11月2日) | 2025年度 | 2025年4月1日 |
| 第31回(2026年3月1日) | 2025年度 | 2025年4月1日 |
| 第32回(2026年7月5日) | 2026年度 | 2026年4月1日 |
第30回と第31回は、今(2026年度)の試験より1年古い基準日で作られています。 第31回は2026年3月の試験ですが、2025年度の試験です。2025年4月2日から2026年4月1日までに施行された法改正の問題は、第30回・第31回の答えのまま覚えると、今の試験では違うことがあります。
例として、育児・介護休業法の「3歳から小学校就学前の子を養育する労働者」についての措置(事業主が2つ以上の措置を講じる義務)は、2025年10月1日に施行されました。第30回・第31回の基準日(2025年4月1日)にはまだ施行されていなかったので、両回の答えには入っていません(試験の日にはすでに施行されていました)。
なお、協議会は、時事的な知識などは基準日にかかわらず出題される可能性があるとしています。また、JCDAの試験要項のページの法令基準日は、2026年10月12日の時点でまだ2025年度の表示のままでした。2026年度の基準日は、受験案内のPDFと問題用紙で確かめるのが確実です。
何回分を解くか
公開されているのは3回分(学科150問)だけです。ぴよパスでは次の進め方をすすめています。
- 第32回を、本番と同じ100分で通して解く — 今の基準日(2026年4月1日)で作られた、いちばん新しい回です。マークシートを想定して、時間内に50問を解き切れるかを確かめます。
- 第31回・第30回を解き、分野ごとに落とした問題を数える — 理論・法令・相談過程などのどこで落としたかを見ます。合格の線は35問(70点)です。
- 法令の問題は、今の基準日で確かめ直す — 第30回・第31回は2025年4月1日の法令で作られています。間違えた問題も正解した問題も、法令の問題は2026年4月1日時点の条文で答えが変わらないかを確かめます。
- 論述は、形に慣れるために使う — 模範解答が無いので、自分の答案の良し悪しは公開問題だけでは判断できません。どの団体で受けるかを決めて、その団体の論述の形(事例記録か逐語記録か)に慣れておきます。解説付きで練習したいときは、上の表の実技の資料を使います。
解説が無い問題の確かめ方
- 正答表で採点し、間違えた問題に印を付ける。
- 出題範囲の文書で、その問題の項目を引く — 出題範囲は「キャリアコンサルタント試験の試験科目及びその範囲並びにその細目」(2020年度試験から適用)で、両団体のページから見られます。知識の深さを「詳細」「一般的」「概略」の3段階で示しています。
- 法令の問題は、e-Gov法令検索で基準日の時点の条文を見る — 労働基準法・労働契約法・育児・介護休業法・職業能力開発促進法などは、時点を指定して条文を確かめます。
- 理論の問題は、公的な資料で確かめる — キャリア理論やカウンセリング理論は、労働政策研究・研修機構(JILPT)の資料などで、理論の名前と提唱者、考え方を確かめます。
例題: ぴよパスの予想問題から2問
例題1(労働関係法令・2025年10月施行の改正) 育児・介護休業法の、3歳から小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者に関する措置について、最も適切なものを選ぶ問題です。
答え: 事業主は、始業時刻変更等、在宅勤務等、短時間勤務、養育のための休暇などの措置のうち2以上を講じなければならない(第23条の3第1項)。「いずれか1つで足りる」「努力義務にとどまる」「3歳未満の子だけが対象」は誤りです。2025年10月1日に施行された内容なので、2025年4月1日を基準日とする第30回・第31回には出ていない論点です。 この問題を解く →
例題2(キャリアに関する理論) シャインのキャリア・アンカーの分類について、最も適切なものを選ぶ問題です。
答え: 「起業家的創造性」は、新しいものを自らの力で創造的に生み出すことを重んじるアンカーである。組織に縛られず独立して働くことは「自律と独立」、特定の専門分野を磨くことは「専門・職種別コンピテンス」、社会や他者の役に立つことは「奉仕・社会献身」で、アンカーの名前と中身の取り違えをねらった問題です。 この問題を解く →
ぴよパスでは、キャリアコンサルタント試験(学科)のオリジナル予想問題を、10分野に分けて登録不要・無料で公開しています。本番と同じ四肢択一で、全問に解説が付いています。法令の問題は2026年4月1日の基準日に合わせて作っています。
10分野をまとめて時間を計って解く模擬試験は Premium(月480円)の機能です。学科と同じ50問・100分で、7割の線で判定します。分野ごとの出題数は公表されていないので配分はぴよパスの設定で、出題内容はオリジナルの予想問題です。本試験の合否を判定するものではありません。分野の一覧と練習の進め方は「キャリコン学科の練習問題を無料で解く」にまとめました。
当サイトの問題について
ぴよパスの問題は、協議会やJCDAが公開している試験問題を写したものではなく、出題範囲の文書と、法令・公的資料をもとに独自に作った オリジナルの予想問題 です。
出典
- 特定非営利活動法人キャリアコンサルティング協議会「過去問題/学習情報」(公開の範囲・著作権・使用の決まり)、「よくある質問」、「受験概要」(形式・合格基準・法令基準日)、「試験日程」、第30〜32回の学科問題・正答・論述問題のPDF、第33回受験案内(PDF)、第32回キャリアコンサルタント試験 試験結果(PDF)、お知らせ(第30〜32回の問題の掲載)
- 特定非営利活動法人日本キャリア開発協会「過去問題」、「試験要項」、「試験日程」、第30〜32回の学科問題・正答・論述問題のPDF、第33回受験案内(PDF・受験手数料)、第32回試験結果(PDF)、お知らせ(第30〜32回の問題の掲載)
- 「キャリアコンサルタント試験の試験科目及びその範囲並びにその細目」(2020年度試験から適用。両団体のページで公開)
- キャリアコンサルティング協議会のオンラインショップ(学科試験 精選問題解説集・実技(面接)試験 過去問題解説集。2026年10月12日に確認)
- 日本キャリア開発協会「JCDA公式 キャリアコンサルタント実技試験(論述・面接)学習ガイドブック」の案内ページ(目次・価格。2026年10月12日に確認)
- 育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律 第23条の3(e-Gov法令検索)
- 独立行政法人労働政策研究・研修機構「資料シリーズ No.165」(2016年。キャリア・アンカーの分類)
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