保育士試験の「一問一答」は、1つの記述が正しいか誤りかを素早く判定する練習です。 本番の筆記試験は選択式ですが、記述を1つずつ○×で判定する問題がいちばん多く、選択肢を1つずつ判定すれば、多くの問題を一問一答として使えます。無料で使える材料は、全国保育士養成協議会が公開している過去の試験問題と、ぴよパスの予想問題です。
- 筆記試験は9科目160問のマークシート(教育原理と社会的養護は各10問、ほかの7科目は各20問)。合格は科目ごとに満点の6割以上です。
- 本番でいちばん多いのは、A〜Dなどの記述を1つずつ○×で判定し、その組み合わせを選ぶ問題です。一問一答の練習は、そのまま本番の部品になります。
- 5つの選択肢がそれぞれ記述になっている問題なら、1つずつ○×で判定して答え合わせすると、5問分の一問一答になります。○×の組み合わせを選ぶ問題なら、A〜Dなどの記述の数だけの一問一答です。
- アプリや問題集は、改正への対応・選択肢ごとの解説と根拠・9科目すべての収録を確かめて選びます。
選択肢を1つずつ判定する練習は、科目ごとの練習問題でそのまま始められます。たとえばぴよパスの社会福祉・子ども家庭福祉・教育原理の練習問題は、法令の条文を根拠にした記述が多く、1つずつ○×で確かめやすい科目です。どれもぴよパスのオリジナル予想問題で、本試験の問題ではありません。
この記事では、一問一答と本番の形の違い、無料で使える材料、選択式の問題を一問一答に分けて解く方法を、協議会の案内と法令(e-Gov法令検索・2026年10月21日の版)で確かめながら整理します。
一問一答と本番の形の違い
令和8年前期の筆記試験は、次の9科目で行われました(協議会の筆記試験の案内と、同じ回の公開問題による)。
| 科目 | 満点 | 試験時間 | 問題数 |
|---|---|---|---|
| 保育の心理学 | 100点 | 60分 | 20問 |
| 保育原理 | 100点 | 60分 | 20問 |
| 子ども家庭福祉 | 100点 | 60分 | 20問 |
| 社会福祉 | 100点 | 60分 | 20問 |
| 教育原理 | 50点 | 30分 | 10問 |
| 社会的養護 | 50点 | 30分 | 10問 |
| 子どもの保健 | 100点 | 60分 | 20問 |
| 子どもの食と栄養 | 100点 | 60分 | 20問 |
| 保育実習理論 | 100点 | 60分 | 20問 |
筆記試験はマークシート方式で、選択肢は1〜5の5つです。正答の数は問題文に示され、示された数と違う数を答えると不正解になります(公開されている問題用紙の表紙の注意事項)。
協議会が公開している令和8年前期の問題(160問)を、ぴよパスが問題文の指示で分けて数えたところ、形は次のとおりでした(1つの問が2つの形に当たることがあります)。
| 本番の問題の形 | 令和8年前期の問題数 |
|---|---|
| A〜D(またはA〜C、A〜E)の記述を○×で判定し、その組み合わせを1つ選ぶ | 57問 |
| 正答を2つ選ぶ | 16問 |
| 正答を3つ選ぶ | 15問 |
| 事例を読んで答える | 18問 |
| ほか(適切・不適切なものを1つ選ぶ、空欄にあてはまる語句の組み合わせ、Ⅰ群とⅡ群を結びつける、並べ替えなど) | 残り |
空欄にあてはまる語句の組み合わせを選ぶ問題や、Ⅰ群とⅡ群を結びつける問題のように、記述の正誤を問わない形もあります。一問一答は、この中の 1つの記述の正誤を判定する力 を鍛える練習です。いちばん多い○×の組み合わせの問題は、A〜Dを1つずつ判定できれば答えが決まります。2つ・3つ選ぶ問題も、5つの選択肢を1つずつ判定する点は同じです。一方で、60分で20問を解く時間の感覚や、事例の読み取りは一問一答では身につきにくいので、本番の形の問題も解いておきます。
合格のしくみ — 科目ごとに6割
- 各科目で満点の6割以上を取ると、その科目が合格です。9科目の合計では判定しません。
- 教育原理と社会的養護は、同じ回の試験で両方とも6割以上が必要です。
- 合格した科目は、合格した年を含めて3年間有効です(保育所などで働いた期間に応じて延びる場合があります)。
科目ごとの判定なので、苦手な科目を一問一答で集中的に埋める、という使い方が効きます。
無料で使える一問一答の材料
| 材料 | 何がある | 一問一答としての使い方 |
|---|---|---|
| 協議会の「過去の試験問題」 | 直近2回分の筆記試験の問題と正答(解説は無い) | 選択肢を1つずつ○×で判定し、正答と照らす。誤りの選択肢は、どこが違うかを教科書や法令で自分で確かめる |
| ぴよパスの予想問題 | 9科目の選択式の問題と、選択肢ごとの正誤の理由を書いた解説(法令の条文などの出典つき) | 選択肢を1つずつ○×で判定し、解説で1つずつ答え合わせする |
協議会の過去の試験問題は、2026年10月21日の時点で直近の2回分(令和8年前期・令和7年後期)が載っています。保育実習理論の楽譜を使う問題には、著作権の関係で楽譜が公表されていない問もあります(令和8年前期は問1・問4・問5)。場所と中身は、保育士試験の過去問はどこにあるにまとめています。協議会は「講習会の開催や参考書等入手方法の案内は、一切行っておりません」としていて(協議会の「よくあるご質問」)、協議会のサイトに学習用のアプリや一問一答の案内も見当たりません(2026年10月21日に確認)。
選択式の問題を一問一答に分けて解く — 例題
ぴよパスの予想問題から1問を、5つの一問一答に分けてみます(本試験の問題ではありません)。
もとの問題(教育原理) 教育の機会均等と義務教育に関する法令の規定の記述として、最も不適切なものを一つ選ぶ問題です。
| 記述 | ○× | 根拠 |
|---|---|---|
| 教育基本法は、国民は人種、信条、性別、社会的身分、経済的地位又は門地によって、教育上差別されないと定めている | ○ | 教育基本法第4条第1項 |
| 教育基本法は、国及び地方公共団体が、能力があるにもかかわらず経済的理由によって修学が困難な者に奨学の措置を講じなければならないと定めている | ○ | 教育基本法第4条第3項 |
| 教育基本法は、国公立の学校における義務教育について、授業料を徴収しないと定めている | ○ | 教育基本法第5条第4項 |
| 教育基本法第5条第1項は、保護者がその子に受けさせる普通教育の年限を9年と直接定めている | × | 第5条第1項は「別に法律で定めるところにより」とし、年限を書いていない。9年は学校教育法第16条 |
| 学校教育法は、保護者は子に9年の普通教育を受けさせる義務を負うと定めている | ○ | 学校教育法第16条 |
5つの記述を1つずつ判定すると、×は1つだけなので、答えは「教育基本法第5条第1項は、保護者がその子に受けさせる普通教育の年限を9年と直接定めている」です。1問を解くあいだに、教育基本法の機会均等・奨学・授業料と、学校教育法の9年という5つの論点を確かめたことになります。 この問題を解く →
この解き方のよいところは、正解の選択肢だけでなく、間違いの選択肢がなぜ間違いかまで覚えられる ことです。本番で同じ論点が別の言い回しで出ても判定できます。
アプリ・問題集を選ぶときの3つの確認
アプリストアや書店には、保育士試験の一問一答のアプリや問題集がいくつもあります。どれを使うにしても、次の3つは確かめておきます。
- 改正に合わせて直されているか。 保育士試験は、児童福祉法などの法令や、保育所保育指針などの国の指針から多く出ます。令和8年後期の筆記試験は「令和8年4月1日以前に施行されたもの」に基づいて出題されます(協議会の筆記試験の案内)。版や更新の日付を見て、古い内容のままでないかを確かめます。
- 選択肢ごとの解説と根拠があるか。 答えの番号だけでなく、誤りの記述がどこで誤りかと、その根拠(法令の条文や指針の箇所)が書かれていると、自分で確かめ直せます。
- 9科目すべてを扱っているか。 合格は科目ごとの判定なので、苦手な科目が抜けている教材では足りません。保育実習理論の音楽の問題(楽譜を読む問題)のように、一問一答にしにくい分野もあります。
ぴよパスは、9科目の練習問題をブラウザで無料で解けます(アプリのインストールは要りません)。解説には、選択肢ごとの正誤の理由と出典を書いています。楽譜を読み取る問題と、造形の問題は収録していません。
一問一答の進め方
- 科目ごとに、記述を1つずつ判定する。 答えの番号を1つ当てて終わりにせず、選択肢やA〜Dの記述をそれぞれ「○か×か、なぜか」で判定します。
- 間違えた記述は、どこが入れ替わっていたかを書き出す。 法令名の取り違え(教育基本法と学校教育法など)、数字、主語(国か都道府県か市町村か)が多い入れ替えです。
- 教育原理と社会的養護は一緒に仕上げる。 同じ回に両方6割以上が必要なので、片方だけ先に進めないようにします。
- 最後は本番の形で時間を計る。 60分20問(教育原理・社会的養護は30分10問)の時間の感覚は、一問一答では身につきません。
令和8年後期の筆記試験は10月24日(土)・25日(日)で、筆記試験の結果と正答は11月30日(月)に公開される予定です(協議会)。
科目ごとの勉強の順番と、独学の進め方は保育士資格は独学で取れる?で、科目ごとの覚え方は社会福祉の覚え方などの記事で説明しています。
練習問題と模擬試験
9科目の練習問題は保育士試験のページから無料で解けます。9科目を、各科目の問題数と時間を半分にして1回で通して解く模擬試験は Premium の機能です(ぴよパスの問題はすべて1つを選ぶ形です)。
まとめ
- 一問一答は、1つの記述の正誤を判定する練習。本番でいちばん多い○×の組み合わせの問題の部品になり、記述の正誤を問う問題なら、選択肢を1つずつ○×で判定して一問一答として使える。
- 無料の材料は、協議会の過去の試験問題(直近2回分・正答のみ)と、ぴよパスの予想問題(9科目・選択肢ごとの解説つき)。
- アプリや問題集は、改正への対応・選択肢ごとの解説と根拠・9科目すべての収録を確かめて選ぶ。
- 合格は科目ごとに6割。教育原理と社会的養護は同じ回にそろえる。最後は本番の形で時間を計って解く。
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出典
- 一般社団法人 全国保育士養成協議会「筆記試験(前期)概要」「筆記試験(後期)概要」: https://www.hoyokyo.or.jp/exam/guidance/writtenexam1.html ・ https://www.hoyokyo.or.jp/exam/guidance/writtenexam2.html
- 同「令和8年前期の筆記試験問題・正答」(問題用紙の PDF。形の数はぴよパスが数えたもの): https://www.hoyokyo.or.jp/exam/pasttest/08-1.html
- 同「試験結果(後期)」: https://www.hoyokyo.or.jp/exam/result02.html
- 同「実技試験受験票(筆記試験結果)」の送付(筆記試験の正答の掲載日): https://www.hoyokyo.or.jp/exam/guidance/notification2.html
- 同「過去の試験問題」: https://www.hoyokyo.or.jp/exam/pasttest/past-test.html
- 同「よくあるご質問」: https://www.hoyokyo.or.jp/exam/qa/
- 国の通知「保育士試験の実施について」(最終改正 令和8年2月27日。協議会のサイトに掲載): https://www.hoyokyo.or.jp/implementation.pdf
- 教育基本法 第4条・第5条(e-Gov法令検索・2026年10月21日の版で確認): https://laws.e-gov.go.jp/law/418AC0000000120
- 学校教育法 第16条(e-Gov法令検索・2026年10月21日の版で確認): https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000026


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