保育士試験の実技「造形」の過去問は、公式には公開されていません。 全国保育士養成協議会の「過去の試験問題」のページにあるのは筆記試験の問題と正答で、造形の当日の問題文は載っていません(2026年10月21日に確認)。造形は、問題文と条件を試験の当日に示し、その場面を45分で絵にする試験です。
- 描くのは「保育の一場面」。問題文と条件は当日に示される。
- 試験時間は45分。解答用紙はA4判で、絵を描く枠は縦横19cm。
- 使えるのは鉛筆かシャープペンシル(HB〜2B)、色鉛筆(12〜24色程度)、消しゴム、腕時計。色鉛筆のケース(筆箱など)も机に置ける。
- 各分野50点満点で、選んだ2分野とも6割以上で合格。正副2人の試験委員の平均点で採点される。
- 令和8年後期の実技試験は12月13日(日)。
実技を受けられるのは筆記試験に全科目合格した人なので、筆記がまだ残っている人は先に筆記を仕上げます。音楽・言語などの知識も問われる保育実習理論をはじめ、9科目の練習問題を無料で解けます(ぴよパスのオリジナル予想問題で、本試験の問題ではありません)。本試験の保育実習理論には色や技法など造形の知識を問う問題も出ますが、ぴよパスには造形の問題(描画も、造形の知識の問題も)を収録していません。
この記事では、協議会の案内と国の通知で決まっていることを確かめたうえで、条件の読み方と、ぴよパスが作ったオリジナルの練習課題を紹介します。
造形の過去問は公式に無い — 何を練習の手がかりにするか
協議会の「過去の試験問題」のページで公開されているのは、筆記試験の問題と正答です。実技については試験の概要が案内されているだけで、造形の当日の問題文は見当たりません。協議会のサイトでは、合格作品や不合格作品の公開も見当たりません(2026年10月21日に確認)。
協議会が以前に公開していた実技試験の概要(インターネット・アーカイブの保存版)を見ると、平成24年までは「保育所(園)での子どもたちと保育士との活動の一場面」のような大まかな場面が事前に示され、用紙はB4判でした。平成25年から問題文も当日に示す形になり、用紙はA4判で枠が縦横19cmに、平成26年からは事前の案内が「保育の一場面を絵画で表現する。」だけになっています。どの年の保存版にも、当日に示された問題文そのものは載っていません。
インターネット上には「過去の造形の問題」を紹介するページもありますが、協議会が公開した一次の資料ではありません。この記事では、公式の案内に書かれている決まりをもとに、条件を読んで描く練習ができるように、ぴよパスのオリジナルの練習課題を用意しました(下の「練習課題」)。
当日の決まり
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 何を描くか | 保育の一場面を絵画で表現する。当日示される問題文で設定された一場面を、条件を満たして表現する |
| 求められる力 | 「保育の状況をイメージした造形表現(情景・人物の描写や色使いなど)ができること。」(協議会の実技試験の概要) |
| 問題文と条件 | 試験の当日に示される |
| 時間 | 45分 |
| 解答用紙 | A4判。絵を描く枠は縦横19cm。紙の種類は当日に示される |
| 机に置けるもの | 鉛筆またはシャープペンシル(HB〜2B)、色鉛筆(12〜24色程度)、消しゴム、腕時計(音が鳴らず、計算機や通信の機能が無いもの。置時計は不可)。色鉛筆のケース(筆箱など)も置ける |
| 鉛筆削り | 携帯用のものは持ち込める。試験中に使うときは試験監督員の了解を得る |
| 使えないもの | クレヨン・パス・マーカーペンなど。摩擦熱で消える色鉛筆。人物の形をしたイラスト入りの用具。受験者どうしの貸し借り |
| 水溶性色鉛筆 | 使えるが、水を塗ることはできない |
色鉛筆の色数は「12〜24色程度」とされています。多くの色を持ち込むより、肌・髪・服・背景に使う色を決めておき、45分で塗り終えられる組み合わせで練習するのが現実的です。
採点と合格基準
- 実技試験は、音楽・造形・言語の3分野から2分野を選びます(受験申請の後に分野は変えられません)。
- 各分野50点満点で、選んだ2分野ともに満点の6割以上 で合格です。造形が6割に届かなければ、もう1分野の点が高くても合格になりません。
- 採点は、正副2人の試験委員が別々に行い、その平均点を得点とします(国の通知「保育士試験の実施について」の保育士試験実施要領)。
- 協議会は、実技試験は保育所保育指針の「保育の内容」の5領域の「ねらい」と「内容」を達成するために、保育士として実践上必要な知識・技能・資質の観点から評価するとしています。
- 合否・採点基準・採点方法などの問い合わせには応じない、とされています。
採点の細かな基準は公開されていません。ただ、協議会の案内は「条件を満たして表現すること」と書いています。問題文の条件を1つも落とさずに描くこと が、公式の案内から確実に言える最低限の目標です。
条件の読み方 — 描き始める前の3分
当日の問題文には、場面の設定と、満たすべき条件が示されます。描き始める前に、条件を書き出して確かめる時間を取ります。練習のときから次の順で読むくせを付けておきます。
- 場面を一文で言い直す。 「どこで・誰が・何をしている場面か」を短くまとめます。
- 条件を数える。 人数(子どもと保育士)、子どもの年齢、場所、季節や時間、表情や動きの指定など、条件ごとに番号を振って数えます(問題文や用紙に書き込んでよいかは、当日の指示に従います)。
- 見て分かる形にする方法を決める。 年齢は体の大きさや頭と体の比率で、季節は服装や背景の植物で、場面は道具や遊具で示す、というように、条件ごとに「絵のどこで伝えるか」を決めます。
- 描き終えたら条件の番号を1つずつ消す。 人数の数え違いや、指定された表情の描き忘れが無いかを最後に確かめます。
45分の時間配分の目安
協議会が時間配分を示しているわけではありません。ぴよパスでは、練習の目安として次の配分をすすめます(合計が45分に収まるように、自分の速さで幅の中から選びます)。
| 段階 | 目安 | やること |
|---|---|---|
| 読む | 3〜5分 | 問題文を読み、条件を番号付きで書き出す |
| 構図 | 5分 | 枠の中の配置(人物・遊具・背景)を薄く下描き |
| 下描き | 10〜15分 | 人物の形・表情・動き、場面の道具 |
| 色塗り | 15〜17分 | 人物から先に、背景は最後に |
| 見直し | 3分 | 条件の番号を1つずつ確かめる |
練習で毎回時間を計り、どの段階で時間が足りなくなるかを記録すると、本番の配分を自分用に直せます。
練習課題 — ぴよパスのオリジナル
次の課題は、協議会の試験の形(保育の一場面・条件つき)に合わせてぴよパスが作ったものです。本試験の問題でも、過去の出題でもありません。 45分を計って描き、最後に条件を1つずつ確かめてください。
- 秋の園庭 — 4歳児3人と保育士1人。落ち葉を集めて遊んでいる。子どもの1人は笑っていて、保育士は子どもと同じ目の高さにかがんでいる。
- 雨の日の保育室 — 3歳児2人と保育士1人。窓の外の雨を見ている。室内であること、雨が降っていることが分かるように描く。
- 砂場 — 2歳児2人と保育士1人。砂場でカップを使って遊んでいる。子どもの1人が保育士に何かを見せようとしている。
- 製作の時間 — 5歳児4人と保育士1人。机を囲み、はさみや紙で何かを作っている。子どもたちの表情がそれぞれ違うように描く。
- 夏の水遊び — 4歳児3人と保育士1人。たらいやじょうろで水遊びをしている。夏の季節が分かるように描く。
- 散歩 — 3歳児4人と保育士2人。公園まで歩いて散歩している。保育士の1人は列の先頭、もう1人は後ろにいる。
- ごっこ遊び — 5歳児3人と保育士1人。お店屋さんごっこをしている。店の人とお客の役の違いが分かるように描く。
- 冬の朝の登園 — 4歳児2人と保育士1人と保護者1人。冬の服装で、園の入口であいさつをしている。
課題ごとに「人数」「年齢」「場所」「季節」「表情や動き」の条件を書き出してから描くと、当日の問題文を読む練習にもなります。
練習の進め方
- 人物を先に練習する。 子どもと大人の体の大きさの違い、横向き・しゃがむ・座るなどの動き、笑う・泣く・驚くなどの表情を、短い時間で描けるようにしておきます。
- 場面の道具を決めておく。 砂場のカップ、園庭の遊具、机といすなど、よく使う道具の描き方を用意しておくと、構図にかかる時間が減ります。
- 色の組み合わせを固定する。 肌・髪・服・背景の色を決め、塗る順番も決めておくと、45分で塗り終えられます。
- 描いたら条件で自己採点する。 協議会の採点基準は公開されていないので、少なくとも「条件をすべて満たしているか」を自分で確かめます。
令和8年後期の日程
- 筆記試験: 令和8年10月24日(土)・25日(日)
- 実技試験受験票(筆記試験結果)の送付: 令和8年11月30日(月)から12月7日(月)
- 実技試験: 令和8年12月13日(日)。集合時間は実技試験受験票で確かめます。
- 実技試験の結果の公開: 令和9年1月12日(火)10時予定
実技は、筆記試験と同じ都道府県で受けます。
筆記試験の結果の公開(11月30日)から実技試験(12月13日)までは13日しかありません。造形を選んでいる人は、筆記試験(10月24日・25日)が終わったら、結果を待たずに45分で描く練習を始めておくと安心です。
音楽・言語を選ぶ人へ
造形のほかの分野(音楽の弾き歌い・言語の3分間のお話)の課題と決まり、2分野の選び方は保育士試験の実技とはにまとめています。
練習問題と模擬試験
筆記の9科目の練習問題は保育士試験のページから無料で解けます。9科目を、各科目の問題数と時間を半分にして1回で通して解く模擬試験は Premium の機能です(ぴよパスの問題はすべて1つを選ぶ形です)。
まとめ
- 造形の当日の問題文は、協議会の過去の試験問題のページで公開されていない。合格作品・不合格作品の公開も、協議会のサイトでは見当たらない。
- 当日の問題文と条件で保育の一場面を45分で描く。A4判で枠は縦横19cm、用具は鉛筆・色鉛筆・消しゴム・腕時計(色鉛筆のケースも机に置ける)。
- 各分野50点満点で2分野とも6割以上。正副2人の試験委員の平均点で採点される。
- 公式の案内から確実に言える目標は「条件をすべて満たして描く」こと。条件を番号付きで書き出してから描く練習をする。
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出典
- 一般社団法人 全国保育士養成協議会「実技試験(後期)概要」(令和8年): https://www.hoyokyo.or.jp/exam/guidance/practicalexam2.html
- 同「過去の試験問題」(2026年10月21日に確認): https://www.hoyokyo.or.jp/exam/pasttest/past-test.html
- 同「令和8年保育士試験[後期]」: https://www.hoyokyo.or.jp/exam/guidance/reiwa-8-2nd.html
- 同「実技試験受験票(筆記試験結果)」の送付: https://www.hoyokyo.or.jp/exam/guidance/notification2.html
- 同「試験結果(後期)」: https://www.hoyokyo.or.jp/exam/result02.html
- 同「よくあるご質問」: https://www.hoyokyo.or.jp/exam/qa/
- 同「試験会場」(筆記試験と実技試験は同じ都道府県で受験): https://www.hoyokyo.or.jp/exam/guidance/venue.html
- 同「令和7年実技試験(後期)試験分野」「令和8年実技試験(前期)試験分野」(過去の試験問題のページからリンクされている実技の概要): https://www.hoyokyo.or.jp/exam/guidance/practicalexam07-2.html ・ https://www.hoyokyo.or.jp/exam/guidance/practicalexam08-1.html
- 同 以前の実技試験の概要(インターネット・アーカイブの保存版。平成24年・平成25年・平成26年): https://web.archive.org/web/20130602021512/http://www.hoyokyo.or.jp:80/exam/pasttest/18.html ・ https://web.archive.org/web/20220529051328/https://www.hoyokyo.or.jp/exam/pasttest/20.html ・ https://web.archive.org/web/20181115234014/http://www.hoyokyo.or.jp:80/exam/pasttest/22.html
- 国の通知「保育士試験の実施について」(平成15年12月1日 雇児発第1201002号。最終改正 令和8年2月27日 こ成基第16号。協議会のサイトに掲載): https://www.hoyokyo.or.jp/implementation.pdf


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