登録販売者の成分は、短い語呂で名前を思い出し、分類と働きを声に出して確かめると整理しやすくなります。ただし、語尾が同じでも薬効分類が違う成分があります。「ミンなら抗ヒスタミン」と名前だけで決めず、具体的な成分名と対にして覚えましょう。
この記事では、鎮咳・去痰などの覚え分け、語尾の反例、カテゴリ別の整理法を紹介します。印刷して使える成分暗記カード12枚のPDFも用意しました。分類・働きは厚生労働省の令和8年4月版手引きで確認しています。
語呂合わせは「名前+分類・働き」で作る
長い名前を全部語呂に押し込むより、取り違えた2成分を短く対にします。次はこの記事で作った覚え方です。成分名を省略した部分は、右欄とPDFで正式名に戻してください。
| 覚えるための短い言葉 | 対応させる成分と働き | ここまで確認する |
|---|---|---|
| 「せきのデキストロ、たんのカルボ」 | デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物=鎮咳、カルボシステイン=去痰 | せきを抑える働きと、痰の切れを良くする働きを分ける |
| 「チアミン、B1(ビー・ワン)」 | チアミン硝化物=ビタミンB1 | 「ミン」という語尾でも抗ヒスタミン成分ではない |
| 「飲むプソイド、鼻にナファ」 | 鼻炎用内服薬のプソイドエフェドリン塩酸塩、点鼻薬のナファゾリン塩酸塩 | どちらもアドレナリン作動成分。内服と点鼻を区別する |
これは表に挙げた成分を思い出すための語呂です。「デキストロ」で始まる物質をすべて鎮咳成分と判断したり、鼻に使う成分をすべてナファゾリンと判断したりする規則ではありません。薬の選択や使用可否を判断するものでもありません。
第3章全体の学習順は登録販売者 第3章の攻略法で確認できます。ここでは混ざりやすい名前を、手元で答えられる状態にすることに絞ります。
成分一覧表・暗記カード12枚の無料PDF
1ページ目は成分名、2ページ目は分類と働きです。両面・長辺とじ・実際のサイズ(100%)で印刷すると表裏が対応します。片面ずつ印刷して、問題と答えを並べても使えます。長い成分名を省略せず、答え側には手引きの本文ページを記しました。
| 収録する成分 | 分類・比べるポイント |
|---|---|
| クロルフェニラミンマレイン酸塩 | 抗ヒスタミン成分 |
| チアミン硝化物 | ビタミンB1。「ミン」の反例 |
| スルファジアジン | 抗菌成分・サルファ剤。「ジン」の反例 |
| スコポラミン臭化水素酸塩水和物 | 抗コリン成分。クロルフェニラミンと区別 |
| デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物 | 非麻薬性の鎮咳成分 |
| カルボシステイン | 去痰成分 |
| ブロムヘキシン塩酸塩 | 去痰成分 |
| グアイフェネシン | 去痰成分 |
| アセトアミノフェン | 解熱鎮痛成分 |
| イブプロフェン | 解熱鎮痛成分 |
| プソイドエフェドリン塩酸塩 | 鼻炎用内服薬のアドレナリン作動成分 |
| ナファゾリン塩酸塩 | 点鼻薬のアドレナリン作動成分 |
このPDFは、12成分の分類と働きの一部を確認する教材です。試験範囲の全成分、副作用、禁忌を網羅した一覧ではありません。カードで分類を答えた後、手引きやテキストの該当箇所で注意点も確認してください。分類の「非麻薬性」を、乱用や副作用の心配がないという意味で覚えないことも大切です。
使う順番は「成分名だけを見る→分類と働きを答える→裏面で確かめる」。間違えたカードを分け、次の復習で先に解き直します。最後に第3章「主な医薬品とその作用」の練習問題で、文章の中でも区別できるか確認しましょう。
独学の本命テキスト
カードに収録していない成分や使用上の注意は、手引きと全範囲を扱うテキストで補います。
※価格・評価は変動します。購入前に版・刷を確認し、出版社の最新版・正誤表・改訂情報と照合してください。上記は Amazon アソシエイトのリンクです。
前提:第3章は成分名だけでなく働き・注意点も学ぶ
第3章「主な医薬品とその作用」は、たとえば令和8年度の東京都試験では全120問中40問です。試験全体の3分の1を占めます。ただし、覚える範囲を「約100成分」のような一つの数で区切らず、受験年度の手引きにある各薬効群を確認してください。
| 学ぶ項目 | 確認する内容 |
|---|---|
| 成分名・分類 | 鎮咳、去痰、抗ヒスタミンなど、どの働きを担うか |
| 主な作用 | 何を抑える・促す成分なのか |
| 副作用・相互作用 | 作用だけでなく、手引きの注意事項まで読む |
| 使用する人の条件 | 年齢、持病、妊娠・授乳などの条件を成分・製品ごとに確認 |
合格基準や各試験項目の必要得点は、受験地の最新案内で確認します。試験全体の見通しは登録販売者 試験の難易度も参照してください。
語尾 (接尾辞) パターンは、具体的な成分を並べる補助にする
似た名前を並べる方法は使えますが、語尾から分類を一意に決めることはできません。次の表は「この成分同士を一緒に見直す」という組合せです。
| 並べて覚える成分 | 分類 | 覚え分ける点 |
|---|---|---|
| メチルエフェドリン塩酸塩・プソイドエフェドリン塩酸塩 | アドレナリン作動成分 | 気管支拡張や鼻づまり緩和など、配合目的も確認 |
| ナファゾリン塩酸塩・テトラヒドロゾリン塩酸塩 | アドレナリン作動成分 | 点鼻薬では鼻粘膜の血管収縮による充血・腫れの緩和 |
| クロルフェニラミンマレイン酸塩・ジフェンヒドラミン塩酸塩 | 抗ヒスタミン成分 | 語尾「ミン」が同じでも別分類の成分がある |
| コデインリン酸塩水和物・ジヒドロコデインリン酸塩 | 麻薬性の鎮咳成分 | 非麻薬性のデキストロメトルファンと分ける |
| ブロムヘキシン塩酸塩・カルボシステイン | 去痰成分 | 名前を一つの語尾にそろえず、同じ分類の成分として覚える |
「ミン」「ジン」だけで抗ヒスタミンと決めると、チアミン硝化物(ビタミンB1)、スコポラミン臭化水素酸塩水和物(抗コリン)、スルファジアジン(サルファ剤)を取り違えます。手引き本文p.62・80・166で分類を確かめられます。
また、デキストロメトルファンの名前は「メトルファン」です。「メルファン」と覚えないよう、声に出すときも一字ずつ確認してください。名前の一部だけを薬効判定の規則にせず、成分名と分類を対で答える練習に使います。
アドレナリン作動・抗ヒスタミン・抗コリンを働きで整理する
作用を理解すると注意点を関連づけて覚えられます。ただし、見覚えのない成分の副作用や使用可否を、系統名だけから決めないようにします。同じ系統でも成分・使用経路・条件ごとの記載があります。
| 系統 | 手引きで確認できる例 | 一緒に確認すること |
|---|---|---|
| アドレナリン作動成分 | プソイドエフェドリン塩酸塩は鼻粘膜の血管を収縮させ、充血や腫れを和らげる | 内服と点鼻を区別し、成分ごとの使用回避・相談の条件を見る |
| 抗ヒスタミン成分 | クロルフェニラミンマレイン酸塩などはヒスタミンの働きを抑える | 内服薬の項では眠気や抗コリン作用による注意も確認する |
| 抗コリン成分 | 鼻炎用内服薬では鼻汁分泌やくしゃみを抑える目的で配合される | 口渇・排尿困難などを「乾くから尿が出ない」と一括で説明しない |
手引きの内服アレルギー用薬の項では、抗ヒスタミン成分の抗コリン作用によって口渇・排尿困難・便秘等が現れる場合も説明されています。「抗ヒスタミン成分という分類」と「抗コリン作用も示すこと」は分けて覚えます。 抗ヒスタミン成分と抗コリン成分が同じ分類だという意味ではありません。出典:令和8年4月版手引き 本文p.142–144。
作用と注意点を詳しく見直す場合は、次のページへ進んでください。
かぜ薬は「役割の足し算」で分解する
かぜ薬は複数の成分を組み合わせた製品が多く、丸ごと覚えると混乱します。症状ごとの役割に分解し、どの成分がどの役割かで整理すると見通しが立ちます。
| 役割 | 担う成分の系統 | 代表的な成分の例 |
|---|---|---|
| 熱・痛みをやわらげる | 解熱鎮痛成分 | アセトアミノフェン、イブプロフェン |
| くしゃみ・鼻水を抑える | 抗ヒスタミン成分 | クロルフェニラミン |
| 鼻づまりをやわらげる | アドレナリン作動成分 | プソイドエフェドリン |
| せきを鎮める | 鎮咳成分 | デキストロメトルファン |
| たんを出しやすくする | 去痰成分 | グアイフェネシン |
「かぜ薬=熱痛み+鼻+せき+たんの役割の足し算」と捉えると、製品ごとの成分表が読みやすくなります。役割で分解する発想は、第3章のほかのカテゴリにも応用できます。
解熱鎮痛・鎮咳去痰は「分類と使用上の注意」をセットにする
解熱鎮痛成分と鎮咳去痰成分は、成分名だけでなく使えない人・年齢の注意も確認する領域です。語呂で名前を入口に置きつつ、注意点をセットで結びます。
| カテゴリ | 整理する軸 | 押さえどころ (学習用) |
|---|---|---|
| 解熱鎮痛成分 | 種類と特徴 | 解熱鎮痛と抗炎症の働きを一括りにせず、成分ごとの説明を確認 |
| 鎮咳成分 (麻薬性) | 連用・年齢の注意 | コデイン類は小児への使用に関する注意がある |
| 鎮咳成分 (非麻薬性) | 麻薬性との違い | デキストロメトルファンは非麻薬性に分類 |
| 去痰成分 | 働き方の違い | たんの粘りを変える・出しやすくするなど系統で差 |
なお、依存性などに関わる一部成分は乱用への注意がある区分として扱われる点も、関連づけて覚えると法規 (第4章) の理解にもつながります。詳細な区分や年齢の基準は手引き・公式情報で確認してください。
- 鎮咳去痰薬の覚え方 — せきを抑える成分と痰を出しやすくする成分を整理
胃腸薬は「攻め・守り・整える」で棚分けする
胃腸薬は成分群が多く、語尾だけでは仕分けにくいカテゴリです。働きの方向性で棚を分けると、成分が収まる場所が決まります。
| 棚 | 働きの方向性 | 成分群の例 (学習用の整理) |
|---|---|---|
| 守り | 胃酸を中和する | 制酸成分 |
| 攻め | 消化を助ける・胃の働きを促す | 健胃成分・消化成分 |
| 整える | 腸内環境・便通を整える | 整腸成分・止瀉成分・瀉下成分 |
「胃腸薬=守り (制酸)・攻め (健胃消化)・整える (整腸)」の3棚に分けると、新しい成分が出てきても「これはどの棚か」で位置づけられます。棚に入れてから個別の成分名を語呂で補うと、量に圧倒されにくくなります。
生薬・漢方は「割り切って」語呂とメモで慣らす
生薬・漢方も、名前だけでなく基原や働きと組にして覚えます。まず間違えた成分・処方からメモを作り、手引きの範囲を順に埋める進め方にすると、着手する対象を選べます。
| 進め方 | 具体策 |
|---|---|
| 代表のみ先に | 演習で間違えた処方・生薬から着手し、未確認のものは別に残す |
| 基原とセット | 「どの植物・部位か」と「期待される働き」を短く対にする |
| 語呂は最小限 | 混ざりやすいものにだけ語呂を当て、数を増やしすぎない |
| スキマで反復 | 別枠メモを繰り返し眺めて顔なじみにする |
ここに時間をかけすぎて主要成分が手薄になる時間配分のミスを避けるのが優先です。範囲や扱いは年度で変わるため、最新の手引きで確認してください。
やりがちな失敗と回避策
| 失敗 | 回避策 |
|---|---|
| 語呂は言えるが、働きを答えられない | 語呂の直後に「鎮咳」「去痰」などの分類も答える |
| 「ミン」なら抗ヒスタミンと決める | チアミン・スコポラミンも並べ、具体的な成分名で区別する |
| 系統から副作用や禁忌をすべて推測する | 手引きの各成分・製品の条件を確認して追記する |
| カード12枚だけで全範囲を終えたと考える | 未収録の薬効群と注意点をテキスト・手引きで補う |
| 正解を見ながら読み返すだけになる | 名前だけを見て、答えを隠したまま思い出す |
まとめ:成分暗記を得点につなげる5項目
- 混ざりやすい成分を2つ選び、短い語呂で名前を思い出す。
- 名前を略した場合は、正式な成分名に戻して確認する。
- 語尾が同じでも分類が違う反例を一緒に覚える。
- 分類・働きと、個別の副作用・使用上の注意を分けて確認する。
- 答えを隠して復習し、第3章の練習問題で確かめる。
まずは12枚の成分暗記カードPDFの表面だけを見て、分類を答えてみてください。間違えた成分の正式名と働きを確認してから、次の復習へ回します。
学習順序の全体像は登録販売者 初心者ロードマップ、教材選びは登録販売者 テキストおすすめで確認できます。生薬・漢方や他の薬効群は、下の関連記事で補ってください。
出典:
- 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」令和8年4月版 — 成分の分類・働き。カードは本文p.58・62・80・85–87・143・148・166、作用と注意はp.142–144を参照。
- 東京都「令和8年度登録販売者試験について」 — 試験項目別問題数・出題範囲。
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