登録販売者試験のアドレナリン作動成分は、成分名・使う場所・目的・注意の区分を一組にして覚えましょう。鼻や目では血管収縮、咳止めでは気管支拡張が目的になります。同じメチルエフェドリンでも、薬効群や剤形を省くと注意事項を取り違えます。
以下は厚生労働省の手引き(令和8年4月版)に基づく試験学習用の整理です。表にない注意事項もあるため、実際の製品の使用可否は添付文書と専門家への確認が必要です。
成分一覧は「使う場所」と一緒に覚える
まず、手引きに挙がる成分例を薬効群ごとに並べます。同じ成分が複数の行に登場することにも注目してください。
| 薬効群 | アドレナリン作動成分の例 | 目的となる作用 |
|---|---|---|
| 咳止め・痰を出しやすくする薬 | メチルエフェドリン塩酸塩、メチルエフェドリンサッカリン塩、トリメトキノール塩酸塩水和物、メトキシフェナミン塩酸塩 | 気管支を拡げ、呼吸を楽にする |
| 鼻炎用内服薬 | プソイドエフェドリン塩酸塩、フェニレフリン塩酸塩、メチルエフェドリン塩酸塩 | 鼻粘膜の血管収縮で充血・腫れを和らげる |
| 鼻炎用点鼻薬 | ナファゾリン塩酸塩、フェニレフリン塩酸塩、テトラヒドロゾリン塩酸塩 | 鼻粘膜の血管収縮で充血・腫れを和らげる |
| 点眼薬 | ナファゾリン塩酸塩、ナファゾリン硝酸塩、エフェドリン塩酸塩、テトラヒドロゾリン塩酸塩 | 結膜の血管収縮で充血を除く |
| 痔疾用薬 | テトラヒドロゾリン塩酸塩、メチルエフェドリン塩酸塩、エフェドリン塩酸塩、ナファゾリン塩酸塩 | 血管収縮による止血効果 |
出典:手引き本文86・130・143・148・152ページ。全製品の成分一覧ではなく、手引きの掲載例です。
編集部の覚え方は、「鼻・目は充血、痔は止血、気管支は拡張」です。作用を思い出す短い補助として使い、注意事項まで同じにしないようにします。マオウもアドレナリン作動成分と同様の作用を示す生薬として本文86ページに挙げられています。
使用回避と事前相談は、病名だけで決めない
高血圧という同じ診断でも、成分によって手引きの扱いが違います。「相談すればそのまま使える」と読み替えず、まず使用回避か事前相談かを判定してください。
| 手引きの対象 | 診断・症状などの条件 | 区分 |
|---|---|---|
| プソイドエフェドリン塩酸塩を含む鼻炎用内服薬 | 心臓病、高血圧、糖尿病、甲状腺機能障害の診断/前立腺肥大による排尿困難 | 使用を避ける |
| 咳止めのアドレナリン作動成分・マオウ | 心臓病、高血圧、糖尿病、甲状腺機能亢進症の診断 | 使用前に相談 |
| メチルエフェドリン塩酸塩を含む坐剤・注入軟膏 | 心臓病、高血圧、糖尿病、甲状腺機能障害の診断 | 使用前に相談 |
| 点眼薬のアドレナリン作動成分 | 緑内障の診断 | 使用前に相談 |
出典:本文86・131・143・152〜153ページ。表の事前相談の相手は、治療を行っている医師または治療薬・処方薬の調剤を行った薬剤師です。
咳止めの行は甲状腺機能亢進症、プソイドエフェドリンと坐剤・注入軟膏の行は甲状腺機能障害という記載です。名前が似ているからと、一つの語にそろえないようにしましょう。
鼻炎用内服薬のプソイドエフェドリン以外のアドレナリン作動成分や、点鼻薬の交感神経刺激に伴う留意点は、手引きで咳止めの項目を参照するよう案内されています。点鼻薬でも成分が血液中へ入り、全身に影響することがあります。 局所に使うから持病を確認しなくてよい、とはなりません。
プソイドエフェドリンではMAO阻害剤も確認する
本文143ページは、パーキンソン病治療でセレギリン塩酸塩等のモノアミン酸化酵素(MAO)阻害剤を処方されている人についても、プソイドエフェドリン配合の鼻炎用内服薬を避ける必要があるとしています。代謝が妨げられ、副作用が現れやすくなるためです。
MAO阻害剤で治療を受けている可能性がある場合は、治療医または処方薬を調剤した薬剤師へ事前に確認するよう説明します。ここは「MAO阻害剤は降圧薬」と暗記する箇所ではありません。
抗コリン・キサンチンと、作用する経路を区別する
気管支を拡げる成分がすべてアドレナリン作動成分とは限りません。また、鼻水を抑える抗コリン成分と鼻粘膜の血管を収縮させる成分は、機序が異なります。
| 比較する系統 | 手引きで確認する働き | 取り違えやすい点 |
|---|---|---|
| アドレナリン作動成分 | 交感神経系を刺激。薬効群に応じ、気管支拡張や血管収縮を目的とする | 「副交感神経を刺激」としない |
| 抗コリン成分 | 副交感神経系の働きを抑える。鼻炎用内服薬では鼻汁分泌やくしゃみを抑える | 鼻水の分泌抑制と血管収縮を混ぜない |
| キサンチン系成分(ジプロフィリン等) | 自律神経系を介さず気管支平滑筋に直接作用し、気管支を拡げる | 気管支拡張という目的だけで同じ系統にしない |
出典:本文86・143〜144ページ。似た症状への注意があっても、副作用や使用可否がすべて一致するわけではありません。抗コリン成分の比較表も、成分と薬効群を照合して使ってください。
点鼻・点眼の使い過ぎと、改善しないときの目安
二次充血は、アドレナリン作動成分を含む点鼻薬を過度に使うと、血管が反応しなくなり、逆に拡張して鼻づまりが悪化しやすくなることです。単に「何日目から必ず起きる」と覚える内容ではありません。
| 手引きの対象 | 使い方に関する注意 | 改善しないときの記載 |
|---|---|---|
| 鼻炎用点鼻薬 | アドレナリン作動成分の過度使用で二次充血・鼻閉悪化 | 3日位使用しても改善しない場合は、漫然と続けず耳鼻科受診などの対応 |
| 点眼薬のアドレナリン作動成分 | 連用・頻回使用で異常なまぶしさや充血を招くことがある | 5〜6日間使用しても改善しない場合は、眼科受診の必要性を含め専門家に相談 |
出典:本文148・150・153ページ。これらの日数は、そこまで必ず安全に使えるという期限ではありません。異常時の対応は、症状や添付文書の指示も確認します。
プソイドエフェドリン塩酸塩とメチルエフェドリン塩酸塩の長期連用による薬物依存の注意(本文143ページ)は、二次充血と分けて覚えます。本文86ページではメチルエフェドリンサッカリン塩やマオウの依存性も挙げられています。「血管の反応」と「中枢神経系への作用」を一つの説明にまとめないようにしてください。
右の説明を隠して確認する6つの例
以下は編集部作成の確認例です。文章の正誤だけでなく、どの条件が違うかを答えてみてください。
| 確認する説明 | 判定と理由 |
|---|---|
| メチルエフェドリン塩酸塩は、咳止めで気管支拡張を目的とする | 正しい。交感神経系を刺激して気管支を拡げる |
| 高血圧の診断があっても、プソイドエフェドリンは一般的な事前相談の区分で覚える | 誤り。手引きは使用回避としている |
| 痔疾用のメチルエフェドリン塩酸塩は、血管収縮による止血を目的とする | 正しい。同じ成分でも薬効群で目的を確認する |
| 点鼻薬は局所に使うため、全身への影響は考えなくてよい | 誤り。鼻粘膜の血管から吸収され、全身へ影響することがある |
| ジプロフィリンの気管支拡張も、交感神経刺激によるものである | 誤り。キサンチン系は自律神経系を介さず直接作用する |
| 目の充血が続くほど、血管収縮成分を頻回に点眼すればよい | 誤り。かえって充血を招くことがあり、改善しなければ専門家への相談が必要 |
表で迷った行は、成分名の横に「薬効群」と「注意の区分」を書き足しましょう。成分全体の整理には登録販売者の成分の覚え方と暗記カードも使えます。
条件を変えた4択で、覚えた内容を確かめる
最初に成分名を見つけ、次に薬効群と使う人の条件を確認してから選びます。以下はぴよパスのオリジナル問題です。
- プソイドエフェドリンの作用を確認する
- 使用回避と事前相談の組み合わせを区別する
- メチルエフェドリンの気管支への作用を確認する
- ナファゾリンの作用と点鼻薬の注意を確認する
- 高血圧の診断がある人への説明を選ぶ
- 点眼薬と緑内障・頻回使用の注意を確認する
正解した問題でも、誤っている選択肢の条件を一つ言い直せるか試してみてください。「成分名は思い出せるが、相談と回避が逆になる」など、自分が取り違えた箇所を表へ戻って確認できます。











