免除受験なら「一夜漬けが成立する」数少ない試験
危険物取扱者の中で、乙種の他類は例外的に短期決戦が現実的です。理由ははっきりしていて、乙種の免状を1つ持っていれば法令15問と物理・化学10問が免除され、残るのは性質・消火の10問だけだからです。試験時間も35分に縮みます。合格基準は各科目60%以上なので、10問中6問取れば合格です。
つまり乙5の一夜漬けとは、「危険物全般を1日で覚える」ことではなく 第5類=自己反応性物質の性質と消火だけを1日で固めることを指します。範囲が有限なので、詰め込みが機能します。
逆に免除を使わない人(乙種が初めて)にとっては3科目35問なので、この記事の前提は当てはまりません。免除の条件は乙種の科目免除まとめで整理しています。
覚えなくていいものを先に捨てる
一夜漬けで最初にやるのは、捨てる範囲の確定です。免除受験では次が丸ごと出ません。
- 指定数量(法令なので免除)— ここに時間を使わない
- 保安距離・保有空地・タンクの基準(法令)
- 燃焼の三要素、熱の移動、酸化還元の理論(物理・化学)
「危険物といえば指定数量」という先入観で暗記を始めると、出ない範囲に一晩使って終わります。免除受験で問われるのは性質・消火の10問だけです。
第5類で本当に効く「1つの原理」
第5類(自己反応性物質)は、次の一文を理解すれば大半の設問が解けます。
分子の中に酸素を持っていて、外から酸素を供給されなくても自分で燃える。
ここから性質も消火法も導けます。
- 窒息消火が効かない — 酸素を遮断しても自分の分子内の酸素で反応が進む。二酸化炭素・ハロゲン化物・粉末による窒息消火は不適。
- 消火は大量の水による冷却 — 反応を止めるには温度を下げるしかない。泡消火も水系なので有効。
- 加熱・衝撃・摩擦で爆発的に分解する — 貯蔵では火気・加熱を避け、通風のよい冷所に置く。
- それ自体が可燃性(第1類・第6類の「不燃だが他を酸化させる」とは正反対)。
第1類・第6類と混同したときは「自分で燃えるのが第5類、他人を燃やすのが第1類と第6類」と置き直すと整理できます。
品名は9つ。丸暗記ではなく系統で入れる
消防法別表第一の第5類は次のとおりです。前日はこの並びを声に出して1回書き写すだけで十分です。
| 系統 | 品名 |
|---|---|
| 過酸化物系 | 有機過酸化物 |
| エステル系 | 硝酸エステル類 |
| ニトロ系 | ニトロ化合物、ニトロソ化合物 |
| 窒素二重結合系 | アゾ化合物、ジアゾ化合物 |
| ヒドラジン・ヒドロキシルアミン系 | ヒドラジンの誘導体、ヒドロキシルアミン、ヒドロキシルアミン塩類 |
代表物質を1つずつ紐づけておくと選択肢の判別が速くなります。有機過酸化物なら過酸化ベンゾイル、硝酸エステル類ならニトログリセリン・ニトロセルロース、ニトロ化合物ならピクリン酸・トリニトロトルエンです。
前日から当日朝までの手順
前日の夜(90分)
- 上の「1つの原理」を紙に書く(5分)。ここが崩れると全部崩れます。
- 品名9つを系統ごとに書き写す(15分)。
- 消火法を「大量注水=◯/窒息=×」で固定する(10分)。
- 残り60分は演習に充てます。当サイトの乙5 練習問題は性質・消火のカテゴリを分けてあるので、免除受験なら性質・消火だけを解けば十分です。全問に解説が付いています。
本番の形式で通したいときは乙5の模擬試験に 科目免除モード(10問・35分) を用意しました。免除受験と同じ出題数・同じ制限時間なので、35分という短さの感覚まで含めて確認できます。
当日の朝(30分) 間違えた問題だけを解き直します。新しい範囲には手を出しません。35分の試験に対して、朝の30分は「思い出す練習」に使うのが最も効率的です。
一夜漬けが失敗する2つのパターン
① 法令を勉強してしまう。 免除申請をしているのに指定数量や保安距離を覚え始めるケースです。願書で免除を申請したかを前日に確認してください。申請していなければ3科目35問なので、一夜漬けの前提が変わります。
② 個別物質の数値を追いかける。 融点・発火点を1つずつ覚えようとすると10問のために百以上の数値を抱えることになります。第5類は共通性質と消火法の出題比率が高いので、まず原理、余力があれば代表物質という順序を崩さないでください。
余裕があるなら他の類もまとめて申し込む
免除受験は1類あたり10問35分なので、同じ日程で複数類を申し込む人が多くいます。段取りと費用は乙種をまとめて受験する方法に整理しました。じっくり固めたい場合の教材は乙5のテキスト・問題集で用途別に比較しています。
他の類も並行して集めるなら、全6類の性質・消火 早見表で消火法の線引きを1枚にまとめておくと混同を防げます。
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