どこに何問あるかを先に固定する
乙種3類の出題数は決まっています。
| 科目 | 内訳 | 問題数 | 足切り |
|---|---|---|---|
| 消防関係法令 | 共通6+類別4 | 10問 | 4問 |
| 基礎的知識 | 機械3+電気2 | 5問 | 2問 |
| 構造・機能・整備 | 機械8+電気4+規格3 | 15問 | 6問 |
| 筆記合計 | 30問 | 全体18問 | |
| 実技 | 鑑別等5(製図なし) | 5問 | 全体の60% |
出典: 試験科目・問題数(乙種)
構造・機能15問が最大で、ここが3設備の技術基準そのものです。学習時間の配分もここを軸に決めます。
基礎的知識は5問しかなく、足切りは2問です。しかも機械3問+電気2問という配分なので、どちらか一方が苦手だとそこで詰みます。「機械は捨てて電気で稼ぐ」という選択が構造的に取れません。
条文が「令・規則・告示」の3層に分かれている
乙種3類でつまずくのは、探している数値がどこにあるか分かりにくいことです。
| 論点 | どこにあるか |
|---|---|
| どの防火対象物に設置するか | 消防法施行令第13条 |
| 3設備それぞれの設置・維持の基準 | 消防法施行令第16条(不活性ガス)/第17条(ハロゲン化物)/第18条(粉末) |
| 技術基準の細目(放射圧力・放射時間・消火剤量・配管・非常電源など) | 消防法施行規則第19条/第20条/第21条 |
| 機器そのものの基準(容器弁・選択弁・放出弁・噴射ヘッド・制御盤など) | 消防庁告示(規格省令ではない) |
🚨 3類には「技術上の規格を定める省令」が存在しません。
消火器(乙6)には「消火器の技術上の規格を定める省令」、5類には「金属製避難はしごの技術上の規格を定める省令」「緩降機の技術上の規格を定める省令」がありますが、3類の機器にはありません。
制度的な理由もはっきりしています。規格省令は消防法施行令第37条の検定対象機械器具等(12号)と第41条の自主表示対象(6号)の計18品目に対応して置かれていて、3類の機器はそのどちらにも入っていないためです。
したがって「3類の規格省令によれば」という説明は誤りです。正しくは次の告示になります。
| 機器 | 根拠となる告示 |
|---|---|
| 容器弁・安全装置・破壊板 | 昭和51年消防庁告示第9号 |
| 移動式のホース・ノズル・ノズル開閉弁・ホースリール | 昭和51年消防庁告示第2号 |
| 放出弁 | 平成7年消防庁告示第1号 |
| 選択弁 | 平成7年消防庁告示第2号 |
| 音響警報装置 | 平成7年消防庁告示第3号 |
| 定圧作動装置(粉末) | 平成7年消防庁告示第4号 |
| 噴射ヘッド | 平成7年消防庁告示第7号 |
| 制御盤 | 平成13年消防庁告示第38号 |
| 配管の摩擦損失計算 | 平成20年消防庁告示第32号 |
| 閉止弁 | 令和4年消防庁告示第8号 |
消防法施行規則第19条に14か所、第20条に11か所、第21条に12か所、合わせて37か所の「消防庁長官が定める基準」という委任があり、その受け皿がこの告示群です。
失点の中心は「3設備の数値の取り違え」
3類が他の類と違うのは、似た規定が3つ並ぶことです。落ちる人の多くは設備ごとの数値を混ぜて覚えています。
移動式のホース接続口 — ハロゲン化物だけ20メートル
| 設備 | 水平距離 | 根拠 |
|---|---|---|
| 不活性ガス | 15メートル以下 | 令第16条第3号 |
| ハロゲン化物 | 20メートル以下 | 令第17条第2号 |
| 粉末 | 15メートル以下 | 令第18条第2号 |
放射時間 — 「1分」を基準に例外を覚える
| 設備・消火剤 | 放射時間 | 根拠 |
|---|---|---|
| 二酸化炭素(その他の防火対象物) | 1分 | 規則第19条第2項第3号イ |
| 二酸化炭素(通信機器室) | 3.5分 | 同上 |
| 二酸化炭素(指定可燃物) | 7分 | 同上 |
| 窒素・IG-55・IG-541 | 消火剤量の10分の9以上を1分以内 | 規則第19条第2項第3号ロ |
| ハロン2402・1211・1301 | 30秒以内 | 規則第20条第2項第3号イ |
| HFC-23・HFC-227ea・FK-5-1-12 | 10秒以内 | 規則第20条第2項第3号ロ |
| 粉末(全種別) | 30秒以内 | 規則第21条第2項第2号 |
通信機器室3.5分の倍が指定可燃物7分という関係で2つ同時に入ります。局所放出方式は不活性ガス・粉末とも30秒以内で共通です。
電気4問は「起動・警報・電源」に集中する
構造・機能15問のうち電気は4問です。3類の電気は電気工事の知識ではなく、設備を動かす側の規定が中心になります。
- 起動装置(二酸化炭素は手動式が原則、窒素・IG-55・IG-541は自動式)
- 遅延装置(起動装置の作動から容器弁・放出弁の開放まで20秒以上)
- 音響警報装置(全域放出方式の不活性ガスは音声によるもの)
- 制御盤
- 非常電源(自家発電設備・蓄電池設備・燃料電池設備に限り、容量は有効に1時間作動できる容量以上)
- 配線(600ボルト二種ビニル絶縁電線又は同等以上の耐熱性)
非常電源の1時間は屋内消火栓設備の30分とは違う数値なので、他の類の知識をそのまま持ち込むと外します。
実技は鑑別5問だけ
乙種に製図はないので、実技対策は鑑別に集中できます。3設備それぞれに固有の機器を切り分けられるかが中心です。
| 機器 | 不活性ガス | ハロゲン化物 | 粉末 |
|---|---|---|---|
| 定圧作動装置 | — | — | あり |
| 自動冷凍機 | 二酸化炭素の低圧式のみ | — | — |
| 閉止弁 | あり(不活性ガスのみ) | — | — |
| 制御盤の基準(告示) | あり | あり | 対象外 |
「どの設備にあって、どの設備に無いか」を先に固めると、鑑別と構造・機能の両方が同時に上がります。











