第二種衛生管理者の計算問題は、公式に入れる前に、求める量・人数・単位をそろえると解きやすくなります。この記事では必要換気量、気積、BMIの3テーマを練習します。ppmの換算、1人分と室全体の区別、天井が高い場合の気積を、途中式から確認していきましょう。
以下はぴよパスが作成した学習用の例題です。公式過去問の転載ではありません。実際の公表問題は安全衛生技術試験協会の公表ページで確認できます。
計算問題の出題数を決めつけない
安全衛生技術試験協会の試験案内では、第二種は労働衛生・関係法令・労働生理が各10問、各100点です。科目別の問題数は示されていますが、「計算は毎回1〜3問」「この3種類だけ」といった内訳は示されていません。
この記事の3テーマを試験範囲のすべてと考えず、公式の公表問題と使っている教材も確認してください。計算で間違えたときは、式の選択・条件の読み取り・単位の換算・四則計算のどこで間違えたかを分けると、次の復習が具体的になります。科目別の配点と合格基準も、問題を解く順序を考える参考になります。
| 練習する量 | 基本の式 | 代入前に見ること |
|---|---|---|
| 必要換気量 | 室全体のCO₂発生量 ÷ 室内外の濃度差 | 1人分か全員分か、濃度は割合に直したか |
| 気積 | 床面積 × 算定に使う高さ − 設備の容積 | 事務所則では床から4mを超える空間を除く |
| BMI | 体重(kg)÷ 身長(m)の2乗 | cmをmへ換算してから二乗したか |
必要換気量は「全員のCO₂」を「濃度差」で割る
CO₂発生量と室内外の濃度が一定という条件で考えると、必要換気量は次の式で求められます。ここでは室内の空気が十分に混ざるものとして、定常状態の計算を練習します。
必要換気量(m³/h)= 1人当たりのCO₂発生量(m³/h・人)× 在室人数 ÷(室内の目標濃度 − 外気濃度)
濃度は、%やppmの数値をそのまま入れず、割合に直します。厚生労働省の室内空気質と換気に関する資料(PDF・36ページ)にも、CO₂発生量を室内外の濃度差で割る式が示されています。
| 表し方 | 割合への直し方 | 換算例 |
|---|---|---|
| % | 100で割る | 0.06% ÷ 100 = 0.0006 |
| ppm | 1,000,000で割る | 600ppm ÷ 1,000,000 = 0.0006 |
例題1:1人に必要な換気量
1人が1時間に0.018m³のCO₂を出すとします。室内の目標濃度を0.1%、外気濃度を0.04%としたとき、必要換気量はいくらでしょうか。
- 濃度差:0.1% − 0.04% = 0.06%
- 割合へ換算:0.06 ÷ 100 = 0.0006
- 必要換気量:0.018 ÷ 0.0006 = 30m³/h
この30m³/hは、問題文で与えた条件での1人分です。CO₂発生量や外気濃度が変われば答えも変わります。外気を常に400ppmと決めつけず、問題文の値を使います。
例題2:室全体の換気量をppmから求める
20人が在室し、1人当たりのCO₂発生量を0.018m³/hとします。室内の目標濃度が1,000ppm、外気濃度が400ppmのとき、室全体に必要な換気量はいくらでしょうか。
- 全員のCO₂発生量:0.018 × 20 = 0.36m³/h
- 濃度差:1,000 − 400 = 600ppm = 0.0006
- 必要換気量:0.36 ÷ 0.0006 = 600m³/h
1人分の30m³/hに20人を掛けても、同じ600m³/hです。30と答えた場合は、式よりも「誰の分を求めたか」を見直しましょう。
1,000ppmと5,000ppmは対象を区別する
例題の目標濃度と、法令がどの空気に適用されるかは分けて読みます。事務所衛生基準規則には、次の異なる規定があります。
| 条文 | 対象 | CO₂の含有率 |
|---|---|---|
| 第3条第2項 | 室における空気 | 5,000ppm以下 |
| 第5条第1項第2号 | 空気調和設備又は機械換気設備により室に供給される空気 | 1,000ppm以下 |
この記事の例題では、計算条件として室内の目標濃度を1,000ppmに設定しています。「どの室でも法令上の室内基準は一律1,000ppm」と覚えるための数字ではありません。
気積は設備の容積と4mを超える部分を除く
事務所衛生基準規則第2条は、常時就業させる室について、設備の占める容積と床から4mを超える高さの空間を除き、労働者1人につき10m³以上を求めています。以下は事務室の気積の基準に関する計算です。
例題3:天井高が3mの事務室
床面積50m²、高さ3m、設備の容積30m³の事務室を考えます。
- 算定する気積:50 × 3 − 30 = 120m³
- 気積の基準から求める人数:120 ÷ 10 = 12人まで
10m³は床面積ではなく容積です。「1人10m²」と単位を取り違えないようにしましょう。
例題4:天井高が5mでも5m全部を使わない
床面積54m²、天井高5mの事務室で、床から4m以下の範囲にある設備が18m³を占めています。気積の基準では何人まででしょうか。
- 算定に使う高さ:5mのうち4m
- 気積:54 × 4 − 18 = 198m³
- 198 ÷ 10 = 19.8なので、19人まで
人数を20人に切り上げると、1人当たり198 ÷ 20 = 9.9m³となり、10m³以上を満たしません。なお、この人数は気積だけから求めた値です。実際の事務室では、換気など他の条件も満たす必要があります。
BMIは身長をmに直してから二乗する
BMIの式は、厚生労働省e-ヘルスネット「BMI」で確認できます。
BMI = 体重(kg)÷ 身長(m)の2乗
例題5:64kg・160cmの場合
身長160cmを1.6mに直し、1.6 × 1.6 = 2.56とします。
BMI = 64 ÷ 2.56 = 25
160のまま二乗すると64 ÷ 25,600 = 0.0025になり、正しい値の10,000分の1です。身長の換算を済ませてから式を書きましょう。
途中式を自分で書く確認問題
例題を読んだら、次の3問を解説を見ずに計算してみてください。すべて学習用のオリジナル問題で、試験全体の到達度を判定するものではありません。
| 問い | 答えと確かめ方 |
|---|---|
| 10人が各0.018m³/hのCO₂を出す。室内の目標1,000ppm、外気400ppmなら、全体の必要換気量は? | 300m³/h。0.018 × 10 ÷ 0.0006 |
| 床面積40m²、天井高3m、設備容積15m³の事務室では、気積の基準上何人まで? | 10人。40 × 3 − 15 = 105m³。105 ÷ 10 = 10.5を切り上げない |
| 体重72kg、身長180cmのBMIは? 小数第2位を四捨五入する | 22.2。72 ÷(1.8 × 1.8)= 22.222… |
計算が合わなかった問題は、式を覚え直す前に人数・%やppm・mとcmを確認します。続いて労働衛生の練習問題で、公式を使う場面だけでなく、法令や用語の意味も確かめましょう。
教材で他の範囲も確認する
一冊でテキストと問題を確認する選択肢として、次の教材があります。TAC出版の書誌・教材案内で年度を、正誤表・法改正情報で手元の版に対応する更新を確かめてください。
上記はAmazonアソシエイトのリンクです。価格・在庫は販売ページで確認してください。教材の選び方は第二種衛生管理者のテキスト比較で紹介しています。









