乙種2類は「泡消火設備」だけを扱う
消防設備士 乙種第2類は、泡消火設備の整備と点検を行える国家資格です。扱う設備が1つに絞られているのが特徴で、3類(不活性ガス・ハロゲン化物・粉末の3設備)や5類(避難はしご・救助袋・緩降機)のように複数の設備をまとめて覚える必要がありません。
泡消火設備は、駐車場・自動車の修理整備工場・航空機の格納庫・道路の部分など、油火災のおそれがあり、水だけでは消えにくい場所に使われます。水に泡消火薬剤を混ぜて泡を作り、燃えているものを覆って空気を遮断します。
甲種第2類との違いは業務範囲です。甲種は工事と整備の両方ができますが、乙種は整備だけで工事はできません。
受験資格がなく、製図もない
| 項目 | 乙種2類 | 甲種2類 |
|---|---|---|
| 受験資格 | なし(誰でも受験できる) | あり |
| 業務範囲 | 整備・点検 | 工事・整備 |
| 受験料 | 4,400円 | 6,600円 |
| 試験時間 | 1時間45分 | 3時間15分 |
| 筆記 | 30問 | 45問 |
| 実技 | 鑑別等5問のみ(製図なし) | 鑑別等5問+製図2問 |
筆記30問の内訳は、消防関係法令10問(共通6+類別4)、基礎的知識5問(機械3+電気2)、構造・機能・整備15問(機械8+電気4+規格3)です。
出典: 試験科目・問題数(乙種) / 受験の手引き
乙種2類は機械と電気の両方が出ます。 同じ乙種でも5類・6類は電気の出題がゼロ、4類・7類は機械の出題がゼロですが、1類・2類・3類は両方出ます。
受験者761人は13区分で最少
令和6年度の実績です。
| 区分 | 申請者 | 受験者 | 合格者 | 合格率 |
|---|---|---|---|---|
| 乙種2類 | 909 | 761 | 200 | 26.3% |
| 甲種2類 | 5,012 | 3,890 | 1,061 | 27.3% |
出典: 令和6年度 試験実施状況
乙種2類の受験者761人は消防設備士13区分で最も少ない数字です。合格率26.3%は下から4番目で、甲種2類(27.3%)を下回っています。「乙種のほうが簡単」という一般論は2類でも成立しません。受験資格がないぶん、準備が十分でない層も母集団に入ることが背景にあると考えられます。
受験者が少ないということは、市販の教材も少ないということです。2類の書籍はすべて甲種・乙種の共用で、乙種2類専用のテキストは市場に存在しません。
🚨 泡には「2つの法体系」がある — 最大の落とし穴
乙種2類で最も注意が要るのは、泡消火設備には基準が2つあることです。
- 一般の防火対象物(駐車場・自動車修理工場・航空機格納庫など。消防法施行令第15条と消防法施行規則第18条)
- 危険物の製造所等(危険物の規制に関する規則の審査基準、いわゆる別記9の3)
消防設備士 乙種2類が前提にしているのは前者です。 ところが解説記事や参考資料の多くが両者を区別せずに数値を並べているため、覚えた数字がそもそも別の制度のものだった、ということが起こります。
| 項目 | 一般の防火対象物(乙2はこちら) | 危険物の製造所等 |
|---|---|---|
| 移動式のホース接続口までの水平距離 | 15メートル以下(屋内外の別なし) | 屋内25メートル/屋外40メートル |
| 同時に使うノズルの数 | 2個(接続口が1個なら1個) | 4個 |
| ノズル1個あたりの放射量 | 道路等 100リットル毎分/その他 200リットル毎分 | 屋内200/屋外400リットル毎分 |
| 放射を継続する時間 | 15分間 | 30分間 |
| 一の放射区域の面積 | 道路 80〜160平方メートル/その他 50〜100平方メートル(上限がある) | 100平方メートル以上(上限なし) |
⚠️ さらに、「起動後5分以内に泡水溶液を送る」「加圧送液装置から水平距離500メートル以下」という数値も一般の防火対象物の基準ではありません。 消防法施行令第15条にも消防法施行規則第18条にも、この規定は存在しません(e-Gov 法令検索の原文で確認)。条文の主語が「加圧送液装置」であることが、製造所等側の規定であることを示しています。
数値を覚えたら、「これは一般の防火対象物の値か、製造所等の値か」を1回自問する。この一手間があるかどうかで得点が変わります。
学習の中心は「混合装置」と「泡消火薬剤」
① 混合装置の4方式(構造・機能15問の核心)
泡消火設備は水と泡消火薬剤を混ぜて泡を作るので、どこでどう混ぜるかが設備の型を決めます。ポンプ混合方式・ライン混合方式・プレッシャー混合方式・プレッシャーサイド混合方式の4つを、薬剤タンクの位置と水の流れで区別できるようにするのが最優先です。
② 泡消火薬剤3種の数値
たん白泡・合成界面活性剤泡・水成膜泡の3種で数値が違います。
| 薬剤 | 標準放射量(床面積1平方メートル当たり) | 低発泡の発泡倍率 |
|---|---|---|
| 水成膜泡 | 3.7リットル毎分以上 | 5倍以上 |
| たん白泡 | 6.5リットル毎分以上 | 6倍以上 |
| 合成界面活性剤泡 | 8.0リットル毎分以上 | 6倍以上 |
水成膜泡だけが両方とも数字が1つ小さいという並びなので、2つの表をまとめて処理できます。
なお 2類には「泡消火薬剤の技術上の規格を定める省令」(昭和50年自治省令第26号)が実在します。発泡倍率・25%還元時間・拡散係数はこの省令が根拠です。3類(不活性ガス・ハロゲン化物・粉末)には規格省令が存在せず告示が根拠になるので、そこは対照的です。
まず現在地を測る
当サイトの乙種2類 練習問題 83問は、消防関係法令24問、基礎的知識15問、構造・機能及び整備32問、実技の鑑別12問をカテゴリ別に解けます。数値はすべて消防法施行令第15条・消防法施行規則第18条・泡消火薬剤の規格省令の原文で確認して作問しており、全問に解説と根拠条文が付いています。登録不要・全問無料です。
本試験と同じ1時間45分で通すなら模擬試験を使ってください。
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