保育士試験の実技「音楽に関する技術」は、令和8年は『うれしいひなまつり』と『山の音楽家』の2曲を、幼児に歌って聴かせることを想定して弾き歌いします。 楽器は会場のピアノか、持参のアコースティックギターです。楽譜(紙)は持ち込めて、移調してもよく、前奏・後奏は任意です。各分野50点満点で、選んだ2分野とも6割以上が合格です。令和8年後期の実技試験は12月13日(日)です。
- 協議会の添付楽譜は、メロディーにコードネームを付けた1段の譜で、ピアノ伴奏の譜は付いていません。使うコードは、『うれしいひなまつり』がCm・Fm・G、『山の音楽家』がF・C・C7の、各3つです。
- 曲全体を通して歌だけ・伴奏だけ・歌と同じ単旋律だけの伴奏で演奏すると、採点の対象外です。
- 令和7年から楽器はピアノとギターだけになり、「歌詞は1番のみ」は「添付楽譜に示された部分のみ」に変わりました。
伴奏のコードは、筆記試験の保育実習理論で問われる知識と同じです。ぴよパスの保育実習理論の練習問題では、コードネームと構成音や長調の調号の問題を無料で解けます。どれもぴよパスのオリジナル予想問題で、本試験の問題ではありません。
この記事は、試験事務を行う一般社団法人全国保育士養成協議会の実技試験概要(前期・後期)・添付楽譜・試験日程・試験結果のページ、国の通知「保育士試験の実施について」(どれも2026年10月21日に確認)と、協議会が以前に公開していた実技試験概要(Internet Archive の保存版)で確かめた内容です。楽譜と歌詞は日本音楽著作権協会の許諾を受けた協議会の掲載物なので、この記事には載せていません。
令和8年の音楽の決まり
令和8年の音楽の決まりは、前期と後期で同じです(協議会の前期・後期の実技試験概要を見比べて確かめました)。
| 項目 | 協議会の実技試験概要(要約) |
|---|---|
| 課題 | 幼児に歌って聴かせる想定で、課題曲2曲を両方とも弾き歌い |
| 課題曲 | 『うれしいひなまつり』(作詞:サトウハチロー 作曲:河村光陽)・『山の音楽家』(訳詞:水田詩仙 ドイツ民謡) |
| 楽器 | 会場のピアノ(グランド・アップライト・電子のいずれかが置いてある)か、持参のアコースティックギター(アンプは不可・カポタストは可) |
| 楽譜 | 紙なら持ち込める |
| 範囲 | 添付楽譜に載っている部分だけ |
| 前奏・後奏 | 付けても付けなくてもよい |
| 移調 | してよい |
| 伴奏 | 「添付楽譜のコード進行を尊重して演奏すること。」市販の楽譜を使うときも、コード進行を機能的に変えない |
| 見られる力 | 歌・伴奏の技術・リズムなど、保育士として必要な総合的な表現 |
ギター用の譜面台は会場に無いので、要る人は持参します(ピアノの譜面台を使ってもかまいません)。音楽の試験の時間は、協議会のページには書かれていません。
添付楽譜の形 — メロディーとコード3つ
協議会の添付楽譜(令和8年)は、2曲ともメロディーの1段譜にコードネームと歌詞を付けたもので、ピアノ伴奏の左手・右手の譜はありません。伴奏は、コードネームを見て自分で付けるか、市販の楽譜を使います。
| 曲 | 調号・拍子 | 調 | 使われているコード |
|---|---|---|---|
| うれしいひなまつり | ♭3つ・4分の2拍子 | ハ短調(Cmで始まりCmで終わる) | Cm・Fm・G |
| 山の音楽家 | ♭1つ・4分の2拍子(弱起で始まる) | ヘ長調(Fで始まりFで終わる) | F・C・C7 |
それぞれのコードの構成音は次のとおりです。
| コード | 構成音 | 種類 |
|---|---|---|
| Cm | ド・ミ♭・ソ | 短三和音(根音から半音3つ上と7つ上) |
| Fm | ファ・ラ♭・ド | 短三和音 |
| G | ソ・シ・レ(ハ短調では、調号の♭を付けないシ♮) | 長三和音(根音から半音4つ上と7つ上) |
| F | ファ・ラ・ド | 長三和音 |
| C | ド・ミ・ソ | 長三和音 |
| C7 | ド・ミ・ソ・シ♭ | 長三和音に根音から短7度上の音を加えたもの |
ハ短調のCm・Fm・Gは、主音ド・4番目の音ファ・5番目の音ソの上にできる和音(Gは、7番目の音シを半音上げた形)で、ヘ長調のF・C(C7)は、主音ファと5番目の音ドの上にできる和音です。歌のメロディーと同じ高さで歌いにくいときは、移調してかまいません。移調したら、コードも同じ幅だけ動かします(たとえば『山の音楽家』をヘ長調から全音下げて変ホ長調にするなら、F・C・C7はE♭・B♭・B♭7になります)。
採点の対象外になる3つの弾き方
協議会は、曲全体を通じて次のように演奏した場合は採点の対象外になると書いています。
- 全体を通して伴奏しないで、歌だけを歌った。
- 全体を通して歌を歌わないで、伴奏だけを弾いた。
- 歌と同じ単旋律のみを弾きながら、歌を歌った。
つまり、歌と伴奏の両方が要り、伴奏はメロディーをなぞるだけではいけません。一方で、伴奏をどこまで簡単にしてよいか(左手を単音にする、和音を減らすなど)は、協議会は書いていません。採点の基準や方法の問い合わせにも「一切応じられません」としています。「この弾き方なら合格」と言える公式の根拠は無いので、ぴよパスは、決まりに書かれている「添付楽譜のコード進行を尊重する」を最優先にすることを勧めます。
令和6年・7年・8年で変わったこと
| 項目 | 令和6年 | 令和7年 | 令和8年 |
|---|---|---|---|
| 楽器 | ピアノ・ギター・アコーディオン | ピアノかギターだけ | ピアノかギターだけ |
| 範囲 | 歌詞は1番のみ | 添付楽譜に示された部分のみ | 添付楽譜に示された部分のみ |
| 伴奏 | ピアノは市販の楽譜か、添付楽譜のコードネームを参照して編曲。ギター・アコーディオンはコードネームを尊重 | ピアノは市販の楽譜か、添付楽譜のコードネームを参照して編曲。ギターはコードネームを尊重 | ピアノもギターも、添付楽譜のコード進行を尊重。市販の楽譜も機能的な変更をしない |
| 課題曲 | 『夕焼け小焼け』『いるかはザンブラコ』 | 『ハッピー・バースデー・トゥ・ユー』『証城寺の狸囃子』 | 『うれしいひなまつり』『山の音楽家』 |
令和6年までの「前奏・後奏を付けてもよい」は、令和7年から「前奏・後奏の追加は任意とする」になりました。古い年の対策の情報を見るときは、楽器と範囲の決まりが変わっていることに気をつけます。
ピアノが苦手な人の準備
ここからは、協議会の決まりに沿って、ぴよパスが勧める準備の順番です(協議会の勧めではありません)。
- 歌だけで2曲を通す: まず楽譜のメロディーを正しく歌えるようにします。歌いにくい高さなら、移調する調を決めます。
- コードを押さえる位置を決める: 2曲で使うコードは各3つだけです。ピアノなら、上の表の構成音を両手のどこで押さえるかを決めます。
- コードが変わる場所に印を付ける: 楽譜のコードネームの位置で、伴奏を切り替えます。持ち込む楽譜(紙)に、コードが変わる位置の印を書いておきます(書き込みについての決まりは、協議会のページには書かれていません)。
- 止まらずに通す練習: 途中で止まったときに弾き直せるかは、協議会のページには書かれていません。間違えても止まらずに最後まで続ける練習をしておきます。
- ギターという選択: ピアノよりギターが得意なら、持参のアコースティックギターで受けられます。弦切れなどの不具合が無いように準備します。
音楽を選ばずに、造形と言語の2分野で受けることもできます。実技は3分野から必ず2分野を選び、分野は受験申請のときに選んで、申請の後は変えられません。造形の決まりは保育士試験の実技の造形、言語の決まりは保育士試験の実技の言語の記事で説明しています。
当日の注意
- 試験会場の中では、音や声を出す練習はできません。
- ピアノは会場に設置されたもの(グランド・アップライト・電子のいずれか)を使います。どれになるかは会場によります。
- 受験票を必ず持参し、受験票に書かれたガイダンスの開始時刻に集合します。各自の実技の開始時刻は、当日のガイダンスで案内されます。会場によっては夕方までかかることがあります。
- 服装の決まりは、協議会のページには書かれていません(筆記・実技に共通の注意として、帽子類の着用は認めない、空調を自分で調節できる服装で来る、などがあります)。
合格基準と結果
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 満点 | 各分野50点 |
| 合格 | 選んだ2分野とも、満点の6割以上 |
| 採点 | 正副2人の試験委員が別々に採点し、その平均点 |
| 令和8年後期の結果 | 令和9年1月12日(火)10時にマイページで公開の予定 |
実技試験を受けられるのは、筆記試験の全科目に合格した人です(幼稚園教諭免許状を持つ人などの実技の免除者を除く)。筆記の結果は11月30日に公開され、実技試験受験票は11月30日〜12月7日に送付されます(届かなければ12月8日に保育士試験事務センターへ電話)。筆記の結果から実技までは2週間ありません。
実技試験の合格率は、令和の年の公表値が見つかりません。厚生労働省の平成27年の資料では、平成17〜26年の実技試験の合格率は73.4〜89.3%でした(当時は年1回の試験で、受験申請をした人数に対する割合)。
例題: 筆記の保育実習理論のコード
実技の伴奏で使うコードの知識は、筆記の保育実習理論でも問われます。ぴよパスのオリジナル予想問題から、コードネームと構成音の問題です(本試験の問題ではありません)。
長三和音は、根音と、その半音4つ上・半音7つ上の3音でできています(G7は、さらに根音から短7度上の音を加えます)。この決まりで、D・C・G・G7・B♭の構成音の記述から誤っているものを選びます。 この問題を解く →
答えの要点: Dの構成音はレ・ファ♯・ラです。レ・ファ・ラはDm(短三和音)の構成音です。
練習問題と模擬試験
筆記の9科目の練習問題は、保育士試験のページから無料で解けます。9科目を、各科目の問題数と時間を半分にして1回で通して解く模擬試験は Premium の機能です。ぴよパスには実技(音楽・造形・言語)の練習問題や模擬試験はありません。
まとめ
- 令和8年の音楽は『うれしいひなまつり』『山の音楽家』の2曲を弾き歌い。後期の実技は12月13日。
- 楽器は会場のピアノか持参のアコースティックギター。楽譜(紙)の持ち込み・移調はよく、前奏・後奏は任意。
- 添付楽譜はメロディーとコードネームだけ。使うコードはCm・Fm・GとF・C・C7。伴奏はコード進行を尊重する。
- 曲全体を通して歌だけ・伴奏だけ・歌と同じ単旋律だけの伴奏は採点の対象外。簡略化の可否は公式に書かれていない。
- 各分野50点満点で、2分野とも6割以上が合格。分野は受験申請のときに選び、後から変えられない。
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出典
- 一般社団法人全国保育士養成協議会「実技試験(後期)概要」「実技試験(前期)概要」「令和7年実技試験(後期)試験分野」「試験日程・科目(後期)」「試験結果(後期)」「【後期】受験票・試験結果通知について」「受験(筆記・実技)の際の注意事項等について」、添付楽譜(令和8年)(https://www.hoyokyo.or.jp/)
- 協議会が以前に公開していた実技試験概要(令和6年・令和7年前期。Internet Archive の保存版)
- 国の通知「保育士試験の実施について」別紙1「保育士試験実施要領」(協議会が掲載・最終改正 令和8年2月27日)
- 厚生労働省「保育士試験の概要」(第1回 保育士養成課程等検討会 資料4・平成27年6月5日)


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