合格しただけでは免許ではない — 免許申請で初めて衛生管理者の資格になる
第二種衛生管理者の試験に合格した人は、免許申請をして都道府県労働局長から免許証の交付を受けて、初めて衛生管理者として選任される資格を持ちます(労働安全衛生法第72条)。合格後に本人がすることは免許申請だけで、事業場での選任と労働基準監督署長への報告は事業者が行います。
| 手続き | 誰が | どこへ | 目安 |
|---|---|---|---|
| 免許申請 | 本人 | 東京労働局免許証発行センター(郵送)またはマイナポータル | 合格後、遅滞なく。不備がなければ受付からおおむね1か月以内に免許証を発送 |
| 選任 | 事業者 | ― | 選任すべき事由が発生した日から14日以内 |
| 選任の報告 | 事業者 | 所轄の労働基準監督署長 | 選任後、遅滞なく。2025年1月から原則電子申請 |
免許試験合格通知書は、結果発表日(試験日からおおよそ7日後)にはがきで郵送されます。発表日から7〜10日過ぎても届かない場合は、受験した安全衛生技術センター(試験場)へ本人が連絡します(協会のよくある質問は10日以上、東京試験場の案内は7日を目安にしています)。合格発表の見方は衛生管理者の合格発表・合格通知書の記事にまとめています。
提出先は東京労働局免許証発行センター(窓口なし・簡易書留で郵送)
安全衛生技術試験協会の免許試験に合格した人の新規免許申請は、住んでいる都道府県にかかわらず、次の宛先へ簡易書留で郵送します。免許証発行センターに窓口はなく、直接持参はできません。
〒108-0014 東京都港区芝5-35-2 安全衛生総合会館2階 東京労働局免許証発行センター
| 宛先 | 対象になる人 |
|---|---|
| 東京労働局免許証発行センター | 免許試験「合格」通知書を持っている人の新規申請(第二種衛生管理者の合格者はここ) |
| 住所地を管轄する都道府県労働局 | 免許試験「結果」通知書で申請する人、無試験で免許を受ける人、新規申請と同時に氏名変更の書替や紛失の再交付を行う人 |
安全衛生技術試験協会や各地の安全衛生技術センターは試験の実施機関で、免許申請は受け付けません。誤って送ると受け取り拒否や着払いでの返送になります。免許証発行センターは送付物の到着確認に応じないので、簡易書留の追跡番号で自分で到着を確認します。
マイナポータルからの電子申請
2026年3月からマイナポータルでの免許申請ができるようになりました(従来のe-Govからの電子申請は受付終了)。手数料は1,450円のオンライン決済で、申請情報の入力後すみやかに納付しないと審査が進みません。電子申請でも、切手460円分を貼った免許証送付用封筒(既に労働安全衛生法の免許証を持っている人はその原本も)を、外側の封筒に「マイナポータル申請」と書いて別途郵送します。免許試験合格通知書の添付漏れが多いと厚生労働省が注意喚起しているので、申請時に確認してください。新規申請と同時に書替や再交付が必要な人はマイナポータルを使えず、紙の申請書で手続きします。
必要書類6点と費用
厚生労働省「免許試験合格者等のための免許申請書等手続の手引き」に基づく、紙で申請する場合の書類です。従来「4点」と説明されることがありますが、本人確認証明書と返送用の封筒・切手も必要です。
| 書類 | 注意点 |
|---|---|
| 免許申請書(様式第12号) | 2026年3月から新様式。厚生労働省サイトからダウンロードするか、労働基準監督署・都道府県労働局・安全衛生技術センターで入手。黒のボールペンで枠内に、氏名は戸籍上の文字を楷書で記入 |
| 免許試験合格通知書 | 原本を添付する。申請書の裏面には貼らない |
| 写真1枚 | 横24mm×縦30mm(自動車運転免許証サイズ)、申請前6か月以内、上三分身・正面・脱帽・無背景。裏面に氏名を書く |
| 収入印紙1,500円分 | 申請書の裏面に貼る。1枚で1,500円の印紙はないので組み合わせ、3枚以上は縦に並べる。消印はしない。都道府県の証紙は不可 |
| 本人確認証明書 | 顔写真付きの公的書面1種類(自動車運転免許証の表裏、マイナンバーカードの表面など)の写し。顔写真付きがなければ住民票の写し(原本・個人番号の記載なし)+健康保険の資格確認書など2種類。健康保険被保険者証は2025年12月2日以降使えない |
| 免許証送付用封筒+切手460円分 | 専用の窓空き封筒には氏名だけを書く(住所は印字される)。任意の封筒なら宛先として自分の住所・氏名を書く。460円は2024年10月1日現在の郵送料+簡易書留料 |
申請書の「個人番号」欄は任意です。記入した場合は、マイナンバーカードの表裏の写しか個人番号が記載された住民票の写しも添付します。衛生管理者の免許申請では、実務経験を証明する書類は不要です。
既に免許を持っている人・氏名が変わった人
| こんな人 | 追加で必要なこと |
|---|---|
| ボイラー技士など労働安全衛生法関係の免許証を持っている | 免許証の原本を添付する。新しい免許と統合した1枚の免許証が交付され、提出した免許証は返却されない。手元に残したい場合は、労働基準監督署または都道府県労働局で原本確認の証明を受けた写しを添付する(普通のコピーは不可) |
| 二つ折りの旧様式の免許証を持っている | 申請書の該当欄に「1」を記入し、「所持免許申告欄」の用紙を記入して添付する |
| 結婚などで氏名が変わった | 免許証を持っている人は書替申請も同時に行い、提出先が住所地の都道府県労働局(または直近に免許証の交付を受けた労働局)に変わる。合格通知書の氏名が戸籍上の文字と違う場合は戸籍抄本を添付する |
| 旧姓や通称の併記を希望する | 旧姓または通称が記載された住民票の写しなど公的な書面を添付する |
費用の内訳
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 収入印紙(紙申請の手数料) | 1,500円 |
| マイナポータル申請の手数料(紙申請の代わり) | 1,450円(オンライン決済) |
| 免許証送付用封筒の切手 | 460円分 |
| 申請書を送る簡易書留の郵送料 | 封筒のサイズと重さによる |
| 証明写真 | 撮影方法による |
受験時に払った受験料8,800円とは別の費用です。受験から免許取得までの総額は第二種衛生管理者 費用まとめで整理しています。
免許証が届くまでの目安と、届かないときの確認先
東京労働局免許証発行センターは、添付書類に不備がなければ、申請受付からおおむね1か月以内に免許証を発送していると案内しています。申請が集中する毎年1月と4月〜5月上旬は、手元に届くまで1か月を超える場合があります。書類の不備や宛先の誤りがあると、さらに期間がかかります。免許証は簡易書留で届くので、不在時は不在票が入ります。
| 確認先 | 分かること・条件 |
|---|---|
| 郵便追跡サービス(簡易書留の番号) | 申請書が免許証発行センターに到着したか |
| 免許証発行サポートダイヤル 0570-006-120 | 免許申請に関する相談。平日8:30〜17:15、ナビダイヤルで通話料は有料 |
| 東京労働局のウェブページ「労働安全衛生法に基づく免許」 | 発送の目安と混雑期の案内 |
衛生管理者の免許に更新はありません。労働安全衛生法の免許で更新制なのは特別ボイラー溶接士と普通ボイラー溶接士だけです。免許証を持つ人が氏名を変えたときは書替申請、紛失・損傷したときは再交付申請を、免許証の交付を受けた都道府県労働局長または住所地を管轄する都道府県労働局長に行います(労働安全衛生規則第67条)。
免許証が届いた後 — 第二種で選任できる業種と、事業者の報告
常時50人以上の労働者を使用する事業場には衛生管理者の選任義務があります(労働安全衛生法施行令第4条)。事業者は、選任すべき事由が発生した日から14日以内に、その事業場に専属の者から選任し、遅滞なく所轄の労働基準監督署長に報告します。この報告は2025年1月1日から原則として電子申請(e-Govまたは厚生労働省の帳票入力支援サービス)で行い、免許を証明できる電磁的記録を添えます。電子申請が困難な場合は、当分の間、従来の書面(様式第3号)でも報告できます。本人がすることは、免許証が届いたら勤務先に知らせ、報告に添付する免許証の写しを渡すことです。
第二種免許で選任できる事業場は業種で決まっています(労働安全衛生規則第7条第1項第3号)。
| 業種 | 選任できる免許 |
|---|---|
| 農林畜水産業、鉱業、建設業、製造業(物の加工業を含む)、電気業、ガス業、水道業、熱供給業、運送業、自動車整備業、機械修理業、医療業、清掃業 | 第一種衛生管理者免許、衛生工学衛生管理者免許など(第二種は不可) |
| その他の業種(情報通信業、金融・保険業、小売業、サービス業など) | 第一種衛生管理者免許、第二種衛生管理者免許、衛生工学衛生管理者免許など |
勤務先が製造業や医療業など上の表の業種に当たる場合、第二種免許では選任できません。その場合は第一種衛生管理者の試験に合格して免許を受けます。第一種を受けるために第二種の免許は必要なく、第一種の合格後に免許申請をすると、第二種の免許証と統合した新しい免許証が交付されます(申請時に第二種の免許証の原本または原本確認済みの写しを添付します)。第一種の合格後の手続きは第一種衛生管理者に合格した後の手続きにまとめています。
第二種のまま活かす場合の仕事内容は第二種衛生管理者 仕事内容と転職メリット、第一種や他の資格への進み方は第二種衛生管理者の次に取るべき資格を参考にしてください。
申請前チェックリスト
- 合格通知書(はがき)の原本がある。住所・氏名に誤りがない
- 申請書(様式第12号)を黒のボールペンで記入し、写真(横24mm×縦30mm、裏面に氏名)を貼った
- 収入印紙1,500円分を申請書の裏面に、消印せずに貼った
- 本人確認証明書の写し(顔写真付き1種類、または顔写真なし2種類)を用意した
- 免許証送付用封筒に切手460円分を貼り、氏名(任意の封筒なら住所も)を書いた
- 既に持っている労働安全衛生法の免許証の原本(または原本確認済みの写し)を添えた。氏名変更がある場合は書替申請も用意し、提出先を住所地の労働局に変えた
- 宛先は東京労働局免許証発行センター。簡易書留で送り、追跡番号を控えた
出典
- 労働安全衛生法第12条(衛生管理者)、第72条(免許)、第73条(免許の有効期間)
- 労働安全衛生法施行令第4条(衛生管理者を選任すべき事業場)
- 労働安全衛生規則第7条(衛生管理者の選任)、第66条の3(免許の申請手続)、第67条(免許証の再交付又は書替え)。2026年8月1日施行の現行版を確認
- 厚生労働省「労働安全衛生法関係の免許について」
- 厚生労働省「免許試験合格者等のための免許申請書等手続の手引き」
- 厚生労働省「マイナポータルからの申請の手続きご案内」
- 厚生労働省「労働安全衛生関係の一部の手続の電子申請が義務化されます」、基発0328第15号(令和6年3月28日)
- 東京労働局「労働安全衛生法に基づく免許」
- 公益財団法人 安全衛生技術試験協会「合格後の手続き」
- 公益財団法人 安全衛生技術試験協会「免許試験についてよくあるご質問」(通知書は合格発表日の当日に各センター・試験場から発送、発表日から10日以上経過しても届かない場合は受験したセンターへ)









