認定電気工事従事者は、自家用電気工作物のうち、電圧600V以下で使用する設備の電気工事(簡易電気工事)に従事できる資格です(電気工事士法第3条第4項、同法施行規則第2条の3)。電気工事士法でいう自家用電気工作物は、発電所・変電所・最大電力500kW以上の需要設備などを除いたものなので、対象は最大電力500kW未満のビルや工場の低圧部分です。第二種電気工事士は、このままでは自家用電気工作物の工事に従事できないので、認定を受けると600V以下の部分まで仕事の範囲が広がります。
電気工事士の資格ごとの作業の範囲は、第二種電気工事士試験の学科試験の科目「一般用電気工作物等の保安に関する法令」(電気工事士法施行令第8条。範囲は施行規則第10条第2項が指す第3条の表で、電気工事士法・同法施行令・同法施行規則を含む)に入る論点で、第一種の学科試験の法令の科目にも入ります。この記事は、e-Gov法令検索の2026年10月時点の版(電気工事士法は2025年6月1日施行、同法施行令は2025年11月14日施行、同法施行規則は2023年12月28日施行の版)で条文を確かめて書いています。
電気工事の資格と作業の範囲を1枚で
| 資格 | 従事できる電気工事 | 根拠 |
|---|---|---|
| 第二種電気工事士 | 一般用電気工作物等(一般用電気工作物と小規模事業用電気工作物)の電気工事 | 電気工事士法第3条第2項 |
| 第一種電気工事士 | 一般用電気工作物等と、自家用電気工作物(最大電力500kW未満の需要設備など)の電気工事 | 同条第1項・第2項 |
| 認定電気工事従事者 | 自家用電気工作物のうち、電圧600V以下で使用するものの電気工事(電線路に係るものを除く)=簡易電気工事 | 同条第4項、施行規則第2条の3 |
| 特種電気工事資格者 | 自家用電気工作物のネオン工事・非常用予備発電装置工事(認定証の種類ごと) | 同条第3項、施行規則第2条の2 |
第一種電気工事士でも、ネオン工事と非常用予備発電装置工事は特種電気工事資格者でなければ従事できません(電気工事士法第3条第3項)。
電工1種:500kW未満の自家用電気工作物で資格が要る作業を問う1問 →
簡易電気工事とは — 600V以下・電線路を除く
簡易電気工事は、施行規則第2条の3が「電圧六百ボルト以下で使用する自家用電気工作物に係る電気工事(電線路に係るものを除く。)」と定めています。
- 電気工事士法の自家用電気工作物からは、小規模事業用電気工作物と、発電所・蓄電所・変電所・最大電力500kW以上の需要設備・送電線路・保安通信設備が除かれています(電気工事士法第2条第2項、施行規則第1条の2)
- 600V以下で使用する設備でも、電線路に係る工事は簡易電気工事に入りません
- 高圧(600Vを超える電圧)で受電し、構内で低圧に下げて使う需要設備のうち、低圧で使う部分の工事が典型です
つまり、500kW未満の高圧受電のビルで、変圧器の二次側の低圧の配線やコンセント・照明の工事をするなら、第一種電気工事士か認定電気工事従事者が要ります。第二種電気工事士だけではできません。
認定を受けられる人 — 施行規則第4条の2第2項
認定電気工事従事者の認定(電気工事士法第4条の2第4項)は、次のどれかに当たる人について行われます。
| 号 | 認定を受けられる人 |
|---|---|
| 1号 | 第一種電気工事士試験に合格した人 |
| 2号 | 第二種電気工事士で、免状の交付を受けた後、電気に関する工事の実務経験が3年以上ある人、または認定電気工事従事者認定講習の課程を修了した人 |
| 3号 | 電気主任技術者(または電気事業主任技術者)で、免状の交付を受けた後(その職についた後)、電気工作物の工事・維持・運用の実務経験が3年以上ある人、または同じ講習の課程を修了した人 |
| 4号 | 上と同等以上の知識と技能があると経済産業大臣が認定した人 |
第一種電気工事士の免状は、原則として、試験の合格に加えて電気に関する工事の実務経験が3年以上なければ受けられません(電気工事士法第4条第3項第1号、施行規則第2条の4。同項第2号の都道府県知事の認定による道もあります)。試験に合格しただけの人は、実務経験がそろうまでの間、1号で認定電気工事従事者の認定を受けると、600V以下の自家用の工事に従事できます。
認定証の交付と取扱い
| 項目 | 内容 | 根拠 |
|---|---|---|
| 交付する人 | 経済産業大臣 | 電気工事士法第4条の2第1項 |
| 申請先 | 認定の申請は産業保安監督部長に、証明書類を添えて提出(施行規則第5条の2第2項)。認定証の交付の申請は、住所地を管轄する産業保安監督部長に、証明書類と写真を添えて提出(同第9条の2第1項) | 施行規則第5条の2第2項・第9条の2第1項 |
| 認定証の記載 | 認定証の種類、交付番号と交付年月日、氏名と生年月日 | 施行規則第9条の3 |
| 返納命令 | 電気工事士法や電気用品安全法第28条第1項に違反したとき、経済産業大臣が返納を命じることができる | 電気工事士法第4条の2第6項 |
| 作業の義務 | 自家用電気工作物の工事は、電気事業法第39条第1項の技術基準に適合するように行う | 電気工事士法第5条第1項 |
| 期限 | 認定証の有効期限や定期講習の定めは法と施行規則にない | — |
電気工事士の免状は都道府県知事、認定証は経済産業大臣(申請先は産業保安監督部長)と、交付する人が違う点は取り違えやすいところです。
取り違えやすい文
| 文 | 正誤 | 根拠 |
|---|---|---|
| 第二種電気工事士は、500kW未満の自家用電気工作物の600V以下の部分の工事に従事できる | 誤り | 認定電気工事従事者の認定が要る(法第3条第1項・第4項) |
| 認定電気工事従事者は、600V以下で使用する自家用電気工作物の電線路の工事にも従事できる | 誤り | 電線路に係るものは除かれる(施行規則第2条の3) |
| 第一種電気工事士試験に合格した人は、実務経験がなくても認定電気工事従事者の認定を受けられる | 正しい | 施行規則第4条の2第2項第1号 |
| 認定電気工事従事者認定証は、都道府県知事が交付する | 誤り | 経済産業大臣(法第4条の2第1項) |
| 第一種電気工事士は、非常用予備発電装置工事に従事できる | 誤り | 特種電気工事資格者の認定証が要る(法第3条第3項) |
| 第一種電気工事士は、免状の交付を受けた日から5年以内に講習を受け、その後は講習を受けた日から5年以内ごとに受ける | 正しい | 法第4条の3 |
ぴよパスのオリジナル予想問題で確かめられます。
電気工作物の区分(一般用・小規模事業用・自家用)の違いは 電気工作物の区分 に、学科の法令3法の覚え方は 第二種電気工事士 学科 法令の覚え方 にまとめています。
出典
- 電気工事士法 第2条〜第5条(e-Gov法令検索・2025年6月1日施行の版)
- 電気事業法 第39条(同・2026年8月3日施行の版)、電気用品安全法 第28条(同・2025年12月25日施行の版)
- 電気工事士法施行令 第8条(同・2025年11月14日施行の版)
- 電気工事士法施行規則 第1条の2・第2条の2〜第2条の4・第3条・第4条の2・第5条の2・第9条の2・第9条の3・第10条(同・2023年12月28日施行の版)
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