第二種衛生管理者の CBT は「1 問 6 分の余裕配分」を活かす試験
第二種衛生管理者は情報通信・金融・保険・卸売小売・サービス業など有害業務を行わない業種で衛生管理者として選任できる国家資格です。出題は関係法令 10 問・労働衛生 10 問・労働生理 10 問の計 30 問・180 分という構成で、第一種から有害業務関連の 14 問を抜いた形になっています。公益財団法人 安全衛生技術試験協会の最新データで合格率は概ね 55〜60% で推移しており、第一種 (45〜50%) より 10 ポイント以上高くなっています。
CBT 方式 (2022 年 1 月併用開始) で 180 分を使えるため、1 問あたり 6 分の余裕が組めるのが第二種最大の特徴です。第一種は 44 問 180 分で 1 問 4 分しか取れない一方、第二種は 30 問しかないため、3,002 問の解説を作る過程で見えた合格者は「1 問 6 分の余裕を労働生理と労働衛生の数値暗記の精度確認に投資する」という共通行動を取っていました。
第二種衛生管理者 オリジナル予想問題 160 問で実力確認 →
試験構成:30 問 180 分の科目別配点
| 科目 | 問題数 | 配点 | 1 問あたり配分 | 足切り |
|---|---|---|---|---|
| 関係法令 | 10 問 | 各 10 点 (計 100 点) | 4-5 分 | 4 問正解 (40%) |
| 労働衛生 | 10 問 | 各 10 点 (計 100 点) | 4-5 分 | 4 問正解 (40%) |
| 労働生理 | 10 問 | 各 10 点 (計 100 点) | 5-6 分 (図表問題のため) | 4 問正解 (40%) |
| 合計 | 30 問 | 300 点満点 | — | 全体 18 問 (60%) |
第一種と違って科目間の問題数比率が均等 (10:10:10)。各科目で 4 問正解 (40%) の足切りと、全体で 18 問正解 (60%) の合格ラインを両方クリアする必要があります。3 科目で 6 問・6 問・6 問取れば合格という配点なので、得意科目を 8 問、苦手科目を 4 問という戦略も成立します。
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180 分の現実的な配分:1 周 120 分 + 見直し 60 分
180 分すべてを 1 問 6 分で使い切るより、1 周 120 分 + 見直し 60 分に分割する運用が合格者の典型です。
フェーズ 1:1 周目 (120 分) — 1 問 4 分で機械的に処理
| 科目 | 問題数 | 配分時間 | 1 問あたり | フラグルール |
|---|---|---|---|---|
| 関係法令 | 10 問 | 40 分 | 4 分 | 4 分で詰まったらフラグ |
| 労働衛生 | 10 問 | 40 分 | 4 分 | 同上 |
| 労働生理 | 10 問 | 40 分 | 4 分 (図表問題は 5 分まで許容) | 同上 |
| フェーズ 1 計 | 30 問 | 120 分 | — | — |
第一種と違って 1 問 4 分が確保できるため、選択肢の数値を学習内容と照合する余裕が十分にあります。「4 分経過で詰まったらフラグ」というルールを守れば、30 問のうち 22-25 問は 1 周で確実な解答が得られ、フラグは 5-8 問に収まります。
フェーズ 2:見直し (60 分) — フラグ再考 + 足切り確認
| 内容 | 配分時間 | 効果 |
|---|---|---|
| フラグ問題の再考 | 30 分 | フラグ 5-8 問のうち 3-5 問を正答に変更 |
| 科目別正答数の暗算チェック | 20 分 | 関係法令 / 労働衛生 / 労働生理 で 4 問未満の科目を検出 |
| 計算問題の検算 | 5 分 | 気積・換気量の桁ミス防止 |
| 全体正答数とマークシート確認 | 5 分 | 全 30 問の解答状況最終確認 |
CBT 画面で全問の解答状況を一覧できる機能を使い、科目別の正答数を頭の中で推計します。万一いずれかの科目で 3 問正解しか取れていなければ、その科目のフラグ問題を優先的に再考します。
労働生理 10 問:第二種の最大得点源
労働生理は人体機能の基本問題で構成され、第一種・第二種で出題範囲が共通です。第二種では 1/3 を占めるため、ここを取り切ることが合格率 55-60% を超える鍵になります。
労働生理 7 領域の出題比率
| 領域 | 出題数 | 頻出論点 |
|---|---|---|
| 心臓循環系 | 1-2 問 | 拍出量 (1 回 70 mL)、心拍数 60-80/分、血圧 (収縮期 / 拡張期)、刺激伝導系 |
| 呼吸器系 | 1-2 問 | 呼吸中枢 (延髄)、1 回換気量 500 mL、肺活量、ヘモグロビン酸素飽和度 |
| 消化器系 | 1-2 問 | 唾液 (アミラーゼ)・胃液 (ペプシン)・膵液 (リパーゼ・トリプシン)・胆汁 |
| 腎臓尿路 | 1 問 | 糸球体ろ過量 (180 L/日)、尿量 1.5 L/日、ネフロン |
| 神経系 | 1-2 問 | 中枢神経 (脳・脊髄)、自律神経 (交感 / 副交感)、伝達速度 |
| 代謝 | 1 問 | 基礎代謝 (成人男性 1500 kcal)、エネルギー代謝率 RMR |
| 体温調節 | 1 問 | 発汗 (蒸発熱 0.58 kcal/g)、寒冷時の血管収縮 |
3,002 問の解説を作る過程で見えたのは、心臓循環・呼吸器・消化器の 3 領域で計 5-6 問を取れる受験者が労働生理を 7-8 問取り、結果として全体合格圏に入っているという傾向でした。図表問題 (心電図・呼吸サイクル・消化管の構造図など) が多く時間を取られるため、1 問 5 分まで許容する運用が安全です。
労働衛生 10 問:事務所衛生基準規則の数値暗記
労働衛生 10 問は事務所衛生基準規則と労働衛生一般から出題されます。第二種では有害業務 (特化則・電離則等) が含まれない分、事務所環境の数値が頻出します。
暗記すべき事務所環境の数値
| 項目 | 数値 | 根拠法令 |
|---|---|---|
| 気積 | 10 m³ / 人以上 | 事務所衛生基準規則第 2 条 |
| 室温 | 18〜28℃ | 同第 5 条 |
| 相対湿度 | 40〜70% | 同第 5 条 |
| 気流 | 0.5 m / 秒以下 | 同第 5 条 |
| 換気量 | 30 m³ / h / 人 (= 10 m³ × 換気回数 3) | 同第 3 条 |
| 一酸化炭素 | 50 ppm 以下 (現在 10 ppm に強化検討中) | 同第 3 条 |
| 二酸化炭素 | 0.5% (5,000 ppm) 以下、空気調和設備有り 0.1% (1,000 ppm) | 同第 3 条 |
| 一般事務室の照度 | 300-750 lx (JIS Z 9110) | JIS 規格 |
| 一般事務の作業面照度 | 750-1,500 lx | 同 |
| VDT 作業の連続時間 | 1 時間以内、休止 10-15 分 | 厚労省ガイドライン |
| 燃焼器具の点検 | 異常の有無を 1 ヶ月以内 | 事務所衛生基準規則 |
よく出る労働衛生のテーマ
| テーマ | 頻出論点 |
|---|---|
| 受動喫煙対策 | 健康増進法第 25 条 (2020 年改正)、第一種・第二種施設の区分 |
| メンタルヘルス | ストレスチェック制度 (常用 50 人以上)、4 つのケア |
| VDT 作業 | 連続 1 時間以内、画面の輝度・コントラスト |
| 救急処置 | 一次救命処置 (BLS)、止血法、熱中症対策 |
| 食中毒 | 細菌性 (サルモネラ・ブドウ球菌)、ウイルス性 (ノロ)、原因食材 |
関係法令 10 問:労働安全衛生法と施行令の頻出条文
関係法令は労働安全衛生法・労働基準法・労働安全衛生法施行令を中心に出題されます。
頻出条文と数値
| テーマ | 数値 | 根拠 |
|---|---|---|
| 衛生管理者の選任義務 | 常時 50 人以上の労働者 | 安衛法第 12 条 |
| 衛生管理者の選任人数 | 50-200 人で 1 名、201-500 人で 2 名等 | 安衛則第 7 条 |
| 産業医の選任義務 | 常時 50 人以上 | 安衛法第 13 条 |
| 衛生委員会 | 常時 50 人以上、月 1 回開催 | 安衛法第 18 条 |
| 雇入時健康診断 | 全業種、雇入時 | 安衛則第 43 条 |
| 定期健康診断 | 1 年以内ごと 1 回 | 安衛則第 44 条 |
| ストレスチェック | 常時 50 人以上、年 1 回 | 安衛法第 66 条の 10 |
| 安全衛生教育 | 雇入時 + 作業変更時 | 安衛法第 59 条 |
第一種の有害業務問題と違って、関係法令も事業場規模 (50 人 / 100 人 / 200 人 / 500 人) と頻度 (1 ヶ月 / 6 ヶ月 / 1 年) の組合せ問題が中心です。事業場規模別の選任義務を表で整理しておくと、複数選択肢で迷う時間が短縮できます。
CBT 初受験者向け:操作習熟の重要度が第一種より高い理由
第二種の受験者層は情報通信・金融・サービス業の人事総務担当が中心で、CBT 試験を初体験するケースが第一種より多い傾向があります。3,002 問の解説を作る過程で見えたのは、操作習熟の不足で本番の最初の 10-15 分を操作確認に使ってしまい、後半で時間が足りなくなるパターンが第二種特有の落ち方として存在することでした。
試験前に確認すべき CBT の 5 操作
| 操作 | 確認すべきポイント |
|---|---|
| 選択肢のクリック / 解除 | 1 回クリックで選択、再クリックで解除 |
| 次へ / 前へボタン | 画面下部または右上の位置 |
| フラグ機能のオンオフ | 「後で見直す」ボタンの位置・色 |
| 残り時間表示 | 画面右上の「mm:ss」表示 |
| 全問解答状況一覧 | 「問題一覧」ボタンで未解答・フラグ問題を一覧 |
操作習熟の事前準備
| 準備 | 効果 |
|---|---|
| Web 問題集での実機演習 | 本番の操作感に慣れる |
| 体験版 CBT (試験協会公式) | 試験画面そのものに触れる |
| 試験開始前のチュートリアル受講 | 5-10 分の説明を必ず受ける |
残り時間別:30 問を取り切る準備量
| 残り時間 | 労働生理練習 | 労働衛生数値暗記 | 関係法令練習 | CBT 操作習熟 |
|---|---|---|---|---|
| 残り 2 ヶ月 | 7 領域を順に学習 | 事務所衛生基準を表で暗唱 | 安衛法 + 安衛則の主要条文 | Web 問題集で実機練習 |
| 残り 1 ヶ月 | 図表問題 30 問演習 | 数値表の毎日暗唱 | 事業場規模別選任の暗記 | 体験版 CBT を 1 回 |
| 残り 2 週間 | 図表問題 20 問演習 | 数値表の最終確認 | 健康診断頻度の最終確認 | 操作 5 項目の確認 |
| 残り 1 週間 | 弱点領域 5 問再演 | 受動喫煙・VDT の最終確認 | 主要条文の暗唱 | 操作の最終チェック |
| 残り 3 日 | 7 領域の最終暗唱 | 数値表の最終暗唱 | 主要数値の最終確認 | 試験会場までのアクセス確認 |
残り 1 ヶ月の段階で労働生理の図表問題 30 問を解いた人が、本番でも労働生理 7-8 問を確実に取れる傾向があります。
落ちる人の典型 3 パターン
3,002 問の解説を作る過程で見えた、第二種で落ちる受験者の典型パターンです。
パターン 1:労働生理を後回しにして時間切れ
「労働生理は暗記だから本番でも何とかなる」と判断して、模試での演習量を減らすパターン。本番で図表問題に遭遇すると 1 問 5-7 分かかり、最後の 3-4 問が時間切れになります。第二種では労働生理 10 問が 1/3 を占めるため、4 問未満の正解だと足切りで不合格になります。
回避策:残り 1 ヶ月の段階で図表問題 30 問以上を演習し、心電図・呼吸サイクル・消化管構造図に慣れておく。
パターン 2:事務所衛生基準の数値を曖昧に覚える
室温 18〜28℃・湿度 40〜70%・気積 10 m³/人など、選択肢に「室温 15〜25℃」「湿度 30〜60%」「気積 5 m³/人」のような近い数値が並ぶと混乱するパターン。労働衛生 10 問のうち 4-5 問がこの数値暗記問題で構成されています。
回避策:数値暗記表を作成し、毎日 1 回頭の中で再構築する習慣にする。
パターン 3:CBT 操作に戸惑い最初の 15 分を浪費
CBT 試験初体験で「次へボタン」「フラグ機能」の位置が分からず、最初の 15 分を操作確認に使うパターン。第二種は 1 問 6 分の余裕がある試験ですが、操作で 15 分溶かすと残り 165 分 / 30 問 = 1 問 5.5 分になり、見直し時間が短くなります。
回避策:試験開始前のチュートリアルを必ず受け、Web 問題集で実機操作を事前に体験しておく。
合格率 55-60% に入るための CBT チェックリスト
本番で 180 分を回し切るための項目です。
- 試験構成を覚えている — 関係法令 10 / 労働衛生 10 / 労働生理 10 = 30 問
- 1 周 120 分 + 見直し 60 分の配分を体得している — 1 問 4 分で 1 周
- 労働生理 7 領域の論点を即答できる — 心臓・呼吸・消化・腎・神経・代謝・体温
- 事務所衛生基準の数値を暗唱できる — 気積 10 / 室温 18-28 / 湿度 40-70 / 照度 750
- 関係法令の事業場規模別選任を覚えている — 50 / 100 / 200 / 500 人ライン
- CBT の 5 操作を試験前に確認している — 選択 / 次へ / フラグ / 残り時間 / 一覧
- 科目別足切り (4 問正解) を暗算でチェックできる — 各科目別の正答数推計
このチェックリストを模試後に確認し、未達項目を残り時間に応じて潰してください。
第二種衛生管理者 オリジナル予想問題 160 問で実力確認 →
編集部より — 1 問 6 分の余裕は「数値暗記の精度確認」に投資する
3,002 問の解説を作って気づいたのは、第二種の合格者は1 問 6 分の余裕を「速く解く」のではなく「数値を確認する」ことに使うという共通行動でした。落ちる受験者は「第二種は簡単だから早く終わる」と判断して 1 周目で 90 分しか使わず、見直しに 90 分を残しても結局フラグ問題以外を再考しないため、近似値選択肢のミスを潰しきれません。
逆に合格者は 1 周目に 120 分かけて 1 問 4 分の精度で解き、見直し 60 分でフラグ問題と科目別正答数を確認する運用を取ります。第二種を確実に取りに行くなら、1 問 6 分の余裕を選択肢の数値照合に投資し、労働生理・労働衛生の細部の数値で取りこぼさないことが、合格率 55-60% を超えるための最短ルートです。
第一種を目指す計画があるなら、第二種のうちに労働生理と労働衛生 (有害業務を除く) の基礎を完璧に固めておくと、第一種挑戦時に有害業務 14 問の上乗せ学習だけで合格圏に届きます。
出典:
- 公益財団法人 安全衛生技術試験協会 衛生管理者試験 — 試験科目・出題範囲・合格基準
- 労働安全衛生法 (昭和 47 年法律第 57 号)、労働安全衛生法施行令第 9 条 (衛生管理者免許の種類)
- 事務所衛生基準規則 (気積 10 m³/人・室温 18-28℃・湿度 40-70%・換気)
- JIS Z 9110 照度基準 (一般事務の作業面照度 750 lx 以上)
- 健康増進法 (2020 年改正・受動喫煙防止)、厚労省 VDT 作業ガイドライン
※法令の数値・区分は改正により変動するため、e-Gov 法令検索で最新条文を確認してください。

































































