第二種電気工事士は、電気工事士法に基づく国家資格で、一般住宅や小規模な店舗・事務所のように600V以下で受電する場所の配線や電気使用設備の工事の作業に従事できます。電気工事の欠陥による災害を防ぐため、こうした工事の作業は、電気工事士の免状を受けた人でなければしてはならないと決められています(電気工事士法第1条・第3条第2項)。
この記事は、e-Gov法令検索の電気工事士法(2025年6月1日施行の版)・電気工事士法施行令(2025年11月14日施行の版)・電気工事士法施行規則(2023年12月28日施行の版)・電気事業法(2026年8月3日施行の版)・電気事業法施行規則(2026年4月1日施行の版)と、電気技術者試験センターの「令和8年度第二種電気工事士下期試験受験案内」「第二種電気工事士の試験概要」をもとに書いています(2026年10月20日に確認)。
第二種電気工事士でできる工事(一般用電気工作物等)
第二種電気工事士が作業に従事できるのは、一般用電気工作物等の電気工事です(電気工事士法第3条第2項)。一般用電気工作物等は、一般用電気工作物と小規模事業用電気工作物を合わせたものです(同法第2条第1項)。
| 区分 | 主な中身 | 根拠 |
|---|---|---|
| 一般用電気工作物 | 600V以下の低圧で受電し、構内だけで使う電気工作物(一般住宅、小規模な店舗・事務所の配線や電気使用設備)と、小規模発電設備のうち出力10kW未満の太陽電池発電設備など | 電気事業法第38条第1項、電気事業法施行規則第48条 |
| 小規模事業用電気工作物 | 出力10kW以上50kW未満の太陽電池発電設備、出力20kW未満の風力発電設備など | 電気事業法第38条第3項、同規則第48条 |
受験案内は、免状を取ると「一般住宅や小規模な店舗、事務所などのように、電力会社等から低圧(600V以下)の電圧で受電する場所の配線や電気使用設備等」を設置・変更する工事の作業に従事できると説明しています。
逆に、最大電力が500kW未満で高圧で受電するビルや工場の設備(自家用電気工作物)の工事は、第二種電気工事士だけではできません。たとえば、最大電力が100kWで高圧で受電する事務所ビルで100Vのコンセントを増やす作業は、第一種電気工事士(または認定電気工事従事者)の範囲です。最大電力500kW以上の需要設備は、電気工事士法の自家用電気工作物から除かれています(同法第2条第2項)。
資格がなくてもできる工事・作業
電気工事士法の「電気工事」からは、政令で定める軽微な工事が除かれています(同法第2条第3項)。電気工事士法施行令第1条の主なものは次のとおりです。
- 電圧600V以下で使う差込み接続器・ソケット・ローゼットなどの接続器や、ナイフスイッチ・スナップスイッチなどの開閉器に、コードやキャブタイヤケーブルを接続する工事
- 電圧600V以下で使う電気機器や蓄電池の端子に、電線をねじ止めする工事
- 電圧600V以下で使う電力量計・電流制限器・ヒューズを取り付け、取り外す工事
- インターホンや火災感知器などに使う小型変圧器(二次電圧36V以下)の二次側の配線工事
また、電気工事士法施行規則第2条第2項は、一般用電気工作物等の電気工事のうち、電気工事士でなければできない作業を挙げ、それ以外の作業は資格がなくてもできるとしています。電線どうしの接続、電線管に電線を収める作業、配線器具の取付けと電線の接続(露出型点滅器・露出型コンセントの取換えを除く)、金属製ボックスの取付けなどは、電気工事士の作業です。電気工事士の作業を補助する作業は、資格がなくてもできます。
第一種電気工事士・認定電気工事従事者との違い
| 項目 | 第二種電気工事士 | 第一種電気工事士 |
|---|---|---|
| 作業に従事できる範囲 | 一般用電気工作物等 | 一般用電気工作物等と、自家用電気工作物(最大電力500kW未満の需要設備など) |
| 免状の条件 | 試験に合格すればよい(養成施設の修了者なども) | 主に、試験に合格し、かつ実務経験が必要(ほかに都道府県知事の認定の道もある) |
| 定期講習 | なし | 免状の交付から5年以内に講習を受け、その後も前の講習から5年以内ごとに受ける義務 |
| 根拠 | 電気工事士法第3条第2項・第4条第4項 | 同法第3条第1項・第4条第3項・第4条の3 |
自家用電気工作物のうちネオン工事と非常用予備発電装置工事(特殊電気工事)は、第一種電気工事士でも、それぞれの特種電気工事資格者の認定証が要ります(同法第3条第3項)。
第二種電気工事士の免状を取った後、3年以上の実務経験を積むか、認定電気工事従事者認定講習を受けて産業保安監督部長などに申請すると、認定電気工事従事者の認定証を受けられます。認定電気工事従事者は、最大電力500kW未満の自家用電気工作物(需要設備)のうち、600V以下で使う配線や電気使用設備(電線路を除く)の工事の作業に従事できます(受験案内)。詳しくは 認定電気工事従事者とは で、第一種との比べ方は 第一種電気工事士と第二種の違い で整理しています。
受験案内はほかに、最大電力100kW未満の工場やビルでは、事業主が免状の取得者を電気主任技術者として選任する手続きをして許可を受ければ、電気主任技術者として働けると説明しています(手続きをするのは事業場の代表者)。
試験の内容:学科試験と技能試験
試験は電気技術者試験センターが行い、受験資格の制限はありません。学科試験に合格した人と学科試験の免除者が、技能試験を受けます。
| 試験 | 方法 | 範囲 |
|---|---|---|
| 学科試験 | 四肢択一。CBT方式(パソコン)か筆記方式(マークシート)を選ぶ。令和9年度からは原則CBT方式だけ | 電気に関する基礎理論、配電理論及び配線設計、電気機器・配線器具並びに電気工事用の材料及び工具、電気工事の施工方法、一般用電気工作物等の検査方法、配線図、一般用電気工作物等の保安に関する法令 |
| 技能試験 | 持参した作業用工具で、配線図で与えられた問題を支給材料で一定時間内に完成させる | 電線の接続、配線工事、電気機器・配線器具の設置、接地工事、測定、検査など |
学科試験の合格基準点は60点、技能試験の合格基準は作品に欠陥がないことです。試験は上期と下期の年2回で、令和8年度下期は、学科試験がCBT方式で9月24日〜11月8日・筆記方式で10月25日、技能試験が12月12日か13日です。受験手数料はインターネット申込みで11,100円(非課税)です(令和8年度電気工事士試験の実施日程等のご案内)。
学科試験の合格点の考え方は 第二種電気工事士 学科の合格点、技能試験の流れは 第二種電気工事士 技能試験とは、合格発表の日程は 第二種電気工事士の合格発表 にまとめています。
免状を受けるまでの流れ
| 順番 | やること |
|---|---|
| 1 | 受験を申し込む(原則インターネット申込み) |
| 2 | 学科試験を受ける(学科試験の免除者は不要) |
| 3 | 技能試験を受ける |
| 4 | 合格したら、住民登録をしている都道府県の知事に免状の交付を申請する |
| 5 | 第二種電気工事士免状の交付を受け、作業に従事できるようになる |
免状は都道府県知事が交付します(電気工事士法第4条第2項)。電気工事士法の規定か、電気用品安全法第28条第1項(表示のない電気用品を電気工事に使うことの禁止)に違反したときは、都道府県知事が免状の返納を命じることがあります(同条第6項)。申請の窓口や手数料の納め方は都道府県ごとに違うので(手数料は、地方公共団体の手数料の標準に関する政令が標準を5,300円としています)、学科合格後にやること で流れを確かめ、住んでいる都道府県の案内を見てください。資格を何に使えるかは 第二種電気工事士を取るメリット で整理しています。
取り違えやすい点
| 文 | 正誤 | 根拠 |
|---|---|---|
| 第二種電気工事士は、最大電力が500kW未満で高圧で受電する事務所ビルのコンセントの増設工事に従事できる | 誤り | 自家用電気工作物で、第一種(600V以下の部分は認定電気工事従事者も)の範囲 |
| 出力5kWの住宅用の太陽電池発電設備の配線工事は、第二種電気工事士が従事できる | 正しい | 一般用電気工作物(出力10kW未満の太陽電池発電設備) |
| 第二種電気工事士を受けるには、電気の実務経験が必要だ | 誤り | 受験資格の制限はない |
| 第二種電気工事士にも、5年ごとの定期講習の義務がある | 誤り | 定期講習の義務は第一種電気工事士(電気工事士法第4条の3) |
| 露出型のコンセントを同じ場所で取り換える作業は、電気工事士でなくてもできる | 正しい | 電気工事士法施行規則第2条第2項 |
ぴよパスのオリジナル予想問題で、電気工事士法の範囲を確かめられます。
出典
- 電気工事士法 第1条〜第4条の3(e-Gov法令検索・2025年6月1日施行の版)
- 電気工事士法施行令 第1条(e-Gov法令検索・2025年11月14日施行の版)
- 電気工事士法施行規則 第2条(e-Gov法令検索・2023年12月28日施行の版)
- 電気事業法 第38条(e-Gov法令検索・2026年8月3日施行の版)、電気事業法施行規則 第48条(同・2026年4月1日施行の版)
- 電気用品安全法 第28条(e-Gov法令検索・2025年12月25日施行の版)、地方公共団体の手数料の標準に関する政令 別表(同・2025年4月1日施行の版)
- 一般財団法人電気技術者試験センター「令和8年度第二種電気工事士下期試験受験案内」(資格の概要・免状取得までの流れ)、「第二種電気工事士の試験概要」(https://www.shiken.or.jp/construction/second/overview/ 、2026年10月20日に確認)、「令和8年度電気工事士試験の実施日程等のご案内」、「電気工事士学科試験(一種、二種)のCBT方式への移行について(令和9年度~)」
当サイトの問題は第二種電気工事士試験の問題ではありません。法令や公開資料をもとに独自に作った練習問題です。電気技術者試験センターとは関係ありません。










