給与計算実務能力検定2級の過去問を探しても、本試験の問題をまとめて解ける過去問集はありません。職業技能振興会は試験問題も模範解答も公開しておらず、実務能力開発支援協会は「問題集の出版には至っておりません」としています。無料で見られるのは、2014年3月の 第1回2級試験の抜粋 と、協会が「実際の出題例」として載せている例題(正答なし)です。
この記事では、無料・有料で手に入る問題を整理し、公式が示す想定学習時間(2級は40〜50時間)をどう配るかをまとめます。
ぴよパスでは、給与計算実務能力検定2級の出題範囲にそって独自に作った練習問題120問を、8分野に分けて無料で解けます。
過去問は公開されていない — 代わりに解けるもの
| どこで | 中身 | 費用 |
|---|---|---|
| 本試験の問題・模範解答 | 公開されない。試験問題の内容に関する質問にも答えない | — |
| 公式の過去問題集 | 出版されていない | — |
| 協会の「2級試験問題例」 | 2014年3月2日実施の第1回2級試験の抜粋PDFと、当時の資料集のサンプル | 無料 |
| 協会の「試験概要」の出題例 | 協会が「実際の出題例」として載せる知識問題・計算問題の例(2級の計算は平成30年2月支給の給与計算)。正答は載っていない | 無料 |
| 公式テキスト 2026年度版 | 巻末に計算演習問題が付く(協会のよくある質問では、2級は計算15問・知識問題なし。年度版の記載なし)。過去問は入っていない | 2,200円(税込・送料込) |
| 協会の模擬試験講座 | 本試験と同じ形の40問(知識35問・計算5問)を解いて解説を確かめる講座(問題は1回分) | 有料 |
| 協会の対策講座 | 教材の「計算問題事例集」(2級8問)と、メインテキストの法律知識確認問題(2020年度版の例で2級158問) | 有料 |
| ぴよパスの練習問題 | 8分野120問。過去問ではなくオリジナル問題・全問解説つき | 無料 |
| ぴよパスの模擬試験 | 知識35問(各2点)・計算5問(各6点)・120分の独自の構成 | Premium |
協会の学習方法のページは、問題集がない理由を、過去の試験問題の公表を控えているためと説明しています。実際の試験と同じ形で解きたい人には、模擬試験講座を案内しています。
第1回の抜粋は「形」を見るために使う
第1回の抜粋は2014年の試験なので、社会保険料率・雇用保険料率・税額などは 当時のもの です。協会のページも、当時の雇用保険料率を別に示しています。数字を今の試験の答えとして覚えるのではなく、問題文の長さや、資料集を引いて計算する流れを見るために使ってください。
今の試験は、11月の試験は同じ年の9月1日、3月の試験は同じ年の1月1日の時点で施行されている法令が前提です。ただし、その年度の公式テキストに載っていない改正が答えに影響する出題はされません。
公式テキストは「その年度」の版を使う
2級は、原則としてその年度の公式テキストに準拠して出題されます。2026年度版は、2026年11月の試験と2027年3月の試験の両方に対応しています。古い年度の版を使うと、料率や制度の改正が反映されていないことがあります。
:::amazon-card{asin="4800594383" title="2026年度版 給与計算実務能力検定2級 公式テキスト(日本能率協会マネジメントセンター)" note="2026年11月・2027年3月の2級試験に対応。巻末に計算演習問題" icon="教材" img="1"}
協会のよくある質問によると、2級の公式テキストの演習は計算問題15問で、知識問題はありません(何年度版の数かは書かれていません)。知識問題35問(70点分)の練習は、協会の対策講座のテキストや、ぴよパスの練習問題などで別に用意します。
試験の形をおさらい
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 問題数・時間 | 40問・120分 |
| 出題形式 | 知識問題35問・計算問題5問(どちらも四肢択一のマークシート) |
| 配点 | 知識問題1問2点(計70点)・計算問題1問6点(計30点) |
| 合格基準 | 出題問題のうち7割以上の得点 |
| 受験料 | 8,800円(税込) |
| 持ち物 | 受験票・筆記用具・電卓(計算問題用の資料集は試験で配られる) |
直近4回の2級の合格率は次のとおりです。協会は2級の想定合格率を「全受験者のうちの60%~70%程度」としていますが、実績はそれを上回る回が多くなっています。
| 試験日 | 受験者 | 合格者 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 2026年3月15日 | 2,332人 | 1,781人 | 76.37% |
| 2025年11月23日 | 2,428人 | 1,654人 | 68.12% |
| 2025年3月16日 | 2,056人 | 1,571人 | 76.41% |
| 2024年11月24日 | 2,214人 | 1,608人 | 72.63% |
勉強時間の目安は40〜50時間(公式の想定)
実務能力開発支援協会は、2級の学習時間の目安を 40〜50時間程度、期間にして1か月〜1か月半程度 としています。協会は2級・1級の公式テキストを「A5判で約240ページ」と説明していて(公式テキストのページでは2級は約235ページ)、この内容を身につければ合格できるという考え方です。
この40〜50時間を、手に入る問題に合わせて配ると、たとえば次のようになります(ぴよパスの見積もりで、公式の内訳ではありません)。
| やること | ぴよパスの見積もり | 中身 |
|---|---|---|
| 公式テキストを読む | 23〜28時間 | 約235ページ。勤怠・支給・控除・社会保険・賞与・法令の順 |
| テキスト巻末の計算演習 | 5〜6時間 | 15問なら1問20分ほど。途中式を自分で書く |
| ぴよパスの練習問題120問 | 6〜8時間 | 1問3〜4分。間違えた問題はテキストに戻る |
| 模擬試験を2回と見直し | 6〜8時間 | 120分 × 2回と、間違えた問題の解き直し |
| 合計 | 40〜50時間 | 公式の想定学習時間と同じ幅 |
給与計算の実務をしている人は、テキストを読む時間が短くて済むことがあります。反対に、社会保険の手続や労働法令に触れたことがない人は、テキストに時間がかかります。
計算5問で30点 — 時間配分の考え方
計算問題は1問6点で、5問で30点あります。1問落とすと知識問題3問分です。120分のうち、知識問題35問を先に解き、計算問題に時間を残す練習を模擬試験でしておくと、本番で計算に追われずに済みます。計算の型は給与計算実務能力検定2級の計算問題にまとめています。
次の試験と、合格した後のこと
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 第26回2級(2026年11月22日) | 出願は2026年10月14日で締め切られ、受付は終わっている。試験結果は2027年1月6日に発表予定 |
| 次の2級 | 2027年3月14日。協会の講座案内に日付がある。申込期間は2026年10月19日の時点で職業技能振興会のページにまだ出ていない |
合格しても、それだけでは資格の名称を名刺や履歴書に書けません。
- 認定登録 — 資格の名称を使いたい合格者は、申込期限までに認定登録(希望者のみ・3,000円・税込)をします。受験要項は、認定登録をせずに「給与計算実務能力検定」の名称を使うことはできないとしています。
- 2年ごとの更新 — 2級は2年ごとの更新制度があり、有効期間が終わるまでに更新しないと資格登録が失効します。更新費用は6,600円(税込・2026年6月1日現在)で、新しい認定証・過去2年分の法改正情報・最新版の公式テキストが届きます。
練習問題の分野 — 8分野120問
問題は本試験の写しではなく、労働基準法・健康保険法・厚生年金保険法・所得税法などの条文と公的資料にもとづいて独自に作ったものです。
練習の進め方
- 公式テキストを1章読んだら、同じ分野の練習問題を解く — 届出の期限や対象者の要件は取り違えやすいところです。間違えたら、テキストの同じ項目に戻ります。
- テキスト巻末の計算演習と、ぴよパスの計算問題15問を解く — 差引支給額・割増賃金・賞与の社会保険料などを、途中式を書いてから選択肢を見る形で練習します。
- 第1回の抜粋で、資料集を引く流れを確かめる — 料率は当時のものなので、答えより手順を見ます。
- 模擬試験で120分通す — 知識35問(各2点)・計算5問(各6点)で70点の線にどれだけ余裕があるかを見ます(Premium・月980円)。知識問題の分野への割り振りはぴよパスの設計で、計算の料率や税額は問題文に示しているので、資料集を引く手順は含みません。本試験の合否を判定するものではありません。
まとめ
- 給与計算実務能力検定2級の試験問題・模範解答は公開されず、公式の過去問題集も無い。
- 無料で見られるのは、2014年の第1回2級試験の抜粋と、協会が「実際の出題例」として載せる例題(正答なし)。料率は当時のもの。
- 公式テキスト2026年度版(2,200円)は2026年11月と2027年3月の試験に対応。巻末の演習は計算問題(協会の説明では15問)で、知識問題の練習は別に用意する。
- 公式の想定学習時間は2級40〜50時間・1か月〜1か月半。テキスト・計算演習・練習問題・模試に配る。
- 次の2級は2027年3月14日(協会の講座案内の日付)。合格後は認定登録をしないと名称を使えず、2年ごとの更新がある。
関連記事
出典
- 職業技能振興会「給与計算実務能力検定 2級」(出題形式・配点・合格標準・受験料・法令の基準日・試験問題と模範解答を公開しないこと・更新制度): https://fos.or.jp/shikaku/pc2/
- 同「受験要項 第26回2級・第13回1級」(試験日・試験結果の発表予定日・認定登録): https://fos.or.jp/kanri/wp-content/uploads/2026/08/受験要項第26回2級第13回1級給与計算実務能力検定一般用.pdf
- 実務能力開発支援協会「試験概要」(想定合格率・合格率の推移・想定学習時間・出題例): https://jitsumu-up.jp/about/
- 同「学習方法」(問題集・公式テキストの演習問題・模擬試験講座・対策講座の教材): https://jitsumu-up.jp/learn/
- 同「試験問題例」(過去に実施した試験の例題・第1回2級試験の抜粋・資料集のサンプル): https://jitsumu-up.jp/example/
- 同「公式テキスト」(2026年度版・対応する試験・価格): https://jitsumu-up.jp/textbooks/
- 同「2026年度版 WEB講座開講のお知らせ」(2027年3月14日試験): https://jitsumu-up.jp/news/2026/08/10/74527/
2026年10月19日に職業技能振興会と実務能力開発支援協会のページで確かめました。



