結論を先に:第二種は3科目30問、有害業務なし。労働衛生一般と労働生理が主役
第二種衛生管理者は 関係法令(有害業務を除く)10問・労働衛生(有害業務を除く)10問・労働生理10問 の合計30問。合格基準は 各科目40%以上(各4問) かつ 全体60%以上(30問中18問以上) で、1科目でも4割を切ると足切りになる。
第一種との最大の違いは、有害業務に関する問題が一切出ないこと。特化則・有機則・制御風速・特殊健康診断といった有害物質の論点は範囲外だ。そのぶん、労働衛生一般(WBGT・事務所衛生基準・情報機器作業)と労働生理(循環器・呼吸・腎臓)が主役になる。3科目とも10問ずつで配点が等しいため、どの科目も捨てられない。
| 科目 | 問題数 | 合格に必要な正解数 | 最頻出分野 |
|---|---|---|---|
| 関係法令(有害業務を除く) | 10問 | 4問以上(足切り40%) | 選任要件・衛生委員会・健康診断 |
| 労働衛生(有害業務を除く) | 10問 | 4問以上(足切り40%) | WBGT・事務所衛生基準・情報機器作業 |
| 労働生理 | 10問 | 4問以上(足切り40%) | 心臓と血液循環・呼吸・腎臓 |
全30問・試験時間3時間の紙マークシート試験(2026年5月時点でCBT未導入)。合格率は令和6年度で約50%(49.8%)だ。
最頻出:WBGT基準値/事務所衛生基準/情報機器作業/選任要件/循環器
30問のうち、毎回ほぼ確実に出る分野をまとめた。有害業務がないぶん、労働衛生一般と労働生理の数値・仕組みが得点の中心になる。
労働衛生の最頻出①:温熱環境とWBGT基準値
暑熱環境の評価指標である WBGT(湿球黒球温度、暑さ指数) は第二種の最頻出論点だ。身体作業強度(作業のきつさ)に応じて基準値が定められている。
| 身体作業強度 | WBGT基準値 | 例 |
|---|---|---|
| 重度の作業 | 28 ℃ | 重量物の運搬・激しい作業 |
| 中等度の作業 | 31 ℃ | 通常の歩行を伴う作業 |
| 軽度の作業 | 33 ℃ | 座位・軽い手作業 |
ポイントは「作業強度が高いほど基準値が低い」という関係だ。きつい作業ほど熱中症のリスクが高く、許容できる暑さ指数が下がる。数値と作業強度の対応を入れ替えた選択肢が頻出なので、「重度28<中等度31<軽度33」と覚える。あわせて温熱の4要素(気温・湿度・気流・ふく射熱)も頻出だ。
労働衛生の最頻出②:事務所衛生基準規則
第二種の受験者が選任される事業場(オフィス・サービス業など)に直結する事務所衛生基準規則は頻出の核心だ。室内環境の基準値が問われる。
| 項目 | 基準 |
|---|---|
| 室温(努力目標) | 18℃以上28℃以下になるよう努める |
| 相対湿度(努力目標) | 40%以上70%以下になるよう努める |
| 気流 | 0.5 m/s以下(直接、継続して当てない) |
| CO(一酸化炭素)濃度 | 50 ppm以下(中央管理方式の空調では10ppm以下) |
| CO2(二酸化炭素)濃度 | 5,000 ppm以下(中央管理方式の空調では1,000ppm以下) |
数値の暗記がそのまま得点になる。とくに「室温18〜28℃」「湿度40〜70%」「CO2は1,000ppm以下(中央管理方式)」は出題頻度が高い。
労働衛生の最頻出③:情報機器作業ガイドライン
パソコン作業の健康影響に関する情報機器作業ガイドラインも頻出。数値とともに作業姿勢が問われる。
| 項目 | ガイドラインの目安 |
|---|---|
| ディスプレイ画面上の照度 | 500 ルクス以下 |
| 書類・キーボード上の照度 | 300 ルクス以上 |
| 連続作業時間 | 一連続作業1時間を超えないようにし、作業途中に休止を設ける |
| 視距離 | おおむね40cm以上 |
「ディスプレイは明るいほどよい」と誤認させる選択肢が定番だが、画面はむしろ500ルクス以下に抑える点に注意する。
関係法令の最頻出:衛生管理者・産業医の選任要件
関係法令で毎回出るのが選任要件だ。第二種では有害業務がない業種(情報通信・金融保険・卸売小売・サービス業など)での選任が問われる。
| 事業場の規模(常時使用労働者数) | 衛生管理者の選任人数 |
|---|---|
| 50人以上 200人以下 | 1人以上 |
| 200人超 500人以下 | 2人以上 |
| 500人超 1,000人以下 | 3人以上 |
| 1,000人超 2,000人以下 | 4人以上 |
| 2,000人超 3,000人以下 | 5人以上 |
| 3,000人超 | 6人以上 |
あわせて押さえる関連数値:
- 衛生管理者の選任義務:常時50人以上の事業場
- 産業医の選任:常時50人以上の事業場
- 専属の産業医:常時1,000人超の事業場
- 総括安全衛生管理者:業種により100〜1,000人以上で選任
「50人」「500人」「1,000人」のしきい値を入れ替えた選択肢が定番。人数表ごと暗記しておく。
労働生理の最頻出:心臓と血液循環・呼吸・腎臓
労働生理10問は全体の3分の1を占める得点源だ。中でも循環器・呼吸・腎臓の3テーマが毎回出る。
| テーマ | 押さえる要点 |
|---|---|
| 心臓と血液循環 | 体循環(大循環)と肺循環(小循環)、動脈血と静脈血、心拍数と心拍出量 |
| 呼吸 | 肺胞でのO2/CO2ガス交換、呼吸中枢は延髄、外呼吸と内呼吸 |
| 腎臓と尿 | 糸球体でろ過→尿細管で再吸収、尿の生成、老廃物の排泄 |
専門用語の暗記より「働きの流れ」を理解すると選択肢の正誤判定がしやすい。計算がなく暗記中心なので、直前期でも伸ばしやすい分野だ。
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頻出ランク:採光照明・食中毒・一次救命/衛生委員会/神経系・内分泌
最頻出を固めた後、2〜3回に1回出る頻出ランクに着手して合格ラインに上乗せする。
労働衛生頻出:採光照明・換気・食中毒・一次救命処置・メンタルヘルス
| テーマ | 要点 |
|---|---|
| 採光・照明 | 全般照明と局部照明(局部照明は全般照明の10分の1以上が目安)、グレア対策 |
| 換気 | 必要換気量、室内CO2濃度を指標に換気量を算出 |
| 食中毒 | 細菌性(サルモネラ・腸炎ビブリオ・黄色ブドウ球菌)と毒素型・感染型の区別、ノロウイルス |
| 一次救命処置 | 胸骨圧迫(30回:人工呼吸2回)、AEDの使用手順 |
| メンタルヘルス | 4つのケア(セルフ・ライン・事業場内・事業場外)、ストレスチェック制度 |
食中毒は「細菌名と感染型/毒素型の組み合わせ」、一次救命処置は「胸骨圧迫の回数比」が定番のひっかけだ。
関係法令頻出:衛生委員会・健康診断・安全衛生教育
| 項目 | ポイント |
|---|---|
| 衛生委員会 | 常時50人以上で設置義務、毎月1回以上開催、議長以外の半数は労働者側の推薦 |
| 一般健康診断 | 雇入れ時健診と定期健診(1年以内ごとに1回)、結果の記録は5年保存 |
| 安全衛生教育 | 雇入れ時・作業内容変更時に実施 |
「衛生委員会は3ヶ月に1回」「定期健診は2年ごと」のような頻度の誤りが定番のひっかけだ。
労働生理頻出:神経系・内分泌・代謝・体温調節
| テーマ | 押さえる要点 |
|---|---|
| 神経系 | 中枢神経と末梢神経、自律神経(交感神経・副交感神経)の拮抗作用 |
| 内分泌(ホルモン) | ホルモンと分泌器官・作用の対応(インスリンと血糖など) |
| 代謝 | 基礎代謝量、エネルギー代謝率(RMR) |
| 体温調節 | 産熱と放熱のバランス、発汗による熱放散、恒常性(ホメオスタシス) |
第二種の数値まとめ:労働衛生一般の暗記表
第二種の合否は労働衛生一般と労働生理で決まる。中でも数値の暗記が得点に直結する労働衛生一般の項目を、1枚に集約した暗記表としてまとめておく。
暗記表①:WBGT基準値(作業強度別)
| 作業強度 | WBGT基準値 | 覚え方 |
|---|---|---|
| 重度の作業 | 28 ℃ | きついほど低い |
| 中等度の作業 | 31 ℃ | 中間 |
| 軽度の作業 | 33 ℃ | 楽なほど高い |
暗記表②:事務所衛生基準の主要数値
| 項目 | 基準 |
|---|---|
| 室温(努力目標) | 18〜28℃ |
| 相対湿度(努力目標) | 40〜70% |
| CO2濃度(中央管理方式) | 1,000 ppm以下 |
| CO濃度(中央管理方式) | 10 ppm以下 |
暗記表③:情報機器作業の照度
| 対象 | 照度 |
|---|---|
| ディスプレイ画面上 | 500 ルクス以下 |
| 書類・キーボード上 | 300 ルクス以上 |
この3表を直前に見返せるようにしておくと、労働衛生10問のうち数値系の取りこぼしを防げる。
出れば取るランク:受動喫煙・腰痛予防の細目と労働生理の細目
試験本番までの残り時間が少ないなら、ここは深追いせず最頻出の確認を優先する。一方、時間に余裕があれば1問の上乗せを狙える分野をまとめた。
労働衛生の細かいテーマ
| テーマ | 出れば取るポイント |
|---|---|
| 受動喫煙対策 | 屋内禁煙・喫煙専用室の考え方(健康増進法・職場の受動喫煙防止ガイドライン) |
| 腰痛予防 | 重量物取扱い作業の上限の目安、作業姿勢の改善 |
| 健康保持増進(THP) | 事業場における労働者の健康保持増進のための指針の概要 |
労働生理の細目
感覚器(視覚・聴覚・平衡感覚)、筋肉(横紋筋と平滑筋、等尺性収縮と等張性収縮)、睡眠(レム睡眠とノンレム睡眠)、ストレス(ストレス反応と自律神経・内分泌の関わり)は、出題されれば暗記で取れる。ただし最頻出の循環器・呼吸・腎臓を完璧にしてからの上乗せ用と位置づける。
捨て判断の基準
試験まで2週間以内なら、出れば取るランクへの新規投資は最小化し、WBGT・事務所衛生基準の数値と選任要件、労働生理の3テーマを繰り返し確認する方が得点期待値が高い。
紙のマークシート試験向け:頻出分野の効率的な演習法
衛生管理者試験は、全国7ヶ所の安全衛生技術センターで毎月複数回行われる紙のマークシート試験だ。2026年5月時点でCBT(コンピュータ試験)は導入されておらず、試験日が限られるぶん、出題日から逆算した計画が重要になる。
第二種は3科目均等配点を意識する
30問が関係法令10・労働衛生10・労働生理10と均等に分かれており、各科目40%(各4問)の足切りがある。苦手科目を1つでも作ると足切りで不合格になるため、3科目をバランスよく仕上げる必要がある。とくに文系受験者がつまずきやすい労働生理を後回しにしないことが重要だ。
頻出分野の演習サイクル
| フェーズ | 対象 | 演習内容 |
|---|---|---|
| フェーズ1(最初の1週間) | 関係法令の最頻出 | 選任要件・衛生委員会・健康診断を集中・1日20問 |
| フェーズ2(2週目) | 労働衛生の最頻出 | WBGT・事務所衛生基準・情報機器作業を追加し30問/日 |
| フェーズ3(3週目) | 労働生理の最頻出 | 循環器・呼吸・腎臓を集中、3科目を混在で演習 |
| フェーズ4(試験3日前) | 数値系の総確認 | WBGT・事務所衛生基準・選任人数の3表を総確認 |
直前の「1枚まとめ」戦略
試験直前に見返せる「1枚まとめ」を作ると効果的だ。最低限盛り込む内容:
- WBGT基準値(重度28/中等度31/軽度33℃)
- 事務所衛生基準(室温18〜28℃/湿度40〜70%/CO2は中央管理方式で1,000ppm以下)
- 情報機器作業の照度(ディスプレイ500ルクス以下/書類・キーボード300ルクス以上)
- 衛生管理者・産業医の選任のしきい値(50・500・1,000人)
まとめ:労働衛生一般と労働生理を軸に頻出分野を攻略する
第二種衛生管理者の頻出分野を3ランクで整理すると、学習優先順位が明確になる。第一種と違い有害業務が出ないため、労働衛生一般と労働生理が得点の主役だ。
最優先(毎回出る):
- 労働衛生:WBGT基準値(重度28/中等度31/軽度33℃)、事務所衛生基準、情報機器作業
- 関係法令:衛生管理者・産業医の選任要件(50・500・1,000人のしきい値)
- 労働生理:心臓と血液循環・呼吸・腎臓の基本
次に着手(2〜3回に1回):
- 労働衛生:採光照明・換気・食中毒・一次救命処置・メンタルヘルス
- 関係法令:衛生委員会・健康診断・安全衛生教育/労働生理:神経系・内分泌・代謝・体温調節
余裕があれば(低頻度):
- 労働衛生:受動喫煙対策・腰痛予防・THP
- 労働生理:感覚器・筋肉・睡眠・ストレスの細目
第二種は30問・各科目40%以上かつ全体60%以上が合格ライン。3,000問超のオリジナル予想問題で本番形式の演習を重ねることで、労働衛生一般と労働生理を含む頻出分野の理解が定着する。
出典:
- 公益財団法人 安全衛生技術試験協会 衛生管理者試験 — 試験概要・受験案内・合格率
- 労働安全衛生法(昭和47年法律第57号)・労働安全衛生規則・事務所衛生基準規則
- 職場における熱中症予防基本対策要綱(WBGT基準値)・情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン
よくある質問
Q1. 第二種と第一種の出題範囲はどこが違いますか?
第二種は有害業務に関する問題が出題されず、関係法令10問・労働衛生10問・労働生理10問の計30問。第一種は有害業務(特化則・有機則・制御風速など)を含む44問。つまり第二種は有害物質の論点が範囲外で、労働衛生一般(WBGT・事務所衛生基準)と労働生理が中心になる。労働生理10問は両試験で共通だ。
Q2. 第二種で最も差がつくのはどの科目ですか?
3科目とも10問ずつで配点が等しいため、苦手科目を作らないことが最重要。文系受験者は労働生理(循環器・呼吸・腎臓など)でつまずきやすく、ここで足切り(各科目40%)に引っかかるケースがある。逆に労働生理は計算がなく暗記で伸ばせるので、循環器・呼吸・腎臓の3テーマを早めに固めると安定する。
Q3. WBGT基準値はどう覚えればよいですか?
「重度の作業28℃<中等度の作業31℃<軽度の作業33℃」と、作業がきついほど基準値が低くなる関係で覚える。きつい作業ほど熱中症リスクが高いため、許容できる暑さ指数が下がる、と理解すると数値と作業強度の対応を間違えにくい。試験では数値と作業強度を入れ替えた選択肢が定番だ。
Q4. 事務所衛生基準の数値で特に出やすいのはどれですか?
室温の努力目標18〜28℃、相対湿度40〜70%、そして中央管理方式の空気調和設備でのCO2濃度1,000ppm以下が頻出。情報機器作業のディスプレイ画面上の照度500ルクス以下とあわせて、数値を入れ替えた選択肢で問われることが多いので、表ごと暗記しておくと確実だ。
Q5. 衛生管理者試験はCBTで受けられますか?
2026年5月時点では受けられない。衛生管理者試験は全国7ヶ所の安全衛生技術センターで毎月複数回行われる紙のマークシート試験で、CBTは導入されていない。試験日が限られるため、公表されている試験日から逆算して学習計画を立てる必要がある。




























































