FP3級(3級ファイナンシャル・プランニング技能検定)の 過去問は、試験を行う金融財政事情研究会(きんざい)と日本FP協会が、無料で公表しています。 3級は2024年度からCBT方式(テストセンターのコンピュータで受ける試験)に変わり、それ以降は 毎年5月下旬ごろに1セット分 の問題と解答が出ています。この記事では、公表問題の中身と使ってよい範囲、紙の試験のころの回、本番の形、公表問題の法令基準日が1年前にずれることで答えが変わる問題、使い方をまとめます。
公式の公表問題(CBT)の中身
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 公表の時期 | 毎年5月下旬ごろに1セット。2024年5月・2025年5月・2026年5月の3回分 |
| 学科 | 60問(正誤式30問・三答択一式30問)。2つの団体で共通の問題 |
| 実技(きんざい) | 個人資産相談業務・保険顧客資産相談業務。三答択一式の5題(15問) |
| 実技(日本FP協会) | 資産設計提案業務。20問(100点満点・各5点)。模範解答は別のPDF |
| 正解 | あり(学科は各問の下に「正解」が書かれている) |
| 解説 | なし |
知っておくとよいことが3つあります。
- 学科は2つの団体で同じ問題です。 2級・3級の学科は、きんざいと日本FP協会で共通です。違うのは実技で、受ける団体によって科目が分かれます。実技の違いは「FP3級 実技試験とは」にまとめました。
- きんざいの公表問題には、配点が書かれていません。 きんざいは、各科目の配点は特に書いていない限り公表しないとしていて、配点や問題の内容についての問い合わせにも答えていません。日本FP協会の実技は「100点満点(各5点)」と書かれています。きんざいの実技(5題・50点満点・30点以上で合格)は配点が公表されていないので、自分で採点した正答の割合は目安にしかなりません。
- 公表問題が、実際にCBTで出された問題そのものかは書かれていません。 どちらの団体も、公表ページにそれを書いていません。本番と同じ形の1セットとして使うのが確実です。
紙の試験のころの回(きんざい)
きんざいの「試験問題」と「模範解答」の一覧には、紙の試験の3級(学科・個人資産相談業務・保険顧客資産相談業務)の回も残っています。
| 実施 | 備考 |
|---|---|
| 2023年5月・2023年9月・2024年1月 | 紙の試験の回(学科は120分) |
| 2024年5月 | 2024年度の「激変緩和措置」として、近くにCBTのテストセンターが無い19地区で行った紙の試験(学科は90分) |
| 2025年5月 | 2025年度の「激変緩和措置」として行った紙(マークシート)の試験 |
一覧は2023年5月の回で終わっていて、それより古い3級の回は載っていません。日本FP協会の「試験問題・模範解答」のページには、3級の紙の回は載っていません。紙の回の模範解答も、正解の番号と合格基準だけで解説はありません。
使ってよい範囲
きんざいと日本FP協会は、それぞれ問題の使い方の決まりを出しています。どちらも同じ形です。
- 申請は要りません。 自分で解くためにダウンロードして印刷するのはもちろん、問題を使うときも団体への申請は不要です。
- 出典を書きます。 問題を使うときは、試験の名前と実施年月などの出典を明記します。修正や加工をしたら、そのことも書きます。
- CBTの問題を覚えて公開するのは禁止です。 日本FP協会の試験要綱は、受検者個人の記憶した内容を第三者に公開することも禁止しています。
- 団体は責任を負いません。 利用者が問題を使って行うことについて、団体は一切責任を負わないとしています。また、反社会的勢力にあたる個人・団体は問題を使えません。
本番の形(2026年度)
| 項目 | 学科 | 実技(きんざい) | 実技(日本FP協会) |
|---|---|---|---|
| 科目 | 共通 | 個人資産相談業務・保険顧客資産相談業務のどちらか | 資産設計提案業務 |
| 時間 | 90分 | 60分 | 60分 |
| 問題 | 60問(○×式と三答択一式) | 事例形式5題 | 20問 |
| 合格 | 60点満点で36点以上 | 50点満点で30点以上 | 100点満点で60点以上 |
| 受検手数料 | 4,000円(非課税) | 4,000円(非課税) | 4,000円(非課税) |
- CBTで通年、休止期間を除いて好きな日にテストセンターで受けます。 2026年度の休止期間は、2026年5月24日〜31日、2026年12月28日〜2027年1月5日、2027年3月25日〜31日です。
- 自席(パソコンブース)に電卓や筆記用具は持ち込めません(荷物はロッカーに預けます)。 計算は画面の電卓を使い、メモ用紙と筆記用具は会場で貸し出されます。紙の過去問で手元の電卓を使って練習していた人は、画面の電卓に慣れておきます。
- 合格発表は、受検した月の翌月15日前後です。 同じ科目を受け直せるのは、その合格発表日の翌日以降です。
合格率は、学科が共通の問題でも団体ごとに大きく違います。
| 2026年4月〜8月(CBT) | きんざい | 日本FP協会 |
|---|---|---|
| 学科 | 51.33% | 86.23% |
| 実技 | 個人資産相談業務 68.38% / 保険顧客資産相談業務 43.79% | 資産設計提案業務 83.29% |
違いの理由は公式に書かれていません。団体ごとの合格率の読み方は「FP3級の合格率」にまとめました。
公表問題の法令基準日は、1年前
FP技能検定は、試験ごとに「この日に施行されている法令等で答える」という法令基準日が決まっています。CBTの2級・3級では、6月から翌年5月までの1年間が同じ基準日です。
| 試験の時期 | 法令基準日 |
|---|---|
| 2025年6月〜2026年5月 | 2025年4月1日 |
| 2026年6月〜2027年5月 | 2026年4月1日 |
きんざいの公表問題の表紙に書かれた基準日は、その前の年度のものです(日本FP協会の実技のPDFには表紙が無く、基準日は書かれていません)。
| 公表 | 公表問題の法令基準日 |
|---|---|
| 2026年5月公表分 | 2025年4月1日 |
| 2025年5月公表分 | 2024年4月1日 |
| 2024年5月公表分 | 2023年4月1日 |
つまり、いちばん新しい2026年5月公表分でも、今(2026年6月〜2027年5月)の試験より1年古い法令で作られています。 毎年変わる税制や社会保険の数字は、公表問題の答えのまま覚えると、今の試験では誤りになることがあります。
例として、所得税の「同一生計配偶者」(配偶者控除の対象になる配偶者のもとになる区分)の合計所得金額の上限は、2025年4月1日時点の所得税法では48万円でしたが、2026年4月1日時点では58万円です(所得税法第2条第1項第33号)。さらに2026年12月1日に施行される改正(令和8年法律第12号)で62万円に上がり、令和8年分の所得から使われます。ただし2026年6月〜2027年5月の試験は基準日の2026年4月1日の58万円で答えます。62万円が試験に出るのは、改正の後の日が基準日になる試験からです。区分所有法の集会の決議の要件も、2026年4月1日に施行された改正で変わりました。
なお、きんざいは、時事的な問題などFPとして当然知っておくべきことは、基準日にかかわらず出題されることがあるとしています。
何回分を解くか
公表問題は、CBTになってからの3回分しかありません。ぴよパスでは次の進め方をすすめています。
- 2026年5月公表分を、本番と同じ時間で通して解く — 学科60問を90分、実技を60分で。画面の電卓を想定して、計算問題は手元の電卓を使わずに解いてみます。
- 2025年5月・2024年5月公表分を、分野ごとに解き直す — 6分野(ライフプランニング・リスク管理・金融資産運用・タックスプランニング・不動産・相続)のどこで落としたかを数えます。
- 数字が変わる論点は、今の基準日で確かめる — 税の控除額・社会保険の料率や上限・年金額などは、2026年4月1日時点の数字に直してから覚えます。
- きんざいの紙の回も、時間を計って通しで解ける — 学科60問(○×式30問・三答択一式30問)、実技5題15問と、問題の形は今のCBTと同じです。違うのは、手元の電卓を使えたこと、2024年1月までの学科は120分だったこと(今は90分)、法令基準日です。90分で解き、答えは今の法令で確かめます。
解説が無い問題の確かめ方
- 正解で採点し、分野ごとに正答数を出す — 学科は36点が合格の線です。分野ごとの足切りはないので、弱い分野を見つけて重点を決めます。
- 間違えた問題は、基準日の違いを先に疑う — 公表問題の基準日(表紙に書かれている)と、自分が受ける試験の基準日を比べます。間に税制改正や法改正があれば、今の数字で答えを確かめます。
- 条文や公的な資料で確かめる — 法律の条文は、e-Gov法令検索で基準日(2026年4月1日)の時点を指定して見ます。国税庁の「タックスアンサー」は最新の年分の金額を載せていて、基準日の時点の版はありません(配偶者控除のページは、2026年10月11日に見たところ、令和8年分の62万円で書かれていました)。年金や健康保険は、日本年金機構や協会けんぽの説明で、その年度の数字を確かめます。
例題: ぴよパスの予想問題から2問
例題1(タックスプランニング・2026年4月1日時点の数字) 配偶者控除の控除対象配偶者の要件について、正しいものを選ぶ問題です。
答え: 控除対象配偶者となる配偶者の合計所得金額の上限は、58万円とされている、が正しい記述です(所得税法第2条第1項第33号・第33号の2)。納税者本人の合計所得金額の上限は1,000万円で、老人控除対象配偶者は70歳以上、控除の判定はその年の12月31日の現況によります。2026年5月公表分の基準日(2025年4月1日)の時点では48万円だったので、古い数字で覚えていると迷います。2026年12月1日に施行される改正で62万円に上がりますが、2026年4月1日を基準日とする今の試験では58万円です。 この問題を解く →
例題2(不動産・2026年4月施行の区分所有法の改正) 区分所有法の集会の決議に必要な多数について、最も適切なものを選ぶ問題です。
答え: 規約の設定・変更・廃止は出席した区分所有者及びその議決権の各4分の3以上、建替え決議は区分所有者及び議決権の各5分の4以上の多数による、が適切な記述です(第31条第1項・第62条第1項)。規約の設定などの決議には、区分所有者と議決権の各過半数が出席するという定足数も要ります(第31条第1項)。集会の普通決議は、規約に別段の定めがない限り、出席した区分所有者及びその議決権の各過半数で決します(第39条第1項)。建替え決議は、耐震性が足りないなど一定の場合には4分の3以上に緩められています(第62条第2項)。2026年4月1日に施行された改正で、規約の設定などは「総数の4分の3以上」から「定足数を満たしたうえで出席者の4分の3以上」に変わりました。2025年4月1日を基準日とする公表問題は改正前の条文で作られています。 この問題を解く →
ぴよパスでは、FP3級のオリジナル予想問題を6分野に分けて、登録不要・無料で公開しています。本番の学科は○×式と三答択一式ですが、ぴよパスの問題は四肢択一で、全問に解説を付けています。2026年4月1日の法令基準日に合わせて作っています。
- FP3級の練習問題(6分野)
- ライフプランニングと資金計画 / リスク管理 / 金融資産運用 / タックスプランニング / 不動産 / 相続・事業承継
6分野をまとめて時間を計って解く模擬試験は Premium(月480円)の機能です。学科と同じ60問・90分で、6割の線で判定します。分野ごとの出題数は公表されていないので配分はぴよパスの設定で、出題内容はオリジナルの予想問題です。本試験の合否を再現するものではありません。
当サイトの問題について
ぴよパスの問題は、きんざいや日本FP協会が公表している試験問題を写したものではなく、所得税法・相続税法・区分所有法などの法令と、国税庁・日本年金機構などの公的資料をもとに独自に作った オリジナルの予想問題 です。
出典
- 一般社団法人 金融財政事情研究会「CBT試験問題・模範解答:2026年5月公表分」、同2025年5月公表分・2024年5月公表分、「試験問題」「模範解答」の一覧(紙の試験の回)、公表問題のPDF(出題形式・法令基準日・正解の書き方)
- 日本FP協会「試験問題・模範解答」(公表の時期と回)、「試験問題の利用について」(PDF)
- 一般社団法人 金融財政事情研究会「技能検定試験問題の使用について」、「ファイナンシャル・プランニング 技能検定3級 試験要綱」、「法令基準日」、「CBT試験結果:2026年4月~2026年8月実施」、「FP技能検定」(学科の共通)
- 日本FP協会「2級・3級FP技能検定 試験要綱」、「試験日程」(休止期間・法令基準日)、「FP技能士の取得者数 及び 試験結果データ」
- 一般社団法人 金融財政事情研究会「2024年度激変緩和措置について実施要領を公表しました」
- 所得税法 第2条第1項第33号(2025年4月1日時点・2026年4月1日時点・2026年12月1日時点の版を比べた。2026年12月1日の改正は所得税法等の一部を改正する法律(令和8年法律第12号)。e-Gov法令検索)
- 建物の区分所有等に関する法律 第31条第1項・第39条第1項・第62条(2025年4月1日時点と2026年4月1日時点の版を比べた。2026年4月1日の改正は令和7年法律第47号。e-Gov法令検索)
- 国税庁「No.1191 配偶者控除」
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