給与計算実務能力検定の問題集とアプリは、1級か2級かと、11月の試験の法令の基準日(9月1日)より後に直されているかで選び方が変わります。2026年10月21日に、主催の職業技能振興会と実務能力開発支援協会のページ、App Store・Google Play の表示を確かめました。公式の問題集は無く、公式アプリの案内も見当たりませんでした。ストアで見つかった給与計算検定のアプリは12本です。級の分け方、値段、最新版の日付はアプリごとに違います。この記事では、確かめた事実だけを表にまとめます。
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結論:級を決め、公式テキストを軸にして演習の量を足す
給与計算検定の教材は、次の順で選ぶと迷いません。
- 受ける級を決める — 1級と2級は、どちらも40問・120分です。ただし1級は計算10問が記述式で、計算問題の6割以上の正解も合格の条件です。ストアのアプリも級ごとに分かれています。
- 公式テキストをその年度の版でそろえる — 出題は、原則としてその年度の公式テキストに準拠します。2026年度版は1級・2級とも2026年6月の刊行です(国立国会図書館の書誌)。2級版は2026年11月と2027年3月の試験に対応しています。
- 問題演習の量をアプリか問題サイトで足す — 協会は問題集を出していません。2級の公式テキストの演習は計算問題15問で、知識問題はありません(協会のよくある質問。何年度版の数かは書かれていません)。協会の対策講座のテキストには知識問題の確認問題があります(2020年度版の例で2級158問・1級81問)。講座を使わない人は、知識問題を解く量をアプリやブラウザで開ける問題サイトで補います。
2026年11月22日の試験の出願は、10月14日で締め切られています。職業技能振興会の1級・2級のページは「受付終了」です。これから申し込む人の次の2級は、2027年3月14日の試験です(協会のお知らせ 2026年8月10日。公式テキストのページも、2027年3月の2級試験は2026年度版からの出題としています)。職業技能振興会の2級のページには、10月21日の時点でまだ載っていません。
公式の問題集は無い。公式テキスト・第1回の抜粋・模擬試験講座
協会のよくある質問は、「問題集はありますか?」に、過去の試験問題の公表を控えているため問題集の出版には至っていない、と答えています。職業技能振興会も、試験問題と模範解答は公開しないとしています。公式に用意されている教材は次のとおりです。
| 教材 | 中身 | 値段 | 出どころ |
|---|---|---|---|
| 公式テキスト(2026年度版) | 2級は約235ページ、1級は約253ページ。2級は2026年11月と2027年3月、1級は2026年11月の試験に対応。1級・2級とも巻末に計算演習問題 | 各2,200円(税込・送料込) | 協会の公式テキストのページ |
| 試験問題例(抜粋) | 2014年3月2日の2級第1回と、2014年11月9日の1級第1回の試験問題から抜粋した PDF。末尾に解答つき | 無料 | 協会の試験問題例のページ |
| 対策講座 | 解説講義を中心にした講座。講座のテキストに知識問題の確認問題(2020年度版の例で2級158問・1級81問) | 2級25,000円・1級28,000円(通学・DVD・WEB とも同額) | 協会の学習の進め方・講座のページ |
| 模擬試験講座 | 本番と同じ形の40問を1回分。2級は知識35問・計算5問、1級は知識30問・計算10問(記述式)。解答の後に解説 | 15,000円(税込)。対策講座とセットなら12,000円 | 協会の講座のページ |
| 回ごとの試験問題・模範解答 | 公開しない | — | 職業技能振興会の1級・2級のページ |
協会は、公式テキストの内容を理解できていれば問題ない、ともしています。ただし、協会のよくある質問によると2級の公式テキストの演習は計算問題で、知識問題はありません(1級のテキストの演習の中身は書かれていません)。知識問題の練習は、協会の対策講座(解説講義。2級25,000円・1級28,000円、通学・DVD・WEB とも同額)のテキストか、アプリや問題サイトで用意します。
第1回の抜粋は、解答が2014年当時の法令と料率に基づいています。協会もそう注記しています。解き方の確認には使えますが、料率や金額を今の数字として覚えないでください。
国立国会図書館の書誌で、2025年以降に刊行された本のうち、書名に「給与計算」を含む問題集は見当たりませんでした(書名に「給与計算」を含まない本は拾えていません)。
1級と2級は試験の形が違う
アプリや問題集は、級の形に合わせて作られています。先に違いを押さえてください(協会の試験の概要。2026年10月21日)。
| 項目 | 2級 | 1級 |
|---|---|---|
| 試験日 | 年2回(11月・3月) | 年1回(11月) |
| 問題数・時間 | 40問・120分 | 40問・120分 |
| 知識問題 | 35問・四肢択一(マークシート)・各2点 | 30問・四肢択一(マークシート)・各2点 |
| 計算問題 | 5問・四肢択一(マークシート)・各6点 | 10問・記述式・各4点 |
| 合格基準 | 7割以上の得点 | 7割以上の得点、かつ計算問題の6割以上の正解 |
| 法令の基準日 | 11月の試験は同年9月1日、3月の試験は同年1月1日に施行されている法令等 | 同年9月1日に施行されている法令等 |
| 受験料 | 8,800円(税込) | 11,000円(税込) |
1級の記述式は、最終の金額だけを答えます。協会のよくある質問によると部分点はありません。4択から計算の答えを選ぶ練習だけでは、1級の計算で金額を最後まで自分で出す練習にはなりません。
どちらの級も、試験では計算問題用の資料集が配られ、電卓を持ち込みます。受験資格は無く、2級に受かっていなくても1級を受けられます。
ストアで見つかった給与計算検定のアプリ(2026年10月21日)
App Store で11本、Google Play だけにあるものが1本見つかりました。問題数と模擬試験の形はすべて提供者の説明の数字で、ぴよパスが確かめた数ではありません。日付は日本時間の最新版の公開日です。
2級のアプリ
| アプリ(提供者) | 価格の表示 | 最新版 | 提供者の説明では | |
|---|---|---|---|---|
| 給与計算実務能力検定2級 試験対策(RUMAHSAKU CORP.) | 800円の買い切り(App Store・Google Play) | 1.0.7・2026年10月14日(Google Play は10月13日) | 知識300問・計算100問。知識35問+計算5問・120分の模擬試験を3回分。試験中に参照用の資料表 | |
| 給与計算実務能力検定2級試験対策クイズ(Jinnosuke Murayama) | 無料・広告あり。プレミアムは月額400円・年額3,000円 | 1.0.3・2026年10月20日 | 4択1000問。40問・120分の総合演習 | |
| 給与計算実務能力検定 2級 \ | 2026年対策問題(Masaki Kobayashi) | 600円。広告なし・追加課金なし | 1.0・2026年9月22日(出てから更新なし) | オリジナル600問 |
| 給与計算2級(satoshi yoshida) | 800円 | 1.0.2・2026年6月9日 | 全380問。総合演習3回分・模擬試験2回分 | |
| 給与計算実務能力検定2級 問題集(RYOHEI HORIUCHI) | 500円 | 1.0・2026年6月6日 | 308問。説明文は2級の形を「知識問題30問+計算問題10問」と書く |
1級のアプリ
| アプリ(提供者) | 価格の表示 | 最新版 | 提供者の説明では |
|---|---|---|---|
| 給与計算実務能力検定1級 試験対策(RUMAHSAKU CORP.) | 800円の買い切り(App Store・Google Play) | 1.0.4・2026年9月26日(Google Play は9月25日) | 知識300問・計算100問。知識30問+計算10問・120分の模擬試験を3回分 |
| 給与計算実務能力検定1級対策(satoshi yoshida) | 980円 | 1.0.2・2026年8月26日 | 全500問(模擬試験の記載なし) |
| 給与計算実務能力検定1級 試験対策|問題集(RYOHEI HORIUCHI) | 500円 | 1.0・2026年6月6日 | 全356問。計算問題も「計算結果を選ぶ4択」で収録 |
| 給与計算実務能力検定1級(SET STANDARD INTERNATIONAL APPLIED TECHNOLOGY。Google Play だけ) | 150円の買い切り | 版1・2026年9月9日(最終更新日) | 1,000問。知識30問+計算10問・120分。日本語と英語 |
級をまたぐアプリ・級の記載が無いアプリ
| アプリ(提供者) | 価格の表示 | 最新版 | 提供者の説明では |
|---|---|---|---|
| 給与計算実務能力検定 1〜3級 - 給与マッスル(Akira Hashimoto) | 無料・10問ごとに広告。広告を消す買い切り500円 | 1.3.1・2026年10月20日(初版は9月18日) | 合計1,200問(3級393問・2級416問・1級391問)。副題は「1,090問」。2級の本試験形式の問題セット(40問・120分) |
| 給与計算実務能力検定試験 合格ドリル(AFTW LLC。Google Play の表示は sharon mini) | 無料・広告あり | 1.0.0・2026年5月19日(Google Play は5月18日。出てから更新なし) | App Store は「159問」、Google Play は「640問以上」。級の記載なし |
| 給与計算実務能力検定3級対策(satoshi yoshida) | 980円 | 1.0.3・2026年10月17日 | 全500問。3級の対策 |
アプリを選ぶときに確かめる3つのこと
1. 9月1日より後に直したか
11月の試験は、1級・2級とも同じ年の9月1日に施行されている法令等で出題されます。協会の規定では、3月の2級試験は同じ年の1月1日が基準です。また、その年度の公式テキストに載っていない改正が答えに影響する問題は出ない、とされています。
1級・2級のアプリで、9月1日より後の見直しを版の履歴に書いていたのは次の2本でした。
- RUMAHSAKU の2級 — App Store の版の履歴の表示で、1.0.5(9月3日)で「最新の制度・税額表に対応」、1.0.6(9月8日)で模擬試験を2026年9月の制度に合わせたと書いています。
- RUMAHSAKU の1級 — 1.0.3(9月9日)で社会保険・年末調整などの計算条件と正答・解説を見直し、1.0.4 で時間単価と割増賃金の計算を公式テキストの算式に合わせたと書いています。
給与マッスルは9月18日に出たアプリで、その後も問題を足しています。最後の更新が9月1日より前なのは、AFTW LLC(5月19日)、RYOHEI HORIUCHI の1級・2級(6月6日)、satoshi yoshida の「給与計算2級」(6月9日)と「1級対策」(8月26日)です。更新が無いことは、誤りがあることを意味しません。ただ、料率や限度額などの数字は、2026年度版の公式テキストで確かめてから覚えてください。
2. 説明に書かれた試験の形が公式と合っているか
RYOHEI HORIUCHI の2級のアプリは、説明文で2級の形を「知識問題30問+計算問題10問の計40問」と書いています。公式の2級は知識35問・計算5問で、30問・10問は1級の形です。同じ提供者の1級のアプリは、本試験では記述式の計算問題を、4択で収録すると説明しています。
模擬試験の問題数・時間・配点が公式の形と同じかは、上の「1級と2級は試験の形が違う」の表と見比べてください。
3. 同じアプリでも、ストアで説明が違うことがある
AFTW LLC の「合格ドリル」は、App Store では収録問題を「159問」、Google Play では「640問以上」と書いています(Google Play の表示は sharon mini で、デベロッパーの欄は AFTW, LIMITED LIABILITY COMPANY)。副題に「過去問題」とありますが、説明文に、過去の本試験から問題を取ったという記載はありません。
給与マッスルも、副題(1,090問)と説明文(合計1,200問)で数が違います。給与マッスルは説明で、料率は演習用、税額表は架空の演習用だとしています。本試験で配られる資料集の値とは別のものとして使ってください。
ぴよパスをアプリ代わりに使う(2級)
ぴよパスはアプリではなく、スマホのブラウザで開く練習問題サイトです。給与計算検定は2級だけで、1級の問題はありません。問題はすべてオリジナル予想問題で、本試験の問題や協会の抜粋を載せたものではありません。2級の練習問題は、登録なしで問題と解説まで無料で読めます。
問題は、11月と3月のどちらの試験の基準日でも答えが変わらない論点で作っています。所得税の源泉徴収税額表の金額などは、問題文に条件として示しています。計算の手順を例題で確かめたいときは、「給与計算検定2級の計算問題を例題で練習」も使えます。
知識35問(各2点)と計算5問(各6点)を120分で解く模擬試験もあります(Premium・月980円の機能です。知識問題の分野ごとの配分はぴよパスが決めたもので、料率や税額は問題文に示しているため、本試験のように資料集から値を探す手順は含みません。本試験の合否を判定するものではありません)。
まとめ
- 給与計算検定に公式の問題集はなく、公式アプリの案内も見当たりません。出題は、原則としてその年度の公式テキストに準拠します。2026年度版は1級・2級とも各2,200円です。
- 1級は計算10問が記述式で、計算問題の6割以上の正解も要ります。アプリは級を名指ししたものを選んでください。
- ストアで見つかったアプリは12本でした。9月1日より後の見直しを版の履歴に書いていた1級・2級のアプリは、RUMAHSAKU の2本でした(2026年10月21日)。
- 問題数や模擬試験の形は提供者の説明で、公式の形と食い違うものもあります。
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出典
- 実務能力開発支援協会(試験の概要。1級・2級の形・配点・合格基準・法令の基準日・受験料): https://jitsumu-up.jp/about/
- 実務能力開発支援協会(よくある質問。記述式の採点・過去の試験問題の抜粋): https://jitsumu-up.jp/faq/
- 実務能力開発支援協会(学習の進め方。問題集・公式テキスト・模擬試験講座): https://jitsumu-up.jp/learn/
- 実務能力開発支援協会(試験問題例。2014年の第1回の抜粋): https://jitsumu-up.jp/example/
- 実務能力開発支援協会(公式テキスト。2026年度版の対応試験・値段): https://jitsumu-up.jp/textbooks/
- 実務能力開発支援協会(講座。模擬試験講座の中身と受講料): https://jitsumu-up.jp/lecture/
- 実務能力開発支援協会(お知らせ 2026年8月10日。2026年11月22日・2027年3月14日の試験): https://jitsumu-up.jp/news/2026/08/10/74527/
- 実務能力開発支援協会(試験日・出願の締切): https://jitsumu-up.jp/flow/
- 職業技能振興会「給与計算実務能力検定」2級・1級(出願状況・試験問題を公開しないこと): https://fos.or.jp/shikaku/pc2/ ・ https://fos.or.jp/shikaku/pc1/
- 国立国会図書館サーチ・openBD(公式テキストの書誌と刊行年月)
- App Store(apps.apple.com/jp)と Google Play(play.google.com、日本)の各アプリのページ(名前・提供者・価格・アプリ内課金・広告・最新版の日付・説明文)
2026年10月21日に、職業技能振興会・実務能力開発支援協会のページと、App Store・Google Play の各アプリのページで確かめました。
※ ぴよパスは職業技能振興会・実務能力開発支援協会とは関係のない学習サイトです。試験名は試験を特定するために使っています。表のアプリは、ぴよパスが提供するものではありません。ぴよパスの問題はすべてオリジナルで、本試験の問題ではありません。




