他類を集め始めると、必ず消火法が混ざる
乙4を取ったあと他の類へ広げていくと、2つ目までは順調でも3つ目あたりから類ごとの消火法が頭の中で混ざり始めます。「これは水をかけていいんだったか」が即答できなくなる状態です。
原因ははっきりしていて、危険物の類別は燃え方の分類であって物質の見た目とは無関係だからです。逆に言えば、燃え方の側から並べ直せば混ざりません。この記事はその1枚を作るためのものです。
免除受験なら出題は性質・消火の10問だけなので、この表がそのまま試験範囲の骨格になります(免除の条件は乙種の科目免除まとめを参照)。
全6類 早見表
| 類 | 性質 | 状態 | 自分は燃える? | 消火の原則 | 注水が駄目なもの |
|---|---|---|---|---|---|
| 第1類 | 酸化性固体 | 固体 | 燃えない(他を酸化) | 大量注水で冷却 | 無機過酸化物 |
| 第2類 | 可燃性固体 | 固体 | 燃える | 品名で分かれる | 鉄粉・金属粉・マグネシウム・硫化りん |
| 第3類 | 自然発火性物質<br>及び禁水性物質 | 固体または液体 | 燃える | 乾燥砂等で覆う | 禁水性のものすべて(黄りんは例外的に注水可) |
| 第4類 | 引火性液体 | 液体 | 燃える | 泡・粉末・二酸化炭素で窒息 | 原則すべて(流出して広がる) |
| 第5類 | 自己反応性物質 | 固体または液体 | 自分で燃える | 大量注水で冷却 | —(窒息消火が効かない) |
| 第6類 | 酸化性液体 | 液体 | 燃えない(他を酸化) | 大量注水で希釈・冷却 | ハロゲン間化合物 |
この表の読み方 — 3つの軸
軸1: 燃える側か、燃やす側か
- 燃やす側(不燃): 第1類・第6類。自分は燃えないが酸素を供給して他を燃やす。違いは固体(1類)か液体(6類)かだけ。
- 燃える側: 第2類・第3類・第4類・第5類。
この対で覚えると、第1類と第2類、第5類と第6類の取り違えが止まります。番号が隣でも性質は正反対です。
軸2: 酸素をどこから調達するか
第5類だけが分子の中に酸素を持っています。だから外から酸素を断つ窒息消火が効かず、温度を下げる大量注水しかありません。
第2類・第4類は外から酸素をもらうので窒息消火が有効です。第4類が泡・粉末・二酸化炭素なのはこのためです。
軸3: 水と反応してしまうか
注水が禁じられるのは、水そのものと危険な反応をするか、水で被害が広がるかのどちらかです。
| 禁水の理由 | 該当 |
|---|---|
| 水と反応して酸素・熱を出す | 第1類の無機過酸化物 |
| 水と反応して水素を出す | 第2類の鉄粉・金属粉・マグネシウム |
| 水と反応して硫化水素を出す | 第2類の硫化りん |
| 水と反応して可燃性ガスを出す | 第3類の禁水性物質(カリウム・ナトリウム等) |
| 水に浮いて流出し延焼する | 第4類 |
| 水と激しく反応する | 第6類のハロゲン間化合物 |
第4類だけ理由が違う点に注意してください。ガソリンは水と化学反応するわけではなく、水より軽いため浮いて流れ広がるので注水が不適です。ここを「反応するから」と覚えていると、他類の説明と噛み合わなくなります。
例外は全部で5つしかない
表を暗記しようとせず、原則+例外の形で持つと定着します。
- 第1類は原則注水 — ただし無機過酸化物は禁水
- 第2類は品名次第 — 金属系(鉄粉・金属粉・マグネシウム)と硫化りんが禁水
- 第3類は原則禁水 — ただし黄りんは自然発火性のみなので注水可
- 第5類は大量注水 — 窒息消火は無効
- 第6類は大量注水 — ただしハロゲン間化合物は禁水
第3類の黄りんは、第3類の中で唯一「禁水性を持たない」物質です。第3類=全部禁水と覚えていると必ず落とすので、例外として単独で持っておいてください。
受けやすい順に集める
令和6年度の受験者数と合格率(消防試験研究センター公表値)は次のとおりです。
| 類 | 受験者数 | 合格率 |
|---|---|---|
| 乙1 | 8,247人 | 66.6% |
| 乙2 | 9,411人 | 67.0% |
| 乙3 | 10,896人 | 66.3% |
| 乙4 | 223,846人 | 31.7% |
| 乙5 | 11,211人 | 63.8% |
| 乙6 | 10,746人 | 67.2% |
乙4以外が6割台なのは試験が易しいからではなく、受験者の大半が乙4合格者で範囲の狭い免除受験をしているからです。
集める順序に決まりはありませんが、範囲の狭さで言えば第6類(品名4つ)が最短、次いで第1類・第5類のように共通性質が揃っている類が続きます。第2類と第3類は品名ごとに消火法が割れるぶん手間がかかります。同じ日程で複数類をまとめて申し込む方法は乙種をまとめて受験する方法に整理しました。











